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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用事実

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2022300380
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第4804288号商標(以下「本件商標」という。)は、「プレジャー」の片仮名と「Pleasure」の欧文字とを上下2段に横書きしてなり、平成16年2月20日に登録出願、第9類「眼鏡用フレーム,その他の眼鏡」を指定商品として、同年9月17日に設定登録されたものである。

そして、本件審判の請求の登録は、令和4年5月16日になされたものであるから、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年5月16日から同4年5月15日までの期間(以下「要証期間」という。)である。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品について、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、その証拠として、甲第1号証を提出した。

第3 被請求人の主張

被請求人は、要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。また、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。以下同じ。)を提出した。

なお、被請求人が提出した甲各号証は、以下、乙各号証と読み替え、証拠の表記に当たっては、「乙○」のように省略して表示する。

1 被請求人は、本件審判の予告登録日である令和4年5月16日以前において、本件商標と社会通念上同一性のある商標を眼鏡フレームに使用しており、本件商標は、不使用取消の事由に該当しない。

2 被請求人は、「Pleasure」の商標を使用した眼鏡フレーム(以下「本件眼鏡フレーム」という。)にレンズを組み合わせて販売している。本件眼鏡フレームは、オリエント眼鏡株式会社(以下「オリエント眼鏡」という。)が下請として製造し、被請求人に納品したものであり、その最終納品日は2010年(平成22年)4月12日である。上記販売の事実は、次の3及び4の諸事情から認めることができる。

なお、業界の慣習として、下請から眼鏡フレームが納品された後に自社倉庫で保管しておき、売行きに応じて倉庫からフレームを出品し、これにレンズを組み合わせて販売することが通常行われており、本件眼鏡フレームの納品日が過去3年以内でないからといって、本件眼鏡フレームを使用した眼鏡の販売が過去3年以内に行われなかったことにはならない。

3 乙1の写真に表示されている眼鏡フレームには、「Pleasure」の商標が使用されている。

4 乙2の2の「お客様カード」は、作成日が2020年(令和2年)11月11日であり、商品コード欄に、乙1の3の眼鏡フレームに刻印された「PL-008」と実質的に同じものを含む「22-PL008」の記載がある。ここで「22-PL008」の「22」は価格変更履歴等を示す社内コードであり、「22」は初期値である。そして、乙2の2の「ブランド品名」の欄には、「PLEASURE プレジャー」の記載がある。さらに、乙2の2によれば、令和2年11月11日に商品が購入され、レンズを含む合計代金の前払金として4万円が支払われ、加工後の商品が同月18日に顧客に渡された。乙2の2の「保証書貼付用」の部分には「亀有店」との記載があるが、「亀有店」は伝票上部にある「お渡し方法 店舗」の「店舗」を示すものであり、被請求人のウェブサイト(乙3)に記載された「オグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店」と同一である。そして、乙7の1のレジのジャーナルは、2020年11月11日のものであるが、この中にある「15:47」の売上げが、乙2の2の「お客様カード」の商品販売に関するものである。以上のとおり、「Pleasure」の商標を使用した商品の売上げが2020年11月11日にあった。

乙2の1及び乙2の3ないし5の「お客様カード」にも、「ブランド品名」の欄に「PLEASURE プレジャー」の記載があり、受渡し店舗を「亀有店」として、令和2年11月20日から同3年3月7日までの間に商品が購入されたことが示されている。乙2の3ないし5の「お客様カード」記載の売上げについては、乙7の2ないし4までのジャーナルにより裏付けられている。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出した乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。

(1)被請求人は、眼鏡、コンタクトレンズ等を販売する会社であり、「オグラ眼鏡店」という名称の眼鏡店を運営している。「オグラ眼鏡店」の店舗の一つとして「イトーヨーカドー亀有駅前店」がある(乙3)。

(2)乙1は、フレーム部分に「Pleasure」の文字が記載された眼鏡の写真であり、少なくとも過去のある時期に「Pleasure」の文字が記載された眼鏡フレームが製造されていたことが認められる。

(3)乙2の1は、「お客様カード」と題する書面であり、受付日が「2020年11月20日」と、印刷日が「2023年03月29日水曜日14:57」と記載されている。当該書面の上部には、「お名前」、「性別」、「生年月日」、「ご年齢」、「ご住所」、「お電話番号」、「お渡し予定日」及び「お渡し方法」の欄が存在し、「お渡し方法」の欄には「店舗」と記載されている。中央上部及び下部に各1か所、商品名を記載する欄が存在し、乙2の1の書面には3つの商品が記載されているが、このうちの1つの商品が「ブランド 品名」の欄に「PLEASURE プレジャー」と記載され、当該商品の税抜金額が「27,000」円、税込金額が「29,700」円と記載されている。また、当該書面の下部に存在する「お名前」記載欄の右側に「亀有店」との記載が存在する。

乙2の2ないし5も「お客様カード」と題する書面であり、書面の体裁及び印刷日は乙2の1と同一であり、受付日が2020年(令和2年)11月から2021年(令和3年)3月にかけての日が記載されている。いずれの書面にも、3つの商品が記載され、このうちの1つの商品の「ブランド 品名」の欄に「PLEASURE プレジャー」と記載されていて、当該商品の税抜金額及び税込金額は乙2の1に記載されたものと同一である。また、いずれの書面にも、その下部に「亀有店」との記載がある。

乙2の2は、受付日が「2020年11月11日」とされ、中央右部に、「PLEASURE プレジャー」を含む3つの商品の総合計額が6万2,700円であること、同日の前受現金としての入金額が4万円であることが記載されている。

