結論テキスト
登録第4026003号商標の指定商品中、第25類「被服(和服を除く),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024300407 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本件登録第4026003号商標(以下「本件商標」という。)は、「NIRVANA」の欧文字を横書きにしてなり、平成7年10月24日に登録出願、同9年7月11日に第25類「被服(和服を除く),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く)」を指定商品として設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和6年7月3日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和3年7月3日~令和6年7月2日)を、以下「要証期間」という。
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和6年8月19日付けの審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年11月8日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、甲第1号証を「甲1」、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を含む号証で、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。
本件商標の指定商品中、第25類「被服(和服を除く),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」(以下「請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)乙第1号証について
被請求人は、乙第1号証を、商標権者が要証期間内において本件商標を指定商品に付していたことを立証せんとして提出しているが、被請求人が主張するとおり、仮に乙第1号証が商品目録であるとしても、当該商品目録が要証期間内に配布等された事実を証する資料は一切提供していない。
したがって、仮に被請求人が主張するような商品目録が過去に作成された事実があったとしても、当該商品目録が要証期間内に配布等された、すなわち、本件商標が要証期間内に使用されたことは何ら証明されていない。
さらに、乙第1号証に付されている標章は、糸を通す穴を有する針を横長の略楕円形の形状にしたものの中に、該略楕円形の内側のスペースに沿う態様で欧文字「NIRVANA」を表示してなるものである。したがって、略楕円形の中央部に位置する欧文字「V」や「A」は一番大きく、端の文字に行くほど小さくなり、一文字の構成だけを見ても、略楕円形の形状に沿っているため、例えば、左端の「N」は、右の縦棒の方が左の縦棒よりも長く、右端の「A」は、左の壁を形成する斜めの線の方が右の壁を形成する斜めの線よりも長くなっている。
以上のとおり、乙第1号証に示される標章は、略楕円形の針の図案とその中の欧文字とが一体不可分の態様で表示されているものである。
よって、上記構成を有する標章は、「NIRVANA」の文字を普通のフォントで横一列に同書同大同間隔で表示してなる本件商標とは、社会通念上同一の範ちゅうにあるものではない。
(2)乙第3号証ないし乙第5号証について
被請求人は、商標権者直営店舗における商品の販売状況を示す写真である乙第3号証及び乙第4号証、並びに納品リストと称する乙第5号証との組み合わせでもって本件商標が要証期間内に使用されていたことを証明せんとしている。
しかしながら、まず第一に、乙第3号証及び乙第4号証は、要証期間ではない「令和6年7月25日」に、商標権者従業員によって撮影されたものであり、要証期間内に本件商標を付した商品が店舗において販売されていたことを証するものではない。
さらに、乙第5号証の、被請求人が主張するところのいわゆる「納品リスト」は、記載の納品日が要証期間ではあるものの、納品先が第三者ではなく、商標権者直営店であることから客観性が担保されているものではなく、証拠として採用されるべき類のものではない。
(3)乙第6号証ないし乙第8号証について
被請求人は、乙第6号証及び乙第7号証をもって、本件商標が、要証期間に使用されていたことを証明せんとしているが、乙第6号証及び乙第7号証は、いずれも要証期間外である令和6年8月13日付けでプリントアウトされたものであり、これらの証拠をもってしては、本件商標が要証期間に使用されていたことは何ら証明されていない。
さらに、被請求人も言及しているが、乙第8号証において、商標権者の商品(ネクタイ)の購入者からのレビューが掲載されているが、投稿日が要証期間外の平成30年(2018年)5月25日となっており、通常このようなレビューは、最新のものが一番上に来ることを考えると、当該投稿が乙第8号証に掲載のネクタイに関する一番新しいレビューであると推測され、平成30年(2018年)5月25日以降、商品が販売されていたにもかかわらず、レビューの投稿が一つもなかったとすれば、著しく不自然な状況であるといえる。
後述するが、ウェブサイトのようなデジタルで比較的容易に画像等を後で操作できるものは、証拠として客観性が十分担保されていない。
被請求人は、乙第7号証及び乙第8号証に示すウェブページが、実際に、要証期間にインターネット上で表示されていたことを示すさらなる資料を提出すべきであるし、提出できないのであれば、これらの証拠は何らの証明もなし得ていない。
(4)乙第10号証について
被請求人は、商標権者直営店舗の1つである店舗Xにおける商品の販売状況を示す写真である乙第10号証と納品リストと称する乙第5号証との組み合わせでもって本件商標が要証期間内に使用されていたことを証明せんとしている。
