結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024019755 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和3年8月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 2月17日付け:拒絶理由通知書
令和4年 3月29日 :意見書の提出
令和4年 6月 2日付け:拒絶理由通知書
令和4年 7月13日 :意見書の提出
令和6年 9月25日付け:拒絶査定
令和6年12月 9日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和7年 7月 1日付け:審尋
令和7年 8月 5日 :回答書の提出
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第20類、第24類、第25類及び第27類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品は、当審における上記1の手続補正書により、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第24類「クッションカバー,マットレスカバー,布団カバー,まくらカバー,織物製椅子カバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,織物製トイレットシートカバー,織物製トイレット蓋カバー」及び第25類「被服,帽子,履物及び運動用特殊靴」に補正されたものである。
本願商標は、トラと思しき図形の下側に、「Tibetan Tiger」の欧文字を表してなるところ、その構成中、「Tibetan」は「チベットの、チベット人の」等の意味を、「Tiger」は「トラ」等の意味を有するものであるから、本願商標は全体として、「チベットに生息するトラ」ほどの意味あいを認識させるものである。
また一方、「じゅうたん」等を取り扱う分野においては、「世界四大絨毯の一つに数えられるチベット絨毯の内、位の高い僧侶のために作られていたというトラ柄」のものとして、本願商標に含まれる図形のようなトラの柄の商品が、「Tibetan Tiger Rug」と称して、販売・取引されている実情が確認されるとともに、チベット絨毯が、カーペット、タペストリー、カードパッド、飾り物などとして様々に使用されていることが確認される。
そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば、「クッション,クッションカバー,じゅうたん,敷物,マット,ラグ,ヨガ用マット,織物製壁紙,壁掛け」に使用しても、これに接する需要者は、当該商品が、「チベットに生息するトラの柄」であるか、又は、「チベット絨毯のトラ柄のもの」であること、すなわち、単に商品の品質を表示したものとして認識するにすぎないといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。
当審において、上記1の審尋により、別掲2及び別掲3に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
(1)本願商標は、文字及び図形部分を一体不可分とした斬新な構成であり、原審及び当審において列挙された商品の取引の実情を考慮しても、本願商標をそのまま使用している事例は存在しない。
(2)原審及び当審において列挙された商品(別掲2)の取引の実情からは、トラのデザインを付した商品「ラグ」が「チベタンタイガーラグ/Tibetan Tiger RUG」という商品名が付されて取引されている事例が多数を占め、トラの図形や柄が「チベタンタイガー/Tibetan Tiger」と認識されていることを示すものではない。
(3)原審及び当審で列挙されたトラのデザインを付した商品(別掲2及び別掲3)自体に、「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)の文字が印字されているものではなく、当該商品を見て直ちに「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)と認定されているとはいえない。また、トラのデザイン・色彩が細部において相互に異なり、本願商標の図形部分とも異なることから、これら商品を根拠に、本願商標の図形部分が「Tibetan Tiger」であると一般に認識されているともいえない。
(4)原審及び別掲2で列挙された商品は「ラグ、じゅうたん」に関するものであり、本願の指定商品と非類似であるから、これら商品を取り扱う取引者、需要者と本願の指定商品を取り扱う取引者、需要者は異なり、これら商品の事例が本願にそのまま適用されるとはいえない。また、別掲3で列挙された商品の件数はわずかであり、本願の指定商品に含まれない商品もあることから、本願の拒絶理由を構成する根拠にはならない。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上段にトラの図柄を模し、トラを上から見たときの平面形状を表した図形(以下「本願図形部分」という場合がある。)を、下段に「Tibetan Tiger」の文字(以下「本願文字部分」という場合がある。)を配した構成よりなるものである。
そして、原審で通知した証拠及び別掲2のとおり、本願図形部分に酷似した形状及び柄のラグは、「世界四大絨毯のひとつに数えられるチベット絨毯の内、位の高い僧侶のために作られていた」と紹介されており、その名称は、本願文字部分の構成文字である「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)として、多数取引されている実情が確認できるものである。
また、別掲3のとおり、本願の指定商品を含む様々な分野において、上記「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)をモチーフにしたと考えられる、本願図形部分に酷似した形状及び柄の商品が「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)と称して取引されている実情が確認できる。
