結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2023021562 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、2018年(平成30年)12月19日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2017年12月19日 アメリカ合衆国(US) 2018年5月18日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概略は、以下のとおりである。
令和 4年11月14日付け:拒絶理由通知
令和 5年 5月10日 :意見書、手続補正書の提出
同年 8月22日付け:拒絶査定
同年12月19日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 7年 2月19日付け:拒絶理由通知
同年 8月20日 :意見書、手続補正書の提出
本願の請求項1に係る発明は、令和7年8月20日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(以下、「本願発明1」という。)。
「【請求項1】
複数の炭素粒子を有する炭素質材料であって、該複数の炭素粒子がそれぞれ複数の細孔を有し、該複数の細孔中の各細孔の細孔サイズが下限(a)から上限(z)の範囲であり、該炭素質材料のかさ密度(σ)が下限(b)から上限(y)の範囲であり、(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)が1未満であり、ここで(a)が約10nmであり、(z)が約5000nmであり、(b)が約0.16g/mlであり、(y)が約0.56g/mlであり、かつ、相互接続された細孔組織を保持することにより該炭素質材料上の活性部位へのアクセスが妨害されない、上記炭素質材料。」
令和7年2月19日付けの拒絶理由通知書で当審が通知した拒絶理由は、概略、以下の理由を含むものである。
理由1:(明確性要件)
令和5年12月19日に提出された手続補正書により補正された本願特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「請求項1発明」という。)における「炭素質材料のかさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法が明らかでなく、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法が明らかでないから、請求項1発明は明確でないので、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
理由2:(実施可能要件)
本願明細書の発明の詳細な説明をみても、請求項1発明における「炭素質材料のかさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法が明らかでないから、当業者は、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)が1未満であ」る「炭素質材料」を、過度の試行錯誤を要することなく製造することができるとはいえないので、本願は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
理由3:(サポート要件)
本願明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌しても、請求項1発明における「炭素質材料のかさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法が明らかでなく、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法が明らかでないから、「比較変動性(g)」を「1未満」とすることで、本願発明の課題を解決できることを理解することができないので、請求項1発明の発明特定事項により、本願発明の課題を解決できることを理解することができない。
また、本願明細書の発明の詳細な説明の記載から、「相互接続された細孔組織を保持することにより該炭素質材料上の活性部位へのアクセスが妨害されない」ことで、「炭素質材料」の気孔率を調整できることを理解することもできない。
このため、発明の詳細な説明の記載を参酌しても、請求項1発明の発明特定事項により本願発明の課題を解決できることを理解することができないから、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
当審は、前記第3に記載の理由1~3によって、本願は拒絶すべきものと判断する。その理由について、以下、詳述する。
(1) 明確性要件の判断手法
特許法第36条第6項第2号に定める要件を充足するか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
以下、この判断手法に従って検討する。
(2) 本願明細書等の記載事項
本願の願書に添付した明細書(以下、「本願明細書」という。)には、以下のア~ウの記載がある(当審注:下線は当審が付与した。また、「・・・」は記載の省略を表す。)。
ア 「【背景技術】
【0003】
多孔性フェノール樹脂は、現在、AMBERLITE XAD761(DOW CHEMICAL、ROHM&HAAS)などの商標名で吸着剤として製造および使用されている。同様の材料は、現在廃止されており、ROHM&HAASによってDUOLITE XAD761、DUOLITE S37、およびDUOLITE S58として製造されている。
・・・
【0007】
前述の材料の特定の不利な点は、それらの限られた内部気孔率およびそれらの顆粒の不規則な形状に起因し、開発中に関連する摩耗の問題を伴う。これらの不利な点は、典型的にバルク硬化とそれに続く粉砕によって製造されたフェノール系マトリックスに根本的に起因する可能性がある。
【0008】
細孔形成剤として高温沸騰溶媒が使用されている重縮合樹脂のバルク硬化および懸濁重縮合製造の両方で、ゾル-ゲルプロセスも適用されて、得られた樹脂ブロックまたはビーズの気孔率を調整する。たとえば、ノボラック-ヘキサミン-エチレングリコール反応系を使用すると、硬化前の溶液中の溶媒含有量が増加し、硬化した樹脂の細孔サイズと細孔容積も増加した。
【0009】
重縮合樹脂、および一人あるいは複数のユーザーおよび/または1つまたは複数のプロセスの目標を満たすように気孔率を調整することができるこれらの樹脂から誘導される炭素をもたらす継続的な必要性が存在する。
・・・
【0019】
本明細書に開示されるのは、重縮合樹脂、およびそれから誘導され、気孔率が調整された炭素質材料である。
本明細書では、気孔率は主に細孔サイズを指す。
一態様では、本明細書に開示されるタイプの材料は、細孔サイズが約10nm~約5000nm、あるいは約100nm~約2500nm、あるいは約200nm~約1000nmの範囲であるように調整され得る。いくつかの態様では、本明細書で開示される気孔率が調整された樹脂(TPR)は、ランダムに配向された前駆体材料から誘導され、R-TPR(ランダム)と示される。別の態様では、本明細書に開示される気孔率が調整された樹脂(TPR)は、高オルト前駆体材料から誘導され、HO-TPRと示される。
・・・
【0030】
本開示の重縮合樹脂の気孔率は、高温、例えば、約40°C~約200°C、あるいは約50°C~約175°C、あるいは、約70°C~約150°Cで生じる架橋樹脂領域の着実な成長の過程で発達する。理論にとらわれることなく、高温時に、ある段階で、樹脂リッチ相(まだいくらかの溶媒を含む)と、いくらかの直鎖または部分的架橋ポリマーおよび硬化剤をまだ含む溶媒リッチ相とのナノスケールの相分離が起こり、細孔の相互浸透ネットワークが形成されることが予期される。典型的に、この時点で、液状重縮合樹脂溶液は固体になる(ゾル-ゲル転移)。さらに、最初に形成されたベンゾオキサジンおよびベンジルアミン架橋構造の異なる転移(ヘキサミンが硬化剤である場合)が、溶液リッチ相から部分硬化ポリマーを犠牲にして、樹脂領域のさらなる成長とともに起こると予期される。さらに加熱すると、気体のアンモニアとアミンが発生し、樹脂が半透明から不透明に変わる。
