sokuhyo

Trademark Appeal Case

レストアパーツの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025009425
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和6年3月4日の商標登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年 8月 7日付け:拒絶理由通知書

令和6年12月19日 :意見書の提出

令和7年 3月14日付け:拒絶査定

令和7年 6月17日 :審判請求書の提出

令和7年11月20日付け:審尋

令和7年12月26日 :回答書の提出

第2 本願商標

本願商標は、「RESTORE PARTS」及び「レストアパーツ」の文字を上下2段に書してなり、第12類「陸上の乗物用の動力機械器具(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,乗物用盗難警報器,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、商標登録出願されたものである。

第3 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標の構成中、「RESTORE(レストア)」の文字は、「元の状態に戻すこと。復元すること。」の意味を、「PARTS(パーツ)」の文字は、「機械などの、部分品。部品。」の意味を有する。そして、本願の指定商品を取り扱う分野において、「RESTORE(レストア)」の文字は、「新車のように復元すること」の意味を表すものとして使用され、レストアのための部品が製造販売され、そのような部品について、「レストアパーツ」、「レストア部品」等の文字が使用されている実情がうかがえることからすると、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、「新車のように復元するための部品及びそれに関する商品」ほどの意味合いを認識するにとどまるというのが相当である。したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第4 当審における審尋

当審において、令和7年11月20日付けで通知した審尋により、別掲1から別掲4のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。

第5 審尋に対する請求人の回答

請求人は、上記第4の審尋に対し、令和7年12月26日に回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。

1 本願商標は、平成29年2月ごろに請求人が創作したものであり、請求人は、本願商標の最先の使用者である。請求人は、本願商標を選択した時点において、第三者との無用な紛争を回避するため、本願商標と同一の商標を使用する第三者が皆無であることを確認している。そして、請求人は、平成30年3月ごろから現在に至るまで、本願商標を指定商品及びその広告に継続して使用し、本願商標は、現在も請求人の業務に係る商品の出所識別標識として機能している。

2 別掲4において挙げられた取引の実情は、本願商標を付した商品の周知性が高まったことを受けて、第三者が使用を開始したものと思料する。そのため、本願商標の素性及び取引の実情並びに請求人の努力によって本願商標に蓄積した業務上の信用を総合的に判断すれば、本願商標は商標登録を受けることができるものと思料する。

第6 当審の判断

1 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について

(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨

商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠くものであることによるものと解される。

そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年10月21日判決等参照)。

そして、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標が、その指定商品に使用された場合に商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号 同4年1月25日判決参照)。

(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「RESTORE PARTS」及び「レストアパーツ」の文字を上下2段に書してなるところ、別掲1によれば、「RESTORE」及び「レストア」の文字(語)は、「復元、修復」ほどの意味合いを表すものであり、「PARTS」及び「パーツ」の文字(語)は、「部品」ほどの意味合いを表すものである。

そうすると、本願商標は、その構成文字及び意味合いから、「RESTORE(レストア)」及び「PARTS(パーツ)」の各文字(語)を組み合わせたものと容易に理解されるものである。

ところで、別掲2によれば、本願の指定商品に関連する分野において、「レストア」及び「パーツ」の文字(語)が一般に使用されており、また、別掲3のとおり、レストア用のパーツが取引されている実情も認められる。

さらに、別掲4によれば、本願の指定商品に関連する分野において、「レストアパーツ」を取り扱う事業者が複数者存在し、「レストアパーツ」に関するイベントの開催や、「レストアパーツ」と称する商品の紹介が行われている実情が認められる。

そうすると、本願商標の構成及び上記取引の実情を踏まえれば、「RESTORE PARTS」及び「レストアパーツ」の文字からなる本願商標を、その指定商品「陸上の乗物用の動力機械器具(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,乗物用盗難警報器,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、例えば、「レストア用のパーツ」であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというのが相当である。

また、本願商標は、一般的な書体で表されているものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。

したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、「本願商標は、平成29年2月ごろに請求人が創作したものであり、請求人は、本願商標の最先の使用者である。請求人は、本願商標を選択した時点において、第三者との無用な紛争を回避するため、本願商標と同一の商標を使用する第三者が皆無であることを確認している。そして、請求人は、平成30年3月ごろから現在に至るまで、本願商標を指定商品及びその広告に継続して使用し、本願商標は、現在も請求人の業務に係る商品の出所識別標識として機能している。」旨、主張している。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記1(2)のとおりであるから、仮に、請求人が主張するように、請求人が本願商標の最先の使用者であって、現在に至るまで、本願商標をその指定商品及び広告に継続して使用しており、また、請求人が本願商標を選択した時点において、本願商標と同一の商標を使用する第三者が皆無であったとしても、本願商標の上記判断が左右されるものではない。

(2)請求人は、「別掲4において挙げられた取引の実情は、本願商標を付した商品の周知性が高まったことを受けて、第三者が使用を開始したものと思料する。そのため、本願商標の素性及び取引の実情並びに請求人の努力によって本願商標に蓄積した業務上の信用を総合的に判断すれば、本願商標は商標登録を受けることができるものと思料する。」旨主張している。

しかしながら、本願商標が商標法第3条第1項第3号の規定に該当するか否かは、上記(1)のとおり判断されるべきであるところ、「RESTORE PARTS」及び「レストアパーツ」の文字を上下2段に書してなる本願商標の構成態様や、本願の指定商品に関連する分野において、「レストア」及び「パーツ」の文字(語)が一般に使用されており、レストア用のパーツが取引されている実情及び「レストアパーツ」を取り扱う事業者が複数者存在し、「レストアパーツ」に関するイベントの開催や、「レストアパーツ」と称する商品の紹介が行われている実情を踏まえると、本願商標は、その指定商品との関係で、その商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものというべきである。

(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。