しかしながら、まず第一に、乙第10号証は、要証期間ではない「令和6年7月25日」に、商標権者従業員によって撮影されたものであり、要証期間内に本件商標を付した商品が店舗において販売されていたことを証するものではない。
さらに、乙第5号証の、被請求人が主張するところのいわゆる「納品リスト」は、記載の納品日が要証期間ではあるものの、納品先が第三者ではなく、商標権者直営店であることから客観性が担保されているものではなく、証拠として採用されるべき類のものではない。
(5)乙第11号証及び乙第12号証について
被請求人は、乙第11号証(審決注:乙11及び乙12について、答弁書及びこれと同時に提出された証拠説明書に記載の証拠番号は、各証拠に表示された証拠番号と明らかに逆であることから、後者により読み替えている。以下同じ。)の「『’22年AW展示会』の告知ウェブサイト」において、「NIRVANA」ブランドの告知があることを主張する。
確かに、告知に付された日付を見る限り、当該ウェブサイトは2022年(令和4年)5月2日にインターネット上で告知されたもののように見えるが、乙第11号証がプリントアウトされたのは、要証期間外の2024年(令和6年)8月14日である。
ここで、請求人が、Wayback Machine(甲3、甲4)を利用して、乙第11号証のURLのアーカイブを検索したところ、要証期間である2022年(令和4年)のアーカイブが発見された(甲5)。
甲第6号証は、Wayback Machineに、2022年(令和4年)8月18日付けでアーカイブされている乙第11号証と同一のウェブページである。
乙第11号証のウェブページと甲第6号証のウェブページを比較すると、乙第11号証中では、被請求人が主張するとおり、「・NIRVANA ミリタリーデザインを参照しつつ、街で生活する中で問題となる寒さや屋外屋内の寒暖差、急な雨風、、、そんな環境であっても、“涼しい顔して”過ごすことができる、ミニマルで軽快なアイテムを揃えました。」とのブランド告知が掲載されている一方で、甲第6号証のウェブページでは、同様のブランド告知がアーカイブされていない。
さらに、被請求人は、上記展示会において、乙第12号証で示す商品目録を配布したと主張するが、要証期間に、実際に当該商品目録が配布された事実を示す証拠は提出されていないので、客観的に、上記配布の事実は証明されていない。
そして、乙第12号証の3頁目「INFO」の項目に、「素材は機能的ですがAIMNAIMらしくモードにも合わせられるソリッドなデザインです。」との記載がある。
文脈に鑑みると、上記「AIMNAIM」は、当該ジャケットのブランド名ではないかと推測され、実際に、請求人が、「AIMNAIM」という名称の服飾ブランドを検索すると、甲第7号証の1のとおり、商標権者の運営するブランド「AIMNAIM」のウェブサイトが発見された。
ウェブサイト「AIMNAIM」が、商標権者の運営するウェブサイトであることは、当該ウェブサイトの会社概要のウェブページから明らかである(甲7の2)。
さらに、乙第12号証の商品目録に記載の商品全てについて、当該商品名と同一の商品が甲第7号証の1のウェブサイト「AIMNAIM」で現在販売されていることが確認された(甲8~甲16)。
上述のとおりであるから、乙第12号証が真にブランド「NIRVANA」の商品目録であるのか、そして、乙第11号証に示す2022年の展示会において、ブランド「NIRVANA」の宣伝・広告が実際になされたのか、非常に疑わしいといわざるを得ない。
乙第6号証等についても述べたとおり、ウェブサイトのようなデジタルで比較的容易に画像等を後で操作できるものは、証拠として客観性が十分担保されていない。
被請求人は、十分客観性の担保された資料を提出すべきであるし、提出できないのであれば、これらの証拠は何らの証明もなし得ていない。
(6)まとめ
以上、詳細に説明したとおり、被請求人は、乙第1号証ないし乙第12号証を提出して、本件商標が、要証期間に使用されたことをるる説明しているが、提出された証拠方法は、そもそも要証期間のものでなかったり、あるいは客観性が担保されていないものであり、本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標が、要証期間内に我が国において、被請求人が証明せんとする第25類「被服(和服を除く)」について使用された事実は何ら立証されていない。答弁書における被請求人の主張は失当である。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、審判長は、被請求人に対し、令和7年3月25日付けで、合議体の暫定的見解を示した審尋を送付し、相当の期間を指定して、当該暫定的見解及び弁駁書の主張に対する回答を求めたが、被請求人は、何ら応答していない。
被請求人は、次のとおり、本件商標を適法に使用していることを主張し、かつ立証する。
(1)本件商標の使用の要点
商標権者は、要証期間に、日本国内において、請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」について、本件商標を使用している。
(2)本件商標の使用の事実
商標権者は、平成26年より、商標権者が販売する、ネクタイ、ティーシャツ等の商品のカテゴリーブランド名として本件商標を使用している(乙1)。
同カテゴリーに属する商品は、アパレル事業を業とする商標権者が販売する商品の中でも特にミリタリーデザインを取り入れつつ、シャツ等に合わせてクリーンに、デイリーに着られるモード感のあるアイテム群として展開しており、快適さ・機能的なアレンジを施し、長きにわたって愛用できる商品である。
同カテゴリーに属する商品として本件審判の登録時点で商標権者が販売しているものとしては、ネクタイ、ティーシャツ、帽子等がある。
ア 「ネクタイ」について
(ア)概要
商標権者は、商標権者直営店舗及びD社運営の楽天市場における店舗Rにおいて、本件商標を付したネクタイ(以下「本件商品A」という。)を販売している。ネクタイは請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」の範ちゅうに属する商品であることから、本件商品Aは「被服(和服を除く)」というべきである。
