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Trademark Appeal Case

引用商標との類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900042
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6873803号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第6873803号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和6年4月19日に登録出願、第25類「履物,運動用特殊靴,インソール」を指定商品として、同年11月26日に登録査定、同年12月9日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)は次の(1)ないし(12)のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

(1)登録第1400890号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:昭和50年6月10日

設定登録日:昭和54年12月27日

指定商品:第6類、第8類、第9類、第15類、第18類ないし第22類、第24類、第25類、第27類、第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成23年2月2日書換登録)

(2)登録第1412880号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:昭和50年6月10日

設定登録日:昭和55年3月28日

指定商品:第6類、第14類、第18類、第21類、第22類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成23年4月13日書換登録)

(3)登録第1663782号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:昭和55年4月4日

設定登録日:昭和59年2月23日

指定商品:第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成17年8月31日書換登録後、同25年10月29日にされた商標権の存続期間の更新登録において、商品の区分を4区分に減縮したもの)

(4)登録第1679061号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:昭和55年4月4日

設定登録日:昭和59年4月20日

指定商品:第9類、第20類、第22類、第25類、第27類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(平成17年8月31日書換登録後、同26年2月12日にされた商標権の存続期間の更新登録において、商品の区分を6区分に減縮したもの)

(5)国際登録第732710号商標(以下「引用商標5」という。)

商標の構成:別掲4のとおり

国際商標登録出願日:2000年(平成12年)3月18日

優先権主張:1999年(平成11年)10月5日(Germany)

設定登録日:平成12年12月8日

指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品

(6)登録第4919435号商標(以下「引用商標6」という。)

商標の構成:別掲5のとおり

登録出願日:平成17年6月21日

設定登録日:平成18年1月6日

指定商品:第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

(7)国際登録第925647号商標(以下「引用商標7」という。)

商標の構成:別掲6のとおり

国際商標登録出願日:2007年(平成19年)2月2日

優先権主張:2006年(平成18年)9月30日(Germany)

設定登録日:平成20年4月25日

指定商品:第18類、第25類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品

(8)国際登録第1379176号商標(以下「引用商標8」という。)

商標の構成:別掲6のとおり

国際商標登録出願日:2016年(平成28年)10月21日

優先権主張:2016年(平成28年)4月23日(Germany)

設定登録日:令和元年7月26日

指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品

(9)国際登録第1138941号商標(以下「引用商標9」という。)

商標の構成:別掲7のとおり

国際商標登録出願日:2012年(平成24年)3月6日

優先権主張:2011年(平成23年)10月8日(Germany)

設定登録日:平成25年9月27日

指定商品:第3類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品

(10)国際登録第1250838号商標(以下「引用商標10」という。)

商標の構成:別掲8のとおり

国際商標登録出願日:2014年(平成26年)11月12日

設定登録日:平成28年7月29日

指定商品:第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品

(11)登録第6183484号商標(以下「引用商標11」という。)

商標の構成:別掲9のとおり(位置商標)

登録出願日:平成30年8月3日

設定登録日:令和元年9月27日

指定商品:第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(12)国際登録第1779139号商標(以下「引用商標12」という。)

商標の構成:別掲10のとおり

国際商標登録出願日:2024年(令和6年)1月31日

設定登録日:令和6年11月22日

指定商品:第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第43号証(枝番号を含む。)を提出した。

以下、証拠の記載に当たっては、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載し、枝番号を全て表示する場合は、枝番号を省略する。

(1)申立人のスポーツシューズ等を表示する周知著名な引用商標

ア プーマ エスイー及びプーマジャパン

申立人であり、引用商標の商標権者であるドイツ法人Puma SE(以下「プーマ社」という。)は、スポーツシューズ、スポーツウェア、被服、バッグ等を世界的に製造販売している多国籍企業である(甲4~甲7)。

1920年(大正9年)にルドルフ・ダスラー及びアディ・ダスラーの兄弟が靴を販売する「ダスラー兄弟商会」を設立したのが始まりであり、その後、兄弟が1948年(昭和23年)にそれぞれ独立し、兄ルドルフがプーマ社を設立した(甲7)。

