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Trademark Appeal Case

商標の使用態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024300728
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第5472325号商標(以下「本件商標」という。)は、「代車レンタカー」の文字を横書きしてなり、平成23年5月20日に登録出願、第39類「車両による輸送,自動車の貸与」を指定役務として、同24年2月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年10月24日である。

なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和3年(2021年)10月24日から同6年(2024年)10月23日までを、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定役務中、第39類「自動車の貸与」(以下「請求に係る役務」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び審判事件弁駁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、請求に係る役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第4号証の信頼性について

被請求人は、乙第4号証に示されたウェブサイトにて、「新車納車まで『代車レンタカー(R)』を特別金額にてご提供」(審決注:(R)は、○内に表された「R」の文字を表す。以下同じ。)の見出しは、令和4年(2022年)3月頃から現在に至るまで当該ウェブサイトに掲載している旨主張している。

しかしながら、2024年(令和6年)9月1日15:38に閲覧した当該ウェブサイトでは、「新車納車まで代車レンタカーを特別金額にてご提供」という記載となっており、二重かぎ括弧も使用されていないし、(R)マークも付されていない(甲3)。

したがって、被請求人による、令和4年(2022年)3月頃から現在に至るまで当該ウェブサイトに「新車納車まで『代車レンタカー(R)』を特別金額にてご提供」の見出しを掲載しているという主張には、甚だ疑義が生じるばかりか、当該二重かぎ括弧及び(R)マークは、本件審判請求がされたことを被請求人が知った後に、取消を免れようとして付されたものである蓋然性が、極めて高い。

(2)乙第4号証について

乙第4号証中、需要者が役務「自動車の貸与」の出所を表示する商標として認識し得るのは、会社名である「ifオートサービス」、当該会社名の英文字と図形を結合させた「if Auto Service及び図」、「イフレンタカー」、及び、その英文字と線状の図形を結合させた「if Rentacar及び図」である。

そして、乙第4号証における「代車レンタカー」の文字は、「新車納車まで『代車レンタカー(R)』を特別金額にてご提供」という一連の表現の一部として含まれているにすぎず、「代車レンタカー」の文字が二重かぎ括弧でくくられているとしても、「代車レンタカー」の文字部分が、役務「自動車の貸与」の出所を表示し、自他役務識別のための機能を果たすものと、需要者が認識することはあり得ない。

また、このような一連の表現の一部である「代車レンタカー」の文字に(R)マークを付したとしても、自他役務識別標識としての機能を果たすものではない。

さらに言えば、被請求人が二重かぎ括弧及び(R)マークを事後的に付したということは、甲第3号証に示されている使用態様では商標の使用に該当しない、と被請求人が自認したことに他ならない。

(3)乙第5号証について

「WAYBACK MACHINEに保存されているウェブサイトは簡略されているため、二重かぎ括弧と(R)マークが省略されている」という主張を裏付ける証拠は何ら提出されておらず、逆に、令和6年7月13日より後のウェブサイトを示す、令和6年9月1日15:38のウェブサイトである甲第3号証には、二重かぎ括弧も使用されていないし、(R)マークも付されていないのであるから、被請求人の主張は信用することができない。

(4)乙第7号証の1及び乙第7号証の2について

被請求人の主張によれば、「敷地内に看板を立設させている。また、当該看板の一部に、「代車レンタカー」と記載している。この「代車レンタカー」は、令和6年5月に看板業者の好意により無償で追加したものである(乙7の1、乙7の2)。」とのことである。

しかしながら、当該看板に示されている「代車レンタカー」の文字は、「福祉車両レンタカー」、「福祉車両メンテナンス」、及び、「福祉車両販売」の文字と、同じ書体、同じ色、同じ大きさ、同じ行間で表示されている。とすると、「福祉車両レンタカー」、「福祉車両メンテナンス」、及び、「福祉車両販売」は、一般的な役務を示しているにすぎないから、これらの表示に接した需要者が、「代車レンタカー」の文字だけを自他役務識別のための機能を果たすものと認識することはあり得ない。

(5)乙第8号証の1及び乙第8号証の2について

乙第8号証の1中、需要者が役務「自動車の貸与」の出所を表示する商標として認識し得るのは、会社名である「ifオートサービス」、及び、当該会社名の英文字と図形を結合させた「if Auto Service及び図」である。

そして、乙第8号証の1における「代車レンタカー」の文字は、「無料で『代車レンタカー』をお貸しします!」という文の一部として含まれているにすぎず、「代車レンタカー」の文字が二重かぎ括弧でくくられているとしても、「代車レンタカー」の文字部分が、役務「自動車の貸与」の出所を表示し、自他役務識別のための機能を果たすものと、需要者が認識することはあり得ない。

また、乙第8号証の2は、要証期間内のものではない。

念のため付言すると、被請求人は、「当該パンフレットの作成日は、本審判の請求の登録前3年より前であるが、パンフレットは一度作成すれば継続的に使用するものである。」と主張しているだけで、当該パンフレットを頒布したことを裏付ける証拠も提出していない。