【0031】
驚くべきことに、最近発見され、本明細書に開示されているように、比較的わずかの溶媒/細孔形成剤(例えば、エチレングリコール)を水で置換することによって、細孔容積が著しく変化することなく、細孔サイズが著しく増加する。
【0032】
重縮合樹脂の気孔率を調整する他の新規な方法は、反応組成物に微量のアルカリ剤(例えば、水酸化ナトリウム)を添加することによる重縮合樹脂の溶解度の変化に依存する。驚くべき有利な態様では、アルカリ材料を利用した場合、触媒活性は観察されなかったが、そのような材料はフェノールの重縮合反応における触媒として以前に利用されていた。」
イ 「【0060】
例
本開示の主題を概して説明してきたが、以下の例は、本開示の特定の態様として与えられ、その実施および利点を示す。これらの例は、例として与えられ、明細書または特許請求の範囲をいかようにも制限することを意図していないことが理解されよう。
【0061】
以下の例は、異なる配合の硬化樹脂ビーズの調製の詳細をもたらし、比較方法(例1、4、5、6、7)および本開示の方法の両方を説明する。例1~10の樹脂(すなわち、炭素質材料)から誘導された炭化ビーズは、例1-1、2-1などの系を利用して指定される。
【0062】
例1
本明細書に開示されているタイプのTPRおよび炭素質材料を調製し、それらの特性を調査した。エチレングリコール135重量部にHO-ノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール135重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合した。得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(145°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱した。次に、スラリービーズを油から分離し、炭化した。
【0063】
例1-1
例1の
樹脂ビーズを、二酸化炭素気流下で管状炉の浅いベッドトレイ内で炭化した。温度を200分間に20°Cから800°Cに上昇させ、その温度で30分間保持した。
炭素ビーズを冷却した後、試験ふるいで分類し、250/500μmフラクションをさらに分析した。
【0064】
例2
本明細書に開示されているタイプのTPRおよび炭素質材料を調製し、それらの特性を調査した。エチレングリコール120重量部にHOノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール123重量部および水27重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合した。得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(135°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱した。次に、スラリービーズを、さらに処理することなく、例1-1と同様に油から分離し、炭化した。例1と同様に分析サンプルを調製した。
【0065】
例2-1
例2の樹脂ビーズを、二酸化炭素気流下で管状炉の浅いベッドトレイ内で炭化した。温度を200分間に20°Cから800°Cに上昇させ、その温度で30分間保持した。炭素ビーズを冷却した後、試験ふるいで分類し、250/500μmフラクションをさらに分析した。
【0066】
例3
本明細書に開示されているタイプのTPRおよび炭素質材料を調製し、それらの特性を調査した。水酸化ナトリウム1.2重量部を含むエチレングリコール135重量部にHOノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール135重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合した。得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(135°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱した。
【0067】
これらのビーズを熱(80°C~90°C)水で2回洗浄し(各回2000重量部)、空気中で自由流動状態になるまで乾燥した。分析サンプルを、プロパノール-2-オールによる抽出と真空乾燥によって調製した。
【0068】
例3-1
水洗した樹脂ビーズを例1-1および2-1と同様に炭化し、さらに処理したが、窒素気流下で熱処理を行った。
・・・
【0071】
例5
本明細書に開示されているタイプのTPRおよび炭素質材料を調製し、それらの特性を調査した。
エチレングリコール250重量部にRノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール290重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合した。得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(143°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱した。冷却後、濾過または遠心分離のいずれかにより、スラリービーズを油から分離した。これらのビーズを熱(80°C~90°C)水で2回洗浄し(各回2000重量部)、空気中で自由流動状態になるまで乾燥した。
分析サンプルを、プロパノール-2-オールによる抽出と真空乾燥によって調製した。
【0072】
例5-1
水洗した樹脂ビーズを例1-1、2-1および4-1と同様に炭化し、さらに処理した。
・・・
【0075】
例7
本明細書に開示されているタイプのTPRおよび炭素質材料を調製し、それらの特性を調査した。
エチレングリコール225重量部にHOノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール225重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合した。得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(141°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱した。冷却後、濾過または遠心分離のいずれかにより、スラリービーズを油から分離した。これらの樹脂ビーズをさらに処理することなく炭化した。
分析サンプルを、熱水洗浄、その後にプロパノール-2-オールによる抽出および真空乾燥によって調製した。
【0076】
例7-1
例7の樹脂ビーズを例1-1、2-1、4-1、5-1および6-1と同様に炭化し、さらに処理した。
【0077】
例8
本明細書に開示されているタイプのTPRおよび炭素質材料を調製し、それらの特性を調査した。エチレングリコール80重量部にHOノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール72重量部および水27重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合した。得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(125°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱した。冷却後、濾過または遠心分離のいずれかにより、スラリービーズを油から分離した。これらの樹脂ビーズをさらに処理することなく炭化した。分析サンプルを、熱水洗浄、その後にプロパノール-2-オールによる抽出および真空乾燥によって調製した。
