結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025009993 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年6月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年11月26日付け:拒絶理由通知書
令和7年1月15日 :意見書の提出
令和7年3月3日付け :拒絶査定
令和7年6月26日 :審判請求書の提出
令和7年12月10日付け:証拠調べ通知書
令和8年1月23日 :意見書の提出
本願商標は、「おうちインナー」の文字を横書きしてなり、第25類「被服,ズボン,半ズボン,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,ポロシャツ,ポンチョ,レギンス,寝巻き類,下着,ボクサーショーツ,パンツ,タイツ及びタイツストッキング,水泳帽,水泳着,タンクトップ,ティーシャツ,キャミソール,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,ショール,スカーフ,保温用サポーター,マフラー,手袋,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,レッグウォーマー,履物,運動用特殊靴,運動用特殊衣服,ジャージー製被服,新生児用被服,ネックゲートル,ネックチューブ」を指定商品として登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は、「おうちインナー」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中の「おうち」の文字は、「自分の家の丁寧な言い方。」、「インナー」の文字は、「「インナーウエア」の略。」の意味を有する、いずれも一般的に知られた平易な語であるから、本願商標は全体として「自分の家のインナーウエア」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。また、本願の指定商品を取り扱う業界において、自宅での着用に適したインナーウエアに「おうちインナー」の文字が使用されている実情がある。そうすると、本願商標を、その指定商品中、「自宅用のインナーウェア」、例えば、「自宅用の肌着・下着・ボクサーショーツ・パンツ・タンクトップ・ティーシャツ・キャミソール・新生児用の肌着」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、本願商標は、単にその商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1ないし3の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記1のとおり、証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。
(1)本願商標は、全体として一体不可分の造語的標章であり、本願商標構成中の「おうち」の文字部分は、「自宅」、「家庭」といった具体的、かつ、限定的な観念を直ちに想起させるものということはできず、「インナー」の語についても、「インナーウエア」に限らず、「内面的なもの」「内側にあるもの」など、前後の文脈により多義的に使用される語であるから、「おうちインナー」という語の結合から、取引者、需要者が直ちに「自宅用の肌着・下着」等の具体的かつ確定的な意味内容を把握するとは到底いえない。
(2)衣類市場、とりわけ下着類の取引実情に照らせば、下着類は衣服の内側に着るものであるため、「自宅用」と「外出用」とに区別する必要性はなく、下着を「自宅用」と「外出用」とに明確に区別して販売、購入する一般的な実情は存在しない。
(3)合議体は、「おうちインナー」又は「おうち〇〇」等の語が「自宅用の下着や〇〇」ほどの意味合いで使用されている事実として、多数の使用例を挙げているが、これらの使用例はいずれも、広告的・説明的使用にすぎず、当該語が商品の品質等の内容を表示する記述的標章として社会に定着していることを示すものとまでは到底いえない。
(4)「おうち〇〇」の構成からなる登録商標は現に多数存在しており、これらはいずれも自他商品・役務識別標識としての機能が肯定されたものである。
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「おうちインナー」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、本願商標の構成文字中の「おうち」の文字は、「自分の家の丁寧な言い方。」(「大辞泉 第二版」小学館)、「インナー」の文字は、「インナーウエアの略」(前掲書)の意味を有する語であるため、本願商標の指定商品との関係において、全体として「自宅用のインナーウェア(下着・肌着)」ほどの意味を容易に認識させるというのが相当である。