(6)乙第9号証の1及び乙第9号証の2について

乙第9号証の1及び乙第9号証の2中、需要者が役務「自動車の貸与」の出所を表示する商標として認識し得るのは、表紙や裏表紙に示されている「if Auto Service及び図」、店舗案内ページの「ifステーション及び図」、及び、レンタカー事業ページの「if Rentacar及び図」である。

そして、乙第9号証の2における「代車レンタカー」の文字は、車両販売事業ページの「福祉車両納車まで代車レンタカーを特別金額にてご提供」という一連の表現の一部として含まれているにすぎず、「代車レンタカー」の文字部分が、役務「自動車の貸与」の出所を表示し、自他役務識別のための機能を果たすものと、需要者が認識することはあり得ない。

(7)まとめ

以上のとおり、答弁書における被請求人の主張は妥当性を欠いたものである。したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る役務について使用されたものではない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判事件答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 被請求人の業務について

被請求人は、「株式会社ifオートサービス」として、平成22年6月15日に設立され、設立当初から現在に至るまでその業務を継続している(乙1)。その業務内容には、レンタカー業務が含まれている(乙2第2ページ目、乙3)。なお、証拠書類に一部記載されている「株式会社i&fホールディングス」は、被請求人である「株式会社ifオートサービス」の親会社になり、発注等の業務を被請求人に代わって「株式会社i&fホールディングス」が行うことがある。

2 ウェブサイトでの使用

被請求人が運営するウェブサイトにて、「代車レンタカー」の商標を使用している(乙4)。ここでは、「新車納車まで『代車レンタカー(R)』を特別金額にてご提供」のように、見出しの中に二重かぎ括弧で囲むとともに、登録商標である旨を表す(R)マークを付している。かぎ括弧は、文章の中の特定の文字等を囲い、他の個所と区別する際に使う記号である。また、二重かぎ括弧を用いるときは、一般に何らかのタイトルを表すときであり、前後の文章とより明確に区別する意味を有する。さらに、(R)マークを付して登録商標であることをアピールしている。

当該ウェブサイトを開設したのは令和3年3月頃であり、「新車納車まで『代車レンタカー(R)』を特別金額にてご提供」の見出しは、令和4年3月頃から現在に至るまで当該ウェブサイトに掲載している。これは、過去のウェブサイトを保存して閲覧可能にするWAYBACK MACHINEにて、被請求人が運営するウェブサイト(乙4)を検索しても「新車納車まで代車レンタカーを特別金額にてご提供」の文言が閲覧可能であることからして明らかである(乙5)。この乙第5号証では、令和6年7月13日に保存されたウェブサイトを写しており、要証期間内に「代車レンタカー」を商標として使用していることがわかる。WAYBACK MACHINEに保存されているウェブサイトは簡略されているため、二重かぎ括弧と(R)マークが省略されているが、その他の文言から同じ被請求人のウェブサイトであることは明らかである。

3 看板での使用

被請求人は、令和2年12月頃より愛知県あま市において「ifステーション名古屋」という店舗名で(乙1)、レンタカー業務、車両販売業務、車両整備業務等を手がけており、その敷地内に看板を立設させている(乙6,乙7の1)。また、当該看板の一部に、「代車レンタカー」と記載している。この「代車レンタカー」は、令和6年5月に看板業者の好意により無償で追加したものである(乙7の1、乙7の2)。

4 パンフレットの配布

被請求人は、「代車レンタカー」の文字が入ったパンフレットを2種類作成し、商談等において配布している。これらのうち1枚紙のパンフレットには、その中ほどよりやや下に「・無料で『代車レンタカー』をお貸しします!」(乙8の1)と記載されている。また、冊子になっているパンフレットの第5ページ目には、見出しにて「メリット2 福祉車両納車まで代車レンタカーを特別金額にてご提供」(乙9の1(パンフレットの表紙と表表紙)、乙9の2(パンフレットの内容))と記載されている。

前者のパンフレットは、プロパティ情報から分かるように、2021年9月6日に作成し(乙8の2)、その後、現在に至るまで被請求人にて印刷して営業活動にともなって配布している。これは、「乙第8号証の1原本(証拠書類の番号等を付記した「乙第8号証の1 車検点検チラシ」のオリジナルデータ)」をPCで開き、文面上にマウスカーソルを置いた状態で右クリックして、「文書のプロパティ」を開くことで確認できる。当該パンフレットの作成日は、本審判の請求の登録前3年より前であるが、パンフレットは一度作成すれば継続的に使用するものである。

後者のパンフレットは、A社に依頼して2023年7月11日に作成し(乙9の3)、その後、2024年9月20日に更新をして(乙9の4)、現在に至るまで、営業活動にともなって配布している。