我が国においては、1972年から、日本国内における代理店としてコサ・リーベルマン株式会社が、申立人の業務に係る商品のうち、靴、バッグ、アクセサリーについて事業を展開し、2003年5月1日に、申立人の日本法人であるプーマジャパン株式会社が同事業を承継した。

そして、ウェアについては、1972年から国内のライセンシーであるヒットユニオン株式会社が製造・販売していたが、2006年1月に、日本において引用商標を付したアパレル関連商品を生産する、申立人の日本法人であるプーマ・アパレル・ジャパンが設立され、同社がヒットユニオン株式会社から営業権を譲り受けた。

2010年に、プーマ・アパレル・ジャパンとプーマジャパンは合併し、現在のプーマジャパン(以下「プーマジャパン」という。)となった(甲4~甲8)。

ネコ科の哺乳動物、ピューマから命名した「PUmA」の文字及びピューマのシルエット図形を付した申立人のブランド(ハウスマーク)は我が国において長年にわたり人気を得ており、J-PlatPatの「日本国周知著名商標検索」に掲載されていることからも明らかなとおり、周知著名商標と認定されている。

イ 申立人の引用商標

引用商標は、いずれも、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく流線デザインを特徴とする図形からなる。

なお、引用商標6ないし引用商標11については、さらに、底辺あたりで右下方向に湾曲した構成を有する。

ウ 引用商標の使用実績、周知著名性

申立人は、「PUmA」の文字及びピューマのシルエット図形に加え、1958年(昭和33年)から、引用商標の使用を開始した(甲7の1)。

引用商標は、上記イで述べたとおりの図形からなり、これらの図形は「フォームストライプ」と称され、本件商標の登録出願前から申立人の取扱いに係るスポーツシューズをはじめとする各種商品に使用されてきた(甲7~甲30)。

フォームストライプが最初に付された申立人のサッカーシューズは、1958年にスウェーデンで開催されたサッカー・ワールドカップにおいて、唯一のドイツ製サッカーシューズであった(甲7の1)。

1960年代以降、著名なサッカー選手、2000年(平成12年)以降には世界的に著名な陸上選手など、各国のサッカーや陸上のトップアスリートが引用商標(フォームストライプ)を付したスポーツシューズを着用し(甲7、甲26、甲28)、多くの需要者に支持されたことで、世界的なスポーツブランドとして不動の地位を確立した。

申立人のウェブサイトにおける自社の歴史を紹介するウェブページ(甲7の1)には、引用商標(フォームストライプ)を付したスポーツシューズが、当該商品を着用した選手や競技会とともに申立人企業の歴史の紹介と併せて掲載されている。

申立人のウェブページ「プーマ公式オンラインストア」(甲9、甲27の1)において、我が国の需要者向け各種商品や直営店(甲9の2)等の紹介がされ、全国各地のスポーツショップやスポーツ用品売り場、靴屋だけでなく、ABC-MARTオンラインストア(甲27の2)、アマゾン(甲27の3)、アルペングループオンラインストア(甲27の4)、スーパースポーツXEBIO(甲27の5)、オンラインショップZOZOの通販などの媒体を通じて、需要者はフォームストライプが付されたスポーツシューズ、カジュアルシューズ等を購入することができる。

プーマ社公式オンラインショップ(甲27の1)には、フォームストライプが付されたサッカーシューズ、ランニングシューズ、フットサルシューズ、バスケットボールシューズ、カジュアルシューズ等が800種類以上も掲載されている。

申立人は引用商標の使用開始時より、フォームストライプを付した商品の宣伝広告に長年にわたり注力している(甲7の2~甲25)。

また、著名なスポーツ選手や人気歌手、キャラクター、有名な企業や団体等とのコラボレーションによる商品(シューズ)を数多く発表しており、これらの商品には引用商標(フォームストライプ)が使用されている(甲28)。

60年以上前にサッカーシューズに始まり(甲7の1)、その後、各種シューズにおいて引用商標を主に使用しているが(甲27)、引用商標を付した申立人の商品(商標ライセンス許諾による商品を含む)はこれにとどまらず、現在では、フォームストライプの特徴を残しつつ、向きや大きさ、流線デザインの描き方にバリエーションを持たせながら、様々な商品に使用されている。

