結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025003549 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年4月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
2024年(令和6年)10月23日付け:拒絶理由通知
2024年(令和6年)11月18日 :意見書の提出
2025年(令和7年) 1月14日付け:拒絶査定
2025年(令和7年) 3月 5日 :審判請求書の提出
2025年(令和7年)12月22日付け:審尋
本願商標は、「現場管理クラウド」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類及び第42類に属する別掲1に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は、「現場管理クラウド」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「現場」の文字は、「実際に作業をしている場所。」、「管理」の文字は、「管轄し処理すること。」、「クラウド」の文字は、「それを提供するサーバーなどについて意識することなく、ネットワークを通じて様々な場所から利用可能なコンピューターのリソース。」の意味を有する語として、それぞれ広く知られているものである。そして、工事現場などの作業現場において、作業の進捗や安全性、品質などを管理することが一般に「現場管理」と称されている実情があり、さらに、本願に係る指定商品・指定役務を取り扱う業界において、スマートフォンやタブレットで現場管理を行うことができるアプリやクラウドサービスが提供され、「現場管理クラウド」の文字が使用されている実情もある。このような実情を踏まえると、本願商標は全体として「現場管理を行うためのクラウド」ほどの意味合いを容易に認識させるものであるから、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「現場管理を行うためのクラウド」に関する商品・役務であること、すなわち、単に商品の品質・役務の質を普通に用いられる方法で表示した標章のみからなる商標と認識するというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「現場管理を行うためのクラウド」に関する商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質・役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
当審において、上記1の審尋により、請求人に対し、別掲2から別掲5のとおりの証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、これに対して、請求人は、何ら回答していない。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「現場管理クラウド」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「現場」の文字は、「実際に作業をしている場所。」を、「管理」の文字は、「管轄し処理すること。良い状態を保つように処置すること。とりしきること。」を、「クラウド」の文字は、「(雲の意)それを提供するサーバーなどについて意識することなく、ネットワークを通じて様々な場所から利用可能なコンピューターのリソース。」をそれぞれ意味するものである(いずれも「広辞苑第七版」岩波書店)。
そして、別掲2のとおり、工事現場などの作業現場において、作業の進捗や安全性、品質などを管理することが一般に「現場管理」と称されており、また、別掲3のとおり、本願指定商品及び指定役務に関係する分野において、オンライン上のプラットフォームであるクラウドを通じて各種管理サービスが提供されており、それらが「○○(管理)クラウド」と称されている実情がある。
さらに、別掲4のとおり、本願指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、スマートフォンやタブレット等を用いて、アプリケーションソフトウェア等を通じて現場管理を行うためのクラウド型のサービスが提供され、業務の効率化や適正化が図られている実情があり、それらのサービスが、「現場管理クラウドサービス」、「現場管理クラウドツール」等と称されているほか、本願商標と同じ「現場管理クラウド」の文字も同様の意味合いで使用されている事実が確認できる。
そうすると、本願商標の各構成文字の意味と、上記の取引実情に照らせば、本願商標は、「現場管理を行うための(オンライン上のプラットフォームである)クラウド」ほどの意味合いを認識させるとみるのが相当であり、これを本願指定商品のうち、現場管理を行うためのクラウド用の「電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」や現場管理を行うためのクラウドを内容とする「電子出版物」(第9類)、本願指定役務のうち、現場管理を行うためのクラウドを用いて行われる「事業の管理,事業の管理に関する指導及び助言」(第35類)、現場管理を行うためのクラウド用の又は現場管理を行うためのクラウドにより提供される「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータープラットフォームの開発,コンピュータシステムの設計,コンピュータセキュリティに関する指導及び助言,コンピュータソフトウェアの設計,コンピュータソフトウェアの設計・作成・保守に関する助言,コンピュータソフトウェアのバージョンアップ,コンピュータソフトウェアの保守,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサーバーの貸与,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティングを介した仮想コンピュータシステムの提供,コンピュータウェブサイトのホスティング,コンピュータソフトウェアの貸与,コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS),コンピュータの貸与,サーバーのホスティング,電子データの保存用記憶領域の貸与,ウェブサイト経由によるコンピュータ技術及びコンピュータプログラミングに関する情報の提供,コンピュータ技術に関する助言,情報技術(IT)に関する助言(ソフトウェアプログラムのトラブルシューティング),コンピュータシステムの分析,コンピュータウィルスの侵入防止用プログラムの設計・作成・保守又はそのプログラムの提供」(第42類)等、「現場管理を行うためのクラウドに係る商品又は役務」に使用したときは、取引者、需要者は、「現場管理を行うためのクラウド」用の商品及び役務であることや、「現場管理を行うためのクラウド」を内容とする商品又は「現場管理を行うためのクラウド」により提供される役務であることを認識するにすぎず、本願商標は、その商品の品質、用途、役務の質(内容)、用途、提供の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記「現場管理を行うためのクラウドに係る商品又は役務」以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「クラウド」の文字の意味が曖昧であり、クラウドに複数の種類・実装モデルが存在することから、本願商標を構成する「クラウド」の文字は、「何らかのコンピュータ資源」程度の意味合いにしか理解されず、これに「現場管理」の文字を結合した本願商標全体としても「現場管理の何かしらのコンピューター資源」程の漠然とした意味合いしか認識させない旨を述べ、本願商標は、特定の観念を生じない一種の造語と認識され、自他商品役務の出所識別標識として機能する旨主張する。
しかしながら、上記(1)で認定した取引の実情を踏まえれば、本願の指定商品及び指定役務の分野において、「現場管理クラウド」の文字に接する取引者、需要者は、「現場管理を行うためのオンライン上のプラットフォームであるクラウド」といった意味合いを容易に認識するというべきである。
イ 請求人は、「クラウド」の文字を含む過去の登録例を挙げ、本願商標がそれらの登録商標とは事案が異なるとみるべき事情はないから、本願商標についても当然に識別力が認められるべき旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品及び指定役務との関係において、自他商品及び役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成文字が異なり、事案を異にするものであるし、本願商標が自他商品及び役務の識別力を欠くものであることは、上記(1)のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されるものではない。
ウ 以上により、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。