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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の成否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025300038
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
登録第6083115号商標の指定商品及び指定役務中、第30類「菓子,まんじゅう菓子,肉入りパイ,肉まんじゅう,月餅,中華風もち団子,中華まんじゅう,パン,揚げパン,穀物の加工品,アジアの麺類,乾麺類,具及びつゆ付き麺類,調理済みの麺類,弁当,麺類を主とする弁当,穀物の加工品を主材とする調理済み惣菜,ぎょうざ,チャオズ(ぎょうざ),しゅうまい,小龍包,中華ちまき,ワンタン,お粥」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6083115号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「れいか」の平仮名と「麗華」の漢字とを上下二段に横書きしてなり、平成30年1月12日に登録出願、「菓子,まんじゅう菓子,肉入りパイ,肉まんじゅう,月餅,中華風もち団子,中華まんじゅう,パン,揚げパン,穀物の加工品,アジアの麺類,乾麺類,具及びつゆ付き麺類,調理済みの麺類,弁当,麺類を主とする弁当,穀物の加工品を主材とする調理済み惣菜,ぎょうざ,チャオズ(ぎょうざ),しゅうまい,小龍包,中華ちまき,ワンタン,お粥」を含む第30類及び第43類の商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年9月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、令和7年1月29日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である同4年1月29日から同7年1月28日までを、以下「要証期間」という場合がある。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和7年4月4日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年7月7日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(以下、証拠の表記に当たっては、甲各号証を「甲○」及び乙各号証を「乙○」と省略して記載する場合がある。)を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第30類「菓子,まんじゅう菓子,肉入りパイ,肉まんじゅう,月餅,中華風もち団子,中華まんじゅう,パン,揚げパン,穀物の加工品,アジアの麺類,乾麺類,具及びつゆ付き麺類,調理済みの麺類,弁当,麺類を主とする弁当,穀物の加工品を主材とする調理済み惣菜,ぎょうざ,チャオズ(ぎょうざ),しゅうまい,小龍包,中華ちまき,ワンタン,お粥」(以下「請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)商標の使用者(乙1)について

被請求人は、本件商標の使用を株式会社聚龍(以下「聚龍社」という。)に許諾している旨主張し、営業許可通知書の写し(乙1)を提出している。

しかしながら、聚龍社が被請求人の関連会社であることは立証されておらず、本件商標の使用に関する合意書等も存在しないとのことであるから、聚龍社が本件商標の使用権者であると認めることはできない。

(2)メニュー(乙2)について

被請求人は、聚龍社経営の「中華れいか」が「れいか醤油ラーメン」、「れいか冷麺」、「れいか担々麺」、「れいか/麻婆豆腐ラーメン」(「/」は二段書きであることを表す。以下同じ。)などの麺類の商品名に本件商標を使用している旨主張し、メニューの写し(乙2)を提出している。

しかしながら、店内で飲食に供され即時に消費される料理は商標法上の「商品」には該当しないため、メニューにおける当該表示が請求に係る指定商品中「調理済みの麺類」等についての商標としての使用と認めることはできない。

また、「麗華」は造語であり、「れいか」と「麗華」が同じ意味を表すものとして相互交換的に頻繁に使用されているものとはいえないから、「れいか醤油ラーメン」等の表示における「れいか」は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。

(3)請求書(乙3)について

被請求人は、聚龍社経営の「中華れいか」が令和6年3月以降、注文に応じて「れいか弁当」を提供している旨主張し、請求書の写し(乙3)を提出している。

しかしながら、飲食店において発注者の希望に応じて内容が決定されるような弁当を提供したとしても、一般的な店頭で販売される弁当とは異なるため、継続的に販売される商品としての「弁当」とはいえない。

また、「れいか弁当」における「れいか」は、上述したとおり、本件商標と社会通念上同一のものとは認められない。

したがって、乙1ないし乙3によっては、本件商標が請求に係る指定商品について本件審判請求の登録前に使用した事実は証明されない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、答弁において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1ないし乙3を提出した。

1 被請求人(商標権者)と聚龍社について

被請求人(商標権者)とその関連会社である聚龍社との交渉の結果、聚龍社が大阪市中央区南船場に所在する南船場B・Tビル1階において飲食店を経営することになり、令和5年10月5日に、名称を「中華れいか」として、営業許可通知書(乙1)を取得して営業を開始し、看板には「れいか麗華」を使用している。その際に、合意書は作成していないが、被請求人(商標権者)は、聚龍社に対して、本件商標の使用を許諾している。

2 聚龍社における本件商標の使用について

聚龍社は、「れいか醤油ラーメン」、「れいか冷麺」、「れいか担々麺」、「れいか/麻婆豆腐ラーメン」など、麺類の商品名として本件商標を使用している。

なお、提出した証拠のメニュー(乙2)は、聚龍社に対する営業許可通知書(乙1)が令和5年10月5日に取得されて営業しているとおり、同年10月以降に作成されたものであり、特に、「れいか冷麺」の上には「夏期限定」と記載されていることから、同6年7月から9月のころのものである。

また、聚龍社経営の「中華れいか」は、令和6年3月以降、注文に応じて「れいか弁当」も提供している。「れいか弁当」の中身は、発注者の希望に応じて、中華料理を中心とするものであり、特定の料理に限定されているものではない。証拠として請求書の写し(乙3)を提出する。