2017年から2024年にかけてのPUMA製品カタログには、引用商標の底辺あたりで右下方向に湾曲した態様のフォームストライプを靴の側面(サイド)に描いた履物、運動用特殊靴が各種掲載されている(甲8の9~18)。

このように、引用商標(フォームストライプ)は、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく基本的構成を備えつつも、底辺あたりで右下方向に湾曲した態様のものや、下向き(90度回転)・右向き・反転したもの、足底(ミッドソール)やつま先部分の形状にあわせて底辺が直線でないものもあり、いろいろな向き(角度)や大きさ、バリエーションにより表示された引用商標(フォームストライプ)をもって取引に供されており、とりわけ、履物類を取り扱う業界において、靴の側面は、各社の出所標識が頻繁に表示される重要なブランドスポットである。

プーマジャパンの業務に係るスポーツ用品について、「スポーツ産業白書(2003年~2024年版)」(決定注:「2003年」は、「2004年」の誤記と認める。)(甲5)によると、2024年(予測)国内での売上高及び企業別順位は、スポーツ用品メーカー(スポーツ関連売上高10億円以上)として、「プーマジャパン」が7位にランキングされ、該売上高は、約534億円(予測)である。2020年は10位、2017年は9位、2016年は7位の順位をキープしており、該売上高は、2013年:431億2,100万円(6位)、2014年:425億2,300万円(7位)、2015年:430億円(7位)、2016年:402億円、2017年:372億円、2018年:386億円、2019年:398億円、2020年:407億円、2021年:414億円、2022年:468億円、2023年:506億円と安定して推移しており、近年の国内売上高は500億円を超えている。

また、プーマジャパンの業務に係るスポーツシューズについて、「スポーツシューズビジネス(2003年~2021年版)」(甲4)によると、国内での出荷額、企業別順位、市場占有率は、2013年は、179億5,500万円、6位、5.9%、2014年は、177億8,000万円、6位、5.4%、2015年は、184億4,000万円、6位、5.2%、2016年は178億8,000万円、2018年は、165億2,800万円、7位、3.9%、2019年は、176億2,800万円、6位、4.1%、2020年は150億1,900万円、6位、4.1%、2021年(予測)は、179億2,500万円、6位、4.3%であり、近年の出荷額は毎年170億円を超え、5%前後の市場占有率を有している。

さらに、「スポーツアパレル市場動向調査(2015年~2020年版)」(甲6)によると、スポーツアパレルのブランド別国内出荷金額ランキングでは、2012年は第4位、2013年から2016年は第5位であり、2017年以降は、第7位に順位を若干落としているが、2020年出荷金額(予測)は、約210億円(市場占有率3.5%)と、前年より金額は増えている。

本件商標の登録出願時以前より、現在も継続して、引用商標を付したスポーツシューズ等を日本国内で販売している事情として、甲第7号証ないし同第29号証を提出する。

なお、引用商標の使用実績を踏まえ、特許庁は、2019年の異議決定において、「引用商標は、申立人の業務に係るスポーツシューズを表すものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと判断するのが相当である」と認定した(異議2020-900248号決定、甲30)。

このように、申立人は、1958年から60年以上にわたり、引用商標(フォームストライプ)をプーマ社のブランドとしてスポーツシューズに使用し(甲7)、我が国においては、1970年代から販売してきたこと(甲7~甲29)、かつ、引用商標を付してスポーツ分野でスポンサーとして協賛し、有名人等とのコラボレーションをした商品等を、少なくとも2009年には、ウェブサイトにおいて掲載し(甲26~甲28)、また、2013年ないし2024年における申立人の売上高も堅調に推移しており、「スポーツシューズメーカー別国内出荷金額」及び「スポーツアパレルのブランド別国内出荷金額ランキング」においても常に上位に位置していることから(甲4~甲6)、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が、申立人の業務に係るスポーツシューズ、スポーツアパレル等(以下「申立人商品」という)を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものであることは、顕著かつ公知の事実といえる。