(イ)商標権者直営店舗での販売
商標権者は本件商品Aを「NIRVANA」ブランドの一商品として、いずれも商標権者直営店舗である、店舗X(東京都渋谷区)、店舗Y(東京都世田谷区)及び店舗Z(東京都世田谷区)において販売している。
当該各店舗が商標権者直営の店舗であることを示す商標権者ウェブサイトの写し(乙2)、店舗Xにおける本件商品Aの実際の販売状況を示す写真(乙3)、店舗Zにおける本件商品Aの実際の販売状況を示す写真(乙4)、及び、商標権者直営店舗への商標権者からの納品リストの要証期間における写し(乙5)を提出する。
(ウ)D社運営の楽天市場における店舗での販売
商標権者は、本件商品Aを「NIRVANA」ブランドの一商品として、D社運営の楽天市場における店舗Rにおいて委託販売を行っている。
当該店舗のトップページ(乙6)、及び当該店舗での本件商品Aの販売ページ(乙7)の写しを提出する。
当該店舗での本件商品Aの販売ページには、商標権者のカタログ(乙1の1)の一部が映っており、要証期間に商標権者からD社に委託販売されている事実が分かる。
また、要証期間におけるコメントではないものの、2018年(平成30年)に購入者によるレビューが掲載されており、最近の購入レビューはないものの、審判請求時までの長期間にわたって、本件商品Aが販売されていた事実が推察される(乙8)。
(エ)本件商標と使用商標の態様について
本件商標は欧大文字で横一連に「NIRVANA」と一般的な書体で記された商標である。
本件商品Aはプラスチックの包装用容器に収納された状態で販売されており(乙3の2、乙4の2、乙4の3)、該容器には、周りを針に通された糸が囲んだ状態を模した略楕円の図形の中に欧大文字で横一連に「NIRVANA」と記載された商標が付されている。
商標法第50条第1項に、「社会通念上同一」といえる商標の具体例として、a 書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、b 平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、c 外観において同視される図形からなる商標、が列挙されているが、登録商標に対して何らかの図形を付加又は結合して使用することは、実際の取引においてしばしば行われることであり、登録商標に対して何らかの図形を付加したものであっても、文字と図形の一体性は強くなく、「NIRVANA」の文字部分のみが他の構成要素と切り離されて独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得ている。
よって、本件商標と本件商品Aのプラスチックの包装用容器に付された商標は社会通念上同一の商標といえる。
また、店舗Rでの本件商品Aの販売ページには、「NIRVANA ネクタイ」との記載があり(乙9)、当該商標は本件商標とは「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」との関係にあることから、社会通念上同一といえる。
したがって、使用商標は全て本件商標と社会通念上同一の商標といえる。
イ 「ティーシャツ」について
(ア)概要
商標権者は、商標権者直営店舗において、本件商標を付したティーシャツ(以下「本件商品B」という。)を販売している。ティーシャツは請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」の範ちゅうに属する商品であることから、本件商品Bは「被服(和服を除く)」というべきである。
(イ)商標権者直営店舗での販売
商標権者は本件商品Bを「NIRVANA」ブランドの一商品として、商標権者直営店舗である店舗Xないし店舗Zにおいて販売している。
店舗Xにおける本件商品Bの実際の販売状況を示す写真(乙10)、及び、商標権者直営店舗への商標権者からの納品リストの要証期間における写し(乙5)を提出する。
(ウ)本件商標と使用商標の態様について
本件商標は欧大文字で横一連に「NIRVANA」と一般的な書体で記された商標である。
本件商品Bには胸元に大きく「NIRVANA」と欧大文字で横一連に記されている。
昨今、商標が胸元に大きく付されたティーシャツが多く存在しており、ティーシャツの襟首後部やタグに印刷された部分だけが製品の出所を認識させるものでないというべきであることから、本件商品Bの胸元の「NIRVANA」部分も自他識別機能を果たす態様での使用であり商標的使用といえる。
また、当該商標は本件商標とは「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」との関係にあることから、社会通念上同一といえ、したがって、本件商品Bにおいて使用されている商標は本件商標と社会通念上同一の商標といえる。
ウ 「帽子」「スウェット」及び「プルパーカー」について
(ア)概要
商標権者は、商標権者直営店舗において、本件商標を付した帽子、スウェット、プルパーカー(以下、それぞれ「本件商品C」、「本件商品D」、「本件商品E」という。)を受注販売している。帽子、スウェット、プルパーカーは請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」の範ちゅうに属する商品であることから、本件商品Cないし本件商品Eは「被服(和服を除く)」というべきである。
(イ)商標権者直営店舗での販売
商標権者は本件商品Cないし本件商品Eを「NIRVANA」ブランドの一商品として、商標権者直営店舗である店舗Xないし店舗Zにおいて受注販売している。
商標権者は、当該各店舗において、商品目録(乙1の1、乙3の4)を置き、希望者に本件商品Cないし本件商品Eの受注販売を行っている。残念ながら、希望者がいなかったため、これまで受注の実績はないものの、要証期間においても継続的に受注獲得のための営業を行っている。
(ウ)本件商標と使用商標の態様について
