結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30296号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2048255号の1商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和54年11月29日に登録出願され、「SCORPION」の文字を横書きしてなり、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同63年5月26日に設定登録された登録第2048255号商標について、平成10年2月9日に商標権の分割移転の登録がされた結果、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品但し、釣り具、その部品及び附属品を除く」を指定商品として、現に有効に存続するものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
(1) 請求人は、その構成に「SCORPION」の文字を含む商標を出願したところ、本件商標を拒絶引用されたが、調査の結果、本件商標はその指定商品中「おもちゃ、人形、娯楽用具」について、我が国において、継続して3年以上、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用されていないことが判明した。
よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、指定商品中「おもちゃ、人形、娯楽用具」について取り消されるべきものである。
(2) 被請求人は、「下げ札」(乙第2号証)を提出し、かつ「店頭での、或いは商品への下げ札付き写真」(乙第3号証の1〜4)を提出して、継続使用を主張しているが、これらの証拠のみでは商標法第50条の「継続使用」とは認められない。
(3) 商標法第50条での「使用」が認められるのは、イ)審判請求登録前の3年以内に、ロ)日本国内において、ハ)商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかが、ニ)取消の対象となる指定商品について、継続的に使用していることを被請求人が証明することが必要とされる。
(4) 被請求人は、上記(3)イ)及びニ)の要件については証明していない。
すなわち、被請求人は、出願時から現在迄継続使用している旨を文言で主張するのみで、何ら裏付けるもの、例えば発行日付カタログ、同広告チラシ、取引伝票等を提出していない。乙第3号証の1〜4では上記イ)の要件を全く充たしていない。
同時に、取消対象商品は「おもちゃ」であるにも拘らず、乙第3号証の1には「おもちゃ」は見当らず、同第3号証の2の「サソリ」もおもちゃではなく、同第3号証の3、4の「熊避け鈴」もサソリ同様おもちゃではない。
よって、被請求人は、審判請求登録前3年以内の継続使用について何ら証明しておらず、しかも使用している商品は取消対象としての「おもちゃ」ではない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第5号証(枝番を含む。)を提出している。
(1) 被請求人は、本件商標をその請求に係る指定商品について、本件審判請求の予告登録前3年以内に使用している事実がある。これを、以下において立証する。
(2) 被請求人である日本用品株式会社(通称「ニッピン」)は、昭和26年から継続して、乙第1号証として提出する「NIPPIN Catalogue 1998〜99 ORIGINAL GOODS」に示されるように、テント、シュラフ、リックサックなどの登山用品、キャンプなどのアウトドアー用品並びにそれらに関連する一連の商品を販売している会社である。被請求人は、上記カタログに示すように、本来の登山用品、アウトドアー用品の他に、これに付随する「おもちゃ、娯楽用具」などの小物商品は、上記カタログに掲載しないで、その年の流行、売れ筋等に合わせて多種多様の商品を、「SCORPION」の下げ札を付けて、店頭で販売している。これらの商品の販売は、秋葉原登山本店(東京都千代田区外神田3丁目11番11号)の他、秋葉原2号店(東京都千代田区外神田の秋葉原登山本店の近隣)、神田小川町店(御茶の水 スポーツ街中央)、グローバススポーツ(御茶の水 スポーツ街)の各店で、同様に付属品として販売されている。
(3) 乙第2号証は、本件商標「SCORPION」の表示をした「下げ札」である。この「下げ札」は、横長厚紙に欧文大文字で「SCORPION」の表示と登録商標である旨のマル「R」の表示がなされている。この「下げ札」は、以下に示すように、商品「おもちゃ」に吊り下げられて、現実に継続して使用されている。
(4) 乙第3号証の1〜4として提出する各種の「写真」は、被請求人が、平成9年から10年に掛けて店頭で販売している指定商品「おもちゃ」に本件商標「SCORPION」を表示した「写真」の一部である。この「写真」に示すように、複数商品「おもちゃ」について「SCORPION」の「下げ札」を吊した商品は、本件商標の出願時の昭和54年から使用を開始しており、その後も今日まで継続使用は維持されている。
(イ) 乙第3号証の1は、店頭において現実に乙第2号証の「SCORPION」の表示をした「下げ札」を各種の商品おもちゃに吊して陳列した状態の写真である。このように、本件商標「SCORPION」は、各種の商品おもちゃに「下げ札」をもって、被請求人の本店並びに各支店の店頭で、現実に使用されていることが明らかである。
(ロ) 乙第3号証の2は、上記乙第3号証の1で示した商品のうち、プラスチック製の玩具に、乙第2号証に示した「下げ札」を吊した「プラスチック製のサソリおもちゃ」の拡大した写真である。この写真から商品「おもちゃ」について、本件商標の使用の事実が明らかである。