(2)本件商標を商標法第4条第1項第11号により取消すべき理由

ア 商標法第4条第1項第11号

商標法第4条第1項第11号は、商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものについては、商標登録を受けることができないことが規定されており、最高裁昭和39年(行ツ)第110号判決、昭和43年2月27日民事判例集22巻2号339頁(甲31)及び同号に関する商標審査基準(甲32)に照らし、本件商標に対する同号の適用においては、本件指定商品に使用された本件商標を目にした需要者に与える印象、記憶、連想等、本件指定商品に係る取引の実情、さらには引用商標の周知著名性等を総合して全体的に考察して、判断されるべきである。

イ 商標の同一又は類似

本件商標は、別掲1の図形よりなるところ、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく特徴的な図形を基調とし、当該図形の底辺あたりで右下方向に鋭角に湾曲した構成からなる。

申立人が長年にわたり所有、使用し、周知著名性を獲得している引用商標は、「フォームストライプ」と称され、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく流線デザインを基調としている。

申立人が、フォームストライプ形状の細部が異なる複数のデザインパターンを登録している意図は、当該図形を様々なスポーツシューズに使用するにあたり、各種スポーツの用途に応じて靴の側面のふくらみや高さ、長さなどがそれぞれ異なることから、異なる形状のシューズに当該図形を配するには、当該図形自体を靴の形状に合わせて微妙に違える必要があったため、このように少しずつ違った図形をそれぞれ商標登録したものである。

これら引用商標は、1975年6月1日から2023年7月12日(優先日)(決定注:「1975年6月10日から2024年1月31日」の誤記と認める。)にかけて出願、1979年12月27日から2024年11月22日にかけて登録され、本件商標の登録出願時及び登録査定時において有効に存続している(甲3)。

なお、申立人の引用商標は、各種スポーツシューズの側面において長年にわたり使用(甲7~甲29)されてきたことで需要者の間に広く認識されたものである。

本件商標と引用商標とを対比してみると、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく特徴的な図形を基調とする構成において共通しており、本件商標においては、底辺あたりで右下方向に鋭角に湾曲した構成に相違が見受けられるものの、周知著名な引用商標を特徴づける流線デザインの基本的構成が一致しており、外観全体の印象が非常に似通っているため、看者に共通した印象・記憶を与える。

また、引用商標6ないし引用商標11については、本件商標と同様に、底辺あたりで右下方向に湾曲した構成を備える。

本件の場合、引用商標が周知著名性を獲得し、その独創性及び自他識別力が本来的に高いこと、さらに、細部にバリエーションを施した複数の態様において、長年にわたり引用商標を使用しており、その中には、本件商標と同様のものが含まれること、本件指定商品に係る需要者、取引者が当該事情に見慣れていることを考慮すると、本件商標が、引用商標を特徴づける流線デザインの底辺あたりで右下方向に鋭角に湾曲した構成を備えたとしても、両商標は類似と判断されるべきであり、そのように解することが、むしろ、商標法第4条第1項第11号の趣旨とも合致する。

現に、申立人は、引用商標の底辺あたりで右下方向に湾曲した態様のフォームストライプを靴の側面に描いた履物、運動用特殊靴を各種販売している(甲8の9~18)。

このように、引用商標(フォームストライプ)は、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく基本的構成を備えつつも、底辺あたりで右下方向に湾曲した態様のものや、下向き(90度回転)・右向き・反転したもの、足底(ミッドソール)やつま先部分の形状にあわせて底辺が直線でないものもあり、いろいろな向き(角度)や大きさ、バリエーションにより表示された引用商標(フォームストライプ)をもって取引に供されており、とりわけ、履物類を取り扱う業界において、靴の側面は、各社の出所標識が頻繁に表示される重要なブランドスポットである。

したがって、これらに馴染みある我が国の需要者であれば、周知著名な引用商標を特徴づける流線デザインの底辺あたりで右下方向に鋭角に湾曲していたとしても、申立人の業務に係る商品を連想することが容易に推測される。

AIによる画像類似度測定を行ったところ、本件商標と引用商標3及び引用商標4との類似度は、「93.23%」との結果を得た(甲38)。

この測定結果が両商標の高い類似性を示すことは、知財高裁が図形商標の類似性を認めた事例における「類似度」の測定結果(「77.09%」:甲39、「66.81%」:甲40、「70.11%」:甲41)と比べてみると、明らかである。

