結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025011948 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年7月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 1月23日付け:拒絶理由通知書
令和7年 3月 3日 :意見書の提出
令和7年 4月17日 :手続補正書の提出
令和7年 4月24日付け:拒絶査定
令和7年 7月31日 :審判請求書の提出
令和7年11月13日付け:審尋
令和7年12月11日 :回答書の提出
本願商標は、「置くだけタブレット」の文字を標準文字で表してなり、第1類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
そして、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第1類「タブレット状の肥料,タブレット状の植物成長剤類」及び第5類「タブレット状の薬剤」と補正されたものである。
本願商標は、「置くだけタブレット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「置く」の文字は、「人や物をある位置・場所にとどめる。」の意味を有する語であり、「だけ」の文字は、「ばかり。のみ。」の意味を有する語であり、「タブレット」の文字は、「錠剤。」の意味を有する語である。
そして、「置くだけで効果を発揮するタブレット(錠剤)型の肥料」の意味を表すものとして、「置くだけ!カンタン錠剤肥料」や「置くだけで簡単、便利なタブレット肥料」、「置くだけの錠剤タイプの肥料」などの文字が使用され、当該肥料が一般に販売、提供されている実情がある。
このような状況からすれば、本願商標は、「置くだけで効果を発揮するタブレット(錠剤)」ほどの意味を容易に認識させるといえるので、本願商標を、その補正後の指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、「置くだけで効果を発揮するタブレット(錠剤)型の商品」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
当審において、令和7年11月13日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
請求人は、上記4の審尋に対し、令和7年12月11日受付の回答書において、要旨下記のとおりの意見を述べた。
(1)「置くだけタブレット」の文字からなる商標として使用しているのは請求人のみである。このことは、上記1の拒絶理由通知書や審尋に示された事例において、使用例が示されていないことからも明らかである。
(2)本願商標の構成から、これに接する消費者が、「タブレット」の文字が商品の形状を表すと認識する場合があるとしても、「置くだけ」の文字の意味を深く考察し、「(適切な場所に)置くのみでその商品が使用できること」を表しているのだから、商品の品質(例えば商品の使用方法など)を表示しているものと捉える必然性はない。また、「置くだけ」は商品の使用方法であるにしても「置くだけ」でどのような効果があるのか、具体的な効果・効能が追加されて初めて品質表示と評価されるべきである。
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「置くだけタブレット」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、その構成態様から、動詞「置く」と助詞「だけ」からなる「置くだけ」の語と、「錠剤。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)などを意味する「タブレット」の語とを結合したものと、容易に理解し得るものである。
そして、本願商標の構成中「タブレット」の文字は、上記2のとおり、本願の補正後の指定商品がいずれも「タブレット状の」ものであることからすると、その商品が「タブレット(錠剤)状」であること、すなわちその商品の形状を表しているものといえる。
また、同構成中「置くだけ」の語は、助詞「だけ」が「それと限る意。のみ。」(出典:同上)を意味するものであることから、「置くのみ」ほどの意味合いを認識させるものであるところ、原審提示の情報や、別掲の情報にあるように、本願の指定商品を含む、肥料・植物成長剤類又は薬剤を取り扱う分野においては、「(適切な場所に)置くのみでその商品が使用できること」「その商品の使用方法としては(適切な場所に)置くのみであること」をうたう商品について「置くだけ」又は「おくだけ」の文字が広く使用されており、さらに、そのような商品の中には「タブレット(錠剤)状」の商品も少なからず存在することが認められる。
以上のことからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成文字より「置くのみのタブレット(錠剤)」ほどの意味合いを容易に認識し、その商品が「置くのみで使用できる、タブレット(錠剤)状の商品であること」、すなわち、その商品の品質を表示したものであると容易に理解、認識するというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標を構成する「置くだけタブレット」の文字は、請求人が創作した造語であって、「置くだけ」の文字に、比較的平易な英語であり「錠剤。」以外にも多種多様な意味を有することが知られている「タブレット」の文字を組み合わせた構成からなるものであり、また、本願の指定商品を取り扱う業界において「置くだけタブレット」の文字の使用例も皆無であることから、本願商標に接する需要者が、共通した特定の意味合いを想起するものではない旨主張する。
しかしながら、「置くだけタブレット」の文字が、商品の品質を表示するものとして、現に使用されている事実が認められないとしても、上記(1)のとおり、本願商標の構成中「タブレット」の文字は、本願の補正後の指定商品がいずれも「タブレット状の」ものであることからすると、その商品が「タブレット(錠剤)状」であること、すなわちその商品の形状を表しているものというべきものであって、また、本願の指定商品を含む、肥料・植物成長剤類又は薬剤を取り扱う分野においては、「(適切な場所に)置くのみでその商品が使用できること」「その商品の使用方法としては(適切な場所に)置くのみであること」をうたう商品について「置くだけ」又は「おくだけ」の文字が広く使用されており、さらに、そのような商品の中には「タブレット(錠剤)状」の商品も少なからず存在することも認められる。
以上のことを踏まえれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成文字より「置くのみのタブレット(錠剤)」ほどの意味合いを容易に認識し、その商品が「置くのみで使用できる、タブレット(錠剤)状の商品であること」、すなわち、その商品の品質を表示したものであると容易に理解するものといえ、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。
イ 請求人は、本願商標の構成中「置くだけ」の文字は、商品の使用方法であるにしても「置くだけ」でどのような効果があるのか、具体的な効果・効能が追加されて初めて品質表示と評価されるべきである旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願の指定商品を含む、肥料・植物成長剤類又は薬剤を取り扱う分野においては、「(適切な場所に)置くのみでその商品が使用できること」「その商品の使用方法としては(適切な場所に)置くのみであること」をうたう商品について「置くだけ」又は「おくだけ」の文字が広く使用されていることからすれば、本願商標の構成中の「置くだけ」の文字は、「(適切な場所に)置くのみでその商品が使用できること」「その商品の使用方法としては(適切な場所に)置くのみであること」という、具体的な商品の品質を表示記述しているといえるものである。
ウ 請求人は、「おくだけ(置くだけ)」の文字からなる又は同文字を構成中に有してなる過去の商標登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、判断時期や商標の構成態様、指定商品の分野が本願とは異なるなど、本願とは事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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