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Trademark Appeal Case

不使用取消と結合商標の使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025300308
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第488294号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、昭和31年2月2日に登録出願、第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同年9月20日に設定登録され、その後、平成18年9月27日に指定商品を第30類「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。),粉末あめ,水あめ(調味料),もち,パン」として書換登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、令和7年4月15日である。

なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和4年(2022年)4月15日ないし同7年(2025年)4月14日である(以下、「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品(以下、「請求に係る指定商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

被請求人の提出した証拠資料では、以下の理由により、商標権者(被請求人)及び使用権者のいずれもが使用した事実は証明できていないため、被請求人は、本件商標登録の取り消しを免れない。

(1)本件商標は、「すだち」の文字を縦書きで構成されるものである。

(2)一方、答弁書によれば、乙第1号証の2第2頁、乙第4号証の1、乙第5号証、乙第8号証により、「飴」の包装パッケージに「すだち飴」の文字からなる標章(以下、「使用商標」という。別掲2参照。)が付されていることは理解できる。

しかしながら、これは「すだち飴」と横書きで一体的に看取されるものであり、縦書きで「すだち」と構成される本件商標と同一のものではない。

(3)乙第4号証の1から明らかなように、すだち飴のパッケージの使用商標の下には、「すだち」のイラストと、すだちをモチーフにしたキャラクターが記載されている。

乙第4号証の2、3においても、原材料名の欄に、「すだち果汁」の記載がある。

また、乙1号証の2(乙5)においても、商品が掲載されているのは、「すだちのお菓子」「鳴門金時芋のお菓子」「阿波和三盆のお菓子」等がある「徳島のみやげ菓子」のコーナーにおいて、「すだち飴」は、「すだちグミ」「すだちゼリー」「すだちパイ」等と並列的に掲載されるものである。「飴」「グミ」「ゼリー」「パイ」といった部分は、商品の普通名称であることから、「すだち」の文字部分は、やはり商品の原材料を表示する部分だと理解するものである。

乙第8号証においても、「商品詳細とお届けについて」の欄において、「徳島県特産すだち風味のキャンディー!!」との記載もあり、その下の「商品説明」欄の原材料名においても、「すだち果汁」の記載がある。

したがって、使用商標に接する需要者は、全体として「すだちを使用した飴」の意味を表したと理解し、「すだち」の文字部分のみを取り出して、これを自他商品の識別標識としての機能を発揮する商標を表したと認識することはない。

よって、「すだち飴」中の「すだち」の文字部分は、登録商標の使用と認めることができない。

(4)「すだち」と普通名称が結合する場合、上記と同趣旨の判断をしているものとして、商願2016-128826号「すだちプリン」の審査事例(甲3)が挙げられる。

また、原材料名と商品の普通名称を結合した使用商標について、登録商標の使用と認めなかったという点で同趣旨の審決例として、取消2004-30530号の審決(甲4)が挙げられる。

(5)以上のとおり、被請求人は、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが要証期間にその指定商品に本件商標を使用した事実を証明していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番を含む。なお、枝番号を有する証拠において枝番号の全てを引用する場合は枝番号の記載を省略する。)を提出した。

1 請求人は、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべき旨主張している。

しかしながら、本件商標は、日本国内において、本件審判の請求登録前3年以内に、本件審判の請求に係る指定商品中「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。)」について使用されており、本件審判の請求は成り立たないものである。

2 被請求人について

被請求人は、昭和44年に設立された徳島県徳島市に所在の法人であり、その主な事業内容は、土産品、菓子、食品の製造、卸売及び小売販売である(乙1の1)。

被請求人は、菓子の製造を菓子製造会社に委託し、菓子製造会社より納品された菓子(乙1の2)を自社店舗で販売するのに加え(乙1の3)、自社ウェブサイト「あいぐら」内の注文・問合せフォーム、電話、ファックスによる通信販売も行っているほか(乙1の4)、卸販売も行っており(乙1の5)、被請求人の菓子は、徳島県をはじめとする四国各県や他県の小売店でも販売されている。

3 乙各号証について

乙第2号証は、被請求人より「飴」の製造を委託されたキッコー製菓株式会社が、被請求人宛てに発行した2024年4月4日付け納品書の写しであり、品名の欄に「すだち飴」と記載されている。

乙第3号証は、当該キッコー製菓株式会社が、被請求人宛てに発行した2024年4月30日付け請求明細書の写しであり、乙第2号証と同一の日付、伝票番号、個数、数量と共に、商品名欄に「すだち飴」と記載されていることから、乙第2号証により納品された「飴」についての請求書であることが確認できる。

