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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025014326
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続経緯

本願は、令和6年12月27日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和7年2月12日付け:拒絶理由通知書

令和7年3月27日受付:意見書

令和7年6月18日付け:拒絶査定

令和7年9月10日 :審判請求書

2 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類及び第43類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下の商標をまとめて「引用商標」という場合がある。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第6758988号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:「あいよっ!!」(標準文字)

登録出願日:令和5年 6月15日

設定登録日:令和5年12月 1日

指定商品及び指定役務:別掲3のとおり

(2)登録第6758989号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲4のとおり

登録出願日:令和5年 6月15日

設定登録日:令和5年12月 1日

指定商品及び指定役務:別掲5のとおり

4 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、「産地直送」、「粋」(「粋」の文字は赤色円形輪郭内に赤字で大きく表されている。)、「な居酒屋」及び「あいよ」の各文字を筆文字風の書体で表してなるところ、その構成中、「粋」の文字の右横に「産地直送」及び「な居酒屋」の各文字が上下二段に配されていることから、「産地直送」及び「粋な居酒屋」の文字を表したものと容易に理解される。

そして、本願商標の構成中、「あいよ」の文字は、「相手のことばに承諾したり、気軽に返事をしたりする時に用いることば。」(「精選版 日本国語大辞典」参照)の意味を有する語であるところ、本願商標の構成において、他の文字部分とは重なることなく右側に明瞭に表されていること及び太字で大きく目を引く態様で表されていることからすれば、構成全体の中において、出所識別標識としては、他の構成要素から分離、独立した、強い印象を与えるものである。

他方、本願商標の構成中、「産地直送」の文字は、原審説示のとおり、「生産者から消費者へ直接商品が届けられること」程度の意味合いを有する語であり、また、「粋な居酒屋」の文字は、「人情の表裏に通じ、特に遊里・遊興に関して精通していること。」を意味する「粋」の文字と、「店先で酒を飲ませる酒屋。また、安く酒を飲ませる店。」を意味する「居酒屋」の文字(いずれも「広辞苑第七版」岩波書店参照)を、助詞の「な」で結合したものであるから、「産地直送」及び「粋な居酒屋」の文字部分は、「産地直送品を取り扱う粋な居酒屋」程度の意味合いを想起させるものであって、本願商標の指定役務に関連する飲食物等を取り扱う業界において、出所識別標識として機能しないか又はその機能が極めて弱いものである。

そうすると、本願商標は、その構成中、「あいよ」の文字部分が、出所識別標識として、強く支配的な印象を与えるもので、その他の構成部分から、出所識別標識としての称呼及び観念は生じないから、当該文字部分を本願商標の要部として分離、抽出し、他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。

以上を踏まえると、本願商標は、その要部に相応して、「アイヨ」の称呼が生じ、「相手のことばに承諾したり、気軽に返事をしたりする時に用いることば。」の観念が生じる。

(2)引用商標について

ア 引用商標1は、「あいよっ!!」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「あいよ」の文字と、促音である「っ」の文字及び感嘆符である「!!」を組み合わせてなるものと容易に理解されるものである。

そして、構成中の「あいよ」の文字は、「相手のことばに承諾したり、気軽に返事をしたりする時に用いることば。」(「精選版 日本国語大辞典」参照)の意味を有する語であり、これに続く促音「っ」及び感嘆符「!!」は、上記「あいよ」の文字を強調するために付されたものとみるのが相当であるから、それ自体がさほど強い印象を与えるものではない。

そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して「アイヨッ」の称呼を生じ、「相手のことばに承諾したり、気軽に返事をしたりする時に用いることば。」の観念を生じる。

イ 引用商標2は、別掲4のとおり、「京串揚げとお酒」及び「あいよっ!!」の文字を、筆文字風の書体で二段に表し、その右下に小さく「串」の文字からなる落款と思しき図形を配した構成からなるものである。

そして、引用商標2の構成中、「あいよっ!!」の文字は、他の文字部分とは重なることなく中央に明瞭に表されていること及び太字で大きく目を引く態様で表されていることからすれば、構成全体の中において、出所識別標識としては、他の構成要素から分離、独立した、強い印象を与えるものである。

