結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025890013 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6540967号商標(以下「本件商標」という。)は、「PandaHall Elite」の欧文字を標準文字で表してなり、令和3年7月29日に登録出願、第26類「チャーム(宝飾品、キーホルダー用のものを除く。),贈答品包装用の織物製蝶形リボン,贈答品包装用リボン(紙製のものを除く。),ビーズ(宝飾品製造用のものを除く。),手芸用ビーズ,衣服用バックル,造花,ヘアラップの性質を帯びた髪飾り,ヘアクリップ,包装用織物製リボン,髪用装飾品,裁縫キット,かつら」を指定商品として、同4年3月24日に登録査定され、同年4月4日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標の登録の無効の理由において、引用する商標は、以下の1ないし3のとおりであり、いずれも、請求人が販売する「手芸用ビーズ」「手芸用カン」「手芸用紐」などの身飾品関係の多種類の商品に使用して、この関連商品においては、周知・著名な商標であると主張する商標である。
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめて「引用商標」という場合がある。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
なお、証拠の記載にあたっては、以下、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する場合がある。
(1)本件商標は請求人の使用している引用商標と類似し、商標法第4条第1項第10号に該当する。また本件商標は請求人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)本件商標を無効とすべき理由
ア 請求人は、本件商標出願前より、世界中で本件商標「PandaHall Elite」と類似する「PH PandaHall」、「PandaHall Elite Flag」、同一の「PandaHall Elite」を第26類の「手芸用ビーズ」、「手芸用カン」、「手芸用紐」など(以下「使用商品」という。)の身飾品関係の多種類の商品に使用して日本で10年近く前から現在に至るまでウェブサイト上で広く販売しており、この関連商品では既に周知・著名な商標である。
例えば、請求人は、日本での販売に向けて、本件商標出願のはるか以前より、アマゾンが運営する販売サイトにて販売者登録をしており、2016年1月以降、引用商標を使用して、同サイトにより、使用商品について、多数の注文を受けて販売している。
すなわち、請求人は2016年1月12日に「手芸用メタルビーズ」(甲2)、2018年2月7日に「手芸用木製ビーズ」(甲3)、2016年2月27日に「手芸用円盤ビーズ=カボション」(甲4)、2016年9月19日に「手芸用ステンレスカン」(甲5)、2016年1月9日に「手芸用カニカン」(甲6)、2016年2月24日に「手芸用紐」(甲7)、2017年11月30日に「手芸用紐」(甲8)の販売を開始した。
甲第9号証は、アマゾンサイトでの販売者情報の写しである。
イ このように、請求人は、本件商標出願よりはるか前より、本件商標「PandaHall Elite」をアマゾンサイトにて使用商品である身飾品関係と同一又は類似の多種類の商品に使用して販売しており、請求人の販売する業界の取引者や消費者の間に広く認識されていて、この関連商品では周知・著名な商標である。
このため、本件商標の指定商品中、第26類「チャーム(宝飾品、キーホルダー用のものを除く。),ビーズ(宝飾品製造用のものを除く。),手芸用ビーズ,髪用装飾品」に使用することは、請求人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある。
商標法は、出願前に周知な商標を保護するために、他人の周知商標と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品・役務に使用するものは、拒絶理由としている(商標法第4条第1項第10号)。
また、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれのある商標は、拒絶理由としている(商標法第4条第1項第15号)。
以上から、本件商標の指定商品中、第26類「チャーム(宝飾品、キーホルダー用のものを除く。),ビーズ(宝飾品製造用のものを除く。),手芸用ビーズ,髪用装飾品」は商標法第4条第1項第10号及び同項第15号の拒絶理由に該当する。
被請求人は、請求人の主張に対し、何ら答弁していない。
請求人が本件審判を請求する利害関係を有することについては、当事者間に争いがなく、また、当審は、請求人が本件審判の請求適格を有すると判断するので、以下、本案に入って審理する。
(1)請求人の主張及び提出に係る証拠等によれば、以下のとおりである。
ア 請求人は、本件商標の出願前より、本件商標と類似する引用商標「PH PandaHall」、「PandaHall Elite Flag」及び本件商標と同一の「PandaHall Elite」を第26類の使用商品である身飾品関係の多種類の商品に使用し、我が国で10年近く前から現在に至るまでウェブサイト上で販売している事実がある(請求人の主張)。
イ 請求人が、アマゾンが運営する販売サイトにて販売者登録をしており、2016年1月以降、引用商標を使用して、同サイトにより、使用商品について、注文を受けて販売している事実がある(甲2~甲9)。
(2)上記(1)の事実によれば、以下のとおり判断することができる。
ア 請求人について
請求人は、身飾関係の商品といえる使用商品について販売を行っている。
イ 引用商標について
引用商標は、その構成中に「PandaHall」の文字を有する商標である。
ウ 請求人の使用態様について
請求人はウェブサイト上で商品を販売しており、請求人が利用する販売サイトの一つに、アマゾンが運営するウェブサイトを利用していることはうかがえ、当該サイトの中で、各商品の情報ページにおいて構成中に「PandaHall」の文字を有する引用商標の記載が確認できる。
エ しかしながら、請求人が提出した証拠からは、引用商標を使用して使用商品を販売している事実がうかがえるとしても、引用商標を使用した使用商品の販売実績や広告宣伝費等が不明であり、引用商標に関する我が国における周知性を推し量ることができない。
オ 小括
以上よりすると、請求人の提出した証拠によっては、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人に係る身飾関係の商品といえる使用商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(1)本件商標について