乙第4号証は、被請求人が実際に販売している「飴」の商品写真であり、パッケージの表面に「すだち飴」の文字が表示され(乙4の1)、裏面に販売者として被請求人が、製造者としてキッコー製菓株式会社が記載されていることが確認できる(乙4の2、3)。

乙第5号証は、インターネットアーカイブ「Wayback Machine」に保存された、2024年7月18日時点における被請求人のウェブサイト画面の写しである。当該ウェブサイトの「徳島のみやげ菓子」ページには、乙第1号証の2第2頁及び乙第4号証の1と同一の「すだち飴」の商品写真が掲載されていることが確認できる。

乙第6号証は、被請求人が、株式会社徳島県物産センター宛てに発行した令和6年(2024年)5月16日付け請求書の写しであり、品名欄に「すだち飴」と記載されていることが確認できる。

乙第7号証は、株式会社徳島県物産センターが、被請求人宛てに発行した令和6年(2024年)5月31日付け仕入明細書の写しであり、令和6年(2024年)5月16日に、被請求人から徳島県物産センターに「すだち飴」10個が納品されていることが確認できる。

乙第8号証は、インターネットアーカイブ「Wayback Machine」に保存された、2024年7月25日時点における株式会社徳島県物産センターのオンラインショップ画面の写しである。当該画面には、乙第1号証の2第2頁、乙第4号証の1及び乙第5号証と同一の「すだち飴」の商品写真が掲載されており、商品説明欄には、販売者として被請求人、製造者としてキッコー製菓株式会社の記載が確認できる。

3 上記2において確認された事実により、以下のとおり証明することができる。

(1)使用商品について

被請求人が本件商標を使用している商品(以下、「使用商品」という。)は「飴」であり、本件審判の請求に係る指定商品「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。)」に含まれる商品である。

(2)使用商標について

使用商品のパッケージには、「すだち飴」の標章(使用商標)が付されている(乙1の2第2頁、乙4の1、乙5、乙8)。そして、その構成中の「飴」の文字は、請求に係る指定商品「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。)」との関係では普通名称であって、自他商品の識別標識として機能しない文字であることから、使用商標の構成中「すだち」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有する要部となる。そうすると、使用商標の要部である「すだち」の平仮名は、本件商標とその構成文字を同じくするものであるから、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標といえる。

(3)使用者、使用時期、使用行為について

使用商標が付された使用商品を販売し、ウェブサイトに掲載しているのは被請求人であり、使用商標の使用者は被請求人である。

また、被請求人は、要証期間内である令和6年(2024年)7月18日時点において、使用商標が付された使用商品を被請求人のウェブサイトに掲載して、電磁的方法により提供しており(乙5)、当該行為は、商標法第2条第3項第8号にいう、商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。

さらに、被請求人が、使用商標が付された使用商品を株式会社徳島県物産センターに販売し、納品したのは、要証期間内である令和6年(2024年)5月16日であり(乙6、乙7)、当該行為は、商標法第2条第3項第2号にいう、商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為に該当する。

4 小括

上記1ないし3より、商標権者である被請求人は、要証期間内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中、第30類「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。)」の範ちゅうに属する商品「飴」の広告に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供し、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことに加え、商品「飴」に本件商標と社会通念上同一の商標を付して譲渡し、同項第2号に該当する使用行為を行ったことが証明される。

5 まとめ

以上より、本件商標は、日本国内において、本件審判の請求登録前3年以内に、本件審判の請求に係る指定商品について、商標権者により使用されており、請求人の主張は理由がないものである。

第4 当審の判断

1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。

(1)乙第1号証は、被請求人が、同人のウェブサイトであり、その事業内容等を示すと主張する資料である。

乙第1号証の1は、「会社概要」を標題とするページであり、「社名」の欄には「有限会社ニコニコヤみやげ店」の記載が、「所在地」の欄には「(本店)」として「徳島市元町1丁目5番地1」の記載がある。

乙第1号証の2は、「徳島のみやげ菓子」を標題とするページであって、そのうち2葉目の「すだちのお菓子」の項目に、「■すだちあめ」の記載とともに、被請求人が本件商標を使用していると主張する商品(使用商品)の画像が表されており、商品の画像中には「すだち飴」の文字からなる商標(使用商標)が表示されている。

なお、乙1号証中にはURLの記載はないが、令和7年7月14日付け証拠説明書によれば、いずれも「https://www.nikonikoyamiyageten.com/」に係るものとされる。また、乙第1号証の1と同号証の2(及び、乙第1号証3ないし5)は、ヘッダーの内容や左側に表示された見出しの内容が一致することから、同一のウェブサイトに係るものであると推認することができる。

(2)乙第4号証は、使用商品の写真であると被請求人が主張するものであって、包装の表面には、使用商標が表示されており(乙4の1)、また、裏面には、「名称」の欄に「飴菓子」の記載が、「販売者」として「(有)ニコニコヤみやげ店」及び「徳島市元町1丁目5-1」の記載がある(乙4の2、3)。