本件商標は欧大文字で横一連に「NIRVANA」と一般的な書体で記された商標である。
本件商品Cの帽体の後頭部の下部に、周りを針に通された糸が囲んだ状態を模した略楕円の図形の中に欧大文字で横一連に「NIRVANA」と記載された商標が付されている。当該部分も自他識別機能を果たす態様での使用であり商標的使用といえ、文字と略楕円の図形の一体性は強くなく、「NIRVANA」の文字部分のみが他の構成要素と切り離されて独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得ている。
よって、本件商標と本件商品Cに付された商標は社会通念上同一の商標といえる。
また、本件商品D及び本件商品Eの商品目録の右下部には商標が付されており、本件商品D及び本件商品Eに関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為といえることから、当該商標は商標的使用に当たり、また上述のとおり、本件商標とは社会通念上同一の商標といえる。
エ 受注販売会での使用について
(ア)概要
商標権者は、商標権者開催の「’22年AW展示会」において、商品目録(乙12)を配布し、受注販売会を行なった。
商品目録に掲載の商品は、ジャケット、ダウンベスト、フリースベスト、シャツ、ジーンズ、スウェットであるが、これらの商品は全て請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」の範ちゅうに属する商品であり、これらの商品は「被服(和服を除く)」というべきである。
(イ)「’22年AW展示会」について
商標権者は、東京都墨田区のショールームにおいて、2022年(令和4年)5月11日から5月13日までの間、「’22年AW展示会」を開催しており、2022年(令和4年)5月2日にウェブサイト上で告知を行っている(乙11)。
ここには、「NIRVANA」ブランドの告知があり、また、展示会においては商品目録(乙12)を配布している。残念ながら、希望者がいなかったため、これまで受注の実績はないものの、要証期間においても商標権者が指定商品に本件商標を使用していたという実績といえる。
(ウ)本件商標と使用商標の態様について
本件商標は欧大文字で横一連に「NIRVANA」と一般的な書体で記された商標である。
商品目録(乙12)には「NIRVANA」と欧大文字で横一連に記されており、当該商標は本件商標とは「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」との関係にあることから社会通念上同一の商標といえる。
以上のとおり、商標権者は、要証期間に、本件商標をネクタイ、ティーシャツ、帽子ほかに使用している。
これらの行為は、商標法第2条第3項第1号、第2号又は第8号の行為に該当するものであり、請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」について使用されているものであるから、本件審判請求は成立せず、棄却されるべきものである。
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、請求に係る指定商品について登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることを全て証明する必要がある。
(1)被請求人の提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第1号証
乙第1号証の1ないし乙第1号証の4はいずれも、被請求人が、商品目録と主張するものであり、それぞれについて以下の各事項が認められる。
(ア)乙第1号証の1においては、左上に、「T-4377705 NECTIE」の記載があり、その下に、柄が異なる8種類のネクタイ(以下、これらを総称して「本件ネクタイ」という。)の写真が提示され、その右上に、「透明の筒のパッケージが付きます。↓」の記載、その下に、「実際は下記のブランドのシールがフタに付きます。」の記載があり、その下に、円筒形状の容器、その蓋及び上記8種類のネクタイのうちの1つと思われる丸めたネクタイを撮影した写真が提示され、その下に、当該写真における蓋を指す矢印に添えて、別掲1のとおりの、その構成中に「NIRVANA」の欧文字が含まれる商標の記載がある。
(イ)乙第1号証の2においては、左上に、「577701 DENIM WAPPEN CAP」(審決注:「577701」の左側に何らかの文字が存在する可能性があるが、紙面に収まっておらず視認できない。)の記載があり、その下に、配色が異なる3種類の帽子(キャップ)について、それぞれ種々の方向から撮影した複数の写真が提示され、このうちの1つにおいて、別掲2のとおりに商標が表示されている。
(ウ)乙第1号証の3においては、配色が異なる3種類のスウェットシャツの写真が提示され、その下に、「Z-5377002 NIRYORK PRINT SWEAT C/N」の記載、その右下に、別掲3のとおりの商標が表示されている。
(エ)乙第1号証の4においては、配色が異なる3種類のパーカーの写真が提示され、その下に、「Z-5377005 BOOK LOGO PRINT SWEAT PULL PK」の記載、その右下に、別掲3のものと同様の商標が表示されている。
イ 乙第2号証
乙第2号証は、被請求人が、商標権者のウェブサイトと主張するものであり、1葉目において、上部に、「店舗情報」の記載、その右に、商標権者の社名の記載、下部に、「REAL SHOP 実店舗」の記載、その下に、店舗Xないし店舗Zについて、各店舗の内部又は外部を撮影したと思われる写真とともに、店舗名の記載がある。
また、本号証の2葉目において、上部に、店舗Xないし店舗Zに対応して、東京都世田谷区等、それぞれの住所の記載があり、その下に、商標権者の社名の記載、その下に、商標権者のものと一致する住所の記載がある。
ウ 乙第3号証
