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Trademark Appeal Case

結合商標の識別力と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025016931
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和6年7月18日に登録出願された商願2024-077785に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、令和7年2月13日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和7年2月20日 :上申書の提出

令和7年2月21日付け:拒絶理由通知書

令和7年4月10日 :意見書の提出

令和7年7月28日付け:拒絶査定

令和7年10月23日 :審判請求書の提出

第2 本願商標

本願商標は、「LumieHUD」の文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。

第3 原査定の拒絶の理由

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6922707号商標(以下「引用商標」という。)は、「Lumie」の文字を標準文字で表してなり、令和5年12月21日に登録出願された商願2023-141753に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同6年3月14日に登録出願、別掲2のとおりの商品を指定商品として、同7年4月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号の該当性について

(1)本願商標について

本願商標は、「LumieHUD」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中の後半部分の「HUD」の文字は全て大文字であって、その直前の文字「e」は小文字であることから、視覚的に、「Lumie」の文字と「HUD」の文字の結合からなるものであると看取できるものである。

そして、本願商標の構成中の「HUD」の文字は、「自動車・航空機などのメーター表示をデジタル化して、フロントガラスやウインドシールドの前方に映し出す方式。運転者や操縦者は視線や焦点を変えることなくメーターが読める。HUD ハッド。」を意味する「ヘッドアップディスプレー」の略語として、一般に親しまれている語である(デジタル大辞泉 小学館)。

加えて、本願の指定商品には、例えば、「電子式数値表示ディスプレイ」や「車両用通信機械器具」のように、乗物のメーター表示をデジタル化して、フロントガラス等、操縦者の前方視界内に映し出す方式・装置が含まれているといえるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成中、「HUD」の文字部分を、本願の指定商品との関係において、商品の品質(内容)を表したものと理解、認識する場合も少なくないというのが相当である。

そうすると、本願商標の構成中、「HUD」の文字部分は、本願の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱いものといえる。

一方、本願商標の構成中の「Lumie」の文字は、辞書等に載録のない一種の造語として認識されるものであるところ、造語よりなる欧文字については、ローマ字又は英語に倣って称呼するのが一般的であるから、当該文字よりは、その構成文字に相応して「ルミエ」、「ルミー」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。また、当該文字は、本願の指定商品との関係において、商品の品質等を具体的かつ直接的に表したものとはいえず、これが自他商品の識別標識としての機能を有さないと判断しなければならない事情は見当たらない。

そして、本願商標は、標準文字によって一連に表記されていることを考慮しても、その構成全体をもってまとまりある一体的な意味合いを生じるものではなく、その構成中、「Lumie」の文字と「HUD」の文字について、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものである。

そうすると、本願商標の構成中の「HUD」の文字部分は、出所識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものであるから、その構成中「Lumie」の文字が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。

してみると、本願商標は、その構成中の「Lumie」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。

以上のことからすると、本願商標からは、「ルミエハッド」、「ルミーハッド」の称呼のほか、要部である「Lumie」の文字(以下「本願要部」という。)に相応して、「ルミエ」、「ルミー」の称呼をも生じ、特定の観念を生じないというのが相当である。

(2)引用商標について

引用商標は、「Lumie」の文字を標準文字で表してなるところ、上記(1)のとおり、当該文字よりは、その構成文字に相応して「ルミエ」、「ルミー」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。

(3)本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、その構成全体は相違するものの、本願要部と引用商標との比較においては、いずれも標準文字で表した「Lumie」のつづり字を共通にするものであるから、外観上、相当程度近似した印象を与えるものである。

そして、称呼においては、「ルミエ」及び「ルミー」を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念が生じないことから、比較することができないものである。

そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものの、外観については、本願要部と引用商標の対比において、相当程度近似した印象を与えるものであり、また、称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。

(4)本願商標と引用商標の指定商品の類否について

本願の指定商品である第9類「電子式数値表示ディスプレイ,全地球測位装置(GPS),電子計算機用ディスプレイ装置,電気通信機械器具,無線通信機械器具,車両用通信機械器具,電子計算機用プログラム」は、引用商標の指定商品中、第9類「調剤薬局におけるレセプト作成のためのコンピュータソフトウェア・アプリケーションソフトウェア・電子計算機用プログラム,調剤薬局における薬剤業務支援のためのコンピュータソフトウェア・アプリケーションソフトウェア・電子計算機用プログラム,薬剤業務支援のためのコンピュータソフトウェア・アプリケーションソフトウェア・電子計算機用プログラム,クラウドコンピューティング用の電子計算機用プログラム,監視用コンピュータプログラム,記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,コンピュータ用拡張ボード,コンピュータ又はコンピュータネットワークに遠隔で接続するためのコンピュータプログラム,コンピュータ及びコンピュータネットワーク上のコンテンツを遠隔で検索するためのコンピュータプログラム,アプリケーションソフトウェア,コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータプログラム(記憶されたもの),ダウンロード可能な電子計算機用プログラム,コンピュータ用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク,電気通信機械器具,電気通信機械器具の部品及び附属品,ビデオカメラ,デジタルカメラ,無線通信モジュール,無線LAN用電気通信機械器具,無線通信機械器具,携帯情報端末,携帯情報端末の部品及び附属品」と同一又は類似する商品である。

(5)小括

本願商標は、引用商標と類似する商標であり、引用商標に係る指定商品又はそれと類似する商品について使用をするものであることから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、本願商標は、外観上まとまりよく本願商標全体として一体的な印象を与えるものであり、その構成文字全体が一体不可分のものとして認識されるところ、当該構成文字は、辞書等に載録されている成語ではなく、直ちに何らかの意味合いを理解させるものではないから、一種の造語として認識されるものである。

そして、本願商標全体から生じる「ルミエハッド」の称呼は、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、特定の観念は生じない。

他方、引用商標からは、「ルミエ」又は「ルミー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。

そうすると、本願商標と引用商標は、外観、称呼、観念により区別でき、称呼において明瞭に聴別できるものであるから、非類似の商標である旨主張する。

しかしながら、本願商標中の「HUD」の文字は、上記1(1)のとおり、本願商標の指定商品との関係で、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものといえることから、本願商標は、その構成中の「Lumie」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。

(2)請求人は、商標の一部を分離して抽出すべき事情を見出せないとして、商標登録が維持された例及び商標登録が認められたものの例として、過去の審判決例を挙げ、本願商標と引用商標は非類似である旨主張する。

しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる審判決例と本件商標とは、商標の構成、他の文字や観念の有無、指定商品又は指定役務等を異にするものであるから、当該審判決例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。

そして、本願商標と引用商標とが類似の商標であることは、上記1のとおりである。

(3)したがって、請求人の上記(1)及び(2)の主張は、採用することができない。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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