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Trademark Appeal Case

「ニオイに速攻」の品質表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025007409
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年3月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年10月29日付け:拒絶理由通知書

令和6年11月26日 :意見書の提出

令和7年 2月14日付け:拒絶査定

令和7年 5月14日 :審判請求書の提出

令和7年10月 1日付け:審尋

令和7年11月10日 :回答書の提出

2 本願商標

本願商標は、「ニオイに速攻」の文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおりの商品を指定商品として、登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

原審において、「本願商標は、「ニオイに速攻」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「ニオイ」の文字は「そのものから漂ってきて、嗅覚を刺激するもの。」の意味を有する「匂い」、又は「嗅覚を刺激する、不快なくさみ。」の意味を有する「臭い」の文字を片仮名で表した語であり、「に」の文字は、名詞、名詞に準じる語、動詞の連用形・連体形などに付く格助詞であり、「速攻」の文字は、「すぐさま。」の意味を有する語であるから、本願商標は全体として「嗅覚を刺激するニオイにすぐさま」ほどの意味合いを認識させるものある。そして、本願の指定商品中、「口臭用消臭剤,身体用消臭剤,その他の化粧品,芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。)」等の防臭や消臭に関わる商品を取り扱う業界において、「ニオイに速攻」の文字が、ニオイにすぐに対処する又は効果のある商品に使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が「ニオイにすぐに対処する又は効果のある商品」であるといった意味合いを認識するにとどまるので、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。

4 当審における審尋

当審において、上記1の審尋により、別掲2のとおりの事実を示した上で、本願商標は、その指定商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。

5 審尋に対する請求人の意見(要旨)

請求人は、上記4の審尋に対して、令和7年11月10日に回答書を提出し、要旨以下のとおりの意見を述べた。

(1)上記4の審尋の中で、本願商標である「ニオイに速攻」からは「においに素早く攻撃する」という意味合いが生じるとの認定をされているが、「におい」を「攻撃する」との表現は比喩的な表現にすぎず、かかる意味合いが本願の指定商品の品質を直接的に表すものであるとはいえない。

(2)本願商標は、末尾を「速攻」との名詞であえて終わらせて、「ニオイに速攻」という中途半端な表現にしている点で特異性があり、上記4の審尋で提示されたウェブサイトの用例は、「速攻」の文字の後に他の語が付された表現にすぎず、その意味合いも「すぐさま、ただちに」のように副詞的に使用されており、「素早く攻撃する」との意味合いで使用されているものではない。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、「ニオイに速攻」の文字を標準文字で表してなるところ、「くさいかおり」「臭気」等を意味する「匂い」又は「臭い」の語を片仮名表記した「ニオイ」の語と、「競技や戦で、相手をすばやくせめたてること。」を意味する「速攻」(いずれも出典は「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の語とを、助詞「に」で結合してなるものであると容易に理解できるものである。

そして、別掲2のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、「速攻」の文字が、「(におい等を)素早く攻撃する」ほどの意味合いで消臭等に関する商品に多数使用されている実情にあることが確認できる。

また、原審で提示したインターネット情報によれば、「ニオイに速攻」の文字は、においに素早く攻撃する効果を有する商品に使用されている実情にあることも確認できる。

そうすると、本願商標は、その構成全体から、「においに素早く攻撃する」ほどの意味合いを認識させるものであり、これを、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「においに素早く攻撃する効果を有する商品」であることを認識するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。

また、本願商標をその指定商品中の「においに素早く攻撃する効果を有する商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、上記5(1)のとおり、本願商標である「ニオイに速攻」からは「においに素早く攻撃する」という意味合いが生じるとの認定に関して、「におい」を「攻撃する」との表現は比喩的な表現にすぎず、かかる意味合いが本願の指定商品の品質を直接的に表すものであるとはいえず、また、上記5(2)のとおり、本願商標は、末尾を「速攻」との名詞であえて終わらせて、「ニオイに速攻」という中途半端な表現にしている点でも特異性があり、引用のウェブサイトは、「速攻」の文字の後に、他の語が付された表現にすぎず、その意味合いも「すぐさま、ただちに」のように副詞的に使用されている旨主張している。

しかしながら、別掲2のとおり、本願の指定商品に関連する分野において、「速攻」の文字は「(においに)すぐに対処する又は効果のある」こととほぼ同義として「(においを)素早く攻撃する」ほどの意味合いで、その文字自体が、商品の品質表示を具体的に表示する語として広く使用されている実情があることに照らせば、本願商標は、比喩的な表現とはいえず、商品の品質(効能)を具体的に表示するものと認識、理解させるというべきである。

そして、本願商標の採択の意図が、請求人の主張どおり、末尾を「速攻」との名詞であえて終わらせて、「ニオイに速攻」という中途半端な表現にしているとしても、取引者、需要者において、本願商標をその意図どおりのものとして認識するとは必ずしもいえず、むしろ、本願商標の各構成文字の意味と、上記の取引の実情に照らせば、本願商標に接する取引者、需要者は、その商品が「においに素早く攻撃する効果を有する商品」であることを容易に認識、理解させるというべきである。

イ 請求人は、過去の登録例では、構成中に「速攻」の文字を含む商標登録が認められており、これらの登録例は、本願商標と構成が近い商標に関し、商標登録を認めた事例を示すものであり、本願商標の自他商品識別力の有無の判断に当たって、これらの登録例と異なった判断をする合理性はない旨主張している。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品との関係や、その商品の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、これらの登録例は、商標の構成態様や指定商品、判断時期が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。

ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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