乙第3号証の1ないし乙第3号証の4はいずれも、被請求人が、店舗Xにおける本件ネクタイの販売状況を示す、撮影日が令和6年7月25日の写真と主張するものであり、乙第3号証の1においては、店舗内において、それぞれ丸めたネクタイと思われるものが収容された、上記ア(ア)と同様の円筒形状の容器が、複数個積み重ねられた状態で展示されている様子が見て取れ、また、乙第3号証の2ないし乙第3号証の4においてはそれぞれ、店舗内において、ネクタイ付きのシャツがハンガーに掛けられた状態で展示されている様子が見て取れる。
そして、各写真におけるネクタイ又はそれと思われるものは、柄が、上記ア(ア)の8種類のネクタイ(本件ネクタイ)のいずれかと全く同一であることまでは確認できないものの、少なくとも類似している。
一方、上記複数個の円筒形状の容器のそれぞれの上面には商標が表示されており、当該商標は、別掲1の商標と少なくとも類似しているといえるが、不鮮明なため、その構成中に「NIRVANA」の欧文字が含まれていることまでは視認できない。
エ 乙第4号証
乙第4号証の1ないし乙第4号証の3はいずれも、被請求人が、店舗Zにおける本件ネクタイの販売状況を示す、撮影日が令和6年7月25日の写真と主張するものであり、乙第4号証の1及び乙第4号証の2においては、店舗内において、それぞれ丸めたネクタイと思われるものが収容された、上記ア(ア)と同様の円筒形状の容器が複数個展示されている様子が見て取れる。
そして、各写真におけるネクタイと思われるものは、柄が、上記ア(ア)の8種類のネクタイ(本件ネクタイ)のいずれかと全く同一であることまでは確認できないものの、少なくとも類似している。
一方、上記複数個の円筒形状の容器のそれぞれの上面には商標が表示されており、乙第4号証の1における一部の容器に表示された商標は、不鮮明なため、別掲1の商標と全く同一であることまでは確認できず、全体の構成は少なくとも類似しているものの、その構成中に「NIRVANA」の欧文字が含まれていることまでは視認できない。
オ 乙第5号証
乙第5号証の1ないし乙第5号証の8はいずれも、被請求人が、商標権者直営店舗への商標権者からの納品リストと主張するものである。
乙第5号証の1においては、左上に、「納品先:」の記載、その右に、店舗Xの店舗名の記載、その右に、「納品日 2022/7/20」の記載、その左下に、「ブランド NIRVANA」の記載があり、その下に、1行目に「品番」、「色番」、「品名」、「サイズ」、「数量」、「下代」、「上代」及び「小計」の各見出しが設定された表が提示され、当該表中の2行目ないし9行目の記載は、「色番」欄の記載を除いて共通であり、各行において、「品番」欄に「T-4377705」の記載、「品名」欄に「NECTIE」の記載、「数量」欄に「1」の記載、「下代」、「上代」及び「小計」の各欄に金額の記載があり、さらに、当該表中の10行目及び11行目の記載は、「サイズ」欄の記載を除いて共通であり、各行において、「品番」欄に「T-24577000」の記載、「品名」欄に「T-SHIRT」の記載、「数量」欄に「2」の記載、「下代」、「上代」及び「小計」の各欄に金額の記載がある。
また、乙第5号証の2ないし乙第5号証の8は、いずれもフォーマットが乙第5号証の1と同様であるところ、左上の「納品先:」の右に記載された店舗名、及びその右に記載された「納品日」の日付の、いずれか又は両方が、乙第5号証の1を含め、互いに異なっており、乙第5号証の2ないし乙第5号証の8に記載の店舗名は、店舗X及び店舗Zのいずれかであり、同じく「納品日」の日付は、「2022/7/20」、「2023/1/11」、「2023/7/19」及び「2024/1/10」のいずれかの日である。
一方、乙第5号証の2ないし乙第5号証の8におけるその余の記載については、表中の各欄における個々の記載を含め、全て乙第5号証の1と完全に同一である。
カ 乙第6号証
乙第6号証は、被請求人が、商標権者が本件ネクタイを「NIRVANA」ブランドの一商品として委託販売を行っている、D社運営の楽天市場における店舗Rのトップページと主張するものであり、1葉目において、上部に、「メンズファッション 通販サイト」の記載、その右に、店舗Rの店舗名の記載、その右に「OFFICIAL WEBSHOP」の記載、その左下に、店舗Rの店舗名の記載、その下に、ティーシャツ等の各種の被服の写真が掲載され、左下に、「https://www.rakuten.ne.jp/」及び店舗Rの店舗名の表記を含むURLの記載がある。
また、本号証の2葉目において、左側中ほどより下に、「Brand List」の一覧の記載があり、その中に、「NIRVANA」の記載が含まれており、さらに、4葉目において、末尾に、「Copyright(C)2008」及びD社の社名の記載がある。
しかしながら、本号証において、商標権者とD社との関係を示す記載は存在しない。この点は、以降の乙第7号証ないし乙第9号証についても同様である。
キ 乙第7号証
乙第7号証は、被請求人が、店舗Rでの本件ネクタイの販売ページと主張するものであり、乙第7号証の各葉について以下の各事項が認められる。
(ア)1葉目において、上部に、「【楽天市場】 NIRVANA ネクタイ ニルヴァーナ カジュアルネクタイ ★ 140cm」の記載、その下に、「Rakuten」、すなわち通販サイトである楽天市場を示す記載、その下に、店舗Rの店舗名の記載、その下に、「カテゴリトップ>アイテム一覧>小物」の記載、その下に、「カテゴリトップ>ブランド別>NIRVANA 【ニルヴァーナ】 >NIRVANA 【ニルヴァーナ】 小物」の記載、その下に、「NIRVANA ネクタイ ニルヴァーナ カジュアルネクタイ ★ 140cm 個性的なテキスタイル カジュアルなデザイン NECKTIE 総柄 お洒落ネクタイ 綿素材 ネクタイ インパクトある柄でコーディネートのアクセントになる ACCE-037」の記載、左下に、「https://item.rakuten.ne.jp/」及び店舗Rの店舗名の表記を含むURLの記載がある。
(イ)2葉目において、8種類のネクタイが並べて表示された写真が掲載され、それらの柄は、上記ア(ア)の8種類のネクタイ(本件ネクタイ)のいずれかと全く同一であることまでは確認できないものの、少なくとも類似している。
