結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024300831 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第4078611号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成7年11月2日に登録出願、第3類「せっけん類」を指定商品として、同9年11月7日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年(2024年)11月26日であり、この登録前3年以内の期間である同3年(2021年)11月26日から同6年(2024年)11月25日までを以下「要証期間」という場合がある。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品(以下「請求に係る指定商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
請求人は、被請求人提出の令和7年4月7日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。
要証期間時の商標権者であるNSファーファ・ジャパン株式会社(合議体注:答弁書提出後の令和7年6月20日(受付日)に、特定承継による本件の移転がされ、現在の商標権者は、アラミス インコーポレーテッドとなっている。)は、商標使用許諾契約の写し(乙1)が示すとおり、本件商標の「せっけん類」についての通常使用権をELGC株式会社(現在のELCジャパン合同会社)に、許諾している。
NSファーファ・ジャパン株式会社は、本件商標の商標登録原簿(乙2)が示すとおり、1974年にニッサン石鹸株式会社として設立され、2011年に現在の社名であるNSファーファ・ジャパン株式会社に社名が変更された。商標使用許諾契約の写し(乙1)は、その前身であるニッサン石鹸株式会社の時代である1996年10月8日付にて、エスティローダー株式会社との間で締結されたものである。
商標使用許諾契約の写し(乙1)の第1条第2項において「本件第2商標」として、英文字「LAB」と片仮名「ラボ」が上下二段に配置された商標について言及されており、本件登録商標と同一の構成からなる商標である。加えて同項においては、本件商標と同一の構成からなる商標を日本国特許庁に登録出願を行い、それから生ずる商標登録に基づいて、指定商品「石鹸」に関して、日本国一円において、本件第2商標を使用する通常使用権を許諾することに同意している。
加えて、その契約期間は、商標使用許諾契約の写し(乙1)の第4条第1項に示すとおり、契約締結日から10年間継続して有効なものとし、その後は契約終了を希望する書面を提出しない限り、さらに10年間自動更新とし、その後もまた同様とすることから、審判請求の登録時点においてのみならず、現在においても有効な通常使用権が許諾されていることは明らかである。さらに、本件商標の登録原簿(乙2)においても、現在も有効な通常使用権が登録されているという事実と合致するから、商標使用許諾契約締結以降、継続して、指定商品「せっけん類」(以下「請求に係る指定商品」という場合がある。)については本件商標の使用が許諾されていたことは疑いがない。
商標使用許諾契約時の通常使用権者であるエスティローダー株式会社は、本件商標の商標登録原簿(乙2)に示すとおり、その後社名を「エスティ・ローダー株式会社」に変更した後、一般承継により通常使用権を「ELGC株式会社」に移転している。さらに、「国際商業オンライン」(乙3)に示すとおり、「ELGC株式会社」は、その後、その社名を「ELCジャパン合同会社」(以下「エスティ・ローダー株式会社」「ELGC株式会社」「ELCジャパン合同会社」を総称して、「ELC社」という。)に変更を行っている。通常使用権者は、令和7年4月7日付にて、通常使用権者の表示変更登録申請書を提出し、商標登録原簿に登録された通常使用権者の名称を最新のものに変更する申請を行っている。
ELC社は、1987年から日本において、男性特有の肌生理学と肌ニーズを研究し、男性の肌の悩みにあわせて選べる「LAB SERIES」という洗顔料を含む男性化粧品ブランドの商品を日本国内において、販売している。より具体的には、公式オンラインショップ(乙5)に加え、楽天オンラインショップや、全国11か所の百貨店(伊勢丹、阪急百貨店、高島屋)において「LAB SERIES」ブランドの商品を取り扱う店舗を有している。
「LAB SERIES」の複数の商品ラインナップの中には、化粧品のみならず「クレンザー」や「フェイスウォッシュ」といった洗顔料も含まれていることが、公式オンラインショップのウェブサイト(乙6)から確認することができる。商品拡大写真(乙7)に示すとおり、ELC社の販売する商品(洗顔料)においては、乙第8号証に示す商標(以下「使用許諾商標」という。別掲2参照)が使用されている。使用許諾商標は、「LAB」「SERIES」とその下に描かれた下線から構成されている。使用許諾商標中の「SERIES」の語は、「シリーズ」、「一組」を意味する語であり、「連続性を持つ一連の商品群」を表す言葉として普通に用いられる言葉であることから、使用許諾商標中、指定商品「せっけん類」との関係において自他商品識別力を有する語は「LAB」の部分である。したがって、洗顔料である「フェイスウォッシュ」に使用されている商標は「LAB」である。特許庁においても過去の審決(取消2006-30146、乙9)において、商標構成中の「LAB」部分が独立して自他商品の識別力を有すると認められている。
