Trademark Appeal Case
著名商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90091(T2000−90091/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4326324号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年7月8日に登録出願され、「文理」の文字と「英語GROVE」の文字と「総合問題演習」の文字とを三段に表してなり、第16類「英語の学習参考書、英語の問題集」を指定商品として、平成11年10月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由
(1)申立人は、「GROVE」の文字を横書きしてなる標章(以下「引用商標」という。)を1878年以来音楽・美術事典などを表示する標章として使用してきた結果、該引用商標は、本件商標登録出願時には需要者間に著名になっていたものであるから、これと類似する本件商標をその指定商品について使用した場合、申立人又は申立人と経済的、組織的に何等かの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
(2)商標権者が引用商標と類似する本件商標をその指定商品に使用する行為は、著名商標にフリーライドするものであり、著名商標に化体した莫大な価値を希釈化させるおそれがあるばかりでなく、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第7号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
申立人が提出している証拠をみるに、申立人の関連会社である「マクミランパブリッシャーズリミテッド」が音楽・美術等の事典の題号に使用しているのは「The New Grove Dictionary of Music and Musicians,second edition」、「New Grove Schubert」、「The Grove Dictionary Of Art」、「New Grove Handel」、「The New Grove Dictionaryof Music and Musicians」等であり、かつ、提出されている証拠だけでは、事典等に使用されている上記標章が本件商標登録出願時に取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められないものである。そして、これら事典の題号に使用されている「GROVE」の文字は、一連の題号を構成する文字中の一部にすぎないものであるから、取引者・需要者が、殊更、構成中の「GROVE」の文字だけを分離抽出し、これを「グローブ」とのみ略称して取引にあたるというべく特段の事情が存するものとも認められないものである。
したがって、引用商標中の「GROVE」の文字部分より単に「グローブ」の称呼を生じ、これが本件商標と称呼上類似するという申立人の異議申し立て理由は適切でなく採用し難い。
してみれば、引用商標は本件商標登録出願時に取引者・需要者の間に広く認識されていた商標であるとはいい得ないものであり、かつ、本件商標と引用商標とは、商標が著しく相違するものと認められるものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、取引者・需要者が引用商標を想起したり、その商品が申立人又は申立人と組織的、経済的に何等かの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同するおそれはないものといわざるを得ない。
(2)本件商標は、矯激、卑猥、差別的な文字、構成からなるものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとも言い得ないものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、引用商標の信用を希釈化したり、公正な競業秩序を乱すものと言うことはできない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第7号に違反して登録されたものでない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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