したがって、本件商標についての一定の使用は認められるものである。

第4 当審における審尋及び被請求人の回答

1 当審における審尋について

審判長は、令和7年10月27日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人が本件商標の指定商品及び指定役務中、請求に係る指定商品について商標法第50条第2項に規定する本件商標(社会通念上同一のものを含む。以下同じ。)の使用をしている事実を証明したものとは認められない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した同年7月7日付けの弁駁書に対する回答を求めた。

2 被請求人の回答

被請求人は、上記1の審尋に対し、何らの応答もしていない。

第5 当審の判断

1 被請求人は、被請求人(商標権者)の関連会社が本件商標を要証期間に、請求に係る指定商品に使用していたと主張するので、これについて検討する。

(1)被請求人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。

ア 本件商標の使用者は、合意書は作成していないが、被請求人(商標権者)の関連会社である聚龍社である(被請求人の主張)。

イ 飲食店営業許可通知書の写しによれば、聚龍社は、令和5年10月5日に、飲食店の営業許可を取得して、大阪市中央区南船場において、飲食店「中華れいか」を営業している(乙1)。

ウ 令和6年7月から9月の頃に使用されたものと被請求人が主張する「中華れいか」のメニューとされるものには、「れいか醤油ラーメン」、「れいか冷麺」、「れいか担々麺」、「れいか/麻婆豆腐ラーメン」などが記載されているが、当該メニューには、店名、日付及び「麗華」の文字の記載はない(乙2)。

エ 被請求人が提出した7通の請求書の写しには、2024年3月29日、同月30日、同年7月28日、同月29日、同年11月29日、同月30日及び2025年1月25日の発行日、「聚龍株式会社 中華名点れいか」及び「れいか弁当代金」の記載があるが、「麗華」の文字の記載はない(乙3)。

2 上記1(1)によれば、以下のように判断できる。

(1)本件商標と使用商標(乙2、乙3)の同一性について

本件商標は、別掲のとおり、「れいか」の平仮名と「麗華」の漢字とを上下二段に横書きしてなるところ、構成中の漢字部分は、辞書に記載のない造語と理解されることから、特定の観念を生じないものではあるが、音読みで「レイカ」と自然に称呼できるものであって、平仮名部分は、漢字部分の読みを表した部分と理解できることから、「レイカ」の称呼が生じるものである。

そして、本件商標の「れいか」の文字部分に相応して「レイカ」と発音する成語(例えば、「冷夏」「冷菓」「零下」。いずれも「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)は、複数存在することからすると、「れいか」の平仮名のみでは、常に「麗華」の漢字を認識するものとはいえない。

そうすると、本件商標は、二段併記の構成からなる場合であって、上段と下段の各部が観念を同一とする商標とはいえない 。

これに対し、被請求人が使用商標と主張するものは「れいか醤油ラーメン」、「れいか冷麺」、「れいか担々麺」、「れいか/麻婆豆腐ラーメン」の表示(乙2)、「れいか弁当」の表示(乙3)であるところ、その構成中の「醤油ラーメン」、「冷麺」、「担々麺」、「麻婆豆腐ラーメン」、「弁当」の各文字は、請求に係る指定商品との関係において、商品名(品質)を表すものであって、自他商品の識別標識の機能を果たさないものであるから、自他商品の識別標識の機能を果たす部分は「れいか」の文字部分といえる。

そして、使用商標の「れいか」の文字部分に相応する成語は、上記の本件商標の「れいか」の文字部分と同様に複数存在し、使用商標は、「冷夏」「冷菓」「零下」等の漢字を認識し、これらの漢字に相応した観念が生じるとしても、「麗華」の漢字を認識するものとはいえない。

以上のことから、本件商標と使用商標を比較すると、本件商標と請求人が主張する使用商標は、「レイカ」の称呼を共通にするとしても、外観及び観念が同一とはいえないから、社会通念上同一の商標とは認められない。

(2)「請求に係る指定商品」の使用について

乙2は、請求に係る指定商品に含まれる「弁当」などの商品の販売で使用するメニューであるのか、あるいは、飲食店が自己の店で提供する料理のメニュー(第43類「飲食物の提供」)であるのか判断することはできないから、提出された証拠によっては、「請求に係る指定商品」の使用と認めることはできない。

(3)本件商標の使用者について

被請求人は、被請求人(商標権者)の関連会社とする聚龍社に、合意書は作成していないが、本件商標の使用を許諾していると主張し、令和5年10月5日付けの営業許可通知書(乙1)を提出しているが、この証拠のみでは、聚龍社が飲食店営業の営業許可を受けていることは把握できるとしても、聚龍社が被請求人(商標権者)の関連会社であって、かつ、本件商標の使用の許諾を受けていることを客観的に把握することはできない。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。

また、被請求人は、請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第30類「菓子,まんじゅう菓子,肉入りパイ,肉まんじゅう,月餅,中華風もち団子,中華まんじゅう,パン,揚げパン,穀物の加工品,アジアの麺類,乾麺類,具及びつゆ付き麺類,調理済みの麺類,弁当,麺類を主とする弁当,穀物の加工品を主材とする調理済み惣菜,ぎょうざ,チャオズ(ぎょうざ),しゅうまい,小龍包,中華ちまき,ワンタン,お粥」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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