そして、当該写真に添えて、別掲4のとおりの商標が表示されている。
(ウ)10葉目において、右側中ほどに、乙第1号証の1における上記ア(ア)の8種類のネクタイ(本件ネクタイ)の写真を縮小したものに相当する写真が掲載され、下部に、「この商品を購入された方のレビュー」の記載、その下に、投稿されたレビューの記載、その右に、「投稿日:2018年05月25日」の記載がある。
(エ)11葉目において、下部に、「■会社概要」の記載、その下に、D社の社名の記載がある。
ク 乙第8号証
乙第8号証は、被請求人が、店舗Rでの本件ネクタイを購入した者によるレビューのページと主張するものであり、上記キ(ウ)と同じ日付の記載とともに、同じ見出しのレビューの記載がある。
ケ 乙第9号証
乙第9号証は、被請求人が、店舗Rでの本件ネクタイの販売ページと主張するものであり、その内容は、おおむね、乙第7号証の一部を抜粋したものに相当する。
コ 乙第10号証
乙第10号証は、被請求人が、店舗Xにおけるティーシャツの販売状況を示す、撮影日が令和6年7月25日の写真と主張するものであり、乙第10号証の1からは、店舗内において、別掲5のとおり、胸元に、「NIRVANA」の欧文字が横書きされたティーシャツが展示されていることが見て取れる。
サ 乙第11号証
乙第11号証は、被請求人が、「’22年AW展示会」(以下「展示会」という。)についてウェブサイト上で行った告知と主張するものであり、その印刷日は2024年8月14日である。
本号証の1葉目において、上部に、「’22年AW展示会|株式会社サンマリノ」の記載、その下に、「News ニュースリリース」の記載があり、中ほどに、「2022.5.2」の記載、その下に、「’22年AW展示会」の記載、その下に、「22年AW展示会を下記日程にて開催いたします。」の記載、その下に、「【日時】」に対応して「・5/11(水)~13(金) 9:00~18:00」の記載、その下に、「【場所】」に対応して東京都墨田区における住所の記載がある。
さらに、当該記載以降、2葉目にかけて、種々のブランド名及びその概要についての説明が記載され、2葉目の上部には、「NIRVANA」について、「ミリタリーデザインを参照しつつ、街で生活する中で問題となる寒さや屋外屋内の寒暖差、急な雨風、、、そんな環境であっても、“涼しい顔して”過ごすことができる、ミニマルで軽快なアイテムを揃えました。」の記載がある。
また、本号証の3葉目において、商標権者の社名の記載、その下に、商標権者のものと一致する住所の記載がある。
シ 乙第12号証
乙第12号証は、被請求人が、展示会において配布した商品目録と主張するものであり、1葉目において、比較的大きなサイズによる別掲6のとおりの商標の記載、その下に、「2022AW」の記載があり、2葉目において、「NIRVANA 2022AWコレクション ミリタリーデザインを参照しつつ、街で生活する中で問題となる寒さや屋外屋内の寒暖差、急な雨風、、、そんな環境であっても、“涼しい顔して“過ごすことができる、ミニマルで軽快な9アイテムの秋冬コレクションとなりました。・・・(中略)・・・ぜひお楽しみいただければと思います。」の記載がある。
また、本号証の3葉目において、左上に、比較的小さなサイズによる別掲6の商標の記載、その下に、黒色のもの等の色違いのジャケットの図が複数提示され、その右に、「GEN1 RAIN JACKET」の記載、その下に、「(税込)」の記載を伴った価格の記載、その下に、「INFO」の記載、その下に、「ワイド&ショートシルエットの本格的な防水透湿ミリタリージャケット。」及び「素材は機能的ですがAIMNAIMらしくモードにも合わせられるソリッドなデザインです。」の記載がある。
さらに、本号証の4葉目ないし11葉目においても、3葉目と同様に左上に別掲6の商標が共通して記載されている一方、それぞれに、上記と異なる種類のジャケットやデニムパンツといった種々の被服の図、名称、価格等の記載がある。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
ア 品番が「T-4377705」のネクタイである本件ネクタイについて、商品目録(以下「商品目録1」という。)に情報が掲載され、その内容には、本件ネクタイを円筒形状の容器に収容し、当該容器の蓋に、別掲1の商標が表示されたシールを貼り付ける指示が含まれていた(乙1の1)。
また、商品目録1には、帽子についての情報も掲載され、その内容には、別掲2の商標の表示がある帽子の写真が含まれており、さらに、スウェットシャツ及びパーカーについての情報も掲載され、それぞれの写真等に添えて、別掲3の商標が表示されていた(乙1の2~乙1の4)。
しかしながら、商標目録1が、要証期間に、広告物として頒布する等が行われた事実は確認できない。
イ 商標権者は、いずれも東京都内の店舗Xないし店舗Zの経営者である(乙2)。
ウ 店舗内において、内部に商品が収容され、上面に、全体の構成が別掲1の商標と類似するも、その構成中に「NIRVANA」の欧文字が含まれていることまでは視認できない商標が表示された、円筒形状の容器が展示されていた(乙4の1)。
ここで、上記商品は、商標目録1の本件ネクタイと柄が少なくとも類似している上、これを円筒形状の容器に収容することについて、商品目録1に示されており、容器に表示された商標がこれと類似する別掲1の商標も商品目録1に記載されているから、本件ネクタイであると認められる。
しかしながら、店舗内における本件ネクタイを収容した容器の展示が、要証期間に行われた事実は確認できず、当該店舗において、当該ネクタイが要証期間に販売された事実も確認できない。
エ 品番が「T-4377705」、品名が「NECTIE」の、色番が異なる8個の商品、及び品番が「T-24577000」、品名が「T-SHIRT」の、サイズが異なる2個の商品について、納品日を2022年7月20日、2023年1月11日、同年7月19日及び2024年1月10日とした、それぞれ、納品先が店舗X又は店舗Zであること、及びブランドが「NIRVANA」であることが記載された書類が作成された(乙5)。
