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Trademark Appeal Case

登録商標と使用商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024300872
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
登録第5497681号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第5497681号商標(以下「本件商標」という。)は、「Overland」の欧文字と「オーバーランド」の片仮名を2段に表してなり、平成23年12月22日に登録出願、同24年6月1日に第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録は、令和6年12月10日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和3年12月10日~令和6年12月9日)を、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書、及び令和7年2月25日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年6月23日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)弁駁の理由の要約

商標権者による使用の証拠として提出の乙第1号証及び乙第3号証は、いずれも「OverLand/EQUIPMEMT」の二段構成の態様であり、「OverLand」部分と「EQUIPMEMT」が上下二段でまとまりよく一体不可分な商標として使用されていることから、本件商標の使用には該当しない。また、乙第1号証で使用されている商品は、「かばん」のみであり、乙第3号証もタグが付けられた商品及び時期が不明であることから、いずれも本件商標の使用証拠には該当しない。

次に、小売店の販売サイトでの使用の証拠として提出された乙第4号証ないし乙第6号証に関しては、商標権者と小売店との間の使用許諾関係に関する証拠が示されていないことから、本件商標の使用証拠には該当しない。また、乙第4号証ないし乙第6号証の小売業者のサイトの印刷された日時は、いずれも2025年2月の時点であり、要証期間を過ぎている点からも、本件商標の使用証拠には該当しない。

以上のとおり、被請求人は、本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標を、商標権者又はその使用権者が、本件商標の指定商品に使用していることを証明しておらず、商標法第50条が規定する登録商標の使用に該当しないため、取り消すべきものである。

(2)理由の詳細

ア 使用商標について

乙第1号証で商標権者のホームページで示されている使用商標は、「OverLand」の文字と「EQUIPMEMT」の文字を上下二段に配置し、同じ横幅内に同色で表示されたまとまりのよい態様であり、全体として一体不可分なものとして認識されるものである。

また、使用証拠として示された製品に付されるロゴは、長方形の黒枠の中に、山脈を背景に「OverLand」と「EQUIPMEMT」の黄色文字を、上下二段にまとまりよく配置したもので、全体として一体不可分のブランドロゴマークとして、需要者に強く印象づけられるものである。

なお、ホームページ中で、商品ブランドを指す文中表現は、すべて「オーバーランドイクイップメント」と呼んでおり、被請求人自身、ブランド名は「オーバーランド」部分が分離されるのでなく、「EQUIPMEMT(イクイップメント)」を含む名称であることを示している。

乙第3号証で商品タグに示されている使用商標も、乙第1号証同様、「OverLand」と「EQUIPMEMT」の黒文字を、上下二段にまとまりよく配置したもので、全体で一体不可分なものとして認識されるものである。

なお、当該商品タグ自体では、指定商品「被服(ティーシャツ、帽子)」に対する使用であることを示しておらず、要証期間中の使用であることを客観的に示したものではないので、使用を証明する証拠には当たらない。

加えて、「EQUIPMENT」については、第三者が「被服,ティーシャツ,帽子」について先行登録商標を所有しており、当該商品に対して一定の識別力が生じることが認められる。

「OverLand」の文字と「EQUIPMEMT」の文字の上下二段構成の商標について、両者が分離判断されると、「EQUIPMENT」と類似し、抵触商標の使用になり得るが、商標権者が所有する上下二段構成のブランドロゴマークに関する登録商標(登録第6367768号)は、当該「EQUIPMENT」と併存して登録されており、あくまで不可分一体のブランドロゴマークと認定され、全体比較により非類似判断されたものといえる。

以上より、商標権者が自らの使用商標として提示した乙第1号証及び乙第3号証は、全体比較して外観、称呼、観念のいずれも異なる商標であり、社会通念上同一の商標ともいえないことから、本件商標の使用には該当しない。

イ 小売店での使用商標について

被請求人は、乙第4号証及び乙第6号証の小売店の販売サイトの使用により、「OverLand」部分のみで使用されている旨、主張しているが、当該使用は、商標権者の使用でなく、商標権者から使用許諾を受けた使用であることに関する証明も示されていないことから、いずれも本件商標の使用証拠には該当しない。