本件商標及び引用商標のいずれからも特定の読み方及び意味合いが生じないため、両商標は称呼及び観念上、明確な差異が認められない。

さらに、本件商品は、引用商標が長年使用されてきた申立人商品と同一、又は用途・目的・品質・販売場所等を同じくし、関連性の程度が極めて高く、商標やブランドについて詳細な知識を持たず、商品の選択・購入に際して払う注意力が高いとはいえない一般消費者を需要者とする点でも共通するだけでなく、衣類や靴等では、商標をワンポイントマークとして小さく表示する場合も少なくなく、その場合、商標の微細な点まで表されず、需要者が商標の全体的な印象に圧倒され、些細な相違点に気付かないことも多いことを考慮すると(甲34~甲37)、本件商標がワンポイントマークとして使用されたスポーツウェアが、周知著名な引用商標が数多く並ぶスポーツ用品店に陳列された場合、これを目にした通常の注意力を有する本件商品に係る需要者であれば、その外観の相紛らわしさ、印象の酷似性により、両商標を誤認する可能性はより高まる。

そうすると、引用商標の周知著名性、引用商標の流線デザインの特徴、本件商品における取引の実情や需要者の注意力を総合的に勘案すると、底辺あたりで右下方向に鋭角に湾曲する構成において相異点を有するとしても、その相異点が商標全体として看者の印象・記憶に影響を及ぼす程のものではなく、外観における共通点を凌駕するものではないことから、両商標は類似すると判断されるべきである。

ウ 商品の同一又は類似

本件商品「履物,運動用特殊靴,インソール」は、いずれも、引用商標の指定商品と同一又は類似している。

また、引用商標は、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係る商品(スポーツシューズ等)を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されて周知・著名な商標となっているところ(異議2018-900264号決定:甲34、異議2020-900248号決定:甲30)、いずれも、本件商品に含まれ、同一又は類似する、あるいは本件商品と関連性が高い商品である。

エ 小括

本件商標と引用商標とは外観において看者の印象・記憶に共通した印象を与えるだけでなく、本件商品と引用商標に係る指定商品とは同一又は類似する。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)本件商標を商標法第4条第1項第15号により取消すべき理由

ア 商標法第4条第1項第15号

商標法第4条第1項第15号は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標については、商標登録を受けることができないことが規定されており、「混同を生ずるおそれ」の有無について判断された、最高裁判所平成10年(行ヒ)第85号、東京高裁平成2年(行ケ)第183号判決及び東京高裁平成16年(行ケ)第85号判決がある。

また、本件と同様に、スポーツ業界において周知著名な商標に関する出所混同のおそれが争われた審決取消訴訟(平成28年(行ケ)第10262号審決取消請求事件(甲35)、平成29年(行ケ)第10080号審決取消請求事件(甲36))、同号の商標審査基準(甲33)がある。

本件商標に対する同号の適用においては、これらを踏まえ判断されるべきである。

イ 本件商標と引用商標との類似性の程度

両商標の全体的な構図をみると、いずれも、幅の広い底辺から対角線方向に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく基本的構成において、本件商標と引用商標とは共通するものであり、外観上、引用商標と高い類似性が認められる。

現に、引用商標との類似性が争われた異議2018-900264号決定(甲34)及び異議2020-900248号決定(甲30)において、被異議商標と引用商標とは類似性の程度が高いと判断されており、引用商標との高い類似性により、登録が取り消された上記異議決定の被異議商標と本件商標とを対比してみると、いずれも、引用商標を特徴づける流線デザインを備え、かつ、底辺あたりで右下方向に鋭角に湾曲した構成において共通している。

さらに、上述したとおり、AIによる画像類似度測定において、本件商標と引用商標3及び引用商標4は、類似度「93.23%」との非常に高い結果を得た(甲38)。

また、本件商標及び引用商標のいずれからも特定の読み方及び意味合いが生じないため、両商標は称呼及び観念上、明確な差異が認められない。

そうすると、本件商標は、子細にみれば、引用商標と相違点を有するものの、いずれも、広い幅から緩やかにカーブしつつ徐々に細長くなっていく構成において共通し、本件商標は、我が国で周知著名な引用商標の底辺あたりで右下方向に鋭角に湾曲させたものであるかのごとき印象を与えることから、高い類似性を有する。