乙2の3は、受付日が「2020年12月23日」とされ、中央右部に、「PLEASURE プレジャー」を含む3つの商品の総合計額が4万4,000円であること、同日の「前受CR」としての入金額が4万,4000円であることが記載されている。甲2の3の記載内容及び被請求人の主張によれば、上記「前受CR」は、クレジットカードによる支払を指すと認められる。

乙2の4は、受付日が「2020年12月23日」とされ、中央右部に「PLEASURE プレジャー」を含む3つの商品の総合計額が7万3,260円であること、同日の「前受CR」としての入金額が6万4,350円であること、2021年(令和3年)1月11日の売上現金としての入金額が8,910円であることが記載されている。

乙2の5は、受付日が「2021年3月7日」とされ、中央右部に「PLEASURE プレジャー」を含む3つの商品の総合計額が5万1,700円であること、同日の「前受CR」としての入金額が5万1,700円であることが記載されている。

(4)乙7は、店舗のレジから出力したジャーナルであると認められ、いずれも上部に「オグラ眼鏡亀有店」と印字されている。

乙7の1は、2020年(令和2年)11月11日午後7時50分に確認がされた日計明細であるとされ、同日の現金入金の中に「メガネ」として4万円が記載されている。

乙7の2は2020年(令和2年)12月23日午後7時41分に確認がされた日計明細であるとされ、同日のクレジット支払の中に「メガネ」として4万4,000円及び6万4,350円がそれぞれ記載されている。

乙7の3は2021年(令和3年)1月11日午後7時18分に確認がされた日計明細であるとされ、同日の現金入金の中に「メガネ」として8,910円が記載されている(1万0,010円の支払を受けて1,100円の釣銭を渡した旨の記載がある。)。

乙7の4は2021年(令和3年)3月7日午後7時38分に確認がされた日計明細であるとされ、同日のクレジット支払の中に「メガネ」として5万1,700円が記載されている。

(5)乙8は、「日計表(端末別)」と題する書面であり、いずれも上部に「オグラ眼鏡 亀有店」と印字されている。

乙8の1は、2020年(令和2年)12月23日の売上げを集計したものであり、クレジットカードによる支払及び電子マネーによる支払が記載されていて、クレジットカードによる支払の中に、4万4,000円の支払及び6万4,350円の支払が記載されている。

乙8の2は、2021年(令和3年)3月7日の売上げを集計したものであり、クレジットカードによる支払が記載されていて、この中に5万1,700円の支払が記載されている。

2 判断

(1)上記1を総合すると、乙2、乙7及び乙8は、いずれも、被請求人が経営する眼鏡店「オグラ眼鏡店」の「イトーヨーカドー亀有駅前店」における売上げを記載した証拠であると認められる。乙7及び乙8にそれぞれ記載された現金又はクレジットカードによる支払が乙2の2ないし5にも記載されており、これらの証拠の内容には、整合性があるといえ、乙2、乙7及び乙8の記載に不自然、不合理な点は見当たらないから、乙2に「受付日」として記載された日に、オグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店において、乙2に記載された商品が販売されたと認めることができる。

そして、乙2の「ブランド 品名」の欄に記載された「PLEASURE プレジャー」の文字は、上記店舗で販売された眼鏡フレームを表したものであり、乙7及び乙8において「売上げ」として記載されている「メガネ」については、乙1の画像中に表示されている「Pleasure」の文字が記載された眼鏡フレーム、すなわち本件眼鏡フレームを指しているものと認められ、乙2に記載された残りの2つの商品は、眼鏡レンズ2枚分というべきであって、本件眼鏡フレームに眼鏡レンズを装着した眼鏡として販売したものと推認することができる。

以上を総合すると、乙2に「受付日」として記載された日である令和2年11月11日から同3年3月7日までの間に、被請求人が経営するオグラ眼鏡店のイトーヨーカドー亀有駅前店において、「Pleasure」の文字が記載された本件眼鏡フレームを用いた眼鏡が顧客に対して販売されたと認めることができる。

そして、その他の証拠(乙13~乙15)及び被請求人の主張によれば、本件眼鏡フレームは、オリエント眼鏡が被請求人の下請として製造し、平成22年(2010年)4月12日に被請求人へ納入したものであると認められる。

(2)商標法第50条にいう「登録商標」には、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標など、当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む(同法第38条第5項)。

本件商標は、「プレジャー」を上段に、「Pleasure」を下段に表した文字商標である。上段の「プレジャー」の片仮名は、下段の「Pleasure」の欧文字の読み方を片仮名で記載したものであり、文字の大きさは上段と下段で同じであって、どちらか一方がより特徴的であるということはない。本件商標の称呼は、「プレジャー」であり、観念として英単語「Pleasure」が有する意味である「喜び」の観念が生じると認められる。

他方、上記のとおり、被請求人が同人の下請会社に製造させて、眼鏡に使用して販売した本件眼鏡フレームに使われた商標は「Pleasure」の欧文字であり、当該文字は本件商標の下段の文字と同じつづり字であって、本件商標と同一の称呼及び観念が生じると認められるから、当該本件眼鏡フレームに使用された商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる。

(3)そうすると、本件審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の商標権者である被請求人が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件商標の指定商品に含まれる眼鏡用フレームについて、当該商標を付したものを譲渡することによって使用をしていること(商標法第2条第3項第2号)を、被請求人が証明したと認めることができる(同法第50条第2項本文)。

3 結論

以上のとおり、本件商標の商標権者である被請求人が、本件審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の指定商品に含まれる眼鏡用フレームについて本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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