また、乙第4号証ないし乙第6号証として提出された小売業者の販売サイトは、いずれも2025年2月の時点のページを印刷したものであり、要証期間を過ぎている点からも、本件商標の使用証拠には該当しない。

第3 被請求人の主張

1 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。

(1)以下に主張・立証するように、商標権者が、現に日本国内において本件商標をその指定商品について使用しているから、請求人の主張は失当であり、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。

(2)商標権者の使用について

商標権者が管理するホームページの写しを乙第1号証として提出する。

乙第1号証の内容からわかるように、商標権者は本件商標をアパレルブランドの名称として使用している。

ホームページに記載される住所(東京都千代田区)と、本件商標に係る住所が異なるが、東京の住所は商標権者の営業上の住所である(乙2)。

乙第3号証は、実際の商品に付しているタグである。タグには「KITAMURA TRADE SERVICES CO.,LTD」の記載があり、商標権者が本件商標を使用していることがわかる。

(3)本件商標の使用時期について

乙第4号証ないし乙第6号証を提出する。いずれも商標権者の商品を販売する小売業者のサイトであるが、現在も「OverLand」の「被服(ティーシャツ,帽子)」の販売が継続されており、少なくとも現在においても本件商標が使用され続けていることがわかる。

また、本件審判請求前から継続して使用していることの証拠として乙第7号証を提出する。これら商品は、J社が製造し、商標権者名義で販売しているが、乙第7号証は、J社から、商標権者宛ての2024年7月の月次販売報告書である。これにより、審判請求前から当該商品が継続して販売されていたことがわかる。

(4)本件商標の使用について

ブランド名の正式名称は「OverLand/EQUIPMEMT」であるものの、代表的なブランドロゴ(以下「使用商標」という。)は「OverLand」部分と「EQUIPMEMT」部分が二段で構成されており、「OverLand」部分が「EQUIPMEMT」と比較して大きく構成されている。このような構成から使用商標に接する需要者は、大きく表された「OverLand」の文字部分に強く注意が引かれ印象づけられる。

したがって、使用商標は「OverLand」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮し得るものであり、「OverLand」を使用していると評価できる。

事実、当該ブランドは「OverLand」と略して使用されることが多くある。提出する乙第4号証の小売業者のサイトでも「OverLand」部分のみで使用されている。

また、本件商標はアルファベット「Overland」と片仮名「オーバーランド」を二段書きしてなる商標であるが、いずれも称呼(オーバーランド)及び観念(陸路)を共通にするものであり、社会通念上同一の商標と評価できる。

以上より、本件商標を指定商品「被服(ティーシャツ,帽子)」に対して使用していることは明らかである。

(5)よって、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。

2 なお、審判長は、被請求人に対し、令和7年9月11日付けで、合議体の暫定的見解を示した審尋を送付し、相当の期間を指定して、当該審尋に対する回答を求めたが、被請求人は、何ら応答していない。

第4 当審の判断

1 被請求人の立証責任

商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その指定商品について登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることを全て証明する必要がある。

2 事実認定

(1)被請求人の提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。

ア 乙第1号証

乙第1号証は、被請求人が、商標権者が管理するホームページと主張するものであり、1葉目において、別掲1のとおりの、山の岩肌が写っている写真を背景として、文字色が白色の「OverLand」及び「EQUIPMEMT」の各欧文字を2段に表してなる商標の記載がある。

また、2葉目において、別掲2の商標の記載があり、その下に、それぞれ当該商標が表示された種々のかばんが写っている写真が提示され、さらに、4葉目から5葉目にかけて、同様に別掲2の商標が表示された6種類のかばんが個別に写っている6枚の写真が、それぞれの商品名及び価格を添えて提示されている。

