結論テキスト
登録第6930572号商標の商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025900159 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6930572号商標(以下「本件商標」という。)は、「サイバーセキュリティラボ」の文字を標準文字で表してなり、令和7年3月18日に登録出願、第35類、第41類及び第42類に属する別掲のとおりの役務を指定役務として、同年5月14日に登録査定、同月21日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号、又は同法第3条第1項第6号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証(表記にあたっては、「甲○」(枝番号を含む。なお、「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。
(1)本件商標の構成について
本件商標は、「サイバーセキュリティラボ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「サイバーセキュリティ」の文字は、「電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式(以下この条において「電磁的方式」という。)により記録され、又は発信され、伝送され、若しくは受信される情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置並びに情報システム及び情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保のために必要な措置(情報通信ネットワーク又は電磁的方式で作られた記録に係る記録媒体(以下「電磁的記録媒体」という。)を通じた電子計算機に対する不正な活動による被害の防止のために必要な措置を含む。)が講じられ、その状態が適切に維持管理されていること」であり(サイバーセキュリティ基本法第2条)、「サイバー空間における不正アクセスを防ぎ、それによって発生する可能性のある電子情報の窃取、流出、改ざんといった事態、いわゆる「サイバー攻摯」から情報資産を保護するための対策」(甲1)や「サイバー攻撃に対する防御行為。コンピューターヘの不正侵入、データの改ざんや破壊、情報漏洩、コンピューターウイルスの感染などがなされないよう、コンピューターやコンピューターネットワークの安全を確保すること」を意味する(甲2)。また、「ラボ」の文字は、「研究室。実験室。製作室。」の意味を有する「ラボラトリー」の語の略語(甲3)として一般的に使用されている。
したがって、本件商標は、全体として、「サイバーセキュリティの研究室」「サイバーセキュリティに関する研究室」「いわゆる「サイバー攻撃」から情報資産を保護するための対策についての研究室」ほどの意味合いが容易に認識される。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
高度にデジタル化が進んでいる現代において、サイバーセキュリティの重要性はますます増し、サイバーセキュリティに関する研究・調査・情報の提供等の役務が広がっており、国もサイバーセキュリティについての情報を提供するなど、対策に力を入れている実情がある(甲4)。また、サイバーセキュリティに関する研究室が「サイバーセキュリティラボ」や、その英語表記である「CYBER SECURITY LAB」等と称されている事実が多数確認できる(甲5~甲23)。
このような状況下において、本件商標を本件役務に使用した場合、これに接する取引者及び需要者は、例えば、「サイバーセキュリティの研究室における、ウェブサイト経由による事業に関する情報の提供・デジタルトランスフォーメーションのための事業に関する助言」「サイバーセキュリティの研究室における知識の教授」「サイバーセキュリティの研究室におけるコンピュータ技術に関する助言」等のように、「サイバーセキュリティの研究室に関する(における)役務」であること、すなわち、単に役務の質(内容)、提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するといえるため、特定人による独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、また、識別力を欠くため、商標としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務等以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)商標法第3条第1項第6号について
本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当する商標であることは、上述したとおりであるが、万が一、役務の質(内容)、提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものであるとは認められない場合であっても、本件商標は、全体として、「サイバーセキュリティの研究室」「サイバーセキュリティに関する研究室」「いわゆる「サイバー攻撃」から情報資産を保護するための対策についての研究室」ほどの意味合いが容易に認識されるものである。
そして、本件商標に係る指定役務を取り扱う業界において、「サイバーセキュリティラボ」や、その英語表記である「CYBER SECURITY LAB」等の文字が、「サイバーセキュリティの研究室」程の意味合いで、多数使用されている実情が認められる(甲5~甲23)。
