結論テキスト
登録第6895180号商標の商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025900078 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6895180号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「Dermacore」の欧文字を横書きしてなり、令和6年7月9日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同7年1月6日に登録査定、同年2月12日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)は、以下の(1)及び(2)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6297419号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:DERMACOL(標準文字)
指定商品:第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」
登録出願日:令和 2年 4月 2日
設定登録日:令和 2年 9月28日
(2)国際登録第991649号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第3類「Cosmetics, toiletries.」
国際商標登録出願日:2008年(平成20年)9月10日
優先権主張:チェコ共和国 2008年5月14日
設定登録日:平成21年11月20日
申立人は、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」(以下「申立てに係る商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の類否について
(ア)外観
本件商標は、「Dermacore」の欧文字を横書きしてなる。
一方、引用商標1は、「DERMACOL」の欧文字を横書きしてなり、引用商標2は、「Dermacol」の語及びその上側に、ロゴが図形の中央部に記載された略円形が配されてなる。
本件商標と引用商標の文字部分とを比較するに、ともに語頭の大文字の「D」で共通し、さらに、大文字と小文字の差異及びフォントの差異は有するものの、本件商標を構成する9文字のうち7文字が引用商標と共通し、配置順も同じである。
なお、語尾に「re」と「L(l)」の違いがあるとしても、両文字は、外観上紛らわしく近似しており、上述のとおり、本件商標を構成する9文字のうち7文字が引用商標と共通するものであるから、看者に近似した印象を与えるとみるのが相当である。
(イ)称呼
本件商標の称呼は、「デルマコア」あるいは「ダーマコア」の称呼が生じ得る。一方、引用商標からは、「デルマコル」あるいは「ダーマコル」の称呼が生じ得る。
そうすると、両商標は、5音という比較的短い音構成において、称呼の識別上重要な語頭を含む「デルマコ」あるいは「ダーマコ」までが共通し、語尾において「ア」と「ル」の音の差異を有する。称呼の識別上、長音の前音が強く聴覚され、印象の弱い語尾に位置する差異を考慮すれば、両称呼を一連に称呼するときは、その語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあり、需要者の印象、記憶、連想の観点から相紛らわしい。
(ウ)観念
両商標は、それ自体としては一般の辞書に掲載のない造語といえるが、各構成文字のうち、「derma」の語は、辞書等において「皮膚の」の意味する英単語である。
両商標の指定商品は、せっけん類や化粧品であり、「皮膚」に強く関係するものである。一般の需要者は、「derma」の意味について具体的に認識しているとまではいえないが、業界関係者からすれば、取扱商品に関する語として知られている。具体的には、「dermatitis」は皮膚炎、「dermatologist」は皮膚病学者・皮膚科医、「dermatology」は皮慮病学、といった意味を持ち、「derma」の語が皮膚に関する語の接頭語のように使用されていることが分かる。
また、本件商標の構成中「core」の語は「中核部、主要部」等を意味する英単語である。一方、引用商標の構成中の「COL(col)」は、「鞍部」を意味する。ここで「鞍部」とは騎乗用具として騎手が座るための座面や、馬の背中を保護する役割を持つ鞍の部分、あるいは山や丘の間の低い部分、つまり、鞍のように見える地形の凹んだ部分を指す語として知られているが、特に前者の意味で考えると安全のための重要な部分を指すものといえる。そうすると、「core」の語も「COL(col)」の語も重要な部分と考えることができ、その結果、本件商標も引用商標も「皮膚の重要な部分」という観念を生じ、これらに接する需要者の印象、記憶、連想の観点からして、当該観念は相紛らわしいといえる。
したがって、本件商標と引用商標とは観念上相紛らわしいと考えることができる。
イ 指定商品の類否
本件商標の指定商品中、申立てに係る商品は、引用商標の指定商品と重複する。
よって、本件商標は、引用商標の指定商品と類似の商品を含んでいる。
(2)まとめ
本件商標と引用商標は、外観において近似した印象を与える場合があり、称呼及び観念において類似する商標であり、申立てに係る商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似である。