【0078】
例8-1
例8の樹脂ビーズを例1-1、2-1、4-1、5-1、6-1および7-1と同様に炭化し、さらに処理した。
【0079】
例9
本明細書に開示されているタイプのTPRおよび炭素質材料を調製し、それらの特性を調査した。
水酸化ナトリウム0.6重量部を含むエチレングリコール80重量部にHOノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール100重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合した。得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(125°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱した。冷却後、濾過または遠心分離のいずれかにより、スラリービーズを油から分離した。これらのビーズを熱(80°C~90°C)水で2回洗浄し(各回2000重量部)、空気中で自由流動状態になるまで乾燥した。
分析サンプルを、プロパノール-2-オールによる抽出と真空乾燥によって調製した。
【0080】
例9-1
水洗した樹脂ビーズを例3-1と同様に炭化し、さらに処理した。
」
ウ 「【0083】
例11
先の例で説明したように調製したサンプルをさらに分析した。図1は、水または水酸化ナトリウムの関数としてTPRの細孔サイズを示すグラフであり、一方、図2は、TPRから誘導される炭化材料の細孔サイズを、水および水酸化ナトリウムの量の関数としても示したグラフである。表1は、両方の図にプロットされた値をまとめたものである。図1は、組成物中の総高オルト(HO)ノボラックおよびヘキサミン含有量(ノボラックとヘキサミンの重量比5/1)に関する細孔形成剤225重量%を含む樹脂組成物についての気孔率の変化を示す。細孔形成剤のレベルは、技術的に実行可能なように変化させることが可能であった(特定の溶解度と粘度の制限のため)。実証したように、本明細書に開示される材料の細孔サイズは、本開示の方法によって変化可能であり、一方、細孔容積は、大部分が細孔形成剤の重量のレベルによって予め定められることが観察される。これにより、所望の細孔容積と細孔サイズを有する樹脂構造を作成するために有利な条件の有用なマトリックスが作成される。例1および1-1は、比較樹脂および炭化ビーズを表す。
【表1】
50
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【0084】
図1および2ならびに表1からのデータは、本開示の材料について観察された樹脂と炭素気孔率との関係を説明する。特に、(i)硬化樹脂の細孔は、純粋なエチレングリコール、および水酸化ナトリウムを含むエチレングリコールで調製され、誘導された炭素の細孔よりも大きいことが観察され、水性エチレングリコールを造孔剤として調製した硬化樹脂の細孔は、誘導された炭素の細孔よりも小さい;(ii)樹脂組成物に水酸化ナトリウムを添加すると、硬化樹脂に広い細孔サイズ分布が得られるが、一方、誘導された炭化材料は、鋭い細孔サイズの最大値を示す;(iii)樹脂組成物に水酸化ナトリウムを添加すると、樹脂および誘導された炭素の両方で細孔サイズが適度に減少し、細孔容積に関連するパラメーターが適度に変化する;(iv)樹脂組成物に水を添加すると、硬化樹脂および誘導された炭素の細孔サイズが著しく増加し、細孔容積関連パラメーターに対する影響は適度ではない、ことが観察された。本開示の材料について、細孔サイズの増加は、かさ密度の減少(細孔容積の増加)と相関し、潜在的には、より大きなマクロ細孔を有する炭素の容積性能の進行する劣化と相関することが観察された。一方、メソポーラス炭素(D<50nm)は、かさ密度が高く、細孔容積が比較的低い。本発明の目的は、以下を有する炭素を提供することである:i)直径が0.5μを超える細孔および比較的高いかさ密度;およびii)比較的高い容積のメソ細孔(かさ密度が低い)。図3は、炭素材料と樹脂の両方の樹脂組成物におけるエチレングリコールの割合の関数としての細孔サイズと体積の重ね合わせたプロットである。
【表2】
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・・・
【0086】
炭素ビーズ内のナノ構造の原子間力顕微鏡(AFM)および走査型電子顕微鏡(SEM)の両方の画像は、輸送孔の、球状炭素領域のクラスターで形成された壁との相互接続ネットワークを示した。領域サイズは、例1-1の炭素では100~110nm、例3-1の「アルカリ」炭素では60~75nm、例2-1の「水性」炭素では1~2μと測定された。このナノ領域のサイズの変化は、同じ細孔形成剤/(ノボラック+ヘキサミン)重量比の樹脂から誘導された炭素の細孔サイズの劇的な変化を説明する(図1を参照)。その上、同じことが前駆体樹脂にも有効であると考えられる。
【0087】
得られた画像処理は、細孔構造の大部分が、球形の顆粒(ビーズ)サンプル内の球状の凝集の相互接続されたネットワークからなるように見えることを示す。粗さ測定は、次のようにRMS粗さの増加を示す:3-1<1-1<2-1。これは、AFMで見られる領域サイズの順に従い(図4)、水銀圧入細孔測定法で測定される細孔サイズとよく一致する。」
(3) 明確性要件の判断
ア 始めに、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法について検討すると、技術常識からみて、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」は、1つの値としてしか測定されないものである。
このことは、例えば、本願明細書の発明の詳細な説明の例No.1-1の「炭素質材料」における「かさ密度(σ)」が、0.30g/ccと1つの値として測定されるものであり、そのほかの例においても同様である(段落【0083】~【0084】、【表1】、【表2】。前記(2)ウ。)ことからも裏付けられるものである。
そうすると、そもそも「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」を測定することはできないから、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法は明らかでないし、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法も明らかでない。
イ これについて、令和7年8月20日に提出した意見書(以下、「意見書」という。)における請求人の主張は、概略、以下のとおりである。
かさ密度は、粒体全体としては、1つの値として測定されるものであるが、粒体を構成する個別の粒子に着目すれば、それぞれの粒子の密度は必ずしも同一のものではなく、むしろ一定の分布を有し、したがって上限及び下限を有することが技術常識であり、本願明細書を参照した当業者は、本願明細書に記載された実施例等の炭素粒子もそのかさ密度に上限及び下限を有すること、及びその測定方法を理解する。
例えば、本願明細書の段落【0064】(前記(2)イ)の例2で得られる炭化したビーズは、その製造方法に起因して、細孔サイズ及び/又は細孔の数が互いに異なる粒子(ビーズ)を有し得るものであり、細孔サイズ及び/又は細孔の数は、例2のどのロットの炭化したビーズ(炭素粒子)が分析に供されたかに依存して異なり得るものであり、また、同一ロット中の(したがって同じプロセスによって製造された)粒子間においても、それら粒子の全てが完全に同一の形状に形成される訳ではないので、やはりその細孔サイズ及び/又は細孔の数が互いに異なるものとなり得る。