ここで、品番が「T-4377705」の「NECTIE」は、商標目録1に同じ記載があることから、本件ネクタイを指すものと認められる。
また、上記イによれば、上記各書類はいずれも、各書類に記載の納品日に、本件ネクタイ等が、商標権者の店舗X又は店舗Zに納品されたことを示すものといえる。
しかしながら、当該各書類の記載では、本件ネクタイ等の納品を誰が行ったのか等、各納品日に具体的にどのような取引が行われたのかは何ら明らかでない。
また、本件ネクタイ等の納品後の販売実績について、いつ、どの程度販売されたのか等を示す証拠は提出されておらず、納品日以降の販売行為は確認できない。
オ D社は、通販サイト(楽天市場)における店舗Rの開設者であり(乙6)、店舗Rにおいては、取扱うブランドの1つとして「NIRVANA」を表示した上、商品名に「NIRVANA ネクタイ」の文字を含むネクタイの販売ページを掲載し、当該商品の写真に添えて、別掲4の商標を表示していた(乙7、乙9)。
そして、当該ネクタイについて、2018年5月25日に、当該販売ページにおけるレビューの投稿欄に購入者のレビューが投稿された(乙7、乙8)。
ここで、当該販売ページには、上記(1)キ(ウ)のとおり、乙第1号証の1における本件ネクタイの写真を縮小したものに相当する写真が掲載されているから、上記ネクタイは、本件ネクタイであると認められる。
しかしながら、上記レビューは、少なくともその投稿日の時点では当該販売ページが公開されていたことを示すものといえるが、要証期間に公開されていた事実は確認できない。
また、D社と商標権者との関係が確認できる証拠は提出されておらず、D社が本件商標の通常使用権者であるのか等は明らかでない。
カ 胸元に、「NIRVANA」の欧文字が横書きされたティーシャツが、店舗内で展示されていた(乙10)。
しかしながら、店舗内における当該ティーシャツの展示が、要証期間に行われた事実は確認できず、当該店舗において、当該ティーシャツが要証期間に販売された事実も確認できない。
キ 商標権者は、自身のウェブサイトにおいて、2022年5月11日から同月13日まで「’22年AW展示会」と称する展示会を開催すること、及び「NIRVANA」を含む種々のブランド名及びその概要についての説明が記載されたウェブページを公開した(乙11)。
そして、被請求人が展示会において頒布したと主張する商品目録(以下「商品目録2」という。)には、比較的大きなサイズによる別掲6の商標の記載、及びその下の「2022AW」の記載、さらに「NIRVANA 2022AWコレクション」の記載があり、ここにおいて、比較的小さなサイズによる別掲6の商標の記載とともに、「GEN1 RAIN JACKET」と称するジャケット、これと異なる種類のジャケット、デニムパンツといった、種々の商品についての情報が掲載されていた(乙12)。
しかしながら、上記ウェブページには、特定の商品に関する広告と理解できる記載は見当たらず、また、要証期間に、上記内容のウェブページの公開が行われた事実や、商品目録2について、これの頒布等が行われた事実は確認できない。
上記2の事実認定からすれば、次のとおり判断できる。
(1)商品目録1について
上記2(2)アの商品目録1は、その体裁からすれば、ネクタイ、帽子、スウェットシャツ及びパーカーに関する広告として利用可能なものであるとはいえる。
そして、ネクタイ、帽子、スウェットシャツ及びパーカーはいずれも、請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」の範ちゅうに属する商品であり、商品目録1には、ネクタイについて別掲1の商標が、帽子について別掲2の商標が、スウェットシャツ及びパーカーについて別掲3の商標が、それぞれ表示されている。
しかしながら、要証期間に、商品目録1を頒布する行為等が行われた事実は確認できない。
そうすると、別掲1ないし別掲3の商標の本件商標との社会通念上の同一性について検討するまでもなく、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、商品に関する広告に標章を付して展示し又は頒布する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
(2)店舗内におけるネクタイの展示又は販売について
上記2(2)ウのとおり、店舗内において、内部に本件ネクタイが収容され、上面に、全体の構成が別掲1の商標と類似する商標が表示された、円筒形状の容器が展示されていた事実は認められる。
また、本件ネクタイについて、上記2(2)エのとおり、納品日を2022年7月20日等とし、納品先を店舗X又は店舗Zとする書類が作成された事実は認められる。
そして、当該各納品日はいずれも要証期間であり、ネクタイが請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」の範ちゅうに属する商品であることは、上記(1)のとおりである。
しかしながら、上記書類に記載された各納品日に具体的にどのような取引が行われたのかは何ら明らかでなく、また、いずれかの納品日以降に販売が行われた事実も確認できないから、上記書類に基づいて、店舗内における本件ネクタイを収容した容器の展示が、要証期間に行われたものと推認することはできず、また、当該店舗において、本件ネクタイが要証期間に販売されたものと推認することもできない。
そうすると、上記商標の本件商標との社会通念上の同一性について検討するまでもなく、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために展示する、商標法第2条第3項第2号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められず、また、商品に関する広告に標章を付して展示する、同項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
