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Trademark Appeal Case

ASO対策の教科書の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025003932
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年1月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年 7月 4日付け:拒絶理由通知書

令和6年 8月 1日 :意見書の提出

令和6年12月 5日付け:拒絶査定

令和7年 3月11日 :審判請求書の提出

令和7年 9月29日付け:証拠調べ通知書

2 本願商標

本願商標は、「ASO対策の教科書」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第41類及び第42類に属する別掲1の役務を指定役務として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、「ASO対策の教科書」の文字を普通に用いられる方法(標準文字)で表示してなるところ、その構成中の「ASO」の文字は、「アプリストア最適化」の意味を有する「app store optimization」の略語であり、「対策」の文字は、「相手の態度や事件の状況に対応するための方法・手段」の意味を有する語であり、「の」の文字は、「...に対する」の意味を有する助詞であり、「教科書」の文字は、「教授・学習の教材として使用される図書」の意味を有する語である。そして、インターネット調査によると、オンライン上のアプリストア内で自社アプリが検索結果の上位に表示されやすくするための施策が行われており、その施策が「ASO対策」と称されている。また、マーケティング等の分野に関する書籍・電子書籍の題号に「○○の教科書(○○には、SEO(対策)など基本的な知識について学べる対象が入る。)」の文字が使用されている実情も認められる。そうすると、本願商標からは、「ASO対策(アプリストア内で自社アプリが検索結果の上位に表示されやすくするための施策)の教材として使用される図書」ほどの意味合いが認識されるので、本願商標をその指定役務中、第41類「書籍の制作,電子出版物の提供,図書の貸与,図書及び記録の供覧」について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、上記意味合いの書籍・電子出版物・図書に関する役務であると認識するにすぎない。したがって、本願商標は、「役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審による証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否か、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2(1)ないし(7)及び別掲3(1)ないし(10)のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。

5 証拠調べに対する請求人の意見

請求人は、上記4の証拠調べに対して、所定の期間内に何ら応答していない。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「ASO対策の教科書」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ASO」の文字は、「スマートホンやタブレット型端末などのアプリケーションストアにおいて、ある特定のアプリを検索結果の上位に表示させ、広く認知させる手法の総称。」の意味を、「対策」の文字は、「相手の態度や事件の状況に対応するための方法・手段。」の意味を、「教科書」の文字は、「あることを学ぶのに適している本。」の意味をそれぞれ有する語であり、「の」の文字は、連体修飾格として諸種の関係を表す格助詞である(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館)。

そして、別掲2のとおり、「ASO対策」の文字は、「アプリケーションストアにおいて、ある特定のアプリを検索結果の上位に表示させ、ダウンロード数を増やすための施策」ほどの意味合いで一般的に使用されている。

また、別掲3のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、「ASO」と同様に検索結果の上位表示を目指す手法を表す文字(例えば、「インターネット上のウェブサイトを検索するサーチエンジンにおいて、ある特定のウェブサイトが検索結果の上位に表示されるようにサイト設計をする手法の総称。」を意味する「SEO」や「グーグルマップなどの地図情報サービスにおいて、地域名とキーワードを組み合わせた検索結果の上位に表示されるよう、情報登録の最適化を図ること。」を意味する「MEO」(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館))と、「教科書」の文字とを組み合わせた「○○対策の教科書」、「○○の教科書」(○○には検索結果の上位表示を目指す手法を表す文字が入る。以下同じ。)等の文字が、「○○を学ぶのに適している本や資料」を表すものとして使用されている実情がある。

してみれば、本願商標は、上記取引の実情や本願商標を構成する各文字の意味合いから、全体として「ASO対策(アプリケーションストアにおいて、ある特定のアプリを検索結果の上位に表示させ、ダウンロード数を増やすための施策)を学ぶのに適している本」ほどの意味合いを容易に認識させるものといえる。

そうすると、本願商標をその指定役務中、本に関連する役務である第41類「書籍の制作,電子出版物の提供,図書の貸与,図書及び記録の供覧」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「ASO対策(アプリケーションストアにおいて、ある特定のアプリを検索結果の上位に表示させ、ダウンロード数を増やすための施策)を学ぶのに適している本」に関する役務であることを認識するにすぎないというのが相当である。

したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、「教科書」の文字は教科用図書の略称であり、国からの認定を受けたものが本来の教科書であるところ、本願商標は、体系的な学習を想定しない内容について「教科書」と命名している点に創造性がある旨主張する。

しかしながら、上記(1)で述べたとおり、「教科書」の文字は、「あることを学ぶのに適している本。」の意味を有する語であり、本願の指定役務を取り扱う業界において、「○○対策の教科書」、「○○の教科書」等の語が「○○を学ぶのに適している本や資料」を表すものとして使用されている実情があることを考慮すれば、本願商標は、「ASO対策(アプリケーションストアにおいて、ある特定のアプリを検索結果の上位に表示させ、ダウンロード数を増やすための施策)を学ぶのに適している本」ほどの意味合いを認識させるにすぎないものである。

イ 請求人は、「○○の教科書」の文字からなる商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例に本願の判断が拘束されるものではない。

ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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