他方、引用商標2の構成中、「京串揚げとお酒」の文字は、「京都の特称。」を意味する「京」の文字と「一口大にした肉・魚介・野菜などを串に刺して揚げたもの。」を意味する「串揚げ」の文字と「アルコール分を含み、飲むと酔う飲料の総称。」を意味する「酒」の丁寧語とを組み合わせたものであるから(いずれも「広辞苑第七版」岩波書店参照)、「京串揚げとお酒」の文字は、「京都の串揚げと酒」程度の意味合いを有する語であり、引用商標2に関連する飲食物等を取り扱う業界において、出所識別標識として機能しないか又はその機能が極めて弱いものである。

そうすると、引用商標2は、その構成中「あいよっ!!」の文字部分が、出所識別標識として、強く支配的な印象を与える一方、その他の構成部分から、出所識別標識としての称呼及び観念は生じないから、当該文字部分を引用商標2の要部として分離、抽出し、他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。

以上を踏まえると、引用商標2は、その要部に相応して、「アイヨッ」の称呼が生じ、「相手のことばに承諾したり、気軽に返事をしたりする時に用いることば。」の観念が生じる。

(3)本願商標と引用商標の類否について

ア 外観について、本願商標の要部と引用商標1を比較すると、両者は、「あいよ」の文字を共通にし、末尾において「っ」の文字及び「!!」の感嘆符の有無の差異を有するものの、当該文字及び感嘆符は、前に位置する「あいよ」の文字を強調するためのものであって、それ自体がさほど強い印象を与えるものではないから、外観において近似した印象を与える。

また、本願商標の要部と引用商標2の要部を比較すると、両者は、「あいよ」の文字を共通にし、末尾において「っ」の文字及び「!!」の感嘆符の有無の差異を有するものの、当該文字及び感嘆符は、前に位置する「あいよ」の文字を強調するためのものであって、それ自体がさほど強い印象を与えるものではなく、その書体(筆文字風)も似通ったものであるから、外観において近似した印象を与える。

イ 称呼について、本願商標の要部と引用商標1及び引用商標2の要部を比較すると、本願商標の要部から生じる「アイヨ」の称呼と、引用商標1及び引用商標2の要部から生じる「アイヨッ」の称呼とは、語尾において促音「ッ」の有無の差異を有するところ、当該差異音「ッ」はそれ自体が独立した1音として明確に発音、聴取されるものではなく、前音である「ヨ」の音に吸収され、明確には聴取され難い微弱音となるから、当該促音の有無が、比較的聴取され難い語尾に位置することも相まって、称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえない。そして、両称呼は、聴取される際に強く印象に残る語頭からの「アイヨ」の音を同じくするから、これらをそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似するものであって、両者は類似するというべきである。

ウ 観念について、本願商標の要部と引用商標1及び引用商標2の要部を比較すると、いずれも「相手のことばに承諾したり、気軽に返事をしたりする時に用いることば。」の観念を同一にする。

エ 以上のことからすると、本願商標の要部と引用商標1及び引用商標2の要部とは、外観において近似した印象を与え、称呼において類似し、観念を同一にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念等によって、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について

本願商標の指定役務中、第35類「焼き鳥の小売・卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等(別掲2の第35類下線部参照)と引用商標の指定商品は、小売等役務とその取扱商品の関係にあり、その対象となる商品を共通にするものであって、それらの商品の小売等役務の提供とその商品の販売は、一般的には同一事業者によって行われることが多いことからすると、役務の提供場所と商品の販売場所とを同一にする場合が多く、取引者、需要者を共通にするものである。

そうすると、本願商標の上記指定役務と引用商標の指定商品に同一又は類似の商標を使用するときは、同一事業者による役務又は製造、販売に係る商品と誤認混同を生じるおそれがあり、本願商標の上記指定役務と引用商標の指定商品は類似する。

また、本願商標の指定役務中、第43類「居酒屋における飲食物の提供及びこれに関する企画・管理・相談・仲介・助言・指導・情報の提供」等(別掲2の第43類下線部参照)と引用商標1の指定役務「飲食物の提供」及び引用商標2の指定役務「串揚げ料理を主とする飲食物の提供」は、同一又は類似する役務である。

(5)請求人の主張について

請求人は、本願商標又は本願商標の構成中「あいよ」の文字と引用商標1及び引用商標2の要部である「あいよっ!!」の文字とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはなく、仮に、両商標の称呼を共通にする場合があったとしても、外観において明確に区別でき、観念において相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合して勘案すれば、両商標は非類似である旨主張する。

しかしながら、本願商標の要部と引用商標1及び引用商標2の要部とは、外観において近似した印象を与え、称呼において類似し、観念を同一にすること上記(3)のとおりであるから、請求人の主張は、採用することができない。

(6)まとめ

以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似する役務を含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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