この様な細孔サイズ及び/又は細孔の数の相違に起因して、異なるロットの炭素粒子や同一のロット中の異なる炭素粒子は、異なるかさ密度を有し得るものであり、したがって当該かさ密度は下限(b)及び上限(y)を有するものであり、このような異なるロット間のかさ密度の変動は、本願明細書の段落【0083】~【0084】の表1及び2(前記(2)ウ)にも記載され、これらを参照した当業者において明確に理解可能なものであり、また、粉体のかさ密度の測定方法は、当業者において広く知られているので、当該かさ密度は下限(b)及び上限(y)の測定方法も当業者において明確である(【意見の内容】(3)特許法第36条第6項第2号に基づく拒絶理由(理由1)について b)1行~最終行)。
ウ 以下、前記イの主張について検討する。
(ア) 前記イの主張を整理すると、以下のとおりに解される。
a 「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を、例えば例2に基づいた所定の製造方法により製造したとき、異なるロット間ではかさ密度が変動し、異なるものとなるから、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」は「下限(b)」及び「上限(y)」を有するので、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」は明確である。
b 「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を、例えば例2に基づいた所定の製造方法により製造したとき、同一ロット中の(したがって同じプロセスによって製造された)粒子間においても、それら粒子の全てが完全に同一の形状に形成される訳ではないから、やはりその細孔サイズ及び/又は細孔の数が互いに異なるものとなり得るので、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」は「下限(b)」及び「上限(y)」を有することから、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」は明確である。
c 「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の異なるロット間のかさ密度の変動は、本願明細書の段落【0083】~【0084】の表1及び2(前記(2)ウ)にも記載され、これらを参照した当業者において明確に理解可能なものであり、また、粉体のかさ密度の測定方法は、当業者において広く知られているので、当該かさ密度は下限(b)及び上限(y)の測定方法も当業者において明確である。
(イ) そこで、始めに、前記(ア)aの主張について検討すると、本願明細書の発明の詳細な説明及び図面(以下、「本願明細書等」という。)には、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」を、異なるロット間のかさ密度の変動に基づいて測定することは記載も示唆もされていないし、そのような測定方法が、本願の出願時の技術常識であるともいえない上、請求人は、そのことを裏付ける証拠を何ら提示していない。
してみれば、前記(ア)aの主張は、本願明細書等の記載及び本願の出願時の技術常識に基づいたものとはいえない。
また、前記(ア)aの主張は、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を、例えば例2に基づいた所定の製造方法により製造したとき、異なるロット間ではかさ密度が変動し、異なるものとなるから、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」は「下限(b)」及び「上限(y)」を有するので、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」は明確である旨をいうものと解されるので、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の製造方法が、例えば例2に基づいた所定の製造方法によるものであることを理解できることを前提として、前記所定の製造方法により複数ロットの「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を製造したときの異なるロット間のかさ密度の変動に基づいて、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」が測定できることをいうものといえる。
ところが、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」である物の発明に係る本願発明1においては、当該「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の製造方法が特定されているわけではないし、請求人は、製造後の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」からさかのぼって、その製造方法を理解する方法を何ら開示しておらず、製造後の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」からさかのぼって、その製造方法を理解できることを裏付ける技術常識も存在しないから、製造後の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」からその製造方法を理解することは困難であるので、前記前提はそもそも誤っている。
そうすると、仮に、前記(ア)aの主張に基づいて「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」を求めるとしても、当業者は、前記「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」を測定するために、製造後の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」からさかのぼって、複数ロットの「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を製造する際の製造方法を理解することができないから、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法も理解することができないことに変わりはない。
また、本願発明1においては、「炭素質材料」は、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」と特定され、かつ、その製造方法は特定されていないから、前記「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」には、それぞれ製造方法及びかさ密度が異なる複数種類の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を混合したものが含まれると解されるのであり、このことは、請求人の意見書における主張によっても裏付けられるものである。
すなわち、請求人は、意見書(【意見の内容】(4)特許法第36条第4項第1号に基づく拒絶理由(理由2)について b)10行~20行)において、概略、下記2(2)イ(イ)のとおり主張している。
前記主張は、それぞれ異なるかさ密度を有する複数種類の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」、例えば、例5-1、例7-1及び例9-1を適宜組み合わせ、かつ混合比を適宜調整することで、かさ密度を所望の値に調整できることをいうものと解される。
