結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025006187 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和5年7月31日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年4月 8日付け:拒絶理由通知書
令和6年7月12日 :意見書の提出
令和7年1月24日付け:拒絶査定
令和7年4月23日 :審判請求書の提出
本願商標は、「煮沸級消臭」の文字を標準文字で表してなり、第3類「洗濯用洗剤・洗浄剤(工業用及び医療用のものを除く。)及びせっけん類,織物用しみ抜き剤,洗濯用柔軟剤,洗濯用蛍光増白剤(家庭用のものに限る。),洗濯用洗剤,家庭用の洗濯用洗剤及び柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用仕上げ剤及び洗濯用剤」を指定商品として登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6775242号商標(以下「引用商標」という。)は、「煮沸級」の文字を標準文字で表してなり、令和5年5月25日登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用洗剤,せっけん類,化粧品,香料,薫料,かつら装着用接着剤,つけまつげ用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,洗濯用除菌剤」を指定商品として、同6年2月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(1)本願商標について
本願商標は、「煮沸級消臭」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は辞書等に記載がなく、成語とは認められないものであるところ、その構成中の「消臭」の文字は、「不快な臭いを消すこと。」(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)を意味し、本願の指定商品を取り扱う分野においては、原審において提示した証拠のとおり、消臭効果を有する商品が、多数取引されている実情が確認できることから、本願商標構成中の「消臭」の文字部分については、それが商品の効能又は商品の品質を表したものとして理解、認識されるものといえ、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか極めて弱い部分とみるのが相当である。
一方、本願商標構成中の、「煮沸」の文字は「煮えたたせること。」を、「級」の文字は「上下の地位・程度の位置づけ。順序。段階。」をそれぞれ意味し(いずれも出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)、これらの文字を一連に表示した「煮沸級」の文字からは、「煮沸程度」ほどの意味合いを理解させるものであるところ、これが本願の指定商品との関係において、具体的な品質を表すなど、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとみるべき事情は見当たらないことから、本願商標構成中の「煮沸級」の文字部分は、商品の出所識別標識として、取引者、需要者に強く支配的な印象を与えるものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、その構成中の「煮沸級」の文字部分が、商品の出所識別標識として、取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えることから、当該文字部分を要部として抽出し、これと他人の商標を比較して、商標の類否を判断することができるものである(以下、本願商標の構成中の「煮沸級」の文字部分を「本願商標の要部」という。)。
してみれば、本願商標は、本願商標の要部である「煮沸級」の文字部分に相応して、「シャフツキュー」の称呼を生じ、「煮沸程度」ほどの観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記3のとおり、「煮沸級」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「煮沸」及び「級」の文字は、上記(1)のとおり、それぞれ「煮えたたせること。」及び「上下の地位・程度の位置づけ。順序。段階。」を意味する語であって、これらの文字を一連に表示した「煮沸級」の文字からは、「煮沸程度」ほどの意味を理解させるものであるから、その構成文字に相応して、「シャフツキュー」の称呼を生じ、「煮沸程度」ほどの観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、本願商標の要部と引用商標を比較したときには、外観において「煮沸級」の文字を共通にすることから、本願商標と引用商標は、外観上、相紛らわしい。
また、本願商標の要部と引用商標は、称呼において、「シャフツキュー」の称呼を共通にし、観念において、「煮沸程度」ほどの観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、外観において相紛らわしく、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらを総合的に勘案すると、本願商標と引用商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品中には、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品が含まれている。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、「煮沸級消臭」の文字からなる本願商標は、外観上まとまりよく表されていること、構成全体から生じる「シャフツキューショーシュー」の称呼がよどみなく称呼できること及び全体として「洗濯方法としての煮沸による場合と同程度の消臭」ほどの意味合いを想起させ、観念上一体性を有していることから、構成全体をもって一体不可分の商標と認識される旨、並びに本願商標を構成する「煮沸級」の文字は、本願指定商品との関係においては、「洗濯方法としての煮沸と同程度の効果を有する商品」ほどの意味合いを認識させ、自他商品識別力が弱い語として認識されるから、当該文字が分離、抽出されることはない旨主張している。
しかしながら、「煮沸級消臭」の文字は、辞書等に記載がなく、本願の指定商品との関係において、直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いものである。
そして、本願指定商品との関係において、本願商標の構成中「消臭」の文字は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか極めて弱い部分であること、また、洗濯方法として「煮沸」が行われる例がうかがえるとしても、「煮沸級」の文字が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとみるべき事情は見当たらず、当該文字が商品の出所識別標識として、取引者、需要者に強く支配的な印象を与える要部というべきものであることは、上記(1)に記載のとおりであり、その他、本願商標を常に一体不可分のものとしてのみ看取されると判断しなければならない特段の事情は見いだせない。
イ 請求人は、過去の登録例、審決例を挙げて、本願商標も同様に登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、商標の類否判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであり、また、請求人が挙げる登録例、審決例における商標は、いずれも本願商標とその構成態様を異にするものであって、本願とは事案を異にするものであるから、請求人が挙げる登録例、審決例によって、直ちに本願の判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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