本件商標は、「LAB」の英文字と「ラボ」の片仮名を二段書きにして構成される商標であり、「LAB」と「ラボ」は、互いに同一の称呼である「ラボ」と「研究所」程度の同一の観念を生じさせるものであり、本件商標と、使用許諾商標中の独立して自他商品の識別機能を有する「LAB」の部分は社会通念上同一の商標であることは明らかである。
通常使用権者は、要証期間に本件商標と社会通念上同一の商標を使用しており、当該使用は以下に列挙するインターネット記事からも明らかである。
2021年10月25日付のインターネット記事「ラボシリーズがリニューアル肌悩み別の6つの新シリーズを紹介」(乙10)において、現在も公式オンラインショップで販売されている、乙第6号証に掲載されている「オールインワンマルチアクションフェイスウォッシュ(洗顔料)」及び「デイリー ジェル クレンザー(洗顔料)」等が写真付きで紹介されており、2021年10月25日時点において、使用許諾商標が通常使用権者の商品である洗顔料に使用されていることは明らかである。
2022年10月20日付インターネット記事「グレン・パウエルが「ラボ シリーズ」のアンバサダーに就任!」(乙11)において、現在も公式オンラインショップで販売されている、乙第6号証に掲載されている「デイリー ジェル クレンザー(洗顔料)」及び「マックスLSクレンザー(洗顔料)」等ホリデーキャンペーン商品が写真付きで紹介されており、要証期間である2022年10月21日時点において、使用許諾商標が通常使用権者の商品である洗顔料に使用されていることは明らかである。
2022年12月8日付インターネット記事「ラボ シリーズで、1ランク上のスキンケア。自信の持てる肌をめざすために、僕らにできること」(乙12)において、現在も公式オンラインショップで販売されている、乙第6号証に掲載されている「デイリー ジェル クレンザー(洗顔料)」が写真付きで紹介されており、要証期間である2022年12月8日時点において、使用許諾商標が通常使用権者の商品である洗顔料に使用されていることは明らかである。
2023年8月7日付インターネット記事「メンズスキンケアのトップブランド!アラミスのラボシリーズ5選」(乙13)において、現在も公式オンラインショップで販売されている、乙第6号証掲載の「マックスLSクレンザー(洗顔料)」が写真付きで紹介されており、要証期間である2023年8月7日時点において、使用許諾商標が通常使用権者の商品である洗顔料に使用されていることは明らかである。
以上より、要証期間に、本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標が、通常使用権者によって、その指定商品「せっけん類」について使用されていたことは明らかである。
被請求人の主張及び同人の提出した証拠並びに職権調査によれば、以下の事実が認められる。
(1)通常使用権者について
令和7年2月27日時点の本件商標の商標登録原簿(乙2)によれば、本件商標の通常使用権は、通常使用権者を「エスティローダー株式会社」とした平成10年4月15日を受付日とする設定の登録がされた後、通常使用権者を「エスティ・ローダー株式会社」とした同28年10月7日を受付日とする通常使用権の表示の更正(名称)が行われ、さらに、同日を受付日とする「ELGC株式会社」への一般承継による通常使用権の移転が行われたことが明らかである。
また、「国際商業オンライン」(乙3)の記事によれば、令和5年9月15日に、上記ELGC株式会社がELCジャパン合同会社に改称した旨の記載がある。さらに、前記第3の2に記載のとおり、被請求人は、通常使用権者の表示の変更を申請したと主張することから、職権により、本件商標の商標登録原簿の記載を確認したところ、令和7年4月8日(受付日)で、通常使用権者として「ELCジャパン合同会社」「東京都千代田区丸の内三丁目2番3号」と記録されていることが認められる。
(2)公式オンラインショップについて
乙第5号証及び乙第6号証は、「LAB SERIES(ラボシリーズ)」と称する商品の公式オンラインショップのウェブサイトである。
ア 乙第5号証は、日本語で表記され、「特定商取引法に基づく表示」部分に「会社名 ELCジャパン合同会社」「住所 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号」の記載がある。
イ 乙第6号証は、「CLEANSERS/毎日の洗顔から始めよう」の記載の見出しのもと、ラボシリーズの商品が紹介されており、その商品の一つとして「マックスLSクレンザー」(以下「使用商品1」という。別掲3参照)と称する商品が掲載され、その商品中、使用商品1の写真が掲載されており、該商品の容器の上部に「LAB」及び「SERIES」の文字(以下「使用商標1」という。別掲3参照)が2段書きされており、中ほどに「CLEANSER」の記載がある。
また、「税込み/¥6,600」の記載がある
(3)インターネット記事について
乙第11号証は、公開日を要証期間内である2022年10月20日とする「Esquire」と称するウェブサイトに掲載されたインターネット記事であり、「グレン・パウエルが「ラボシリーズ」のアンバサダーに就任! ホリデー限定キットの販売も」の見出しのもと、「ザ アルティメット アップグレート」の項目の商品の1つとして、「マックスLSクレンザー(洗顔料)」(「使用商品2)という。別掲4参照)と紹介されている商品について、商品の容器の上部に「LAB」及び「SERIES」(以下「使用商標2という。別掲4参照)の文字が2段書きされており、中ほどに「CLEANSER」の記載がある(以下「使用商標1」と「使用商標2」をまとめて「使用商標」という。)。
