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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第15号「著名商標「POLO」との混同」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第20443号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第20443号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
著名商標「POLO」との混同
適用条文
第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第20443号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「著名商標「POLO」との混同」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ROYAL POLO SPORTS CLUB」の欧文字を横書きしてなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成4年6月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、アメリカ合衆国ニューヨーク州在の『ザ ポロ ローレン カンパニー』が商品『被服、ネクタイ』に使用して本願の出願時には既に著名となっている商標『POLO』の文字を有してなるものであるから、このような商標を本願の指定商品に使用するときには、これが恰も上記会社或いはこれと何等かの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、その出願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)株式会社講談社(昭和53年7月20日)発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング(昭和58年9月28日)発行「舶来ブランド事典『’84ザ・ブランド』」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、かばんなどのデザインをはじめ、紳士物全般に拡大し、1971年には婦人服の分野にも進出した。1970年と1973年に服飾業界で最も名誉とされる「コティ賞」を受賞し、1974年に、映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことからアメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。この頃から、その名前は我が国の服飾業界においても広く知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各標章が使用され、これらは「ポロ」の略称で呼ばれるようになった。

(2)株式会社洋品界(昭和55年4月15日)発行「月刊『アパレルファッション店』別冊、1980年版『海外ファッション・ブランド総覧』」、株式会社アパレルファッション(昭和57年1月10日)発行「月刊アパレルファッション2月号別冊 海外ファッション・ブランド総覧」の「ポロ/POLO」の項、及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、販売をしたことが認められる。

(3)また、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士用品については、前出「男の一流品大図鑑」、「舶来ブランド事典『’84ザ・ブランド』」をはじめ、株式会社講談社(昭和55年1月20日)発行「男の一流品大図鑑’81」、同社(昭和55年11月15日)発行「世界の一流品大図鑑’80年版」、同社(昭和56年6月20日)発行「世界の一流品大図鑑’81年版」、株式会社チャネラー(昭和53年9月20日)発行「別冊チャネラー ファッション・ブランド年鑑’80年版」、株式会社講談社(昭和60年5月25日)発行「FASHION SHOPPING BIBLE’85 流行ブランド図鑑」などの書籍において、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題のもとに紹介されていることが認めらる。

(4)「Polo」標章に関し、判決においても、「我が国において、遅くとも本件商標の登録出願がされた昭和59年までには既に、引用標章(Polo)がラルフ・ローレンのデザインに係る被服等及び眼鏡製品を表す標章であるとの認識が広く需要者及び取引関係者の間に確立していたものということができる。」旨認定しているところである。(平成2年(行ヶ)第183号 東京高等裁判所 平成3年7月11日判決言渡)

(5)さらに、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される標章を模倣した、偽物ブランド商品が市場に出回っている事実も少なくない。例えば、1989年5月19日付朝日新聞には、「昨年二月ごろから、米国の『ザ・ローレン・カンパニー』社の・・・『Polo』の商標と、乗馬の人がポロ競技をしているマークをつけたポロシャツを・・・売っていた疑い。」なる記事が掲載された。また、1992年9月23日付読売新聞(東京版、朝刊)、1993年10月13日付読売新聞(大阪版、朝刊)、1999年9月9日付日本経済新聞等にも同様の記事が掲載され、昭和63年には既に、我が国において「Polo」の文字、馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形などを使用した偽物ブランド商品が出回っていた事実が認められ、その後も同様な事例が跡を絶たないことを窺わせるものである。

(6)上記(1)ないし(5)で認定した事実を総合すれば、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される標章は、「Polo」の文字とともに、「by Ralph Lauren」の文字及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」などの各標章であると認められるところ、我が国においては、これらの標章を総称して単に「Polo」、「ポロ」と略称していたということができ、「Polo」(ポロ)の標章は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服及び眼鏡製品について使用される標章として、本願商標の登録出願前には既に、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その認識の度合いは現在においても継続しているというのが相当である。

(7)本願商標は、前記に示したとおりの構成よりなるものであるところ、構成文字全体をもって親しまれた団体名称を表したものとは認め難いし、一連不可分にのみ認識されるべき格別の理由も見出し難く、その構成中に、前記(6)で認定したラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、婦人服等の被服及び眼鏡製品について使用され、我が国においても取引者、需要者に広く認識されている標章と同一綴り文字よりなる「POLO」の文字を有してなるものであることは明らかである。

してみると、本願商標をその指定商品について使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、前記した事情よりすれば、「POLO」の文字部分に強く印象付けられ、前記広く認識されている標章を連想、想起し、該商品がラルフ・ローレン、もしくはその関連会社の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

(8)請求人(出願人)は、本願商標は、その構成より「POLO」の文字部分のみを分離しなければならない理由はなく、また、「POLO」の語は、ポロ競技及びポロ競技において着用するポロシャツを表示する普通名称であるから、アパレル関連商品については自他商品の識別機能を有しないか、極めて弱いものであり、かつ、取引者、需要者は、ラルフ・ローレンのポロと他の「POLO」の文字を含む商標と区別しているから、本願商標をその指定商品について使用しても、「ザ ポロ ローレン カンパニー」もしくはこれと何等かの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないから、本願商標は登録されるべきである旨主張する。

しかしながら、「Polo」(ポロ)の標章が、本願商標の出願前には既に、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服及び眼鏡製品について使用される標章として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたこと前記したとおりであり、その偽物商品が市場に多数出回っている事実があること、ポロ競技が我が国においてはさほど馴染みのあるスポーツではないことなどを総合すれば、ファッション関連の商品に「Polo」、「POLO」、「ポロ」などの文字を使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、スポーツ競技の名称あるいは商品「ポロシャツ」を表したと理解するというより、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表したと認識するというのが相当であるから、本願商標をその指定商品について使用した場合、該商品が、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品、ないしはその関連会社の取扱いに係る商品との間に、出所の混同を生じさせるおそれがないと断ずることはできず、このことは、過去において「POLO/ポロ」の文字を含む商標が多数併存して登録されている事実が存在するとしても、これにより前記認定が左右されるものではない。

(9)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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