結論テキスト
登録第6883797号商標の商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025900063 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6883797号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和6年4月22日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,マフラー,帽子,ベルト,運動用特殊衣服,寝巻き類,下着,水泳着」を指定商品として、同年11月28日に登録査定、同7年1月9日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5125670号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 :別掲2のとおり
指定商品 :第9類「サングラス,ゴーグル,その他の眼鏡及び附属品」
登録出願日 :平成19年6月26日
優先権主張日:2007年(平成19年)2月1日(アメリカ合衆国)
設定登録日 :平成20年4月4日
(2)登録第4945501号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:SPYOPTIC(標準文字)
指定商品 :第18類「かばん類,袋物,バッグ用ストラップ・パッド・ベルト,携帯用化粧道具入れ」
登録出願日:平成17年9月30日
設定登録日:平成18年4月14日
(3)登録第4876569号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 :SPYOPTIC(標準文字)
指定商品 :第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
登録出願日 :平成17年2月24日
優先権主張日:2005年(平成17年)2月2日(アメリカ合衆国)
設定登録日 :平成17年7月1日
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するので、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、要旨以下のように述べた。
(1)本件商標と引用商標1について
ア 本件商標は、引用商標1と類似する商標である。
そして、本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と類似し、需要者・取引者が混同を生じるおそれがあり、仮に類似しないとしても、本件商標の指定商品は引用商標1の指定商品とトータルファッションコーディネイトの関係で同一のデザインコンセプトを用いたり、同一の商標を用いたブランド展開を実施していることから、本件商標の出願日及び登録査定日において、本件商標をその指定商品に使用した場合、引用商標1と混同が生じる商標である。
よって、本件商標は引用商標1との関係において、商標法第4条第1項第15号に該当する。
イ 本件商標は、引用商標1が日本又は外国において広く認識されているにもかかわらず、本件商標の出願日及び登録査定日において、不正の目的をもって使用するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
ウ 本件商標は、引用商標1と色彩のみが異なり、引用商標1に酷似している。
そして、本件商標の出願日において既に登録されている引用商標1に化体した信用及び顧客吸引力があるにもかかわらず登録を受けたものであり、商標を保護することにより商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護するという商標法の目的に反するものであり、公正な取引秩序を乱すものというべきである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(2)本件商標と引用商標2について
ア 本件商標は、引用商標2と類似する商標である。
そして、本件商標の指定商品は、引用商標2の指定商品と類似し、需要者・取引者が混同を生じるおそれがあり、仮に類似しないとしても、本件商標の指定商品は引用商標2の指定商品とトータルファッションコーディネイトの関係で同一のデザインコンセプトを用いたり、同一の商標を用いたブランド展開を実施していることから、本件商標の出願日及び登録査定日において、本件商標をその指定商品に使用した場合、引用商標2と混同が生じる商標である。
よって、本件商標は引用商標2との関係において、商標法第4条第1項第15号に該当する。
イ 本件商標は、引用商標2が日本又は外国において広く認識されているにもかかわらず、不正の目的をもって使用するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(3)本件商標と引用商標3について
ア 引用商標3は、本件商標の出願日以前に出願されている商標である。
そして、引用商標3「SPYOPTIC」は、本件商標の「SPY」の部分と共通するから、両商標は類似する。
また、本件商標の指定商品は、引用商標3の指定商品と同一又は類似する。
したがって、本件商標は、引用商標3との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 本件商標は、引用商標3が日本又は外国において広く認識されているにもかかわらず、不正の目的をもって使用するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(1)引用商標の周知性について
申立人は、引用商標が我が国又は外国において広く認識されている旨主張しているところ、引用商標の周知性について、その使用に係る商品など具体的な主張をしておらず、また、引用商標を使用した申立人の業務に係る商品の売上高、市場シェア、広告宣伝の回数や費用等、その周知性を判断するための証拠は提出されていない。
そうすると、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国の需要者にどの程度認識されているかを評価することができない。
したがって、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、「SPY」の文字を太い線をもって一部が重なるように書し、その右側に「+」の記号を肉太で表したと容易に理解されるもの(以下「+記号部分」という。)を配した別掲1のとおりの構成からなるものであり、いずれも黒色の肉太の線で表してなるものであって、その構成全体から「スパイプラス」の称呼を生じ得る。
そして、本件商標の構成中「SPY」の文字が「スパイ」の意味を有するとしても、その構成全体は、特定の意味合いを想起させない造語と理解されるものである。
したがって、本件商標は、その全体から「スパイプラス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標3
引用商標3は、「SPYOPTIC」の文字を同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体的に表してなるものであり、その構成文字に相応した「スパイオプティック」の称呼を生じ、当該文字は辞書等に掲載のない語であり、特定の意味合いを想起させない造語と理解されるものである。
したがって、引用商標3は、「スパイオプティック」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標3の比較
本件商標と引用商標3とを比較すると、外観においては、+記号部分と「OPTIC」の文字とにおいて差異を有するものであるから、明確に判別できるものである。
また、本件商標から生じる「スパイプラス」の称呼と引用商標3から生じる「スパイオプティック」の称呼とは、語頭の「スパイ」の音を共通にするとしても、続く音が「プラス」か「オプティック」かの差異を有することから、明確に聴別できるものである。
そして、本件商標と引用商標3は、いずれも観念を生じないものであるから、観念において比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標3は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明確に区別できるものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 小括
上記のとおり、本件商標と引用商標3は非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標3の指定商品が同一又は類似のものを含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
別掲1及び別掲2のとおりの構成からなる本件商標と引用商標1を比較すると、その差異は、本件商標の+記号部分と引用商標1の同部分との色彩が異なることのみであるから、両商標は、類似の商標といえ、類似性の程度は高いといえる。また、本件商標と「SPYOPTIC」の文字からなる引用商標2とは、上記(2)ウと同じ理由により、非類似の商標であって別異のものであるから、類似性の程度は低いといえる。
そして、引用商標1及び引用商標2は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたとは認められないものである。
以上のとおり、引用商標1及び引用商標2が、需要者の間に広く認識されたものとは認められないものであることからすれば、上述の商標の類似性の程度を踏まえても、本件商標権者が、本件商標をその指定商品について使用した場合に、取引者、需要者が、引用商標1及び引用商標2を連想又は想起することはなく、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標とは認めることができないものである。
また、申立人は、本件商標権者が不正の利益を得るなどの目的のもとに出願し、権利を取得した事実を立証する証拠を何ら提出していないから、本件商標権者が、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、本件商標は、引用商標1に酷似する商標であり、引用商標1に化体した信用及び顧客吸引力があるにもかかわらず登録を受けたものであるから、商標法の目的に反し、公正な取引秩序を乱すものというべきである旨主張している。
しかしながら、本件商標が引用商標1と類似の商標であるとしても、上記(1)のとおり、引用商標1は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものとはいえず、本件商標は、引用商標1の周知性にただ乗りするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできない。
また、本件商標が、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、その登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないというべきものであるなど、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であるというべき事情も見いだせない。
そして、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるような構成態様からなるものでもない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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