さらに、5葉目の下部から6葉目にかけて、商標権者の社名の記載、その下に、建物の名称と推察される部分及び「6F」を含む東京都内の住所の記載がある。

しかしながら、本号証には、本号証に係る内容がインターネット上で公開された時期を示す記載はない。

イ 乙第2号証

乙第2号証は、被請求人が、請求書と主張するものであり、1葉目において、左上に、発行先を示す、乙第1号証における上記アの東京都内の住所と建物の名称と推察される部分及び「6F」を含め概ね一致する住所及び商標権者の社名の記載、右上に、「発行日 2025年01月01日」の記載並びに発行元を示す、会社の社名及び住所の記載、それらの下に、「ご請求書のご案内」の記載、その下に、「2025年01月度のご請求額合計」の記載、その下に、具体的な金額の提示欄と推察される四角枠(当該枠内の金額を記載したと推察される箇所はマスキングされている。)が提示されている。

また、2葉目において、左上及び右上に、1葉目と同じ発行先及び発行元の記載、それらの下に、「御請求書」の記載があり、その下に提示された表中、「物件名」欄に、発行先の記載における上記住所中のビル名と物件の名称の記載、「御請求対象者様」欄に商標権者の社名の記載がある。

ウ 乙第3号証

乙第3号証は、被請求人が、商品に付しているタグと主張するものであり、1葉目においては、上部に、別掲3のとおりの、「OverLand」及び「EQUIPMEMT」の各欧文字を2段に表してなる商標の記載があり、下部に「Licensor by\KITAMURA TRADE SERVICES CO.,LTD.」(「\」は改行を示す。以下同じ。)の記載があるタグの写真が、2葉目においては、別掲2の商標が表示されたタグの写真がそれぞれ提示されている。

しかしながら、当該写真について、当該タグが何の商品に、いつ、どのように使用されたのかを示すものは存在しない。

エ 乙第4号証

乙第4号証は、被請求人が、小売業者の販売サイトと主張するものであり、1葉目において、左上に、「2025/02/13 12:26」の記載、その下に、小売業者(以下「小売業者1」という。)を示す記載、その右下に、「Overland\オーバーランド」の記載、その下に、商品名の記載がともに「Overland\キャップ」である2種類の帽子を含む、種々の商品が個別に写っている7枚の写真が、それぞれの商品名及び価格の記載を添えて提示されている。

また、2葉目において、1葉目における上記2種類の帽子の写真のうちの1つを拡大したものであって、別掲2の商標が表示された帽子の写真が提示され、その右に、「×OVERLAND SPIDER PATTERN SOILD CAP」の記載、その下に、「タイムセール価格(2月20日 11:59まで)」の記載、その下に、価格の記載、その下に、「(2025年2月5日時点の価格)」の記載、その下に、「アイテム説明」の記載、その下に、「全面に張りめぐらされたスパイダー総柄で製作したCAP。中央にOVER LAND EQUIPMENTのロゴネームを落とし込んだ。スパイダー柄はリフレクタープリントを採用。」の記載、その下に、「OVERLAND・・・\1981年創業のアメリカのバッグブランド。」の記載がある。

また、3葉目において、1葉目における上記2種類の帽子の写真のうちの他の1つを拡大したものであって、別掲2の商標が表示された帽子の写真が提示され、その右に、「CALEE/キャリー×OVERLAND/オーバーランド SPIDER PATTER SOLID CAP キャップ」の記載、その下に、価格の記載、その下に、「アイテム説明」の記載、その下に、「【DESIGN】\・CALEEとOVERLANDのコラボキャップ。」の記載があり、その下部に、「【OVERLAND/オーバーランド】\オーバーランドイクイップメントは、・・・」の記載がある。

しかしながら、本号証には、小売業者1又は上記2種類の帽子と商標権者との関係を示す記載はなく、また、本号証に係る内容が要証期間に公開されていたことを示す記載もない。

オ 乙第5号証

乙第5号証は、被請求人が、小売業者の販売サイトと主張するものであり、1葉目において、左上に、「2025/02/13 12:48」の記載、その下に、乙第4号証のものとは異なる小売業者(以下「小売業者2」という。)を示す記載があり、2葉目から3葉目にかけて、いずれも別掲2の商標が表示された3種類の帽子が個別に写っている3枚の写真が、それぞれ価格等の記載を添えて提示されている。

