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Trademark Appeal Case

地名と普通名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025005645
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年4月23日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年11月12日付け:拒絶理由通知書

令和6年12月23日受付:意見書、手続補正書

令和7年 1月 9日付け:拒絶査定

令和7年 4月14日 :審判請求書

令和7年 7月16日付け:証拠調べ通知書

令和7年 8月26日受付:意見書

2 本願商標

本願商標は、「かまくら牛」の文字を標準文字で表してなり、第29類及び第35類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正書により、第29類「牛肉,銘柄黒毛和牛肉,黒毛和牛肉,国産牛肉,輸入牛肉,牛肉を使用した肉製品,牛肉製品を主材とする惣菜,牛脂又は牛肉を用いたカレー・シチュー・どんぶり・スープのもと・お茶漬けのり・ふりかけ又はなめ物,食肉,食肉を使用した肉製品」及び第35類「食肉及び牛肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

(1)商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号について

本願商標は、「かまくら牛」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「かまくら」の文字は、「神奈川県南東部、相模湾に臨む市。」を表す地名として知られ、「牛」の文字は、「うし。特に、牛肉。」の意味を有する語だから、本願商標は全体として、「神奈川県鎌倉市産の牛肉」ほどの意味合いが容易に理解される。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、その商品が「神奈川県鎌倉市産の牛肉(を使用した商品)」であることを認識するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記文字に相応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

また、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、その取扱い商品が「神奈川県鎌倉市産の牛肉(を使用した商品)」であること、すなわち、当該小売等役務の取扱い商品の品質等を表示したものと理解するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、「神奈川県鎌倉市産の牛肉(を使用した商品)」以外の商品に係る小売等役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審による証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否か、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5号の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。

5 上記通知に対する請求人の意見

(1)「ブランド牛一覧」のウェブサイト(https://meats-town.com/media/brand-sort/)で紹介されているブランド牛のうち「○○(平仮名を表記した地名)牛(和牛)」と認められる割合は、1割程度であるから、平仮名表記した地名を冠して商品(食肉)の産地を表示することが「広く一般に」行われているとはいえず、むしろ特殊例というべきである。

(2)証拠調べ通知で示されるように「○○(平仮名を表記した地名)牛(和牛)」と表示することがあるとしても、〇〇部分は、地名であることが一義的に理解できる平仮名表記であって、いわゆるブランド牛である一方、本願商標の構成中の「かまくら」の語は、固有の地理的名称が想起され得るとしても、地名以外の他の意味が理解される平仮名であるから、そのような「かまくら」の文字と「牛」の文字とを組み合わせた「かまくら牛」は、自他商品・自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得る。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号について

ア 本願商標は、「かまくら牛」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「かまくら」の文字は、「神奈川県南東部、相模湾に臨む市。鎌倉幕府跡・鶴岡八幡宮・建長寺・円覚寺・長谷の大仏・長谷観音などの史跡・社寺に富む。」である「鎌倉」(「広辞苑第七版」岩波書店参照)の漢字を平仮名表記したものと無理なく看取されるものであり、「牛」の文字は、「うしの肉」の意味を有する語(前掲書参照)であるから、本願商標は構成文字全体として、「神奈川県鎌倉市産の牛肉」の意味合いが容易に理解されるものである。

また、特に食肉を取扱う業界においては、松阪牛、米沢牛などのように、「○○牛」「○○和牛」などと地名を冠して商品の産地を表示することは周知の事実であり、中には、別掲のとおり、当該産地部分を平仮名で表記する例も相当数確認できる。

そうすると、上記実情を考慮すれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、その商品が「神奈川県鎌倉市産の牛肉(を使用した商品)」であることを認識するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記文字に相応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

イ また、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、その役務の取扱い商品が「神奈川県鎌倉市産の牛肉(を使用した商品)」であること、すなわち、当該小売等役務の取扱い商品の品質等を表示したものと理解するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、「神奈川県鎌倉市産の牛肉(を使用した商品)」以外の商品に係る小売等役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「ブランド牛一覧」のウェブサイトで紹介されているブランド牛のうち「○○(平仮名を表記した地名)牛(和牛)」と認められる割合は、1割程度であるから、平仮名表記した地名を冠して商品(食肉)の産地を表示することが「広く一般に」行われているとはいえず、むしろ特殊例というべきである旨、また、「かまくら」の語は、固有の地理的名称が想起され得るとしても、地名以外の他の意味が理解される平仮名であるから、そのような「かまくら」の文字と「牛」の文字とを組み合わせた「かまくら牛」の文字は、自他商品・自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得る旨を主張する。

しかしながら、上記(1)のとおり、請求人が主張するいわゆるブランド牛以外でも、特に食肉を取り扱う業界においては、「○○牛」「○○和牛」などと地名を冠して商品の産地を表示することは広く一般に行われており、当該産地部分を平仮名で表記することも相当数見受けられる。また、「かまくら」の文字は、上記(1)のとおり、地名として一般的な辞書に掲載があり、観光地としても日本国民に広く知られているものといえる。

そうすると、本願商標の構成中の「かまくら」の文字が地名以外の他の意味を有するとしても、上記(1)の取引の実情を考慮すれば、これを本願商標の指定商品及び指定役務に使用するときは、むしろ、「神奈川県鎌倉市産の牛肉(を使用した商品)」の意味合いを自然に想起するものといえ、結局、本願商標は、自他商品・自他役務の識別標識としての機能を果たすものとはいえない。

したがって、請求人の主張は採用できない。

(3)結論

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号について該当するから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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