ここで、本願明細書等の段落【0071】~【0072】、【0075】~【0076】、【0079】~【0080】の記載(前記(2)イ)からみれば、例5-1は、エチレングリコール250重量部にRノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール290重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合し、得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(143°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱し、冷却後、濾過または遠心分離のいずれかにより、スラリービーズを油から分離し、これらのビーズを熱(80°C~90°C)水で2回洗浄し(各回2000重量部)、空気中で自由流動状態になるまで乾燥し、水洗した樹脂ビーズを例1-1と同様に、すなわち、二酸化炭素気流下で管状炉の浅いベッドトレイ内で炭化したものであり、温度を200分間に20°Cから800°Cに上昇させ、その温度で30分間保持することで炭化して製造したものである。
また、例7-1は、エチレングリコール225重量部にHOノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール225重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合し、得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(141°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱し、冷却後、濾過又は遠心分離のいずれかにより、スラリービーズを油から分離し、これらの樹脂ビーズをさらに処理することなく炭化したものであり、樹脂ビーズを前記例1-1と同様に炭化し、更に処理して製造したものである。
更に、例9-1は、水酸化ナトリウム0.6重量部を含むエチレングリコール80重量部にHOノボラック100重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)を、エチレングリコール100重量部にヘキサミン20重量部を含む熱溶液(85°C~90°C)と混合し、得られた熱樹脂溶液を、乾性油4重量部を含む撹拌された熱(125°C)鉱油2000重量部に注ぎ、エマルジョンを形成し、それをビーズに形成し、さらに加熱し、冷却後、濾過または遠心分離のいずれかにより、スラリービーズを油から分離し、これらのビーズを熱(80°C~90°C)水で2回洗浄し(各回2000重量部)、空気中で自由流動状態になるまで乾燥し、水洗した樹脂ビーズを例3-1と同様に、すなわち、例1-1と同様に炭化し、更に処理したが、窒素気流下で熱処理を行って製造したものである。
これらのことからみれば、例5-1、例7-1及び例9-1は、それぞれ製造方法が異なるし、例5-1、例7-1及び例9-1のかさ密度は、それぞれ0.16g/cc、0.16g/cc及び0.56g/ccであるから(段落【0084】、【表2】。前記(2)ウ。)、かさ密度も異なるので、前記意見書における主張は、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」には、それぞれ製造方法及びかさ密度が異なる複数種類の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を混合したものが含まれると解されることを裏付けるものである。
してみれば、本願発明1に係る「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」には、それぞれ製造方法及びかさ密度が異なる複数種類の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を混合したものが含まれると解される。
そして、それぞれ製造方法が異なるこれらの複数種類の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を適宜組み合わせ、かつ混合比を適宜調整して製造された後の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」からさかのぼって、前記複数種類の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の混合比を求め、更に混合される前の前記複数種類の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」のそれぞれの製造方法を理解することは極めて困難であるから、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」を測定するために、複数ロットの「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を製造する際の製造方法を理解することも極めて困難であるので、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法を理解することはできない。
したがって、前記(ア)aの主張は採用できない。
(ウ) 次に、前記(ア)bの主張について検討すると、前記(ア)bの主張も、前記(イ)に記載したのと同様の理由により、本願明細書等の記載及び本願の出願時の技術常識に基づいたものとはいえない。
また、前記(ア)bの主張も、前記(ア)aの主張と同様に、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の製造方法が、例えば例2に基づいた所定の製造方法によるものであることを理解できることを前提としたものといえるが、前記前提はそもそも誤っていることは前記(イ)に記載したとおりであるから、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法も理解することができないことに変わりはない。
更に、同一ロット中の個別の粒子に着目したかさ密度は、前記「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」、すなわち、複数の個別の粒子から構成される「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」全体の「かさ密度(σ)」とは異なるものであるから、仮に、同一ロット中の個別の粒子に着目したかさ密度に下限や上限があるとしても、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」が測定できるものではない。
したがって、前記(ア)bの主張も採用できない。
(エ) 最後に、前記(ア)cの主張について検討すると、前記【表1】、【表2】の記載(段落【0083】~【0084】。前記(2)ウ。)は、製造方法が異なる「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」のそれぞれの「かさ密度(σ)」を例示したものにすぎず、例えば例2により製造した異なるロット間のかさ密度の変動を開示したものではないし、前記【表1】、【表2】の記載をみても、前記(イ)に記載したのと同様の理由により、当業者が「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法を理解することができないことに変わりはない。
したがって、前記(ア)cの主張も採用できない。
(オ) 前記(イ)~(エ)に記載した理由により、当業者は、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法を理解することができないから、請求人の前記イの主張は採用できない。
エ 次に、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の測定方法について検討すると、技術常識からみれば、かさ密度には、容器中にゆっくりと(圧力を加えずに)充填した粗な状態で測定した値であるゆるみ(粗充てん)かさ密度と、これに更に一定の条件でタッピングして密な状態にした後に測定したかため(密充てん)かさ密度の二種類があるが、本願発明1において、そのどちらの測定方法を採用するのかは、本願明細書等には記載も示唆もされていないから、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の測定方法は明確でない。
