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Trademark Appeal Case

造語の称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900217
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6956734号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6956734号商標(以下「本件商標」という。)は、「Straine」の文字を標準文字で表してなり、令和7年2月20日に登録出願、第3類「シャンプー,ドライシャンプー,ヘアーコンディショナー,ヘアートリートメント,ヘアーリンス,ヘアートニック,ヘアーローション,ヘアケア用ローション,ヘアークリーム,ヘアケアクリーム,ヘアパック,ヘアコンディショニング用オイル,髪油,整髪剤,染毛剤,毛髪脱色剤,頭髪用化粧品,頭皮用化粧品,ボディシャンプー,ボディソープ,ボディスクラブ,ボディパウダー,ボディローション,ボディ用乳液,ボディクリーム,ボディオイル,バスオイル,バスミルク,バスソルト,バスパウダー,バスビーズ,バスフォーム,バブルバス,バスボム(発泡性浴用化粧品),ヘアケア用オイルバス,浴用ローション,浴用及びシャワー用のジェル,入浴剤(医療用のものを除く。),浴用化粧品,身体及び美容用化粧品,まつ毛用化粧品,化粧落とし剤,化粧用油,身体用防臭剤,化粧品,香水類,せっけん類」及び第21類「ヘアブラシ,くし,頭皮の洗浄及びマッサージ用ブラシ,手動式の頭皮刺激具,化粧用具」を指定商品として、同年7月29日に登録査定され、同年8月12日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下のとおりであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

登録第6589087号商標(以下「引用商標」という。)

商標の構成:Strainia(標準文字)

登録出願日:令和4年3月16日

設定登録日:令和4年7月19日

指定商品:第3類、第5類、第21類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

2 申立人が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するとして引用する商標は、申立人の業務に係る「シャンプー、頭髪用化粧品、ヘアブラシ、くし等」(以下「申立人商品」という。)を表示するものとして、取引者・需要者の間で周知であると主張する別掲に示すとおりの商標(以下「申立人商標」という。)である。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を申立書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。

以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標について

本件商標は、「Straine」の欧文字を標準文字で表してなり、第3類及び第21類に属する商標公報記載のとおりの商品を指定商品として登録されたものである。

本件商標は、その構成から、「ストレイニ」「ストレイネ」「ストレイン」「ストライニ」「ストライネ」又は「ストライン」の称呼を生じる。

また、本件商標は、辞書等には掲載されていない造語と認められ、特定の意味を生じないものの、その構成中、「Strai」の部分は、例えば指定商品「シャンプー」「ヘアーリンス」「ヘアブラシ」等との関係では、「真っすぐな」「(毛髪等が)縮れていない」等の意味を生じる英語の「straight」を想起させるものであり、本件商標全体としては、「straight」という語で形容される機能又は用途等を有する商品を連想させる。

(2)引用商標について

引用商標は「Strainia」の欧文字を横書きで表してなり、第3類、第5類、第21類及び第24類に属する商標公報記載のとおりの商品を指定商品として、登録されたものである。

引用商標は、その構成から、「ストレイニア」「ストレイニャ」「ストライニア」又は「ストライニャ」との称呼を生じる。

また、引用商標は、辞書等には掲載されていない造語と認められ、特定の意味を生じないものの、その構成中、「Strai」の部分は、例えば指定商品「シャンプー」「頭髪用化粧品(トリートメント、ヘアミルク、ヘアオイル等)」「ヘアブラシ」等との関係では、「真っすぐな」「(毛髪等が)縮れていない」等の意味を生じる英語の「straight」を想起させるものであり、引用商標全体としては、「straight」という語で形容される機能又は用途等を有する商品を連想させる。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標は、外観及び称呼が相違し、観念については比較することができないが、外観については、7文字で構成される本件商標及び8文字で構成される引用商標の構成中、語頭から6文字「Starin」が共通しているところ、一般的に商標の語頭部は、商標の外観認識上重要な役割を果たす部分であって、語尾部に比べ取引者及び需要者に強い印象を与え、その記憶に強く残ることは経験則上明らかである。

したがって、本件商標及び引用商標の前半部「Starin」は後半部に比べ、取引者及び需要者の印象及び記憶に強い影響を与えるものであるということができる。

一方、本件商標の最後尾は「e」であり、引用商標の最語尾は「ia」であるが、ともに英語やラテン語で最語尾によく使われる文字であり、外観上、前半部に比して、取引者及び需要者の印象及び記憶に与える影響は小さいものにとどまる。

