Trademark Appeal Case
著名映画タイトルと商標の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90138(T2000−90138/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4326931号商標(以下「本件商標」という。)は、西暦1997年12月19日及び1998年1月31日にドイツ連邦共和国にした2件の商標登録出願に基づきパリ条約第4条の優先権を主張して、平成10年6月12日に登録出願され、「Babe」の文字を横書きしてなり、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),宝石,時計」、第24類「織物(畳べり地を除く。),テーブルカバー,ベッドカバー」、第25類「被服,履物(靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具を除く。),ずきん,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」、第27類「敷物,壁掛け(織物製の物を除く。)」、第29類「ジャム,卵,乳製品」、第30類「サラダドレッシング」を指定商品として、平成11年10月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由
(1)申立人の製作した映画「Babe(ベイブ)」は、1995年8月4日に全米で初公開した後、同年11月30日にシンガポール、同年12月1日にコロンビア、同年12月7日にドイツ、同年12月8日にオーストラリアなどの世界各国で公開され、全米はもちろんのこと、日本(1996年3月9日公開)でも大ヒットを記録したものである。そして、この大ヒットを受けて、そのシリーズ作品「Babe:Pig in the City」も1998年に制作され、申立人は「Babe」(ベイブ)に基づく種々の商品化事業を米国、カナダ、イギリス、ドイツ、オーストラリア、スイス、日本においてライセンス展開しているものである。
そうとすれば、申立人の製作した映画のタイトルと同一である本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、該商品が申立人又は申立人から許諾を受けた者若しくは申立人と経済的、組織的に何等かの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(2)本件商標権者は、ドイツ国において本件商標を出願し、それに基づいて、日本その他多数の国に登録出願をしているものである。さらに、本件商標権者は、申立人のライセンシー宛に本件商標の使用許諾や譲渡交渉に応ずる容易がある旨のレターを送付していることから、申立人の商品化事業を阻害し、不正に利益を得る目的でをもって本件商標を登録したものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第19号に該当する。
よって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)申立人提出の証拠によれば、申立人は「Babe」なる映画を製作し、これが1995年8月4日に米国で初公開された後、世界各国で大ヒットしたこと、及び該映画名に基づく商品化事業を1999年から「キャラメル、キーチェーン、貯金箱、携帯電話用小物、及びタオル製品」等に行ってきたことを窺い知ることができる。しかしながら、申立人の「Babe」に基づく商品化事業は、1999年以後であり、本件商標の登録出願後であるから、申立人の業務に係る「Babe」の文字よりなる標章が本件商標の登録出願時に需要者の間に広く認識されていたということはできない。
したがって、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、取引者・需要者が、その商品を申立人に係る映画の商品化事業である、若しくは申立人又は申立人と組織的、経済的に何等かの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
(2)本件商標を構成する「Babe」の語は、申立人が創作した造語ではなく、「赤ん坊、乳児」等を意味す英語であり、これを商標権者が指定商品に関し商標として採択使用したとしても、不正の目的(不正な利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正な目的)をもって使用するものであるとはいい得ないものである。さらに、本件商標は、矯激、卑猥、差別的な文字、構成からなるものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとも認められないものである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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