後者のパンフレットの配布として、例えば、B社(愛知県名古屋市)が主催して、2023年11月11日にウィンクあいち7階705室(愛知県名古屋市)で執り行われた「介コネフェス2023」(乙10の9ページ目)に出展して配布している(乙11の1、乙11の2)。この乙第11号証の1の中央右に写る人物は、株式会社ifオートサービスの営業本部本部長を務める者である。また、2023年11月14日に、主催者であるB社が運営するFacebookへ掲載された写真も添付する(乙11の3)。これらの写真に写された机の配置と机に被された白布の状態が同じである。また、乙第11号証の1の左端に移る赤いエプロンを着用してベージュ色の鞄を持った人物と、乙第11号証の3の中央に写った人物とが同じである。さらに、乙第11号証の1の右端に移る白い襟が黒い上着から出ている人物と、乙第11号証の3の右下に写った人物とが同じである。これらのことからも、乙第11号証の1及び乙第11号証の2の写真が介コネフェス2023で撮影されたものであることは明らかである。

なお、前者のパンフレットも「介コネフェス2023」において配布している。

5 まとめ

以上、説明したように、被請求人は、自社のレンタカー業務において、「代車レンタカー」の商標を、少なくとも本件審判請求前の3年間において使用していたことは明らかである。

第4 当審の判断

1 被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。

(1)被請求人である商標権者は、平成22年に設立された、自動車の販売や賃貸事業等を事業目的とする会社である(乙1、乙2)。

(2)商標権者の運営するウェブサイトの2024年7月13日付けアーカイブの写し(以下「本件ウェブサイト」という。)において、「福祉車両(新車)ラインナップ」の見出しの下、複数の車種の自動車の販売やリースに関する情報が掲載され、また、「福祉車両専門だから5つのメリット」の項に、「メリット2 新車納車まで代車レンタカーを特別金額にてご提供」と太字で記載され、その下に小さく「ご契約同等車種の福祉車両レンタカーを新車納車まで、特別金額にてご提供させていただきます。もちろん現地まで配車させていただきます!!」との説明が記載されている(乙5)。

2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。

(1)使用時期について

本件ウェブサイトは、要証期間である2024年7月13日付けのアーカイブであって、本件ウェブサイトにおいて、「新車納車まで代車レンタカーを特別金額にてご提供」との記載中に「代車レンタカー」の文字(以下「使用商標」という。)が表示されているから、要証期間内に使用商標が使用されたといえる。

(2)使用者について

本件ウェブサイトは、商標権者の運営するウェブサイトであるから、本件ウェブサイトにおいて使用商標を使用しているのは、商標権者である。

(3)使用役務について

本件ウェブサイトの記載によれば、使用商標である「代車レンタカー」の文字は、その下に記載された説明中の「ご契約同等車種の福祉車両レンタカー」を指すものとみるのが自然である。

そして、上記記載を含む「ご契約同等車種の福祉車両レンタカーを新車納車まで、特別金額にてご提供させていただきます。」とのサービスは、購入ないしリース契約を行った新車が納入されるまでの間に、需要者に対し、自動車を一定の金額で貸し出すサービスを指すものといえる。

そうすると、商標権者は、「自動車の貸与」(以下「使用役務」という。)の役務を行っているということができ、これは、請求に係る役務と一致する。

(4)使用商標について

本件商標と使用商標は、いずれも「代車レンタカー」の文字を横書きしてなるところ、両者は構成文字を共通にするから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標といえる。

(5)使用行為について

使用商標が表示された、商標権者に係る本件ウェブサイトは、使用役務についての広告を行うものといえる。

してみれば、商標権者は、要証期間内に、本件ウェブサイトにおいて、使用役務に関する広告を内容とする情報に使用商標を付したということができ、この行為は、商標法第2条第3項第8号の「役務に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。

また、本件ウェブサイトは、日本語で記載されたものであるから、日本国内における使用であることが明らかである。

3 請求人の主張について

請求人は、「代車レンタカー」の文字が、「新車納車まで「代車レンタカーを特別金額にてご提供」という一連の表現の一部に含まれているにすぎないこと、及び、当該文字に二重かぎ括弧や(R)が付されていないことから、当該文字は、自他役務識別標識としての機能を果たすものではない旨主張する。

しかしながら、たとえ「代車レンタカー」の文字(使用商標)が文中で使用されているものであり、かつ、これに二重かぎ括弧や(R)が付されていないとしても、そのことをもって直ちに、使用商標が自他役務の識別力を有しないとはいい難く、むしろ、使用商標部分は、その下に記載された説明中の「ご契約同等車種の福祉車両レンタカー」を表す標識として認識され得るといえるから、使用商標は、独立して自他役務識別機能を発揮する部分というのが相当である。

したがって、請求人の上記の主張は、採用することができない。

4 まとめ

以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を、本件商標の指定役務中、請求に係る役務について使用していたことを証明したものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、その請求に係る役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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