そうすると、本願商標の構成中、本願図形部分は一般的に「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)と称されるトラの形状及び柄の特徴を表示するものであり、また、本願文字部分は本願図形部分が表す上記形状及び柄の名称を一般的な書体であるゴシック体で表示したものといえ、そのほか、本願商標の構成態様が何らか特殊なものであるというべき事情は見当たらない。
以上のことからすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)の形状及び柄とその名称を一般的な書体で表した文字を組み合わせたものとして認識するものであり、本願商標は、商品の品質等の特徴を表示する標章のみからなる商標であると認められる。そして、本願商標は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものと認められることから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)の形状及び柄の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は一体不可分の構成であって、原審及び当審において列挙された商品の取引の実情を考慮しても、本願商標をそのまま使用している事例は存在せず、トラのデザインを付した商品「ラグ」が「チベタンタイガーラグ/Tibetan Tiger RUG」という商品名が付されて取引されている事例があるとしても、トラの図形や柄が「チベタンタイガー/Tibetan Tiger」と認識されていることを示すものではなく、また、原審及び当審で列挙されたトラのデザインを付した商品自体には、「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)の文字が印字されておらず、トラのデザイン・色彩も細部において相互に異なり、本願商標の図形部分とも異なり、これら商品を根拠に、本願商標が普通に用いられる方法で表示する標章とはいえない旨主張する。
しかしながら、本願商標は図形と文字より構成されるところ、本願図形部分と原審、別掲2及び別掲3において列挙された商品は、いずれも、トラの図柄を模し、トラを上から見たときの平面形状を表し、S字状に湾曲した尾、U字形の口、上まぶたに縁取り様のデザインが施されている等の特徴的な構成要素を有する点において外観的な印象を共通にする。そうすると、本願図形部分と原審、別掲2及び別掲3において列挙された商品は、子細にみれば、細部において差異を有するものの、上記のとおりの特徴的な構成要素を共通にするものであるから、酷似した印象を十分に与えるものである。そして、別掲2及び別掲3において列挙された商品は、「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)の文字を伴って紹介されていることからすれば、本願図形部分は、「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)と称されるトラの一般的な形状及び柄を表示したものと理解されるというのが相当である。
また、本願文字部分は、「Tibetan Tiger」を一般的な書体で表示したものであり、「Tibetan Tiger」は、上記のとおりの特徴を有するトラの形状及び柄を表示する語として使用されているものである。
してみれば、本願商標は、「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)と称されるトラのデザインの一般的な形状及び柄と、その名称を一般的な書体で表した文字を組み合わせたものというのが相当である。
イ 請求人は、原審及び別掲2で列挙された商品は、「ラグ、じゅうたん」に関するものであり、本願の指定商品と非類似であることから、これら商品を取り扱う取引者、需要者と本願の指定商品を取り扱う取引者、需要者は異なり、これら商品の事例が本願にそのまま適用されるとはいえず、別掲3で列挙された商品の件数もわずかであることから、これら商品の存在が本願の拒絶理由を構成する根拠にはならない旨主張する。
しかしながら、原審及び別掲2において列挙された商品「ラグ、じゅうたん」は、インテリア製品、生活雑貨であって、本願の指定商品中の第20類及び第24類に属する指定商品もインテリア製品、生活雑貨であるから、商品の関連性を有するものであって、その取引者は一部共通にする場合があるといえ、その需要者はともに一般の消費者である。また、第25類に属する指定商品は日常一般的に人が着用する商品及びスポーツ時に人が着用する商品であって、その需要者は、スポーツ競技を行う者の他、広く一般の消費者も含むものであるから、商品「ラグ、じゅうたん」と本願の指定商品の取引者、需要者は、その範囲を共通にする場合があるものといえる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合における需要者の認識を推し量る際に、需要者を共通にする商品に係る取引の実情を勘案することは合理的といえ、「ラグ、じゅうたん」の分野において本願図形部分及び本願文字部分が商品の品質等の特徴を表示するものとして広く使用されている事情があることは、これが本願の指定商品に使用された場合においても、これに接する取引者、需要者をして、「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)と称されるトラのデザインの一般的な形状及び柄と、その名称を一般的な書体で表した文字を組み合わせたものであると容易に認識させるといえ、本願の指定商品を含む様々な分野において、本願図形部分に酷似した形状及び柄の商品が「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)と称して取引されている実情があることは、上記(1)及び別掲3のとおりである。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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