(3)D社による通販サイトにおけるネクタイの販売ページについて
上記2(2)オのとおり、D社が、通販サイトに店舗Rを開設し、「NIRVANA ネクタイ」の文字を含む商品名を記載したネクタイの販売ページを掲載し、当該商品の写真に添えて、別掲4の商標を表示していた事実、及び当該ネクタイが本件ネクタイであることは認められる。
また、当該販売ページが、少なくとも当該ネクタイについてのレビューが投稿された2018年5月25日の時点で公開されていたことは認められる。
そして、ネクタイが請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」の範ちゅうに属する商品であることは、上記(1)のとおりである。
しかしながら、上記販売ページが要証期間に公開されていた事実は確認できない。
また、D社と商標権者との関係が確認できる証拠は提出されておらず、D社が本件商標の通常使用権者であるのか等は明らかでないから、D社による上記販売ページの掲載が、専用使用権者又は通常使用権者の行為として行われたものとは認められない。
そうすると、商品名における「NIRVANA ネクタイ」の文字の本件商標との社会通念上の同一性、また、別掲4の商標の本件商標との社会通念上の同一性について検討するまでもなく、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
(4)店舗内におけるティーシャツの展示又は販売について
上記2(2)カのとおり、胸元に、別掲5の「NIRVANA」の欧文字が横書きされたティーシャツが、店舗内で展示されていた事実は認められる。
また、上記2(2)エのとおり、品番が「T-24577000」、品名が「T-SHIRT」の、サイズが異なる2個の商品について、納品日を2022年7月20日等とし、納品先を店舗X又は店舗Zとする書類が作成された事実は認められる。
そして、ティーシャツは、請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」の範ちゅうに属する商品である。
しかしながら、要証期間に、店舗内における上記ティーシャツの展示又は販売が行われた事実は確認できない。
この点に関し、上記書類に記載された「T-24577000」の「T-SHIRT」が、上記ティーシャツを指しているとの事実は確認できないところ、仮にそうであるとしても、上記書類に記載された各納品日に具体的にどのような取引が行われたのかは何ら明らかでなく、また、いずれかの納品日以降に販売が行われた事実も確認できないから、上記書類に基づいて、店舗内における上記ティーシャツの展示が、要証期間に行われたものと推認することはできず、また、当該店舗において、上記ティーシャツが要証期間に販売されたものと推認することもできない。
そうすると、上記商標の本件商標との社会通念上の同一性について検討するまでもなく、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、商品に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために展示する、商標法第2条第3項第2号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められず、また、商品に関する広告に標章を付して展示する、同項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
(5)展示会についてのウェブページについて
上記2(2)キのウェブページの内容に、展示会についての記載とともに、「NIRVANA」とのブランドについての記載が含まれていることは認められる。
しかしながら、当該ウェブページには、特定の商品に関する広告と理解できる記載は見当たらず、また、要証期間に、当該内容のウェブページの公開が行われた事実も確認できないから、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
(6)商品目録2について
上記2(2)キの、別掲6の商標、「2022AW」及び「NIRVANA 2022AWコレクション」の各記載がある商品目録2は、その体裁からすれば、「GEN1 RAIN JACKET」と称するジャケット、これと異なる種類のジャケット、デニムパンツ等の種々の商品に関する広告として利用可能なものであるとはいえる。
そして、ジャケット、デニムパンツ等は、請求に係る指定商品中の「被服(和服を除く)」の範ちゅうに属する商品であり、商品目録2には、各商品について別掲6の商標が表示されている。
また、展示会を開催したとされる日付である2022年5月11日から同月13日までは要証期間である。
しかしながら、要証期間に、商品目録2を頒布する行為等が行われた事実は確認できず、また、展示会において商品目録2を頒布する行為等が行われたものと推認することはできない。
そうすると、別掲6の商標の本件商標との社会通念上の同一性について検討するまでもなく、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、商品に関する広告に標章を付して展示し又は頒布する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
(7)その他、被請求人が提出した全証拠及び同人の主張を総合してみても、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する本件商標の使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、請求に係る指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3項各号の使用行為を行ったことを証明していない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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