ウ 引用商標の周知著名性及び独創性の程度

引用商標は、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係るスポーツシューズ等を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものであることは、特許庁において、顕著かつ公知の事実であり(異議2020-900248号決定:甲30、異議2018-900264号決定:甲34)、当該異議決定において、「引用商標は、いずれも、幅の広い底辺から右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく特徴的な図形からなるものであるから、その独創性は高い」と認定された。

エ 本件商品と申立人商品との関連性

本件商品「履物,運動用特殊靴,インソール」には、引用商標の周知著名性が需要者に広く認識されているスポーツシューズ等が含まれる、同一又は類似の商品といえ、また、いずれも日常的に使用されるものであり、その需要者は、一般の消費者である。

そうすると、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品等との関連性の程度は相当高いものと判断される。

オ 取引者及び需要者の共通性その他取引の実情

本件商品には、日常的に利用される性質の商品が含まれ、スポーツ関連商品を含む本件商標が使用される商品の主たる需要者は、スポーツの愛好家を始めとして、広く一般の消費者を含むものということができ、このような一般の消費者には、必ずしも商標やブランドについて正確又は詳細な知識を持たない者も多数含まれているといえ、商品の購入に際し、メーカー名やハウスマークなどについて常に注意深く確認するとは限らず、小売店の店頭などで短時間のうちに購入商品を決定するということも少なくないと考えられることから、商品の選択・購入に際して払う注意力が高いとはいえない一般消費者を需要者とする点でも共通する(甲30、甲34~甲37)。

さらに、衣類や靴等では、商標をワンポイントマークとして小さく表示する場合も少なくなく(甲30、甲34~甲37)、その場合、ワンポイントマークは比較的小さいものであるから、そもそも、そのような態様で付された商標の構成は視認しにくい場合があるといえる。また、マーク自体に詳細な図柄を表現することは容易であるとはいえないから、スポーツシャツ等に刺繍やプリントなどを施すときは、商標の微細な点まで表されず、需要者が商標の全体的な印象に圧倒され、些細な相違点に気付かず、内側における差異が目立たなくなることが十分に考えられるのであって、その全体的な配置や印象が引用商標と比較的類似していることから、ワンポイントマークとして使用された場合などに、本件商標は、引用商標とより類似して認識されるとみるのが相当である。

現に、出所混同のおそれが争われた異議申立事件(甲30、甲34)において、特許庁は、商標法第4条第1項第15号に該当するとして、被異議商標の登録を取り消した。

本件商標が実際に使用されたシューズ(甲42)を見ると、シューズの側面に本件商標が大きく描かれており、着目すべきことに、近年流行りの厚底ミッドソールの影響か、底辺から下の部分(右下方向に鋭角に湾曲した構成)がごく一部しか見えず、より一層、引用商標と紛らわしい印象を与える。

かかる事実は、申立人の業務に係るシューズの側面に表示された引用商標の底辺が、常に直線というわけではなく、足底(ミッドソール)やつま先部分の形状にあわせ、様々な形状により取引に供されている実情とも合致し、とりわけ、履物類を取り扱う業界において、靴の側面は、各社の出所標識が頻繁に表示される重要なブランドスポットであり、需要者もそのことを熟知している。このため、本件商品の需要者、取引者は、競技や練習に取り組むスポーツ選手や靴を履いている人の足元に目線を向け、そこから得られた情報を手掛かりに、どのメーカーの靴かをインターネットや店頭、広告、雑誌等で調べ、購入に至る。

本件商標が付されたシューズを、需要者目線で撮影してみると(甲43)、こちらも、底辺から下の部分(右下方向に鋭角に湾曲した構成)が非常に短く映し出され、引用商標とほぼ同一視される。