(ハ) 乙第3号証の3は、上記乙第3号証の1で示した商品のうち、「熊避け鈴」に、上記同様に乙第2号証に示した「下げ札」を吊り下げたおもちゃの拡大した写真である。「熊避け鈴」は、登山用品の付属品でもあるが、その装飾性の豊かさと、鈴の音色の良いことから「おもちゃ」としても広く使用されている商品である。この写真から商品「おもちゃ」についても、本件商標の使用の事実が明らかである。
(ニ) 乙第3号証の4は、乙第3号証の3と同様、他の種類の「熊避け鈴」に、乙第2号証に示した「下げ札」をつけたおもちゃの拡大した写真である。この写真から商品「おもちゃ」についても、上記同様に、本件商標の使用の事実が明らかである。
(5) 以上のことから、被請求人は、請求に係る指定商品について審判請求の予告登録前3年以内に登録商標の使用をしていることは明らかである。
(6) 請求人は、乙第2号証の「下げ札」について、何ら裏付けるものがないと述べているが、被請求人提出の写真(乙第3号証1〜4)で使用の事実の立証は十分であると考える。
しかし、被請求人は、念のため「下げ札」を作成した事実を、平成10年2月24日付で納品された取引伝票の写(乙第4号証)で立証する。この乙第4号証よれば、「下げ札」が、作成者から平成10年2月24日に納品された事実が明らかであり、使用が裏付けられることが立証される。
(7) 請求人は、商品「サソリ」、「熊避け鈴」が「おもちゃ」に該当していないと主張しているが、「サソリ」、「熊避け鈴」が「おもちゃ」でないという証拠はどこにもない。「おもちゃ」でないという反論は立証して説明すべきである。
「おもちゃ」について、被請求人は世間一般の通例から文献をもって立証する。すなわち、広辞苑(1991年11月15日発行)第388頁(乙第5号証)に、おもちゃ(玩具)について、定義されている。乙第5号証によれば、「おもちゃ」とは、「子供がもってあそぶ道具。がんぐ。ただ楽しむだけのもの、なぐさみもの。」と明記されている。使用している商品「サソリ」、「熊避け鈴」が、上記「おもちゃ」の定義の範疇に含まれることは明白である。また、「サソリ」、「熊避け鈴」が、当社で販売しているからといって、登山用品でないことも誰が見ても明白な事実である。
被請求人は、本件商標を取消請求に係る指定商品中「おもちゃ」について使用している旨述べ、その事実を立証するとして証拠を提出しているので、該証拠について検討する。
乙第1号証は被請求人の取扱に係る商品のカタログと認められるが、被請求人も主張するように、これには商品「おもちゃ」は掲載されておらず、本件商標の記載もない。
乙第2号証は、本件商標と同一の「SCORPION」の文字が印刷された下げ札と認められるところ、この下げ札のみでは商品「おもちゃ」について実際に使用されているということはできない。
乙第3号証の1ないし4は、商品「熊避け鈴」及び「プラスチック製サソリおもちゃ」を撮影した写真と認められる。
請求人は、上記「熊避け鈴」及び「プラスチック製サソリおもちゃ」が「おもちゃ」ではないと主張しているが、例えば、商品「おもちゃ」の範疇には「鈴おもちゃ」等が含まれるのであって、上記「熊避け鈴」及び「プラスチック製サソリおもちゃ」が「おもちゃ」ではないと断定することはできないし、請求人もその主張を裏付ける証左を何ら示していないので、請求人の主張は採用できない。
しかして、上記写真は、被請求人の答弁書中に「平成10年2月撮影」の文言がみられるも、具体的な日時、撮影者、撮影場所等が特定されておらず、「平成10年2月撮影」を客観的に立証しているものとはいえないから、これをもって直ちに本件審判請求の登録前3年以内の期間内に撮影されたものとは認め難い。
しかも、店頭において現実に「下げ札」を各種商品おもちゃに吊して陳列した状態を撮影した写真であるとする乙第3号証の1は、いずれの店頭であるのか不明であるし、その状態は、上記「熊避け鈴」と上記「下げ札」が吊り下げられていることがわかるとしても、その「下げ札」は、全部の「熊避け鈴」に付けられている訳ではなく、表側の一部の「熊避け鈴」に付けられているにすぎず、商品名や価格が記載されているということもない。また、乙第3号証の2ないし4は、単に商品に「下げ札」を取り付けた状態を示した写真であって、現実の取引の場に置かれた状態のものとはいい難いものである。
そうすると、これらの写真は、実際に商品に「下げ札」が吊り下げられて販売されている状態を撮影したとするには不自然であるから、これらの写真のみによって、本件商標が上記「熊避け鈴」及び「プラスチック製サソリおもちゃ」について使用されているということはできない。
さらに、被請求人は、取引伝票の写し(乙第4号証)を提出しているが、これによれば、作成者から被請求人に対して上記「下げ札」が納品されたことが認められるとしても、該取引伝票は上記「熊避け鈴」及び「プラスチック製サソリおもちゃ」が実際に取引されたことを示すものではないから、これをもって、本件商標が上記「熊避け鈴」及び「プラスチック製サソリおもちゃ」について使用されているということはできない。
してみれば、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標が、本件審判請求の登録前3年内に我が国において、取消請求に係る指定商品について被請求人によって使用されていたということはできない。
その他、本件商標が取消請求に係る指定商品について使用されていることを示す証拠はない。また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があるともいえない。
したがって、本件商標の登録は、結論掲記の指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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