本件商標は、「PandaHall Elite」の文字を標準文字で表してなるところ、「PandaHall」と「Elite」の間に1文字ほどの間隔を有するとしても、全体として、まとまり良く一体的に表してなるものであり、また、全体から生じる称呼も特段冗長ともいえないことから、本件商標は、構成文字に相応して「パンダホールエリート」の一連の称呼のみが生じるとみるのが相当であり、当該語は、辞書等に掲載のない造語であることからすれば、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1及び引用商標2について
引用商標1及び引用商標2は、それぞれ「PH PandHall」及び「PandaHall Elite Flag」の欧文字を表してなるところ、両者の構成中に1文字又は2文字ほどの間隔を有するとしても、全体として、まとまり良く一体的に表してなるものであり、また、全体から生じる称呼も特段冗長ともいえず、それぞれの構成文字に相応して、「ピーエイチパンダホール」及び「パンダホールエリートフラッグ」の一連の称呼のみが生じるものであり、両語は、辞書等に掲載のない造語であることからすれば、いずれも特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標1及び引用商標2の類否について
ア 外観について
本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、「PandaHall」の文字を共通にするとしても、引用商標1とは、「PH」及び「Elite」の文字の有無の差異、引用商標2とは、「Flag」の文字の有無の差異により、外観上、明らかな差異を有することから、外観上類似するとはいえない。
イ 称呼について
本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、構成音及び音数が異なり、明瞭に聴別可能なものであるから、相紛れるおそれはない。
ウ 観念について
本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、いずれも特定の観念を生じるものではないから比較することができないものである。
エ 小括
本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、観念において比較することができないとしても、外観において明らかに異なり、称呼において明瞭に聴別可能であるから、これらの外観、観念、称呼等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)引用商標3について
引用商標3は、「PandaHall Elite」の文字を横書きしてなるところ、「PandaHall」と「Elite」の間に1文字ほどの間隔を有するとしても、全体として、まとまり良く一体的に表してなるものであり、また、全体から生じる称呼も特段冗長ともいえず、構成文字に相応して、「パンダホールエリート」の一連の称呼のみが生じるものであり、当該語は、辞書等に掲載のない造語であることからすれば、特定の観念を生じないものである。
(5)本件商標と引用商標3の類否について
ア 外観について
本件商標と引用商標3とは、その構成文字を共通にすることから、外観上類似するものである。
イ 称呼について
本件商標と引用商標は3とは、「パンダホールエリート」の称呼を共通にするものである。
ウ 観念について
本件商標及び引用商標3のいずれも特定の観念を生じるものではないから比較することができないものである。
エ 小括
本件商標と引用商標3とは、観念において比較することができないとしても、外観において類似し、称呼を共通にするものであるから、両者は相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(6)小括
上記(1)ないし(5)のとおり、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、非類似の商標であり、また、本件商標と引用商標3とは、類似の商標である。
上記2のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人に係る使用商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとはいえないものであるから、その周知性を認められない。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用する要件を欠くものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(1)引用商標の周知性
上記2のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人に係る使用商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標の類似性の程度
上記3のとおり、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、非類似の商標であるから、類似性の程度は低いものである。
一方、本件商標と引用商標3とは、類似の商標といえるから、類似性の程度は高いものである。
(3)引用商標の独創性の程度
引用商標は、全体としては、一種の造語として認識、理解されるものの、引用商標を構成する「Panda」、「Hall」、「Elite」及び「Flag」の文字は、既成の英単語であり、また、「PH」も欧文字2字にすぎないことから、これらから構成される文字全体として、その独創性の程度は高いとまではいい難いものである。
(4)出所混同の生じるおそれ
上記(1)ないし(3)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人の業務に係る商品であることを表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているとは認められないものである。
そうすると、本件商標と引用商標との類似性の程度及び引用商標の独創性の程度などを考慮しても、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品に使用しても、取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(請求人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について、混同を生じるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が、商品の出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号又は同項第15号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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