そして、これらの各商品のそれぞれについて、価格の記載の上に、共通して「OVERLAND EQUIPMEMT」の記載がある一方、その下には、商品ごとに「OL3-AC-DD4」又は「OL1-AC-DD4」の記載がある。

また、本号証の5葉目において、末尾に「○C 2023」(「○C」は「○」の中に「C」を表示した記号を表す。以下同じ。)の記載がある。

しかしながら、本号証には、小売業者2又は上記3種類の各帽子と商標権者との関係を示す記載はなく、また、本号証に係る内容が要証期間に公開されていたことを示す記載もない。

カ 乙第6号証

乙第6号証は、被請求人が、小売業者の販売サイトと主張するものであり、1葉目において、左上に、「2025/02/22 12:58」の記載、その右下に、乙第4号証及び乙第5号証のいずれのものとも異なる小売業者(以下「小売業者3」という。)を示す記載、その下に、「OverLand EQUIPMENT/オーバーランドイクイップメント」の記載、その右に、別掲2の商標の記載がある。

また、1葉目の下部から2葉目の上部にかけて、白地及び黒地の2種類のティーシャツを含む種々の商品が個別に写っている5枚の写真が、それぞれの商品名及び価格の記載を添えて提示されており、ここで、各商品名は、「OverLand EQUIPMENT[オーバーランドイクイップメント]」の文字を含む点で共通している。

そして、このうち、白地のティーシャツについては、その写真から背中部分に別掲2の商標について色彩を白黒に変更した商標が表示されていることが見て取れ、黒地のティーシャツについては、その写真からティーシャツの背中部分に別掲2の商標がそのまま表示されていることが見て取れる。

しかしながら、本号証には、小売業者3又は2種類のティーシャツと商標権者との関係を示す記載はなく、また、本号証に係る内容が要証期間に公開されていたことを示す記載もない。

キ 乙第7号証

乙第7号証は、被請求人が、J社が製造し商標権者名義で販売している商品の、J社から商標権者宛てた2024年7月の月次販売報告書(以下「月次販売報告書」という。)と主張するものであり、左上に、「OverLand Equipment月次販売報告書」の記載、その下に、「宛」の記載を伴った商標権者の社名の記載があり、右上に、「月度: 2024年7月」の記載、その下に、「報告日: 2024/8/1」の記載、その下に、「貴社名: J社」(小売業者1ないし小売業者3のいずれとも異なる。)の記載がある。

また、以上の記載の下に、1行目に「出荷先」、「商品名」、「数量」、「ロイヤルティ対象下代合計金額」等の各見出しが設定された表が提示され、当該表中2行目ないし6行目において、「出荷先」欄に、各行共通でD社(小売業者1ないし小売業者3のいずれとも異なる。)の社名の記載、「商品名」欄に、いずれも括弧書を伴った「CAP」、「HAT」、「CAP」、「Tシャツ」、「Tシャツ」の各記載、「数量」欄に、それぞれ個数と推察される数字の記載がある。ここで、2行目及び3行目の「商品名」欄の「CAP」及び「HAT」に添えられた括弧書の括弧内の記載は、いずれも小売業者2である。

なお、2行目ないし6行目の「ロイヤルティ対象下代合計金額」欄には、それぞれ金額が記載されているものと推察されるものの、いずれもマスキングされている。

しかしながら、上記表中「商品名」欄の各商品について、品番等、商品を具体的に特定する記載はない。

ク 乙第8号証

乙第8号証は、被請求人が、「まとめ」と主張するものであり、乙第1号証ないし乙第7号証に基づく被請求人の主張立証について、当該乙各号証における参照すべき箇所や被請求人の主張の要約が記載されている。

(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。

ア 別掲1の商標(以下「使用商標1」という。)及び別掲2の商標(以下「使用商標2」という。)の記載があり、商品「かばん」に関する広告を含むウェブページがインターネット上で公開されていた(乙1)。

ここで、乙第1号証に商標権者の社名の記載がある一方で、その下に記載の東京都内の住所は商標権者のものとは異なるものの、当該住所に所在する物件について、2025年1月1日付けで商標権者の社名及び住所が記載された請求書が発行され、商標権者は当該物件の賃料を請求されている(乙2)から、上記ウェブページ(以下「商標権者ウェブページ」という。)は、商標権者が公開していたものと認められる。