カ 混同を生ずるおそれ

上記の事情を総合すると、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、スポーツやアパレル関連の商品分野において、高い著名性を有していたことに照らせば、子細において引用商標と相違点を有するとしても、いずれも、広い幅から緩やかにカーブしつつ徐々に細長くなっていく構成において共通し、本件商標は、我が国で周知著名な引用商標の底辺あたりで右下方向に鋭角に湾曲させたものであるかのごとき印象を与えることから、高い類似性を有している。そのため、本件商標が本件商品に付して使用された場合、また、これをワンポイントマークとして使用された場合などには、一般消費者の注意力などをも考慮すると、これに接する取引者、需要者は、特徴的な流線デザインの外観構成に着目し、周知著名となっている引用商標を連想、想起して、当該商品が申立人又は申立人との間に緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある者の業務に係る商品であると誤信するおそれがあるものというべきである。

したがって、仮に、本件商標と引用商標とが非類似であるとしても、引用商標は、申立人商品を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されており、また、両商標は、いずれも、幅の広い底辺から対角線方向に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり、徐々に細長くなっていく基本的構成において、本件商標と引用商標とは共通するものであるから、たとえ、底辺あたりで右下方向に鋭角に湾曲させた態様において差異が認められるとしても、本件商標が本件商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、広く認識されて周知・著名な引用商標を連想、想起し、当該商品が申立人、又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、誤認するおそれがあるものと判断されて然るべきである。

キ 小括

以上のとおり、本件商標は、その指定商品、第25類「履物,運動用特殊靴,インソール」について使用された場合、これに接する取引者、需要者は、本件商標の登録出願前から、申立人商品を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間で広く認識された引用商標を連想、想起し、当該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知性について

ア 申立人の提出に係る証拠及び申立人の主張によれば、以下の事実が認められる。

(ア)申立人は、スポーツシューズ、被服、バッグ等を世界的に製造販売している多国籍企業であって、我が国においては、1972年から、日本国内における代理店としてコサ・リーベルマン株式会社が申立人の業務に係る商品のうち、フットウェア及びアクセサリー事業を展開し、2003年5月1日に、申立人の日本法人であるプーマジャパンが同事業を承継した(申立人の主張、甲4の1、甲5の1)。

(イ)申立人は、1958年にサッカーシューズに引用商標を含む「フォームストライプ」と称する流線デザインを基調とする図形を導入し、各国のサッカーや陸上競技のトップアスリートが引用商標1ないし引用商標4、引用商標6、引用商標10又は引用商標11を側面に付したスポーツシューズを着用した(甲7の1、甲28の11・12)。

(ウ)引用商標1ないし引用商標4、引用商標6、引用商標10又は引用商標11を側面に付したスポーツシューズ及びスニーカーは、申立人の歴史のウェブサイト、1970年以降に発行された「サッカーマガジン」、「シューズポスト」、「SHOES MASTER」、「ランナーズ」、「BAILA」、「POPEYE」などのスポーツ雑誌及びファッション雑誌などにおいて紹介された(甲7、甲11、甲20、甲22の2・3、甲24の1)。

(エ)引用商標1ないし引用商標4、引用商標6、及び引用商標10又は引用商標11を側面に付したスポーツシューズ及びスニーカーは、申立人のカタログに掲載され、ABC-MARTオンラインストア、アルペングループオンラインストア、スーパースポーツXEBIOオンラインストア等で販売されている(甲8の3・4・8~13・15~17、甲9、甲27の2・4・5)。

(オ)申立人は、著名なスポーツ選手や人気歌手、キャラクター、有名な企業や団体等とのコラボレーションによるスポーツシューズ及びスニーカーを多数発表しており、これらの商品には、引用商標3ないし引用商標5、引用商標10又は引用商標11が使用されている(甲28の3~7・11・12・14・16・17)。

(カ)株式会社矢野経済研究所作成の「スポーツシューズビジネス 2021」によると、スポーツシューズについて、プーマジャパンの我が国での出荷金額、企業順位及び市場占有率は、2018年は、165億2,800万円、7位及び3.9%、2019年は、176億2,800万円、6位及び4.1%、2020年は、150億1,900万円、6位及び4.1%、である(甲4の6)。

