結論テキスト
登録第6899909号商標の商標登録を取り消す。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025900092 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本件登録第6899909号商標(以下「本件商標」という。)は、上段に「プランプセラム」の片仮名を、その下に「plump serum」の欧文字を上下2段に書してなり、令和6年8月19日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料,香水類」を指定商品として、同7年2月6日に登録査定、同月21日に設定登録されたものである。
申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第22号証(以下「甲○」と表記する。)を提出した。
本件商標を構成する語のうち、「プランプ\plump」は「顔や体つきなどがふっくらしていること」を意味する英単語である(甲2、甲3)。「セラム\serum」は「血清」との意味のほか、化粧品との関係では「美容液」を指す英単語であり、美容液の商品名にも多用され、「セラム」は外来語として一般に親しまれた語である(甲4、甲5)。そのため、本件商標は、その指定商品に使用された場合「肌や唇をふっくらとみせる等の効果を有する美容液」という程度の意味を容易に想起させ、商品の品質及び効能等の特徴を示したものと通常理解される。
実際に、化粧品等の本件商標の指定商品を取り扱う業界では、本件商標の権利者以外の者によって、商品名に「プランプセラム」又は「プランプリップセラム」の語が使用された美容液等の商品が多数販売されており、商品説明において当該商品の使用により肌や唇がふっくらとする、弾むようなハリが出る旨の特徴が謳われている。「プランプ」の語のほかその現在進行形である「プランピング」と「セラム」の語を組み合わせた例もある(甲6~甲18)。また、肌や唇をふっくらとさせる効果を謳うにあたり、「プランパー」、「プランプ効果」、「プランプ美容液」及び「プランプ美容」の語が使用されている例もある(甲7、甲10、甲17、甲19)。
なお、「セラム\serum」の語についても、多くは美容液又は美容液成分が含まれた商品に使用されているところ、このことは当該語が化粧品との関係では「美容液」を指すものとして一般に理解されていることを示すものである。
以上より、本件商標は、それを構成する各語の意味及び関連する業界における当該語の使用状況を踏まえると、その指定商品との関係では「肌や唇をふっくらとみせる等の効果を有する美容液」であることを需要者に認識させるものであり、本件商標は、商品の品質及び効能等の特徴に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。また、現に他者によって相当程度使用されていることからもわかるように、本件商標は、その指定商品を取り扱う業界においては何人も使用を欲する語であるから、特定人にその独占使用を認めることは公益上も適当ではない。よって、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。さらに、本件商標が「肌や唇をふっくらとみせる等の効果を有する美容液」以外の指定商品に使用されれば、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、本件商標は同法第4条第1項第16号に該当する。
本件商標は「肌や唇をふっくらとみせる等の効果を有する」という商品の品質及び効能等の特徴を示すものでしかなく、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、そのような特徴を有する商品に「プランプ」の語が使用されている例が相当数あり、また「セラム」は「美容液」を指す語として一般に用いられている。このことを考慮すれば、本件商標は自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者は本件商標に接しても何人かの業務にかかる商品であることを認識することができない。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
以上に加えて、最近の出願審査においても、「プランプ\plump」の語が「肉付きがよいこと。顔や体つきなどがふっくらしていること。」を意味する語であり、化粧品等に係る分野においては、唇や肌をふっくらとさせる効果を謳った商品について「プランプ」の語が使用されている実情があることが認められている。そして、これらの認定を根拠として、「プランプ」の語と「コラーゲン」や「グロス」といった語との組合せからなる出願商標について識別力に疑義を呈する拒絶理由通知が発せられている(甲20、甲21)。
また、「セラム」の語についても、化粧品との関係においては、「美容液」を表す語として認識され、「パーフェクト」の語との組合せからなる商標について識別力を認めず商標登録が拒絶された例がある(甲22)。
「プランプ」及び「セラム」の語が上記のような意味を持ち、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質及び効能等の特徴を示すものとして用いられているという状況は現在も変化しておらず、これらの審査における判断は「プランプ\plump」及び「セラム\serum」の組合せからなる本願登録商標にも妥当するものである。
以上より、本件商標は、その指定商品に使用された場合、需要者には「肌や唇をふっくらとみせる等の効果を有する美容液」と理解されるにすぎず、商品の品質及び効能等の特徴を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるため、商標法第3条第1項第3号に該当し、それ以外の商品に使用されれば商品の品質について誤認が生じるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。また、現在に至るまでも多数の使用例があるように、需要者が本件商標に接しても何人かの業務にかかる商品であることを認識できないものであるから、本件商標は同法第3条第1項第6号に該当する。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し商標登録を受けることができないものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
当審において、令和7年12月22日付けの取消理由通知書をもって、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)に対し、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである旨通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。
なお、本件商標権者は、上記取消理由通知書に対して、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
本件商標は、上記第1のとおり、上段に「プランプセラム」の片仮名を、その下に「plump serum」の欧文字を上下2段に書してなり、「プランプ/plump」の文字と「セラム/serum」の文字との組み合わせからなるものと容易に認識させるものである。
そして、別掲(1)のとおり、「プランプ(plump)」の文字が「肉づきがよいこと。顔や体つきなどがふっくらしていること。」等を、「セラム(serum)」の文字が「美容液」をそれぞれ意味する語であって、本件の指定商品分野である化粧品に関連する業界においては、別掲(2)のとおり、本件商標の登録査定時前から、商品の取引において、「プランプ」の文字が「ふっくらとした、ハリ感のある」ほどの意味合いで一般に使用されていることがうかがえる上、実際に、「プランプセラム」の文字が「(肌や唇などを)ふっくらとさせる美容液」について、多数使用されている実情が確認できる。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「(肌や唇などを)ふっくらとさせる美容液」または「(肌や唇などを)ふっくらとさせる美容液を配合した商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるとみるのが相当であり、本件商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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