しかしながら、商標権者ウェブページが要証期間に公開されていた事実は確認できない。

イ 別掲3の商標(以下「使用商標3」という。)及び「Licensor by\KITAMURA TRADE SERVICES CO.,LTD.」の記載があるタグ(以下「本件タグ」という。)が制作された(乙3)。

しかしながら、本件タグが何らかの商品について使用された事実は確認できず、その態様及び時期も特定できない。

ウ 小売業者1は、「Overland\オーバーランド」(以下「使用商標4」という。)の記載とともに、共通の商品名として、「Overland\キャップ」(以下「使用商標5」という。)の記載、及び個別の商品名として、「×OVERLAND SPIDER PATTERN SOILD CAP」(以下「使用商標6」という。)及び「CALEE/キャリー×OVERLAND/オーバーランド SPIDER PATTER SOLID CAP キャップ」(以下「使用商標7」という。)の記載があるウェブページであって、いずれも使用商標2が表示された2種類の商品「帽子」に関する広告を含むウェブページ(以下「小売業者ウェブページ1」という。)を、少なくとも2025年2月13日にインターネット上で公開していた(乙4)。

しかしながら、小売業者ウェブページ1が要証期間に公開されていた事実は確認できず、また、小売業者1又は上記2種類の帽子と商標権者との具体的な関係は明らかではない。

エ 小売業者2は、共通の商品名として、「OVERLAND EQUIPMEMT」(以下「使用商標8」という。)の記載があるウェブページであって、品番が「OL3-AC-DD4」又は「OL1-AC-DD4」であり、いずれも使用商標2が表示された3種類の商品「帽子」に関する広告を含み、さらに「○C 2023」の記載があるウェブページ(以下「小売業者ウェブページ2」という。)を、少なくとも2025年2月13日にインターネット上で公開していた(乙5)。

ここで、月次販売報告書(乙7)によれば、J社が、商標権者宛に、商品名の表記に括弧書きされた小売業者2の記載を含む「CAP」、「HAT」等を2024年7月にD社に出荷したことについて、同年8月1日付けで同報告書を発行したことが認められ、このことから、小売業者2と商標権者とは何らかの取引上の関係があることはうかがえる。

しかしながら、月次販売報告書には品番等の商品を具体的に特定する記載が存在せず、「CAP」又は「HAT」が上記3種類の帽子のいずれかと同じ商品であることは確認できないことから、小売業者ウェブページ2が2024年7月に公開されていたとはいえず、また、小売業者2又は上記3種類の帽子と商標権者との関係が具体的に明らかになるものではない。

オ 小売業者3は、「OverLand EQUIPMENT/オーバーランドイクイップメント」(以下「使用商標9」という。)の記載があるウェブページであって、いずれも名称中に「OverLand EQUIPMENT[オーバーランドイクイップメント]」(以下「使用商標10」という。)の文字を含み、背中部分に使用商標2について色彩を白黒に変更した商標(以下「使用商標11」という。)が表示された商品「ティーシャツ」及び背中部分に使用商標2がそのまま表示された商品「ティーシャツ」に関する広告を含むウェブページ(以下「小売業者ウェブページ3」という。)を、少なくとも2025年2月22日にインターネット上で公開していた(乙6)。

しかしながら、小売業者ウェブページ3が要証期間に公開されていた事実は確認できず、また、小売業者3又は上記2種類のティーシャツと商標権者との具体的な関係は明らかではない。

3 判断

上記2の事実認定からすれば、次のとおり判断できる。

(1)商標権者ウェブページについて

上記2(2)アによれば、商標権者が、使用商標1及び使用商標2の記載があり、商品「かばん」に関する広告を含むウェブページを、インターネット上で公開していた事実は認められる。