なお、乙第4号証の1に表された商品の包装の表面は、乙第1号証の2に表されている使用商品の画像と同一視できるものであり、また、同裏面に「販売者」として記載されている者が上記(1)のウェブサイトの運営者と同一人であると認められることからすれば、乙第4号証の写真の商品は、使用商品と同一のものであると推認することができる。

(3)乙第5号証は、インターネットアーカイブ「Wayback Machine」に保存された、2024年(令和6年)7月18日時点におけるウェブサイト画面の写しであり、当該保存対象のウェブサイトのURLは「https://www.nikonikoyamiyageten.com/confectionery」である。

なお、このURLは、被請求人が令和7年7月14日付け証拠説明書において乙第1号証の2のURLであると主張するものと同一であって、また、当該ウェブサイト画面の内容は、乙第1号証の2の1葉目及び2葉目の一部(使用商品の画像が掲載されている部分を含む。)と、その表示内容がほぼ共通していることから、乙第5号証は、乙第1号証の2のウェブページに係るアーカイブの画面であると推認することができる。

2 上記1に基づき、以下判断する。

(1)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について

本件商標は、別掲1のとおり、手書き風の書体で「すだち」の平仮名を縦一列に書してなるものであり、文字は黒色で、一部かすれているものである。

他方、使用商標は、別掲2のとおり、手書き風の書体で「すだち飴」の文字を横一列に書してなるものであり、文字は緑色である。

そして、使用商標の構成中「飴」の文字部分は、使用商品に係る商品名を表す語で、自他商品の識別標識として機能を有しない部分といえることから、その構成中の「すだち」の文字部分が自他商品の識別標識として機能を果たす文字部分といえ、使用商標の要部であるとみるのが相当である。

そうすると、本件商標と使用商標の要部は、縦書き及び横書きの相違や、色彩の相違、わずかな書体の相違があるのみであって、「すだち」の文字を手書き風の書体で表してなるものであるから、両者は、記載方法のみに変更を加えた同一の文字からなる、社会通念上同一と認められる商標といえる。

(2)使用商標の使用者について

使用商標を付した使用商品が掲載されている乙第1号証に係るウェブサイト(以下、「本件ウェブサイト」という。)に記載されている会社名及びその所在地は、本件商標権者の名称及び住所と同一のものと認められる。

したがって、使用商標の使用者は、本件商標権者であると認められる 。

(3)使用商品について

使用商品は、本件ウェブサイトにおいて「すだちのお菓子」の項目に「■すだちあめ」として掲載されている。また、その包装の裏面には、「飴菓子」の記載もある。

したがって、使用商品は、「飴」と認められるものであり、これは、本件商標の指定商品である第30類「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。)」の範ちゅうの商品である。

(4)商標の使用及び使用時期について

本件商標権者は、本件商標の指定商品に含まれる「飴」に使用商標を付した使用商品の画像を、自身の運営する本件ウェブサイトに表示し、インターネット(電磁的方法)により提供していたと認められる。

そして、当該行為の時点である2024年(令和6年)7月18日は、要証期間内である。

また、本件ウェブサイトは日本語で記載されたものであり、日本国内での使用が明らかである。

(5)小括

以上によれば、本件商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標の指定商品に含まれる「飴」が掲載されたウェブサイト(広告)に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して、電磁的方法により提供していたものと認められる。

そして、本件商標の商標権者による上記行為は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。

3 請求人の主張について

請求人は、使用商標は「すだち飴」と一体的に看取されるものであって、また、その構成中の「すだち」の文字部分は、使用商品の原材料を表示するものといえることなどから、使用商標に接する需要者は、全体として「すだちを使用した飴」の意味を表したと理解し、その構成中の「すだち」の文字部分のみを取り出して、これを自他商品の識別標識としての機能を発揮する商標を表したと認識することはなく、したがって、使用商標の使用を本件商標の使用と認めることはできない旨主張する。

しかしながら、使用商標は、全体としては「すだち飴」の文字からなるものではあるが、上記2(1)のとおり、その構成中の「飴」の文字部分は、使用商品に係る商品名を表す語で、自他商品の識別標識として機能を有しない部分といえることから、その構成中の「すだち」の文字部分が自他商品の識別標識として機能を果たす文字部分といえ、使用商標の要部であるとみるのが相当であって、また、使用商標の具体的な使用態様をみても、その構成中の「すだち」の文字部分が商品の原材料を表示するためにのみ使用されているということはできない。

したがって、請求人の主張は、採用することができない。

4 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が、本件商標の指定商品(請求に係る指定商品)に含まれる「飴」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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