また、観念については、本件商標と引用商標とのいずれも造語であるため比較することはできないが、両商標に共通する一部の指定商品との関係では、ともに「straight」という語で形容される機能又は用途等を有する商品を連想させるものである。

以上を踏まえて本件商標と引用商標とを全体的に観察し対比すると、両商標は称呼が異なるものの、外観及び観念において紛らわしい関係にあることは明らかであり、取引の状況によって、需要者及び取引者が両者を見誤る可能性は否定できず、両商標は互いに類似する関係にあるというのが相当である。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 商標法第4条第1項第10号について

(1)申立人商標について

ア 申立人商標は、申立人商品のブランド名として使用されているものである。

イ 申立人商標は、「strainia」の欧文字を、丸みを帯びた書体で横一列に書してなるものであり、「ストレイニア」「ストレイニャ」「ストライニア」又は「ストライニャ」の称呼を生じる。

また、申立人商標は、辞書等には掲載されていない造語と認められ、特定の意味を生じないものの、その構成中、「strai」の部分は申立人商品との関係では、「真っすぐな」「(毛髪等が)縮れていない」等の意味を生じる英語の「straight」を想起させるものであり、申立人商標全体としては、「straight」という語で形容される機能又は用途等を有する商品を連想させる。

ウ また、申立人商標を使用した申立人商品は、インターネット上の販売サイトや実店舗等で販売されており、令和4年2月の販売開始から同7年2月までの間に、出稿広告の広告宣伝費用として合計約4億円、このうちインターネットでの広告宣伝費として合計約1億5千万円を費やした結果、インターネットでの広告のインプレッション数が合計25億5千万余り(甲4)に上る成果を出し、自社販売サイトでのアクセス数は令和5年8月から同7年2月までの間に340万余り(甲5)、ECプラットフォーム(楽天市場、Yahooショッピング及びAmazon)でのアクセス数は令和5年10月から同7年2月までの間に120万余り(甲6)に上っている。また、テレビ、雑誌及び新聞を含む様々なメディアでも取り上げられた実績がある(甲7)。

その結果、現在では、申立人商標は、申立人商品のブランド名として、取引者及び需要者の間において広く知られるものとなっている。

(2)本件商標と申立人商標との類否について

本件商標の指定商品「シャンプー」「ヘアーリンス」「ヘアブラシ」等と、申立人商標が使用されている商品「シャンプー」「頭髪用化粧品(トリートメント、ヘアミルク、ヘアオイル等)」「ヘアブラシ」等とは、同一又は類似するものである。

また、本件商標と申立人商標とを全体的に観察し対比すると、両商標は称呼が相違するものの、外観及び観念の類似性をしのぐほどの差異を取引者及び需要者に印象付けるものとはいい難く、外観及び観念において紛らわしい関係にあることは明らかであり、両商標は互いに類似する関係にあるというのが相当である。

(3)申立人商標の周知性について

申立人商標は、申立人商品のブランド名として、本件商標の登録出願前から広く使用されており、取引者及び需要者の間で良く知られるものとなっていたことが容易に推認される。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同項第10号のいずれかに該当する。

第4 当審の判断

1 申立人商標の周知性について

申立人の主張及び同人の提出した証拠によれば、次のとおりである。

(1)「strainia JAPAN」のウェブサイトにおいて、申立人商標が使用された申立人商品が掲載されている(甲3)。

(2)2022年8月4日ないし2025年2月20日まで(約30か月間)の申立人商品の広告宣伝費の合計とされる約4億円中、インターネット等(Facebook、Google、Yahoo、LINE、microsoft)における広告宣伝費の合計は約1億5千万円であり、上記インターネットでの広告表示回数(インプレッション数)の合計は約25億5千万回であること、申立人商品のうち、特に「ケアストレートブラシ」及び「ケアストレートコーム」は、上記の全てのインターネットで広告され、かつ、当該広告宣伝費及び広告表示回数において上位を占めていることがうかがえる(申立人の主張、甲4)。

(3)2023年8月4日ないし2025年2月20日まで(18か月間)の申立人商品が掲載された申立人公式ウェブサイトへのアクセス数は約340万回であること(甲5)、2023年10月ないし2025年2月まで(16か月間)の申立人商品のECサイト(楽天、Yahoo、Amazon)へのアクセス数の合計は約120万回であること、申立人商品のうち、特に「ケアストレートブラシ」は、当該申立人公式ウェブサイト及びECサイトへのアクセス数の上位を占めていることがうかがえる(甲6)。

