結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025008724 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年8月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 1月 7日付け:拒絶理由通知書
令和7年 2月25日 :意見書の提出
令和7年 3月19日付け:拒絶査定
令和7年 6月 5日 :審判請求書の提出
令和7年10月31日付け:審尋
令和7年12月19日 :回答書の提出
本願商標は、「自動調理ポット」の文字を標準文字で表してなり、第11類「家庭用電熱用品類,電気ポット」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,料理教室の企画・運営又は開催,資格の認定及び付与,電子出版物の提供,書籍の制作,インターネットによる画像・映像・映画・音楽の提供,スポーツ・娯楽・文化・教育用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定商品並びに指定役務として商標登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は、「自動調理ポット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「自動」の文字は「他の力によらず、みずからの力で動くこと」の意味を有し、「調理」の文字は「食物を料理すること」の意味を有し、「ポット」の文字は「保温または保冷に用いる容器。」の意味を有する語として使用されている。そして、本願の指定商品及び指定役務に関する業界において、自動調理する鍋、自動で調理する過熱水蒸気オーブンレンジ、自動で調理する低温調理器、自動調理するロボット等の自動で調理する商品が広く取り扱われている実情があり、また、自動で調理する鍋のレシピを内容とする電子出版物が提供され、自動で調理するロボットに関するセミナー等が開催されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「自動で調理するポット」(例えば、「自動で調理する電気ポット」)、又は「自動で調理するポット」に関する役務(例えば、「自動で調理するポットに関するセミナーの企画・運営又は開催」)であると認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
当審において、令和7年10月31日付けで通知した審尋により、別掲1から別掲7のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
請求人は、上記第4の審尋に対し、令和7年12月19日に回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くと規定されているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状その他の特性又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が、その指定商品又は指定役務について商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、本願商標が指定商品又は指定役務との関係で商品の品質又は役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標が当該商品又は役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、商品の品質又は役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年10月21日判決等参照)。
そして、当該商標が指定商品又は指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、商品の品質又は役務の質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、商標の構成やその指定商品又は指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(令和3年(行ケ)第10113号 同4年1月25日知的財産高等裁判所判決参照)。
(2)本願商標について
本願商標は、「自動調理ポット」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字及び意味合いから、「自動」、「調理」及び「ポット」の各語を組み合わせたものと容易に理解されるものである。
ところで、別掲1によれば、本願商標の構成中、「ポット」の文字は、本願の指定商品との関係においては、「注ぎ口のついた壺、魔法瓶」ほどの意味合いを有し、「鍋や容器の一種」を表すものとして、広く使用されている実情が認められる。
そして、本願の指定商品に関連する分野において、別掲2によれば、「ポット型の調理器」及び「ポット型コンベクションオーブン」のように、ポット型の商品が取引されており、別掲3のとおり、「調理ポット」及び「〇〇調理ポット」(○○には「真空」、「定温」及び「マルチ」のように商品の機能を表す任意の文字が入る。)と称する商品が一般に取引されている実情も認められる。
さらに、別掲4によれば、「自動調理鍋」、「自動調理ロボット(ロボ)」、「自動調理器(機)」及び「自動調理家電」のように、「自動調理〇〇」(○○には商品の名称を表す任意の文字が入る。)と称する自動で調理できる各種の商品が取引されている実情が認められ、また、別掲5のとおり、「自動調理ポット」と称する「ポット型の自動調理器」が取引されている実情も認められる。
そうすると、本願商標の構成及び上記取引の実情を踏まえれば、「自動調理ポット」の文字からなる本願商標を、その指定商品「家庭用電熱用品類,電気ポット」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、例えば、「ポット型の自動調理器」のように、当該表示が「自動調理器の一種」であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというのが相当である。
加えて、本願の指定役務に関連する分野において、別掲6によれば、「自動調理機」、「自動調理鍋」及び「自動調理ロボット」を紹介するイベント(オンライン開催を含む。)や、「自動調理鍋」を使用した料理教室等が開催されている実情が認められ、また、別掲7によれば、「自動調理ロボット」を紹介する書籍や、「自動調理鍋」及び「自動調理器」等を使用したレシピを紹介する書籍(電子書籍を含む。)が出版されており、「自動調理ポット」を使用したレシピもブログサイトにおいて紹介されている実情が認められる。
これらの実情からすると、本願商標を、その指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,料理教室の企画・運営又は開催,資格の認定及び付与,電子出版物の提供,書籍の制作,インターネットによる画像・映像・映画・音楽の提供,スポーツ・娯楽・文化・教育用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、例えば、「ポット型の自動調理器」に関する役務であること、すなわち、役務の質を表したものとして理解、認識するにとどまるというのが相当である。
また、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(1)請求人は、「本願商標は、仮に「ポット型の自動調理器」との意味合いを感得する可能性があるとしても、指定商品又は指定役務についての具体的な品質や質を一義的に表示したものと認識されない。すなわち、「ポット型」とは、いかなる形状であるのか、又は、「自動」とは、いかなる態様を呈する機器であるのかを、本願商標は一義的に表示する商標とはいえないから、「ポット型の自動調理器」という意味合いは、それ自体極めて広い概念であり、何ら具体的な指定商品役務の内容を示しているものではない。そして、一連不可分に構成される本願商標「自動調理ポット」の構成文字中の「ポット」の語の意味合いを一義的に感得することはなく、また、その構成文字の一部である「調理ポット」や「〇〇調理ポット」と称する商品が確認される事情をもって自他商品役務識別標識を否定されるべきではない」旨主張している。
しかしながら、たとえ「ポット」が多義的な語であるとしても、上記1(2)で認定したとおり、本願の指定商品に関連する分野において、ポット型の商品が一般に取引されており、「調理ポット」又は「〇〇調理ポット」と称する商品や「自動調理〇〇」と称する自動で調理できる各種の商品が取引され、また、「自動調理ポット」と称する「ポット型の自動調理器」も取引されている実情を踏まえれば、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、例えば、「ポット型の自動調理器」のように、当該表示が「自動調理器の一種」であることを容易に認識するというべきである。
さらに、本願の指定役務に関連する分野において、「自動調理機」、「自動調理鍋」及び「自動調理ロボット」を紹介するイベント(オンライン開催を含む。)や、「自動調理鍋」を使用した料理教室等が開催されており、また、「自動調理ロボット」を紹介する書籍や、「自動調理鍋」及び「自動調理器」等を使用したレシピを紹介する書籍(電子書籍を含む。)が出版され、「自動調理ポット」を使用したレシピもブログサイトにおいて紹介されている実情を踏まえれば、本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、例えば、「ポット型の自動調理器」に関する役務であることを容易に認識するというべきである。
(2)請求人は、「別掲5で提示された8件の情報に関して、リンク切れのものが2件含まれており、3件は本願出願日後の2025年6月以降の販売製品である。また、「自動調理ポット」という表記が確認できるものに関しても、説明文上の表現やECモール内の検索キーワードとしての羅列であり、商標的使用とはいえない。また、本願商標「自動調理ポット」は、請求人商品発売以前に社会一般に使用されていた実績が存在しない。」旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記1(2)のとおりであるから、本願商標「自動調理ポット」は、その指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質又は役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であって、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、本願商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者によって、商品の品質又は役務の質を表示したものと一般に認識されるものというべきである。
そして、仮に、請求人が主張するように、請求人商品の発売以前に「自動調理ポット」の語が一般に使用されていた実績が確認できないとしても、本願商標の上記判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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