また、「金額/1万5950円」及び「発売日/2022年10月21日(金)」の記載がある。
(1)通常使用権者
ア 前記1(1)によれば、要証期間中の2023年9月15日以降は、ELCジャパン合同会社が本件商標の通常使用権者であると認められる(乙3)。
イ 公式オンラインショップのウェブサイトの運営者
前記1(2)によれば、公式オンラインショップのウェブサイト(乙5、乙6)の運営者は、ELCジャパン合同会社と認められる。
ウ 前記(1)及び(2)からすれば、本件商標の通常使用権者と公式オンラインショップのウェブサイトの運営者は名称及び住所が一致するから同一人であると認められることからすれば、使用商標1の使用者は、通常使用権者(ELC ジャパン合同会社)である。
(2)使用商標
使用商標1及び使用商標2は、別掲3及び4のとおり、「LAB」及び「SERIES」の文字を上下2段に横書きしてなり、その構成中の「LAB」の文字は、「研究[実験]室,ラボ」を意味する英語「laboratory」の略語であるのに対し、「SERIES」の文字は、「(同種の物の)(...の)一連,一組,一続き」を意味する英語「series」(いずれも「プログレッシブ英和中辞典 第5版」小学館)と容易に理解されるものであり、請求に係る指定商品の分野において、被請求人が主張するように、「連続性を持つ一連の商品群」を表す言葉として普通に用いられるものと認められることから、自他商品の識別力がないかあるいは弱いものといえる。
そうすると、使用商標は、「LAB」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有する要部として認識、理解されるというのが相当である。
他方、本件商標は、別掲1のとおり、「LAB」及び「ラボ」の各文字を上下二段に横書きした構成からなるところ、上記のとおり、「LAB」の文字は、「研究[実験]室」を意味する英語「laboratory」の略語であり、「ラボ」の文字は、その読みを表したものと認められる。
そうすると、使用商標は、登録商標が二段併記等の構成からなる場合であって、上段及び下段等の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用を行ったものといえることから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用商品
使用商品1(乙6)は、「CLEANSERS」として商品が掲載されており、「CLEANSERS」は日本語で「クレンザー」を意味する英語の複数形であり、また、使用商品2(乙11)は、「マックスLSクレンザー(洗顔料)」と記載されているところ、「クレンザー」は「洗顔料」の一種であることから、使用商品1及び2は「洗顔料」であり、請求に係る指定商品「せっけん類」の範疇に属する商品と認められる。
(4)使用時期及び使用について
公式オンラインショップのウェブサイト(乙5、乙6)は、掲載時期が不明ではあるが、要証期間である2022年10月20日に公開されたインターネット記事(乙11)において、請求に係る指定商品の範ちゅうの商品「洗顔料」と認められる「マックスLSクレンザー(洗顔料)」と称する商品(使用商品2)が紹介されているところ、同商品は、公式オンラインショップのウェブサイト(乙6)においても紹介されている使用商品1と、容量が相違するものの同一の商品(マックスLSクレンザー)と認められる。
そうすると、使用商品は、少なくとも2020年10月20日から、公式オンラインショップのウェブサイトの掲載の時期まで存在していたことが推認される。
そして、公式オンラインショップのウェブサイトは、通常使用権者であるELCジャパン合同会社が運営しているものであり、ELCジャパン合同会社と改称したのが、要証期間内の2023年9月15日(乙3)である。
してみると、要証期間内の2023年9月15日時点において、通常使用権者と認められるELCジャパン合同会社が運営する日本国内向けの公式オンラインショップのウェブサイトが存在し、同サイトにおいて請求に係る指定商品の範ちゅうの商品と認められる「洗顔料」(使用商品1)に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標(使用商標)を付して使用していたと推認することができる。
(5)小括
以上によれば、本件商標の通常使用権者は、本件商標と社会通念上同一の使用商標を、請求に係る指定商品の範ちゅうの商品「洗顔料」に付して、日本国内向けの公式オンラインショップのウェブサイトにおいて、使用商標が付された使用商品の広告(商標法第2条第3項第8号)を行ったものと推認することができる。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、その請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品「洗顔料」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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