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Trademark Appeal Case

機能・形態表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025009237
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年6月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和7年 1月 8日付け:拒絶理由通知書

令和7年 2月26日 :意見書の提出

令和7年 3月 6日付け:拒絶査定

令和7年 6月13日 :審判請求書の提出

令和7年10月23日付け:審尋

令和7年12月 9日 :回答書の提出

2 本願商標

本願商標は、「バイタライズゲル」の文字を横書きしてなり、第3類「せっけん類,つや出し剤,化粧品,美容液,乳液,クレンジングクリーム,日焼け止めクリーム,口紅,ヘアクリーム,化粧用クリーム,頭髪用化粧品,歯磨き,入浴剤,薫料,香料」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、「バイタライズゲル」の文字を表してなるものである。

本願商標の構成中の「バイタライズ」の文字は、「・・・に生命〔活力、生気〕を与える。」等の意味を有する英語「Vitalize」の表音と認められ、「ゲル」の文字は、「[Gel]コロイド溶液が流動性を失い、多少の弾性と固さをもってゼリー状に固化したもの。」の意味を有する語であり、「ゼリー状のもの。特に、整髪料や薬品にいう。ゲル。」を意味する「ジェル[gel]」と同じ意味合いの語として一般に親しまれ使用されているものである。

そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、肌や頭皮に活力を与えるような商品に、例えば「バイタライズシャンプー」「バイタライズ ローション」「バイタライズクリーム」等と称し、「バイタライズ」の文字が普通に使用されている実情がある。

また、「ゲル」の文字は、「化粧品・せっけん類」との関係において「ジェル(ゼリー)状のもの」であることを容易に認識させるものである。

そうすると、本願商標は、全体として「(肌や頭皮に)活力を与えるジェル状のもの。」程の意味合いを容易に認識させるものであるから、本願商標を、その指定商品中「肌や頭皮に活力を与えるジェル状の化粧品・せっけん類」等に使用した場合、これに接する需要者は、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。

また、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質等の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質等の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審における審尋

当審において、上記1の審尋により、別掲1及び2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。

5 審尋に対する請求人の回答(要旨)

(1)本願商標は、外観上、一体として把握される造語であり、これに接する取引者・需要者は、商標全体からうける統一的な印象に基づき直感的に把握するのが通常であるから、本願商標を構成する文字を取り出し、語義を精緻に解釈することは、一般の需要者の通常の理解態度とは大きく乖離している。

(2)本願商標を構成する「バイタライズ」の語から、取引者、需要者が「活力を与える」との意味合いを直接的に看取することはなく、例え語義を認めたとしても、その内容は極めて漠然としており、具体的な品質を直接的かつ一義的に表示する語とは取り扱われない。

(3)本願商標を構成する「ゲル」の語は、効能や品質の内容を示す語ではなく、単なる状態を表す語にすぎず、本願商標の態様は日常的な日本語の構成として自然のものとはいい難いことから、本願商標は、一体不可分の造語として認識される蓋然性が高い。

(4)引用されている「バイタライズ」や「バイタライジング」の使用例は、少数に過ぎず、特定事業者の強調表現である可能性が高いうえ、本願商標とは語の構成が明確に異なるものである。

6 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、「バイタライズゲル」の文字を横書きしてなるものであるところ、その構成中、「バイタライズ」の文字は「<...に>生命を与える,活力をつける.」等を意味する英単語「vitalize」の表音を表したものと認められ(出典:新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社)、「ゲル」の文字は、「コロイド溶液が固まって、半固体ないし固体の状態になったもの。ジェル(ゼリー状のもの。)」(出典:デジタル大辞泉 株式会社小学館)を意味する語である。

そして、「バイタライズ」の文字は、本願の指定商品を取り扱う分野においては、肌や頭皮に活力(ハリや潤いなど)を与えるような商品について、「バイタライズシャンプー」、「バイタライズ ローション」、「バイタライズクリーム」等と称して使用されている実情が、原審で通知した証左に加え、以下のとおり確認できる上(別掲1)、「バイタライズ(vitalize)」の派生語である「バイタライジング(vitalizing)」の文字も、肌や頭皮に(ハリや潤いなど)活力を与えるような商品に使用されている実情(別掲2)が確認できる。また、「ゲル」の文字は、本願指定商品を取り扱う分野においては、「ジェル(ゼリー状のもの。)」であること、すなわち商品の形状を表示するものであると容易に認識させるものである。

以上のことを考慮すれば、「バイタライズゲル」の文字よりなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「(肌や頭皮などに)活力を与えるようなジェル状の商品」であること、すなわち商品の品質を表示したものと看取、理解するにとどまり、これを商品の出所を表示する識別標識として認識することはないというべきである。

さらに、本願商標は一般的な書体の片仮名で表してなるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。

してみれば、本願商標は、その商品の特徴、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、上記内容に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標は構成上一体不可分の造語であって、本願商標を構成する各語に分離し、各々の意味合いを抽出した上で、全体の意味合いを理解・把握することは到底あり得ない旨主張している。

しかしながら、構成上一体的に表示されている商標であっても、自他商品の識別力を有するか否かを検討する上では、本願指定商品を取り扱う分野における取引の実情等を踏まえて、個々の構成部分の意味を検討することが否定されるものではない。

イ 請求人は、「バイタライズゲル」は、一般的な辞書等に掲載されておらず、インターネット検索においても品質表示としての一般的な使用実態が確認されないこと、本願商標を構成する「バイタライズ」の文字が表す意味内容は極めて抽象的かつ曖昧なものであり、「ゲル」の文字も、商品の物理的形状やテクスチャーを表すに過ぎないものであるから、「バイタライズゲル」の語から、商品の具体的な品質や効能等を直接的、かつ、具体的に想起させるとは認められないこと、引用された「バイタライズ」や「バイタライジング」等の使用例は少数に過ぎない上、本願商標とは構成が明確に異なるものであることから、本願商標全体が品質を表示する語として認識されることはない旨主張する。

しかしながら、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべき」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号、同年9月4日判決参照)であるから、そもそも同号の適用に当たっては、必ずしも、「バイタライズゲル」の文字全体が、商品の品質を表すものとして実際に使用されている例が要求されるわけではないと解される。

そして、本願の指定商品を取り扱う分野においては、上記(1)のとおり、本願商標を構成する「バイタライズ」やその派生語と認められる「バイタライジング」の文字が、当該文字の意味合いに通じる、肌や頭皮に(ハリや潤いなど)活力を与えるような商品に使用されている実情があり、「ゲル」の文字が、商品の形状を表示するものであると容易に認識させるものであることを鑑みれば、これらの語を組み合わせてなる本願商標を、その指定商品に用いた場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「(肌や頭皮などに)活力を与えるようなジェル状の商品」、すなわち、そのような品質、特徴を有する商品であることを表示したものと理解するにすぎないというのが相当である。

ウ 請求人は、「バイタライズ」の文字を含む過去の登録例を列挙し、本願も同様に取り扱われるべきである旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記(1)のとおりであるから、請求人が挙げる登録例等をもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。

エ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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