結論テキスト
登録第4956179号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025300063 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本件登録第4956179号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成17年11月7日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,履物」を指定商品として、同18年5月26日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和7(2025)年2月5日であり、その請求の登録前3年以内の同4(2022)年2月5日から同7(2025)年2月4日までの期間を以下「要証期間」という。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を請求書において、要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
本件商標は、審判請求前3年間に指定商品について商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が発見できないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した(なお、乙第5号証の後の具体的な乙号証の記載がない証拠については、答弁書中の「7 証拠方法」欄の記載から、乙第6号証として取り扱うこととし、以下、証拠については、「乙第〇号証」を「乙〇」のように省略して記載する。)。
(1)別掲2のとおりの構成よりなる本件使用商標を出所表示として商品パッケージに付した靴下の販売
被請求人は、要証期間内に、栃木県小山市を拠点として東日本から東海地方にかけてドラッグストアの経営を生業とするカワチ薬品(以下「A」という。)に対し、品番「FUC501」の靴下(以下「使用商品」という。)をいわゆる卸という形で販売していた。
Aは自身が運営するドラッグストアにおいて、一般消費者に対し、使用商品を販売していた。靴下の取引形態において、靴下は左右両足分を2足1組で販売される。靴下の商品包装態様は、店頭に陳列する際に、2足が分離しないことを主な目的として、出所を示すブランドロゴなどが印字された帯状の紙類等を側面に巻いて固定されることが一般的であるが、使用商品の外観は、靴下本体に、「finesse」の文字からなる本件使用商標を横一列に反復して印字した帯状の紙が巻かれ、固定された状態になっている。
乙第1号証は、令和5年10月2日から同6年1月11日の期間、使用商品が被請求人からAに販売され、Aの運営するドラッグストア各店舗へ販売された明細であり、要証期間内に商標的使用がされていたことが分かる。
被請求人の販売に対するAの代金支払いは毎月15日締めとなっており、乙第2号証から乙第4号証はそれぞれ2023年10月16日から2024年1月15日の期間でAから被請求人へ支払われた代金の月々の支払明細書である。
被請求人の販売に対するAの支払いは、乙第1号証の5列目の「納品NO」に対応する左13列目の「出荷金額」、乙第2号証から乙第4号証の「デンピョウバンゴウ」に対応する「キンガク」を帳合することで管理されている。
被請求人からAへ使用商品が販売された事実を立証するものとして以下詳述する。
乙第5号証は、2023年11月14日に被請求人からAの運営するドラッグストアのイシオカ店へ出荷された、使用商品を含む納品NO.657129の明細データである。
一方、乙第3号証6頁目に記載されているバンゴウ欄「00657129」は乙第5号証に対するAの支払い明細であり、使用商品が被請求人からAへ販売されたことが確認できる。乙第1号証中で令和5年10月15日以降に処理された納品NOは乙第2号証ないし乙第4号証にも記載されており、乙第1号証の明細について被請求人からAへ販売されたことを証明している。
(2)本件商標と本件使用商標の社会通念上同一性
本件商標は、セリフ体のアルファベット小文字で表記された「finesse」の文字を中心に、その下部に被請求人の社名であるGUNZEを、上部に筆記体アルファベット大文字の「F」を円の中に配置して三段書きにしたものからなる結合商標であるが、上段の筆記体からなる「F」の文字は極めて簡単かつありふれた標章として識別力を有しておらず、下段の「GUNZE」には、本件使用商標が付されている商品は「GUNZEが製造している」ほどの意味で識別力は生じるが、商標全体に占める文字の大きさ、三段書きのうち中段に配置されているという構成から、「finesse」部分が要部であるといえる。
一方、本件使用商標は、サンセリフ体のアルファベット小文字で「finesse」と表記されており、使用されているフォントの種類に違いはあるものの、特許庁が公開している審判便覧において、登録商標の使用と認められる事例として記載されている[書体にのみ変更を加えた同一の文字からなる商標]に該当するから、本件商標と本件使用商標は、社会通念上同一の商標であるといえる。
(3)小括
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に、本件商標と社会通念上同一の商標である本件使用商標を付した「靴下」(使用商品)をAに対して販売しており、当該行為は、商標法第2条第3項第2号に規定される「商品・・・に標章を付したものを譲渡」する行為に該当する。
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品である「靴下」に本件商標と社会通念上同一の商標である本件使用商標を使用していたものであり、かかる事実は、被請求人が提出の証拠によって十分に立証されている。
当審において、令和7年12月2日付け審尋により、被請求人に対し、被請求人の主張及び提出された証拠によっては、本件審判請求に係る指定商品中「被服」に含まれる「靴下」に本件商標と社会通念上同一の商標を使用している事実を認めることはできない旨の合議体による暫定的見解を示したうえで、前記暫定的見解に対し、意見があれば証拠とともに提出されたい旨の審尋を送付し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