(4)2022年10月から2024年10月にかけて、申立人商品のうち「ケアストレートブラシ」が、複数のメディア(テレビ(TBS、東海テレビ、九州朝日放送)、新聞(中部経済新聞)、雑誌(ゆるふわショート&ボブvol.26、GROOMEN、からだにいいこと、美人百花)、ウェブサイト(OZmall)において紹介されたことはうかがえる(甲7)。

(5)上記(1)ないし(4)からすれば、2022年8月ないし2025年2月にかけて、複数のインターネット等において、申立人商品についての広告宣伝費の実績が一定程度あること、2023年8月ないし2025年2月にかけて、申立人公式ウェブサイト、2023年10月ないし2025年2月にかけて複数のECサイトを通じて申立人商品が広告宣伝されたこと、申立人商品中、特に「ケアストレートブラシ」等のヘアブラシの広告宣伝費、広告表示回数、申立人公式ウェブサイト及びECサイトへのアクセス数の上位に位置付けられていること、2022年10月から2024年10月にかけて、申立人商品中、「ケアストレートブラシ」が、テレビ、新聞、雑誌等の複数のメディアで紹介されたことがうかがえる。

しかしながら、申立人商品の主たる需要者は、美容院等の取引業者や一般消費者であり、また、需要者の範囲も、老若男女を問わず極めて広範にわたるものといえる。また、その取引形態も、EC取引によって販売又は購入される場合も決して少なくなく、EC取引を利用するユーザー数やアクセス数も、その需要者に応じて極めて多いことが容易に推認できるものである。

そうすると、申立人商品のECサイトへのアクセス数やユーザーに表示されたインターネットでの広告表示回数(インプレッション数)をもって、必ずしも、その多寡が高いと評価をすることはできない。また、申立人商品の広告宣伝期間についても4年程度とさほど長い期間とはいえず、申立人商品のメディアで紹介の実績についても3年間の実績としては決して多いとはいえないものである。

また、ほかに申立人商標の周知性の程度を判断するための証拠、例えば、申立人商標が使用された申立人商品の販売実績、申立人商品分野の市場シェア等が明らかでないことから、申立人商標の周知性の程度を判断することはできない。

その他、申立人商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたものと認めるに足りる事実は見いだせない。

そうすると、申立人提出に係る全証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたとは認めることはできない。

2 本件商標と申立人商標の類似性について

(1)本件商標について

本件商標は、上記第1のとおり、「Straine」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般的な辞書に載録がない語であり、特定の意味を有するものとして認識されている事情も見いだせないから、特定の意味を有しない一種の造語として看取されるものである。

そして、特定の意味を有しない造語にあっては、親しまれたローマ字読み又は英語読み風に称呼するのが一般的であるところ、その構成中、「Strai」部分について、例えば、「Straight」の語を「ストレイト」、「Strange」の語を「ストレインジ」のように「ストレイ」と発音される例に倣えば、本件商標は、その構成文字に相応して「ストレイン」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。

(2)申立人商標について

申立人商標は、別掲のとおり「Strainia」の欧文字を丸みを帯びたややデザイン化された書体で表してなるところ、当該文字は、一般的な辞書に載録のない語であり、特定の意味を有するものとして認識されている事情も見いだせないから、特定の観念を生じない一種の造語として看取されるものである。

そして、特定の意味を有しない造語にあっては、親しまれたローマ字読み又は英語読み風に称呼するのが一般的であるところ、その構成中、「Strai」部分について、例えば、「Straight」の語を「ストレイト」、「Strange」の語を「ストレインジ」のように「ストレイ」と発音する例に倣えば、申立人商標は、その構成文字に相応して「ストレイニア」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。

(3)本件商標と申立人商標の類否について

本件商標と申立人商標を比較するに、両商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりであるところ、外観においては、「Strain」の文字部分が共通するとしても、7文字又は8文字と比較的短い構成文字における語尾の「e」と「ia」の欧文字の差異により明確に区別できるものである。

また、称呼においては、「ストレイ」の音を共通にするとしても、5音又は6音と短い音構成における語尾の「ン」と「ニア」の音の差異により明瞭に聴別できるものである。

さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから観念において比較できないものである。

したがって、本件商標と申立人商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れない非類似の商標である。

3 商標法第4条第1項第10号該当性について

上記1のとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたとは認めることはできないものであり、上記2のとおり、本件商標と申立人商標は非類似の商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

4 商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標と引用商標を比較するに、上記2のとおり、本件商標と申立人商標とは非類似の商標であるところ、申立人商標と引用商標とは同じつづりからなり、本件商標と引用商標との比較においても、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、本件商標と引用商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似する商品であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

5 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第11号のいずれにも該当するものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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