結論テキスト
登録第6959901号商標の商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025900221 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6959901号商標(以下「本件商標」という。)は、「グランドハウス」の文字を標準文字で表してなり、令和7年6月16日に登録出願、第37類に属する「建設工事,建設工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」を指定役務として、同年8月15日に登録査定、同月21日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する登録商標(以下、1及び2をまとめて「引用商標」という。)は次のとおりであり、いずれも現に有効に存続している。
商標の態様:グランハウス(標準文字)
登録出願日:平成28年7年16日
設定登録日:平成28年12月9日
指定役務:第37類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
商標の態様:別掲のとおり
登録出願日:令和4年6月24日
設定登録日:令和4年9月5日
指定役務:第36類及び第37類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、第37類「全指定役務」の登録は取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(なお、証拠の表記にあたっては、「甲第○号証」を「甲○」と記載する。)を提出した。
(1)本件商標と引用商標1(甲2)との対比
ア 本件商標は、片仮名7文字「グランドハウス」から構成されており、「大規模な、大型の」等又は「運動場、地面」等の意味を有する「グランド」の語と「家、住宅」等を意味する「ハウス」の語を組み合わせてなる用語である。
イ 称呼に関して、本件商標からは、「グランドハウス」の称呼のみが生じ、引用商標1からは、「グランハウス」の称呼のみが生じる。
よって、両商標の称呼上の相違点は、本件商標が7音から構成されるのに対して、引用商標1が6音から構成される点と、本件商標には「グラン」と「ハウス」の間の中央に、引用商標1には無い音「ド」が存在する点である(先頭からの3文字「グラン」と末尾からの3文字「ハウス」の称呼は完全に一致する)。
ここで、本件商標「グランドハウス」を構成する「グランド」の語は、「壮大な、大きな」等を意味する英単語「grand」の片仮名表記、又は「運動場、地面」等を意味する英単語「ground」の片仮名表記である。そうすると、英単語「grand」又は「ground」の語尾は、破裂音の「d」であって弱く発音される部分であるため、「グランド」の語の発音もこれら語源の発音の影響を受けて「グラン」と聞こえるように称呼する人も多い。
すなわち、このような中間音「d」に相当する音「ド」の有無程度の相違は、全体の称呼に及ぼす影響が小さく、本件商標と引用商標1の称呼は類似する。
ウ 外観に関して、本件商標と引用商標1とは、中央の1文字「ド」の有無のみの相違であり、7文字の本件商標と6文字の引用商標1のうち、先頭からの3文字「グラン」と末尾からの3文字「ハウス」は完全に一致する。そして、7文字や6文字といった文字数の長さを考慮すれば、中央の1文字「ド」の有無による視覚的印象の差は小さい。
このように、両商標における真ん中の文字「ド」の有無の相違は、外観全体では微細な相違にすぎず、外観において、本件商標と引用商標1とは明らかに類似する。
エ 観念に関して、上述したように、本件商標は「グランド」の語と「ハウス」の語を組み合わせてなる商標であり、「グランド」の語の語源は、「壮大な、大きな」等を意味する英単語「grand」又は「運動場、地面」等を意味する英単語「ground」であり、「ハウス」の語の語源は、「家、住宅」等の意味を有する英単語「house」である。
よって、本件商標は、「大きな家、壮大な住宅」又は「地面の家、運動場の家」といった意味を有する。
一方、引用商標1は、「グラン」の語と「ハウス」の語を組み合わせてなる商標であり、「グラン」の語の語源は、英語やフランス語等の「壮大な、大きな」等を意味する単語「grand」や、イタリア語やスペイン語等の同じく「壮大な、大きな」等を意味する単語「grande」に由来する用語「gran」である。
よって、引用商標1は、「大きな家、豪華な住宅」等の意味を有する。
そうすると、観念において、本件商標の観念の一部と引用商標1の観念とは同一又は類似であることが明らかである。
オ 以上、本件商標「グランドハウス」と引用商標1「グランハウス」とは、外観、称呼及び観念の全てにおいて同一又は類似であり、両者が類似することは明らかである。そして、本件商標と引用商標1は、何れも「建設工事,建設工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」を指定役務とするものである。
(2)本件商標と引用商標2(甲3)との対比