そして、指定商品との関係において、別掲1のとおり、「おうちインナー」又は「おうち」と「インナー」の語の組合せが「自宅用のインナーウェア」ほどの意味合いで使用されている実情があり、別掲2のとおり、「おうち○○」が「自宅用の○○」ほどの意味合いで使用されている実情があるところ、当該事実から、「おうちインナー」をはじめとして、「おうち」に「ショーツ」、「靴下」等の商品の普通名称を組み合わせた語が使用されており、その使用において、例えば、「心地良い」「着心地バツグン」「着心地のよい」「履き心地と伸びの良い」「心地よく」(別掲1(1)、(2)、(5)、別掲2(6)、(10))、「ストレスフリー」(別掲1(3)、(4)、別掲2(1))、「快適」(別掲2(10)、(13))のように、「おうち○○」の語が、着心地がよく快適な「自宅用の○○」ほどの意味合いで使用されていることが把握できる。
加えて、別掲3のとおり、「○○インナー」の語が「○○用のインナーウェア」ほどの意味合いで使用されている実情がある。
そうすると、本願商標の構成各文字の意味及び上記商品の取引の実情に照らせば、本願商標は、その指定商品の分野の取引者、需要者に、着心地がよく快適に過ごせるような「自宅用のインナーウェア」ほどの意味合いを容易に認識させるものであって、これを指定商品に使用するときは、これに接する需要者は、「自宅用のインナーウェア」、たとえば「自宅用のレギンス・下着・ボクサーショーツ・パンツ・タイツ及びタイツストッキング・タンクトップ・ティーシャツ・キャミソール・靴下・レッグウォーマー・新生児用下着」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものというべきである。
そして、上記のとおり、本願商標は、普通に用いられる方法で横書きしてなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。
したがって、本願商標は、指定商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「自宅用のインナーウェア」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、全体として一体不可分の造語的標章であり、本願商標構成中の「おうち」の文字部分は、「自宅」、「家庭」といった具体的、かつ、限定的な観念を直ちに想起させるものということはできず、「インナー」の語についても、「インナーウエア」に限らず、「内面的なもの」「内側にあるもの」など、前後の文脈により多義的に使用される語であるから、「おうちインナー」という語の結合から、取引者、需要者が直ちに「自宅用の肌着・下着」等の具体的かつ確定的な意味内容を把握するとは到底いえない旨主張する。
しかしながら、指定商品との関係においては、別掲1及び別掲2の取引の実情に照らせば、本願商標の構成中の「おうち」の語は、「自宅」を意味すると理解させるものであり、別掲1及び別掲3の取引の実情に照らせば、本願商標の構成中の「インナー」の語は、「インナーウェア」を意味すると理解させるものというのが相当であるから、上記(1)のとおり、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、着心地がよく快適に過ごせるような「自宅用のインナーウェア(下着・肌着)」ほどの意味合いを容易に認識させるものというべきである。
イ 請求人は、衣類市場、とりわけ下着類の取引実情に照らせば、下着類は衣服の内側に着るものであるため、「自宅用」と「外出用」とに区別する必要性はなく、下着を「自宅用」と「外出用」とに明確に区別して販売、購入する一般的な実情は存在しない旨主張する。
しかしながら、たとえば別掲1及び別掲2(1)、(6)、(9)、(13)のように、着心地がよく快適に過ごせるような自宅用の下着(インナーウェア)が販売されている事実があるため、「外出用下着」とは異なる「自宅用下着」も存在するといえるものであり、上記実情を踏まえると、本願商標は「自宅用のインナーウェア」の意味合いを認識させるというべきである。
ウ 請求人は、合議体は、「おうちインナー」又は「おうち〇〇」等の語が「自宅用の下着や〇〇」ほどの意味合いで使用されている事実として、多数の使用例を挙げているが、これらの使用例はいずれも、広告的・説明的使用にすぎず、当該語が商品の品質等の内容を表示する記述的標章として社会に定着していることを示すものとまでは到底いえない旨主張する。
しかしながら、着心地がよく快適な「自宅用のインナーウェア」を「おうちインナー」、着心地がよく快適な「自宅用の○○」を「おうち○○」と称している実情が見受けられることから、本願商標は、指定商品との関係において、商品の品質を表したものと理解されるというべきである。なお、仮に、請求人主張のように、使用例が広告的・説明的使用であるとしても、結局は指定商品の説明や特性を表すものや、商品の品質を簡潔に表すものにすぎないものであるから、本願商標が自他商品の識別力を有しないものであることに変わりはないというべきである。
エ 請求人は、「おうち〇〇」の構成からなる登録商標は現に多数存在しており、これらはいずれも自他商品・役務識別標識としての機能が肯定されたものである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字又は指定商品・指定役務が異なるものであり、取引の実情も異なる点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。
オ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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