しかしながら、かばんは、本件商標の指定商品のいずれかの範ちゅうに属する商品ではなく、また、商標権者ウェブページが要証期間に公開されていた事実は確認できない。

また、使用商標1の構成中、2段に表された文字色が白色の「OverLand」及び「EQUIPMEMT」の各欧文字は、後者が前者の下に近接して配置されていることに加え、後者は、「備品」、「設備」等を意味する英語であるところ、本件商標の指定商品との関係において識別力を有しない部分と直ちにはいい難いことから、使用商標1は、「OverLand」の文字部分が独立して自他商品の識別標識として認識されるとはいえない。

そうすると、使用商標1において、「OverLand」の欧文字が単独で使用されているとはいえないから、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。

使用商標2についても、その構成中に使用商標1と同様の2段に表された「OverLand」及び「EQUIPMEMT」の各欧文字が含まれることから、同様である。

よって、商標権者ウェブページに関して、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の指定商品のいずれかに関する広告に標章を付して展示し若しくは頒布し、又はこれを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。

(2)本件タグについて

上記2(2)イによれば、使用商標3及び「Licensor by\KITAMURA TRADE SERVICES CO.,LTD.」の記載がある本件タグが制作された事実は認められる。

しかしながら、後者の記載が、商標権者の社名を英語により表記したものであるとしても、本件タグを使用した商品、使用態様及び使用時期は何ら明らかではない。

また、使用商標3は、「OverLand」及び「EQUIPMEMT」の各欧文字を2段に表してなるものであるから、使用商標1と同様の理由により、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。

よって、本件タグに関して、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する本件商標の使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。

(3)小売業者ウェブページ1について

上記2(2)ウによれば、小売業者1が、使用商標4ないし使用商標7の記載があるウェブページであって、いずれも使用商標2が表示された2種類の商品「帽子」に関する広告を含む小売業者ウェブページ1を、少なくとも2025年2月13日にインターネット上で公開していた事実は認められる。

しかしながら、小売業者ウェブページ1が要証期間に公開されていた事実は確認できない。

また、小売業者1又は上記2種類の帽子と商標権者との具体的な関係は明らかではないから、小売業者ウェブページ1は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者による商標の使用を示すものとはいえない。

そうすると、使用商標4ないし使用商標7と本件商標との社会通念上の同一性について検討するまでもなく、小売業者ウェブページ1に関して、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の指定商品のいずれかに関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。

(4)小売業者ウェブページ2について

上記2(2)エによれば、小売業者2が、使用商標8の記載があるウェブページであって、いずれも使用商標2が表示された3種類の商品「帽子」に関する広告を含み、さらに「○C 2023」の記載がある小売業者ウェブページ2を、少なくとも2025年2月13日にインターネット上で公開していたことは認められる。

しかしながら、小売業者ウェブページ2が要証期間に公開されていた事実は確認できない。「○C 2023」の記載が、2023年の公開を示すものと直ちに解することはできない。

また、小売業者2又は上記3種類の帽子と商標権者との具体的な関係は、月次販売報告書を参照しても明らかではないから、小売業者ウェブページ2は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者による商標の使用を示すものとはいえない。

そうすると、使用商標8と本件商標との社会通念上の同一性について検討するまでもなく、小売業者ウェブページ2に関して、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の指定商品のいずれかに関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。

(5)小売業者ウェブページ3について

上記2(2)オによれば、小売業者3が、使用商標9及び使用商標10の記載があるウェブページであって、使用商標2又は使用商標11が表示された2種類の商品「ティーシャツ」に関する広告を含む小売業者ウェブページ3を、少なくとも2025年2月22日にインターネット上で公開していたことは認められる。

しかしながら、小売業者ウェブページ3が要証期間に公開されていた事実は確認できない。

また、小売業者3又は上記2種類のティーシャツと商標権者との具体的な関係は明らかではないから、小売業者ウェブページ3は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者による商標の使用を示すものとはいえない。

そうすると、使用商標9ないし使用商標11と本件商標との社会通念上の同一性について検討するまでもなく、小売業者ウェブページ3に関して、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の指定商品のいずれかに関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。

(6)その他、被請求人が提出した全証拠及び同人の主張を総合してみても、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する本件商標の使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。

4 まとめ

以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、その指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3項各号の使用行為を行ったことを証明していない。

また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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