結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025006369 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年2月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年9月26日付け:拒絶理由通知書
令和6年11月5日 :意見書の提出
令和7年1月31日付け:拒絶査定
令和7年4月24日 :審判請求書の提出
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、別掲2の商品を指定商品として登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4984505号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成17年12月2日に登録出願、別掲4の商品を指定商品として、同18年9月1日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
(1)結合商標の類否判断について
複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されないが、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成部分全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、商標の構成部分の一部が需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部を要部として取り出し、これと他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されると解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
(2)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、赤く色づけされた平行四辺形の背景図形内に「KBS」の欧文字を有してなるところ、図形部分から出所識別標識としての具体的な称呼及び観念は生じないものであって、顕著に表された「KBS」の欧文字部分が、強く支配的な印象を与えるものであるから、当該構成文字(以下「本願商標の要部」ということがある。)に相応した「ケービーエス」の称呼が生じ、また、当該文字は、我が国において特定の意味を表す語として親しまれているものとはいえないから、特定の観念は生じないものである。
(3)引用商標について
引用商標は、別掲3のとおり、弧を描くような線状の図形の下に「KBS」の欧文字を配してなるところ、図形部分と文字部分は、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、また、図形部分から出所識別標識としての具体的な称呼及び観念は生じないものであって、図形部分及び文字部分との間に、観念的にも密接な関連性を見いだすことはできないから、引用商標の図形部分と文字部分は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
そうすると、上記(1)の結合商標の類否判断の趣旨に照らせば、引用商標については、「KBS」の欧文字部分を要部(以下「引用商標の要部」ということがある。)として取り出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標は、引用商標の要部の構成文字に相応して「ケービーエス」の称呼が生じ、また、当該文字は、我が国において特定の意味を表す語として親しまれているものとはいえないから、特定の観念は生じないものである。
(4)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ、上記(2)及び(3)のとおりの構成からなるところ、外観において全体の構成は異なるものの、本願商標の要部と引用商標の要部の「KBS」の欧文字部分のつづりを共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものである。
次に、称呼については、本願商標と引用商標は、「ケービーエス」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念については、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念が生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できず、外観において全体の構成は異なるものの、両商標の要部である「KBS」の欧文字部分において類似するものであり、称呼を共通にするものであるから、これらの外観、観念及び称呼等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(5)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品中、第25類「靴下留め,バイザー,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),ゴルフ靴,履物,運動用特殊靴,被服,バンド,ズボンつり,ベルト,仮装用衣服,ガーター,帽子」及び第28類「ゴルフ用手袋,ゴルフバッグ用タグ,ゴルフバッグ(車付、車のないもの),ゴルフ用具,運動用機械器具,運動用ネット,ゴルフクラブ,運動用グローブ又は手袋,ゴルフ用ディボット修復具,サポーター,運動用具」は、引用商標の指定商品中、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」と、同一又は類似の商品である。
(6)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)請求人は、「KBS」と略称される名称が複数あることを挙げ、正式名称の頭文字3文字を略称とし、これらの文字をデザイン化することは、取引上普通に用いられるとする実情を考慮すれば、「ケービーエス」という称呼の共通性は、出所混同を生じさせる要因としては非常に小さく、この称呼は出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではなく、両商標の要部は「外観」と解するのが適当である旨主張する。
しかしながら、商標法第27条第1項に「登録商標の範囲は、願書に記載した商標に基づいて定めなければならない。」と規定されていることからすれば、商標登録出願の審査、審理においては、願書に記載された商標に基づいて判断されるべきであるところ、仮に願書に記載された商標に正式名称とともにその頭文字3文字が表記されていたとするならば、当該正式名称の略称と認識する場合が想定し得るとしても、正式名称が表記されていない本願商標及び引用商標についてそれぞれに異なる何らかの正式名称を認識するとはいい難い。そして、本件においては、上記1のとおり、両商標を構成する文字のつづりを共通にするものであって、請求人の挙げる「KBS」と略称される事例をもって称呼の共通性を低く評価することはできないものであり、両者は互いに称呼を同一にし、外観も近似するものといえるから、デザイン化の相違によって両商標が相紛れるおそれのある類似の商標であることが否定されるものではない。なおこの点につき、請求人は「氷山印事件」(昭和39年(行ツ)第110号)を挙げて主張するが、構成する文字のつづりを共通にするものであって、称呼を同一にし、外観においても近似する本件においては、上記のとおり判断するものである。
(2)請求人は、その主張を裏付けるものとして併存登録例を挙げると共に、個別具体的な検討により、本件と過去の併存登録例とは同様に論じることができないとするならば、その明確な根拠を示すべき旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる登録例は、欧文字と認識できないほど図案化されている等、商標の具体的構成、指定商品及び指定役務等において本願とは事案を異にするものであり、そもそも商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標と引用商標の類否については、上記1(4)の判断のとおりであるから、それらの登録例をもってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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