オ これについて、意見書における請求人の主張は、概略、以下のとおりである。
本願請求項1には、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の測定方法は明記されていないが、本願明細書の段落【0065】及び【0078】(前記(2)イ)の記載からみれば、本願明細書の実施例において、炭素ビーズについて行われた操作として記載されているものは、冷却及び試験ふるいでの分類(分級)、及びそれに続く分析のみであり、かため(密充てん)かさ密度を測定するにあたって必要な、振動や突き固め等の操作は上記実施例にも、本願明細書のそれ以外の個所にも記載も示唆もされていないから、これらの記述を参照した当業者は、前記実施例において、(ふるいにより分級された後に分析された)炭素ビーズについて、該分析において測定されたかさ密度は、ゆるみ(粗充てん)かさ密度であると理解する。
したがって、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」がゆるみ(粗充てん)かさ密度であることは当業者において明確である(【意見の内容】(3)特許法第36条第6項第2号に基づく拒絶理由(理由1)について a)10行~28行)。
カ 以下、前記オの主張について検討すると、かさ密度には、容器中にゆっくりと(圧力を加えずに)充填した粗な状態で測定した値であるゆるみ(粗充てん)かさ密度と、これに更に一定の条件でタッピングして密な状態にした後に測定したかため(密充てん)かさ密度の二種類があることは、前記エに記載したとおりである。
これに対して、本願明細書の段落【0065】(前記(2)イ)には、例2-1として、例2の樹脂ビーズを、二酸化炭素気流下で管状炉の浅いベッドトレイ内で炭化し、温度を200分間に20°Cから800°Cに上昇させ、その温度で30分間保持し、炭素ビーズを冷却した後、試験ふるいで分類し、250/500μmフラクションをさらに分析したことが記載され、同段落【0078】(前記(2)イ)には、例8-1として、例8の樹脂ビーズを例1-1、2-1、4-1、5-1、6-1および7-1と同様に炭化し、さらに処理したことが記載されている。
ところが、これらの記載は、例2や例8の樹脂ビーズを、二酸化炭素気流下で管状炉の浅いベッドトレイ内で炭化し、温度を200分間に20°Cから800°Cに上昇させ、その温度で30分間保持し、炭素ビーズを冷却した後、試験ふるいで分類し、250/500μmフラクションをさらに分析したこと等を記載したものにすぎず、かさ密度を、容器中にゆっくりと(圧力を加えずに)充填した粗な状態で測定したことも、これに更に一定の条件でタッピングして密な状態にした後に測定したことも、記載も示唆もされているとはいえない。
そして、本願明細書等には、このほかにも、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の測定方法は記載されていないから、そもそも、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の測定方法そのものが記載されていないのであり、また、ゆるみ(粗充てん)かさ密度も、かため(密充てん)かさ密度も、かさ密度として同じように常用されるものであるから、本願明細書等に震動や突き固め等の操作が記載も示唆もされていないとしても、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の測定方法から、殊更、かため(密充てん)かさ密度の測定方法を除外して、ゆるみ(粗充てん)かさ密度により測定されるものと理解することはできない。
したがって、前記オの主張も採用できない。
キ 前記ア~カによれば、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法が明らかでなく、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法も明らかでない。
(4) 小括
してみれば、当業者は、本願明細書等の記載及び本願の出願時の技術常識を参酌しても、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法を理解することができず、更に「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法も理解することができないから、本願特許請求の範囲の記載は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるというべきである。
そして、このことを前記(1)の判断手法にあてはめれば、本願特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号所定の規定を満たさない。
(1) 実施可能要件の判断手法
発明の詳細な説明の記載が実施可能要件に適合するというためには、明細書の発明の詳細な説明に、当業者が、明細書の発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その発明を実施することができる程度に発明の構成等の記載があることを要する。
以下、この判断手法に従って検討する。
(2) 実施可能要件の判断
ア 当業者は、本願明細書等の記載及び本願の出願時の技術常識を参酌しても、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法を理解することができず、更に「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法も理解することができないことは、前記1(4)に記載したとおりである。
そうすると、当業者は、本願明細書等の記載及び本願の出願時の技術常識を参酌しても、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」を測定することができないし、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」を算出することもできないから、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)が1未満であ」る「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を、過度の試行錯誤を要することなく製造することができるとはいえない。
してみれば、本願明細書の発明の詳細な説明に、当業者が、明細書の発明の詳細な説明及び本願の出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、本願発明1を実施することができる程度に発明の構成等が記載されているとはいえない。
イ これについて、意見書における請求人の主張は、概略、以下のとおりである。
(ア) 請求人は、特許請求の範囲を補正して請求項1に記載の「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」の「下限(b)」を、「約0.16g/ml」に、同じく「上限(y)」を「約0.56g/ml」としたので、拒絶理由は解消した(【意見の内容】(4)特許法第36条第4項第1号に基づく拒絶理由(理由2)について a)10行~最終行)。
(イ) 本願の発明の詳細な説明、特に実施例には、それぞれ異なるかさ密度を有する各種の粒子が記載されており(表1及び2)、これら各実施例の粒子を参照した当業者は、当業界における技術常識をも参酌のうえ、それらを適宜組み合わせ、かつ混合比を適宜調整することで、補正後の本願請求項1において特定される、約0.16g/ml~約0.56g/mlの範囲内で、炭素質材料(複数の炭素粒子を有する炭素質材料)のかさ密度を所望の値に調整できる。
特に、例5-1、例7-1の炭素粒子は、補正後の本願請求項1において特定される密度範囲の下限と略一致する0.16g/mlの密度を有し、例9-1の炭素粒子は、同じく上限と略一致する0.56g/mlの密度を有するから、これらの炭素粒子の組み合わせは、当業者が一層容易に、炭素質材料(複数の炭素粒子を有する炭素質材料)のかさ密度を約0.16g/ml~約0.56g/mlの範囲内で調整する手段を提供するものである(【意見の内容】(4)特許法第36条第4項第1号に基づく拒絶理由(理由2)について b)10行~20行)。
