結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025009643 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年6月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年12月17日付け:拒絶理由通知書
令和7年 3月14日 :意見書の提出
令和7年 4月15日付け:拒絶査定
令和7年 6月20日 :審判請求書、物件提出書の提出
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類「トルティーヤ,トルティーヤチップス菓子」を指定商品として登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6783339号商標(以下「引用商標」という。)は、「CarbBalance」の欧文字と「カーボバランス」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、令和5年9月1日登録出願、別掲2のとおりの商品を指定商品として、同6年2月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上半分には、赤い線で縁取られた黄色い構造物状の図形と、横長の赤色長方形が配され、そのうち構造物状の図形内には白抜きされた地に鐘を表したと考えられる図形が赤色で、長方形内には「mISSIOn」の欧文字が白抜きで、それぞれ表されているものであり(以下、これを「上部分」という。)、また、下半分には、線や一部の角がやや湾曲した、上幅の広い青色の台形が配され、その台形の上3分の2程度の薄い青色部分に「CARB BALANCE」の文字が白抜きで表され、同下3分の1程度は濃い青色で表されているもの(以下、これを「下部分」という。)である。
ここで、上部分と下部分とは、重なり合うことなく配置されている上、基調とする色彩は明らかに異なるものであり、また、同じく白抜きで表されている文字についても、それぞれ書体が異なるものであるから、これらは視覚上、分離して看取されるものである。
そして、各部分の文字をみるに、「mISSIOn」(MISSION)の文字は「使命、任務」などを、「CARB」の文字は「炭水化物」を、「BALANCE」の文字は「釣り合い、均衡」などを、それぞれ意味する語であるところ(出典:「新英和中辞典 第7版」株式会社研究社)、これらの文字全体から何らか特定の意味合いが理解されるというべき事情は見当たらないことから、これらの文字の間に観念的なつながりがあるとはいえないものである。
加えて、本願商標を構成する文字全体より生じる称呼「ミッションカーボバランス」は、11音とやや冗長である。
したがって、本願商標は、その構成中の上部分と下部分とを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえず、各部分がそれぞれ独立して出所識別標識として機能するものというのが相当である。
次に、下部分についてみるに、その構成中の「CARB」の文字と「BALANCE」の文字の意味は上述のとおりであるところ、これらを結合して成語となるものではなく、また、「CARB BALANCE」の文字や、この読みを片仮名で表した「カーボバランス」の文字などが、我が国において特定の意味合いで使用されている事実など、両語を結合したことにより何らか具体的な意味合いが認識されるというべき事情も見いだせないことからすれば、「CARB BALANCE」の文字は、特定の意味合いを認識させない造語として認識されるものというのが相当である。
以上のことからすれば、本願商標よりは、その構成文字全体から「ミッションカーボバランス」の称呼が生じるほか、下部分の構成文字に相応した「カーボバランス」の称呼も生じるものであり、また、特定の観念が生じるとはいえないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、「CarbBalance」の文字と「カーボバランス」の文字とを上下二段に黒色で横書きしてなるものであり、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを片仮名で表したといえるものである。また、その構成中の「CarbBalance」の文字は、そのうち「C」及び「B」のみが大文字となっていることから、「Carb」及び「Balance」の語を結合したものと容易に理解し得るものであるところ、各語の意味や、両語を結合した場合に特定の意味合いを認識させるものでないことは、上記アのとおりである。
そうすると、引用商標よりは、その構成文字に相応した「カーボバランス」の称呼が生じるものであり、また、特定の観念が生じるとはいえないものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては明らかに相違するものであるが、本願商標の要部の一つたる下部分と引用商標との比較においては、図形の有無や片仮名の有無、文字の色彩や書体、大文字と小文字の違いなどの差異はあるものの、欧文字のつづりは共通しており、一定程度近似した印象を与えるものといえる。
そして、称呼においては、「カーボバランス」の称呼を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念は生じないことから、比較することができないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないものであり、また、全体の外観及び称呼においては相違があるものの、本願商標の要部の一つたる下部分と引用商標の対比においては、外観において一定程度近似した印象を与えるものであり、かつ、「カーボバランス」の称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定商品「トルティーヤ,トルティーヤチップス菓子」と、引用商標の指定商品中、第29類「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。),ポテトチップス,果実を主原料とするスナック食品」及び第30類「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,アイスクリーム,シャーベット」とは、同一又は類似するものである。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標構成中の「mISSIOn」の文字は、「CARB BALANCE」の文字の2倍の太さの線で強調して表されているなど、視覚的に文字が強調される態様で表されており、また、これは長い歴史を持ち、世界50カ国以上で親しまれている、トルティーヤの世界的ブランドを表示するものであって、本願の指定商品を取り扱う分野において、すでに一定の認知度を獲得しているものであるのに対し、同構成中の「CARB BALANCE」の文字は、水色と白色のコントラストが弱いことから、視覚的に文字が強調されることがなく、また、同文字は「炭水化物のバランスのとれた」といった意味合いで理解され、食品との関係では記述的な表示といえるものであるから、「mISSIOn」の文字部分との対比においては、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるということはできず、したがって、本願商標の構成中の「CARB BALANCE」の文字部分だけを抽出して、引用商標と比較して商標の類否を判断することは相当ではない旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中の上部分と下部分とを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえず、各部分がそれぞれ独立して出所識別標識として機能するものというのが相当であることは、上記(1)アのとおりである。
そして、「CARB BALANCE」の文字から、具体的な意味合いが認識されるとはいえないことも、上記(1)アのとおりであって、同文字が、本願の指定商品との関係において、出所識別標識としての機能を有しないか、又は、同機能が極めて弱いものであるとはいえず、また、本願商標の構成中の「mISSIOn」の文字が、請求人ブランドの商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者に一定程度広く知られているということを示す具体的な証拠は、何ら提出されておらず、当審における職権による調査でも、そのことを示す事実は見当たらなかった。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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