ア 称呼に関して、引用商標2は、「グラウンドハウス」の称呼のみが生じ、「グランドハウス」の称呼のみを生ずる本件商標との称呼上の相違点は、本件商標が7音から構成されるのに対して、引用商標2は8音から構成される点と、引用商標2は、「グラ」と「ンドハウス」の間に、本件商標には無い音「ウ」が存在する点である。
一般に、「グラウンド」の語源である運動場等を意味する英単語「ground」の日本における称呼は「グラウンド」又は「グランド」の双方が使われるため、多くの日本人にとって、「グラウンド」と「グランド」の称呼はほぼ同じであると認識されており、「グラウンド」と発音する場合でも「ウ」の部分のアクセントは小さくなるように発音される。
このように、両者の聴覚上の識別は容易ではなく、本件商標の称呼「グランドハウス」と引用商標2の称呼「グラウンドハウス」とはほぼ同一の称呼であると認識され、両者の称呼が類似することは明らかである。
イ 外観に関して、引用商標2は、アルファベットの文字「GroundHouse」と片仮名「グラウンドハウス」との二段併記であるが、片仮名部分に着目すると、本件商標「グランドハウス」との相違点は、「グラ」と「ンド」の間に位置する文字「ウ」の有無と「ド」と「ハウス」の間に位置するスペースの有無の相違である。先頭から2文字「グラ」と末尾から3文字「ハウス」は完全に一致する。
そして、8文字や7文字といった文字数の長さを考慮すれば、途中の文字「ウ」やスペースの有無による視覚的印象の差は小さく、本件商標の外観と引用商標2の一部の外観とが類似することは明らかであり、商標全体として観察しても類似である。
ウ 観念に関して、引用商標2は、運動場等を意味する英単語「ground」と片仮名文字「グラウンド」の部分からは、「運動場、地面」等の観念を生じ、住宅等の意味を有する英単語「house」と片仮名「ハウス」の部分からは、「家、住宅」等の観念を生じる。よって、引用商標2全体としては、「地面の家、運動場の家」といった意味を有する。
一方、本件商標「グランドハウス」は、上述したように、「大きな家、壮大な住宅」又は「地面の家、運動場の家」といった意味を有する。
そうすると、観念において、本件商標の観念の一部と引用商標2の観念とは同一であることが明らかであり、商標全体としても同一又は類似である。
エ 以上、本件商標と引用商標2とは、外観、称呼及び観念の全てにおいて同一又は類似であり、両者が類似することは明らかである。そして、本件商標と引用商標2は、いずれも「建設工事,建設工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」を指定役務とするものである。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(1)本件商標
本件商標は、上記第1のとおり、「グランドハウス」の文字を標準文字で表してなるところ、本件商標全体としては、辞書等に掲載された語ではないものの、その構成中の「グランド」及び「ハウス」の文字は、それぞれ「他の外来語の上に付いて、大きな、りっぱな、などの意を表す。」及び「家。家屋。住宅。」の意味を有する語(いずれも「デジタル大辞泉」小学館)として、我が国において親しまれたものである。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「グランドハウス」の称呼を生じ、「大きな家」ほどの観念を生じるものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、前記第2の1のとおり、「グランハウス」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に掲載された語ではなく、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるものである。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して「グランハウス」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲のとおり、「Ground House」の欧文字及び「グラウンド ハウス」の片仮名を上下二段で書してなるところ、下段の片仮名は上段の欧文字の読みを表したものと容易に認識されることから、引用商標2は「グラウンドハウス」の称呼を生ずる。
そして、「ground」及び「house」の文字は、各々「地面,地(表)」及び「家」を意味する英語(いずれも「新英和中辞典第7版」株式会社研究社)であることから、「地面に関係する家」ほどの意味合いを想起させるものの、全体として特定の意味合いを理解させるものとはいえないから、特定の観念を生じない造語と判断するのが相当である。
したがって、引用商標2は、その構成文字に相応して「グラウンドハウス」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 本件商標と引用商標1との類否