(ウ) 本願の発明の詳細な説明には、炭素質材料の細孔サイズを調整する方法が詳細に記載されており、より具体的には、段落【0008】、【0009】、【0030】、【0031】、【0032】(前記1(2)ア)、【0083】(前記1(2)ウ)の記載によれば、前記各実施例においては、そこに記載の製造方法におけるHOノボラック、エチレングリコール、ヘキサミン、水酸化ナトリウム、及び/又は水の使用量を変更することで、当該実施例の炭素粒子(炭化ビーズ)の細孔サイズを調整している。
そして、実施例以外の前記各段落においては、細孔サイズの調整について、より一般的な指針が提供されており、これらの一般的な指針及び具体的な細孔サイズ調整の例を参照した当業者は、当業界における技術常識をも参酌のうえ、本願発明1において特定される、約10nm~約5000nmの範囲内で、炭素質材料(複数の炭素粒子を有する炭素質材料)の細孔サイズを所望の値に調整できる。
また、本願明細書の段落【0087】(前記1(2)ウ)には、発明の詳細な説明に記載の方法で製造された各種の炭素粒子の細孔サイズが水銀圧入細孔測定法で測定される旨が記載されているから、炭素粒子の細孔サイズの測定方法も具体的に記載されているので、細孔サイズを調整した当業者は、その細孔サイズを測定することもでき、その結果を炭素質材料の製造プロセスにフィードバックすることで、過度の試行錯誤を強いられることなくその細孔サイズを所望の数値範囲内の調整することが可能である(【意見の内容】(4)特許法第36条第4項第1号に基づく拒絶理由(理由2)について c)10行~最終行)。
ウ ところが、前記アに記載したとおり、そもそも、当業者は、本願明細書等の記載及び本願の出願時の技術常識を参酌しても、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」を測定することができないし、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」を算出することもできないのであるから、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)が1未満であ」る「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を、過度の試行錯誤を要することなく製造することができるとはいえないことに変わりはないので、前記イの主張はいずれも採用できない。
(3) 小括
してみれば、本願明細書の発明の詳細な説明に、当業者が、明細書の発明の詳細な説明の記載及び本願の出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、本願発明1を実施することができる程度に発明の構成等が記載されているとはいえない。
そして、このことを前記(1)の判断手法にあてはめれば、本願明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号所定の規定を満たさない。
(1) サポート要件の判断手法
特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
以下、この観点に立って検討する。
(2) サポート要件の判断
ア 本願明細書の段落【0009】の記載(前記1(2)ア)からみれば、本願発明1は、重縮合樹脂、及び一人あるいは複数のユーザーおよび/または1つまたは複数のプロセスの目標を満たすように気孔率を調整することができるこれらの樹脂から誘導される炭素をもたらす継続的な必要性が存在する、という課題(以下、「本願課題」という。)を解決するものといえる。
ところが、本願明細書等の記載及び本願の出願時の技術常識を参酌しても、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法を理解することができず、更に、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法も理解することができないことは、前記1(4)に記載したとおりである
そして、そもそも理解することができない「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」に基づいて、前記「比較変動性(g)」を「1未満」とすることで、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の気孔率を調整できることも理解することができないから、発明の詳細な説明の記載及び本願の出願時の技術常識を参酌しても、本願発明1の発明特定事項により本願課題を解決できることを理解することができない。
また、本願明細書等の記載をみても、「相互接続された細孔組織を保持することにより該炭素質材料上の活性部位へのアクセスが妨害されない」ことと、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の気孔率を調整できることとの因果関係が明らかでないから、「相互接続された細孔組織を保持することにより該炭素質材料上の活性部位へのアクセスが妨害されない」ことで、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の気孔率を調整できることを理解することができないので、本願発明1の発明特定事項により本願課題を解決できることを理解することができない。
イ これについて、意見書における請求人の主張は、概略、以下のとおりである。
本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法、並びに「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法は当業者において明確である。
そして、本願発明1に記載の「比較変動性(g)」の数値範囲(「1未満」)は、(i)細孔サイズにおいて異なる複数の細孔(例えば、マイクロ細孔やメソ細孔)を有する少なくとも1種の炭素粒子を含有するか、又は(ii)わずかに異なる(但しいずれも本願記載の範囲内である)製造方法で得られた炭素粒子を含有すること、例えば例2-1の製造方法で得られた炭素粒子と、例8-1の製造方法で得られた炭素粒子との混合物であること、を許容する様に設定されており、これにより、「比較変動性(g)」が「1未満」である本発明の炭素質材料は、かさ密度の分布と比較して、細孔サイズの分布が比較的大きなものとなるので、相互接続された細孔組織を保持し易く、したがって材料上の活性部位(例えば、吸着、触媒、イオン交換またはキレート部位)へのアクセスが妨害されない炭素質材料をもたらす構造化材料をもたらし得るから、当業者は、本願発明1により本願課題を解決できることを理解することができる(【意見の内容】(5)特許法第36条第6項第1号に基づく拒絶理由(理由3)について 13行~最終行)。
ウ 以下、前記イの主張について検討する。
(ア) 前記イの主張は、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法、並びに「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法が明確であることを前提としたものといえる。
ところが、本願明細書等の記載及び本願の出願時の技術常識を参酌しても、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法を理解することができず、更に「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法も理解することができないことは、前記1(4)に記載したとおりであるから、本願発明1における「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法、並びに「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」の算出方法が明確であるとはいえないので、前記イの主張は前提において誤っている。