(キ)株式会社矢野経済研究所作成の「2024年版 スポーツ産業白書」によると、スポーツシューズについて、プーマジャパンの我が国での出荷金額、企業順位及び市場占有率は、2021年は、153億6,000万円、6位及び4.8%、2022年は、169億7,000万円、5位及び5.1%、2023年は、180億2,000万円、5位及び5.2%である(甲5の8)。

イ 上記アによれば、「フォームストライプ」と称する流線デザインを基調とする引用商標1ないし引用商標6、引用商標10又は引用商標11は、遅くとも1970年から申立人の業務に係る商品に使用され、特にスポーツシューズは、各国のサッカーや陸上競技のトップアスリートに着用されるとともに、雑誌、ウェブサイト等の多くのメディアにおいて、広告宣伝され紹介されてきたものと認められる。

そして、申立人の日本法人の業務に係るスポーツシューズについて、我が国における2018年から2023年の出荷金額及び市場占有率等をも考慮すれば、引用商標1ないし引用商標6、引用商標10又は引用商標11は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係るスポーツシューズを表すものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと判断するのが相当である。

なお、引用商標7ないし引用商標9及び引用商標12については、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたものと認めるに足りる事実は見いだせない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標は、別掲1のとおり、右側下部の底辺から左上方に向かってやや幅を広くし、下部から3分の1程度の高さを頂点として左側から鋭角に折り返し、右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり徐々に細長くなっていく鉤状図形からなるものと看取されるとみるのが相当である。

他方、引用商標は、別掲2ないし別掲10のとおり、右上の先端部分の形状、内側の実線や点線の有無、曲線の角度等において異なる点があるものの、左下に配置されたやや広めの横線を底辺として右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり徐々に細くなっていく図形を基調とした、1本若しくはまとまった3本の曲線、1本の線状図形の内部を実線若しくは点線で境界を引いた曲線図形からなるものと看取されるとみるのが相当である。

イ 本件商標と引用商標の類否について

本件商標と引用商標とを比較すると、右上に向かって緩やかにカーブしつつ伸び上がり徐々に細長くなっていく構成において共通するとしても、本件商標は、下部から3分の1程度の高さを頂点として、左側から鋭角に折り返した下部分を有する鉤状図形であり、この点において、左下に配置されたやや広めの横線を底辺とする図形からなる引用商標とはその構成が明らかに異なるものといえ、いずれも比較的単純な構成からなる両商標において、当該差異は看者に強い印象を与えるというべきであるから、時と所を異にして接した場合においても、両者を見誤るおそれはないものというのが相当である。

また、本件商標と引用商標は、いずれも特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、この点において比較することはできない。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において比較できないとしても、外観において明らかに異なるものであるから、非類似の商標といわざるを得ない。

なお、申立人は、AIによる画像類似度測定で、本件商標と引用商標3及び引用商標4との類似度が判決で商標の類似性が認められたものよりも高いこと、及び商標をワンポイントマークとして小さく表示する場合、通常の注意力を有する本件商品の需要者が、些細な相違点に気付かないことも多いことを考慮すると、その外観の相紛らわしさ、印象の酷似性により、両商標を誤認する可能性はより高まる旨主張する。

しかしながら、判決で類似性が認められた商標と比較的単純な構成からなる本件商標とは、その構成が全く異なるものであり、AIによる画像類似度測定の結果をもって、本件商標と引用商標が類似する根拠とすることはできず、また、ワンポイントマークとして小さく表示されたとしても、そもそも本件商標と引用商標とは全体的な印象において明らかに異なるのであるから、申立人の主張は採用できない。

ウ 小括

したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標ではないから、その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

上記(1)のとおり、引用商標1ないし引用商標6、引用商標10又は引用商標11は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者、取引者の間において、申立人の業務に係るスポーツシューズを表示するものとして広く認識されていたものであるが、上記(2)のとおり、本件商標は、引用商標とは、外観が明らかに異なる別異の商標であって、類似性の程度は低いものであるから、本件商標からは、引用商標を想起、連想するとはいえない。

そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、その需要者、取引者が、当該商品が申立人の業務に係る商品であると誤信させるおそれがある商標とはいえず、当該商品が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信させるおそれがあるものともいえず、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他にその商標登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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