そうすると、本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、「サイバーセキュリティの研究室の業務にかかる役務」であることを認識するにすぎないため、本件商標は、自他役務識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商標であることを認識することができないものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「サイバーセキュリティラボ」の文字を標準文字で表してなるところ、申立人の提出に係る証拠によれば、その構成中の「サイバーセキュリティ」の文字は、「サイバー攻撃に対する防御行為。コンピューターヘの不正侵入、データの改ざんや破壊、情報漏えい、コンピューターウイルスの感染などがなされないよう、コンピューターやコンピューターネットワークの安全を確保すること。」の意味を有し(甲2)、「ラボ」の文字は、「研究室。実験室。」ほどの意味を有する「ラボラトリー」の略語として一般に用いられていることから(甲3)、本件商標はその構成文字全体として、「サイバー攻撃に対する防御行為に関する研究室」ほどの意味合いを認識、理解させるものである。
そして、申立人の提出に係る証拠によれば、実際に、複数の企業、団体、大学等の内部に、サイバー攻撃に対する防御行為に関する調査・研究・開発に取り組んでいる部署や組織等があり、そのような部署や組織等を表す際に「サイバーセキュリティ(・)ラボ」や当該文字に通ずる「Cyber Security Lab」「CYBER SECURITY LABORATORY」(小文字を含む。)の文字(甲10、甲12、甲14、甲15~甲23)が使用されているほか、講座の名称(甲8)、検証環境(甲9)等を示す語として使用されている事実が見受けられる。
しかしながら、申立人提出の証拠の中には、そもそも「サイバーセキュリティ(・)ラボ」や「CYBER SECURITY LAB」等の文字が、ウェブサイトの名称なのか、部署や組織等の名称なのか、何を示す語として使用されているのか判然としないものもあり(甲5~甲7、甲11、甲13等)、加えて、提出された証拠から、当該文字が、本件商標の指定役務との関係で、他人のために提供する役務の質(内容)又は提供の場所等を直接的に示しているとはいい難いものである。
そうすると、「サイバーセキュリティ(・)ラボ」や「CYBER SECURITY LABORATORY」等の文字が、「サイバーセキュリティに関する研究室」の意味で使用されていることは理解できるとしても、本件商標の指定役務との関係で、他人のために提供する役務の質(内容)又は提供の場所等を直接的に示しているとまでは、認めることができない。
よって、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者及び需要者は、その指定役務の具体的な質等を表すものとして認識するとはいえず、本件商標は、自他役務の識別標識として機能し得るとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、その指定役務との関係において、役務の質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとはいえず、かつ、役務の質等について誤認を生ずるおそれもないものであるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)商標法第3条第1項第6号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「サイバーセキュリティラボ」の文字を標準文字で表してなるところ、申立人は、当該文字又はその英語表記である「CYBER SECURITY LAB」が、「サイバーセキュリティに関する研究室」等の意味で多数使用されている実情が認められるから、本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、自他役務の識別標識として機能を果たし得ないと主張する。
しかしながら、申立人が提出した証拠から、本件商標が、多数の者によって一般的に使用されているとまでは認め難いものであり、また、当該文字が、本件商標の指定役務との関係で、役務の特性や優位性など宣伝広告を表示するものとして使用されていると認めるに足りる事実も見いだせない。
そうすると、本件商標は、その指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有しないものとはいえず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標とは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
(3)申立人の主張について
申立人は、例えば、「メタバースラボ/Metaverse Lab」、「DXラボ」等の「○○ラボ」の文字からなる商標について、識別力欠如を理由に拒絶された過去の審査例を根拠に挙げて、本件商標についても、これらの審査例と異なる取扱いをすべき特段の事情はない旨主張している。
しかしながら、商標が商標法第3条第1項第3号又は同項第6号に該当するか否かの判断は、商標の構成態様や指定商品及び役務との関係に基づいて、判断時(査定時)の取引の実情などを考察しつつ、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本件商標と上記審査例は商標の具体的構成等が異なることから、申立人が挙げた過去の審査例によって、本認定は左右されないというべきであるから、申立人の主張は採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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