(イ) また、前記イの主張は、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」を「1未満」としたとき、材料上の活性部位(例えば、吸着、触媒、イオン交換またはキレート部位)へのアクセスが妨害されない炭素質材料をもたらす構造化材料をもたらし得ることをいうものといえるが、そこから進んで、そうすることで、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の気孔率を調整できることを明らかにするものではない。
(ウ) 更に、本願明細書等の記載をみても、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」を「1未満」とすることで、かさ密度の分布と比較して、細孔サイズの分布が比較的大きなものとなるので、相互接続された細孔組織を保持し易く、したがって材料上の活性部位(例えば、吸着、触媒、イオン交換またはキレート部位)へのアクセスが妨害されない炭素質材料をもたらす構造化材料をもたらし得るということもできない。
すなわち、材料上の活性部位(例えば、吸着、触媒、イオン交換またはキレート部位)へのアクセスが妨害されない炭素質材料をもたらす構造化材料とは、前記材料上の活性部位は、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を構成する個別の粒子上における活性部位を意味すると解されるから、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を構成する個別の粒子の構造について、材料上の活性部位(例えば、吸着、触媒、イオン交換またはキレート部位)へのアクセスが妨害されない炭素質材料をもたらす構造をいうものといえる。
そうすると、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」を「1未満」とすることで、かさ密度の分布と比較して、細孔サイズの分布が比較的大きなものとなるので、相互接続された細孔組織を保持し易く、したがって材料上の活性部位(例えば、吸着、触媒、イオン交換またはキレート部位)へのアクセスが妨害されない炭素質材料をもたらす構造化材料をもたらし得る、との前記主張は、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を構成する個別の粒子の構造についていうものと解されるから、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を構成する個別の粒子において、かさ密度の分布と比較して、細孔サイズの分布が比較的大きなものとなることで、材料上の活性部位(例えば、吸着、触媒、イオン交換またはキレート部位)へのアクセスが妨害されない炭素質材料をもたらす構造化材料をもたらし得ることをいうものといえる。
ところが、本願発明1においては、「(b)が約0.16g/mlであり、(y)が約0.56g/mlであ」る、と特定されており、「0.16g/ml」及び「0.56g/ml」というかさ密度は、本願明細書等の例5-1、例7-1及び例9-1(段落【0084】、【表2】。前記(2)ウ。)のものであって、これらは、製造方法が異なる「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」のそれぞれのかさ密度であるから、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を構成する個別の粒子のかさ密度とはいえないかさ密度である。
そうすると、(y-b)は、製造方法が異なる「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」のかさ密度の変動幅を意味するものといえるのであって、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を構成する個別の粒子のかさ密度の変動幅をいうものとはいえない。
してみれば、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」は、製造方法が異なる「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」のかさ密度の変動幅と、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を構成する個別の粒子の「細孔サイズ」の分布幅の比なのであり、これを「1未満」としたとしても、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を構成する個別の粒子が、かさ密度の分布と比較して、細孔サイズの分布が比較的大きなものとなるとはいえないから、そうすることで、材料上の活性部位(例えば、吸着、触媒、イオン交換またはキレート部位)へのアクセスが妨害されない炭素質材料をもたらす構造化材料をもたらし得るものとなるとはいえない。
前記イの主張は、総じて、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」のかさ密度と、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」を構成する個別の粒子のかさ密度とを区別することなく、これらを混同しつつ、「比較変動性(g)」を「1未満」とすることで、材料上の活性部位(例えば、吸着、触媒、イオン交換またはキレート部位)へのアクセスが妨害されない炭素質材料をもたらす構造化材料をもたらし得ることをいうものであるから、妥当なものとはいえない。
(エ) 前記(ア)~(ウ)によれば、前記イの主張をみても、本願発明1により本願課題を解決できることを理解することができるとはいえないから、前記主張は採用できない。
(3) 小括
してみれば、当業者は、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の「かさ密度(σ)」とその「下限(b)」及び「上限(y)」の測定方法を理解することができず、更に「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」も理解することができないし、「相互接続された細孔組織を保持することにより該炭素質材料上の活性部位へのアクセスが妨害されない」ことで、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の気孔率を調整できることを理解することもできない上、「(y-b)/(z-a)として定義される比較変動性(g)」を「1未満」とすることで、「相互接続された細孔組織を保持することにより該炭素質材料上の活性部位へのアクセスが妨害されない」ものとできることも理解できないから、本願発明1の発明特定事項により、「複数の炭素粒子を有する炭素質材料」の気孔率を調整して、本願課題を解決できるとはいえない
そして、このことを前記(1)の判断手法にあてはめれば、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たさない。
以上のとおり、本願特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号及び第2号所定の規定を満たしておらず、本願明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号所定の規定を満たしていないから、その余について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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