本件商標と引用商標1とを比較すると、外観において、両者は片仮名7文字又は6文字からなるところ、その4文字目における「ド」の文字の有無という差異を有するものであるから、両者は、外観上、区別し得るものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「グランドハウス」の称呼と、引用商標1から生じる「グランハウス」の称呼とは、中間における「ド」の音の有無の差異を有し、他の音を共通にする。
しかしながら、当該「ド」の音は比較的強く発音される音であることからすると、たとえ当該音が中間に位置しているとしても、7音又は6音という比較的短い構成音全体に与える影響は小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その音調、音感が異なり、互いに聴別できる。
さらに、観念においては、本件商標からは「大きな家」の観念を生じ、引用商標1からは特定の観念を生じないから、両者は、観念において、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれはないから、これらを総合して考察すれば、両者は、役務の出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
イ 本件商標と引用商標2との類否
本件商標と引用商標2とを比較すると、外観において、「Ground House」の欧文字、「ウ」の片仮名及びスペースの有無といった差異があることから、両者は、外観上、区別し得るものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「グランドハウス」の称呼と、引用商標から生じる「グラウンドハウス」の称呼とは、第3音目における「ウ」の音の有無の差異を有し、他の音を共通にする。
そして、当該「ウ」の音は、前音「ラ」に吸収されて発音される場合もあることから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、語感が近似したものとなり、両者は、称呼において、互いに相紛れるおそれのあるものである。
観念においては、本件商標からは「大きな家」の観念を生じ、引用商標2からは特定の観念を生じないから、両者は、観念において、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標2とは、称呼において相紛れるおそれがあるものの、外観及び観念において相紛れるおそれはないから、これらを総合して考察すれば、両者は、役務の出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
ウ 以上のとおり、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務とが同一又は類似する役務であるとしても、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(1)申立人は、本件商標は「グランド」の語と「ハウス」の語を組み合わせてなる商標であり、「グランド」の語の語源は、「壮大な、大きな」等を意味する英単語「grand」、又は「運動場、地面」等を意味する英単語「ground」であり、「ハウス」の語の語源は、「家、住宅」等の意味を有する英単語「house」であることから、本件商標は、「大きな家、壮大な住宅」又は「地面の家、運動場の家」といった意味を有する旨述べている。
しかしながら、申立人の主張のとおり、「グランド」の文字が、「地面、運動場」を意味する英語「ground」を表す片仮名「グラウンド」に通じる語であるとしても、上記1(1)のとおり、「グランド」の文字は、「大きな」ほどの意味で他の外来語の上に付いて複合語を形成するものとして親しまれているものであることからすれば、本件商標「グランドハウス」の文字に接する需要者は、「地面の家、運動場の家」といった意味合いを理解するというよりも、「大きな家」の意味合いを理解するというのが自然である。
(2)申立人は、引用商標1の観念に関して、そもそも「グラン」の語の語源は、英語やフランス語等の「壮大な、大きな」等を意味する単語「grand」や、イタリア語やスペイン語等の同じく「壮大な、大きな」等を意味する単語「grande」に由来する用語「gran」であることから、引用商標1は「大きな家、豪華な住宅」等の意味を有する旨述べている。
しかしながら、フランス語「grand」、イタリア語やスペイン語「grande」が「壮大な、大きな」等を意味する語であるとしても、我が国では、フランス語等は英語ほど一般に親しまれていないことから、引用商標1の構成中の「グラン」の文字がフランス語等を認識させ、構成文字全体をもって「大きな家」等の意味合いを直ちに認識させるとはいえず、むしろ、特定の観念を生じない一種の造語というのが相当である。
したがって、申立人の主張はいずれも採用することができない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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