したがって、本件商標は、その申立てに係る商品について、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「Dermacore」の欧文字を横書きしてなるところ、これは、一般的な辞書類に掲載されている語ではなく、また、その構成中、「Derma」の文字が「真皮、皮膚」を、「core」の文字が「芯」などを、それぞれ意味する語であるとしても(出典:「新英和中辞典 第7版」株式会社研究社)、これらを結合した本件商標の構成全体として何らか特定の意味合いが想起、認識し得るというべき事情は見当たらないことからすれば、特定の意味合いを認識させない造語といえる。
そして、そのような欧文字からなる造語については、これを称呼する場合、我が国において親しまれている英語風の読み又はローマ字風の読みに倣って称呼するのが自然であるから、「Dermacore」の文字よりは、「ダーマコア」又は「デルマコア」の称呼を生ずるといえる。
したがって、本件商標よりは、その構成文字に相応して「ダーマコア」又は「デルマコア」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じない。
イ 引用商標
(ア)引用商標1
上記2のとおり、引用商標1は、「DERMACOL」の欧文字を標準文字で表してなるところ、これは、一般的な辞書類に掲載されている語ではなく、また、その構成中、「DERMA」の文字が「真皮、皮膚」を、「COL」の文字が「鞍部」などを、それぞれ意味する語であるとしても(出典:同上)、これらを結合した引用商標1の構成全体として何らか特定の意味合いが想起、認識し得るというべき事情は見当たらないことからすれば、特定の意味合いを認識させない造語といえる。
そして、そのような欧文字からなる造語の称呼については、上記アのとおりであるから、「DERMACOL」の文字よりは「ダーマコル」又は「デルマコル」の称呼を生ずるといえる。
したがって、引用商標1よりは、その構成文字に相応して「ダーマコル」又は「デルマコル」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標2
引用商標2は、別掲2のとおり、下方が波線状に切り取られた灰色の円の中に「D」の文字と「C」の文字からなるモノグラムと考えられるものを白抜きした図形を表し、その下に「Dermacol」の欧文字を横書きした構成からなるところ、当該図形部分と文字部分とは、重なり合うことなく配置されていることから、視覚的に分離して看取されるものである。
また、その構成中の図形部分より何らか特定の意味合いが想起、認識されるというべき事情は見当たらず、また、同構成中の文字部分は、上記(ア)と同様に造語というべきものであることから、これらが観念的に結合しているというべき事情も見当たらない。
そうすれば、引用商標2は、その構成中の図形部分と文字部分を分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、これに接する取引者、需要者が、その構成中の「Dermacol」の文字部分(以下「引用2要部」という。)をもって取引に当たる場合もあるというべきである。
そして、「Dermacol」の文字は、上記(ア)と同様に、特定の意味合いを認識させない造語といえるものであり、また、これよりは「ダーマコル」又は「デルマコル」の称呼を生じるといえる。
したがって、引用商標2よりは、引用2要部の構成文字に相応して「ダーマコル」又は「デルマコル」の称呼を生じ、また、特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標を比較するに、外観において、本件商標と引用商標2は、図形の有無において明らかに異なるものであり、また、本件商標と引用商標1及び引用2要部の比較でも、これらは、文字の書体のほか、語尾における「re」と「L(l)」の文字において相違し、そのため全体の文字数も異なるものであって、全体で9文字又は8文字という比較的短い構成文字数において、この差異が全体に及ぼす影響は小さいものとはいえず、相紛らわしいとはいえないものである。
また、称呼において、本件商標から生じる「ダーマコア」の称呼と引用商標から生じる「ダーマコル」の称呼、及び、本件商標から生じる「デルマコア」の称呼と引用商標から生じる「デルマコル」の称呼は、語頭からの「ダーマコ」又は「デルマコ」の音を共通にするとしても、いずれも語尾における「ア」と「ル」の音でその音質が明らかに異なり、全体で5音という短い音構成にあっては、この差異が全体に与える影響が小さいとはいえず、語調、語感が相違し、明瞭に聴別できるものといえる。
そして、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念において比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観において相紛らわしいとはいえず、称呼において明瞭に聴別できるものであって、観念において比較することができないものであるから、両商標が与える印象、記憶等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、申立てに係る商品について、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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