被請求人は、上記第4の審尋に対し、何ら回答をしていない。
(1)答弁書3葉の写真について
答弁書3葉の写真に表示されている靴下(使用商品)に巻かれた帯状の紙(以下「包装紙」という。)には、別掲2のとおりの「finesse」の文字(本件使用商標)の記載がある。
また、使用商品に巻かれた包装紙の裏側には、「FUC501」、「(026)ブラック」及び本件商標権者の名称の記載がある。
(2)出荷明細(乙1、乙5)及び報告書(乙6)について
本件商標権者は、要証期間内に、栃木県小山市を拠点とするドラッグストアの経営を生業とするAに対し、使用商品を卸という形で販売していた(被請求人の主張)。
乙第1号証は、令和5(2023)年10月2日ないし同6(2024)年1月11日までに、使用商品が本件商標権者からAに販売され、Aの運営するドラッグストア各店舗へ販売された明細とされる表であり、当該表には「版社納品書検索」の見出しの下、同号証の2葉目には、納品日「20231115」、納品NO「657129」、品番「FUC501」、カラー「00026」、処理日「20231114」、店Cd「0064」、社名「1864-2 KK カワチヤクヒン」及び店名「イシオカ」の記載がある。
乙第5号証は、令和5(2023)年11月14日を処理日とする本件商標権者からAの運営するドラッグストアのイシオカ店に出荷された使用商品を含む納品NO「657129」の明細データとされる表であり、「版社納品書検索」の見出しの下、当該表の2行目に、乙第1号証の上記記載と一致する納品日、納品NO、品番、カラー、処理日、店Cd、社名及び店名の記載がある。
乙第6号証は、使用商品の販売実績データの抽出方法に関する「報告書」とされるものであり、同号証には、本件商標権者の社員名の記載の下、本件商標権者の社内の物流データ管理システムにおける納品書検索による販売実績データの抽出方法の説明がなされるとともに、同号証の3葉目の検索結果画面の2行目には、乙第5号証の上記記載と一致する納品日、納品NO、品番、カラー、店Cd、社名及び店名の記載がある。
また、使用商品に巻かれた包装紙に記載された「FUC501」及び「(026)ブラック」は、乙第1号証及び乙第5号証に記載された品番「FUC501」及びカラー「00026」と一致又は同一内容と認められるものであり、乙第1号証及び乙第5号証の記載からすれば、上記の令和5(2023)年11月14日を処理日とするAの運営するドラッグストアのイシオカ店への品番「FUC501」の使用商品に対応した納品番号は「657129」であるといえる。
(3)支払い明細書(乙3)について
乙第3号証は、Aから本件商標権者へ支払われた代金の支払い明細書とされるものであり、本件商標権者の販売に対するAの支払いは、乙第1号証の「納品NO」に対応する「出荷金額」、乙第3号証の「デンピョウバンゴウ」に対応する「キンガク」を帳合することで管理されている(被請求人の主張)。
そして、同号証の上部には、「カワチヤクヒン シハライメイサイショ」の記載があり、同号証の6葉目には、「デンピョウバンゴウ」の記載の下、「00657129」、ノウヒンビ「23.11.16」、ミセ「0064」の記載があり、当該デンピョウバンゴウ及びミセの記載は、乙第1号証及び乙第5号証に記載された納品NO及び店Cdの記載内容と一致する。
(1)本件使用商標「finesse」の使用
上記1(1)ないし(3)から、本件商標権者とAとは、使用商品に関する取引関係にあった事実がうかがえるものであり、また、使用商品に係る品番等から、使用商品の包装に本件使用商標を付して取引されたことは推認できる。
(2)本件使用商標と本件商標との社会通念上同一性
被請求人は、本件使用商標(別掲2)をもって、本件商標の使用である旨主張するとともに、本件商標の構成中、上段の筆記体からなる「F」の文字は極めて簡単かつありふれた標章として識別力を有しておらず、下段の「GUNZE」には、本件使用商標が付されている商品は「GUNZEが製造している」ほどの意味で識別力は生じるが、商標全体に占める文字の大きさ、三段書きのうち中段に配置されているという構成から、「finesse」部分が要部であるといえる旨主張する。
しかしながら、被請求人の主張のとおり「F」の文字自体は、極めて簡単かつありふれた標章であるとしても、本件商標の上段に配された構成部分(以下「図形部分」といいます。)は、円形内に表された「F」のデザイン化の程度や全体の構成態様や配置等からして、自他商品識別力を果たし得ないとまでは認めがたく、また、「GUNZE」の文字部分についても、十分に自他商品識別力を果たし得るものである。
また、本件商標を構成する上段の図形部分と中段の「finesse」及び下段の「GUNZE」の各構成部分は、それぞれの大きさにおいても、著しく大小の相違があるともいい難いものあり、全体として、まとまりよく一体的に表してなるといえるものである。
そうすると、本件商標は、その構成中の「finesse」の文字部分を要部として分離観察すべきでなく、構成全体で一つの商標からなるものとみるのが自然である。
したがって、「finesse」の文字のみからなる本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。
(3)小括
以上のとおり、被請求人が提出した証拠から認定できる本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。
以上のとおり、被請求人が提出した証拠から認定できる本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできず、他に被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標に係る指定商品について、本件商標を使用していることを証明するものはない。
したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものということはできず、また、被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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