結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025300064 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6236852号商標(以下「本件商標」という。)は、「Finesse」の文字を標準文字で表してなり、平成31年3月25日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」を指定商品として、令和2年3月17日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和7(2025)年2月5日であり、その請求の登録前3年以内の同4(2022)年2月5日から同7(2025)年2月4日までの期間を以下「要証期間」という。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を請求書において、要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
本件商標は、審判請求前3年間に指定商品について商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が発見できないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した(なお、乙第5号証の後の具体的な乙号証の記載がない証拠については、答弁書中の「7 証拠方法」欄の記載から、乙第6号証として取り扱うこととし、以下、証拠については、「乙第〇号証」を「乙〇」のように省略して記載する。)。
(1)本件使用商標1を出所表示として商品パッケージに付した靴下の販売
被請求人は、要証期間内に、栃木県小山市を拠点として東日本から東海地方にかけてドラッグストアの経営を生業とするカワチ薬品(以下「A」という。)に対し、品番「FUC501」の靴下(以下「対象商品1」という。)をいわゆる卸という形で販売していた。
Aは自身が運営するドラッグストアにおいて、一般消費者に対し、対象商品1を販売していた。靴下の取引形態において、靴下は左右両足分を2足1組で販売される。靴下の商品包装態様は、店頭に陳列する際に、2足が分離しないことを主な目的として、出所を示すブランドロゴなどが印字された帯状の紙類等を側面に巻いて固定されることが一般的であるが、対象商品1の外観は、靴下本体に、「finesse」の文字からなる本件使用商標1を横一列に反復して印字した帯状の紙が巻かれ、固定された状態になっている。
乙第1号証は、令和5年10月2日から同6年1月11日の期間、対象商品1が被請求人からAに販売され、Aの運営するドラッグストア各店舗へ販売された明細であり、要証期間内に商標的使用がされていたことが分かる。
被請求人の販売に対するAの代金支払いは毎月15日締めとなっており、乙第2号証から乙第4号証はそれぞれ2023年10月16日から2024年1月15日の期間でAから被請求人へ支払われた代金の月々の支払明細書である。
被請求人の販売に対するAの支払いは、乙第1号証の5列目の「納品NO」に対応する左13列目の「出荷金額」、乙第2号証から乙第4号証の「デンピョウバンゴウ」に対応する「キンガク」を帳合することで管理されている。
被請求人からAへ対象商品1が販売された事実を立証するものとして以下詳述する。
乙第5号証は、2023年11月14日に被請求人からAの運営するドラッグストアのイシオカ店へ出荷された、対象商品1を含む納品NO.657129の明細データである。
一方、乙第3号証6頁目に記載されているバンゴウ欄「00657129」は乙第5号証に対するAの支払い明細であり、対象商品1が被請求人からAへ販売されたことが確認できる。乙第1号証中で令和5年10月15日以降に処理された納品NOは乙第2号証ないし乙第4号証にも記載されており、乙第1号証の明細について被請求人からAへ販売されたことを証明している。
(2)本件商標と本件使用商標1の社会通念上同一性
本件商標は、「finesse」(審決注:「Finesse」の誤記と認める。)の文字を標準文字で表記したものである。
一方、本件使用商標1は、サンセリフ体のアルファベット小文字で「finesse」と表記されており、使用されているフォントの種類に違いはあるものの、特許庁が公開している審判便覧において、登録商標の使用と認められる事例として記載されている[書体にのみ変更を加えた同一の文字からなる商標]に該当するから、本件商標と本件使用商標1は、社会通念上同一の商標であるといえる。
(3)小括
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に、本件商標と社会通念上同一の商標である本件使用商標1を付した「靴下」(対象商品1)をAに対して販売しており、当該行為は、商標法第2条第3項第2号に規定される「商品・・・に標章を付したものを譲渡」する行為に該当する。
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品である「靴下」に本件商標と社会通念上同一の商標である本件使用商標1を使用していたものであり、かかる事実は、被請求人が提出の証拠によって十分に立証されている。
(1)答弁書3葉の写真について
答弁書3葉の写真に表示されている靴下(対象商品1)に巻かれた帯状の紙(包装)には、別掲のとおりの「finesse」の文字(本件使用商標1)の記載がある。
また、対象商品1に巻かれた帯状の紙(包装)の裏側には、「FUC501」、「(026)ブラック」及び本件商標権者の名称の記載がある。
(2)出荷明細(乙1、乙5)及び報告書(乙6)について
本件商標権者は、要証期間内に、栃木県小山市を拠点とするドラッグストアの経営を生業とするAに対し、対象商品1を卸という形で販売していた(被請求人の主張)。
乙第1号証は、令和5(2023)年10月2日ないし同6(2024)年1月11日までに、対象商品1が本件商標権者からAに販売され、Aの運営するドラッグストア各店舗へ販売された明細とされる表であり、当該表には「版社納品書検索」の見出しの下、同号証の2葉目には、納品日「20231115」、納品NO「657129」、品番「FUC501」、カラー「00026」、処理日「20231114」、店Cd「0064」、社名「1864-2 KK カワチヤクヒン」及び店名「イシオカ」の記載がある。
乙第5号証は、令和5(2023)年11月14日を処理日とする本件商標権者からAの運営するドラッグストアのイシオカ店に出荷された対象商品1を含む納品NO「657129」の明細データとされる表であり、「版社納品書検索」の見出しの下、当該表の2行目に、乙第1号証の上記記載と一致する納品日、納品NO、品番、カラー、処理日、店Cd、社名及び店名の記載がある。
乙第6号証は、対象商品1の販売実績データの抽出方法に関する「報告書」とされるものであり、同号証には、本件商標権者の社員名の記載の下、本件商標権者の社内の物流データ管理システムにおける納品書検索による販売実績データの抽出方法の説明がなされるとともに、同号証の3葉目の検索結果画面の2行目には、乙第5号証の上記記載と一致する納品日、納品NO、品番、カラー、店Cd、社名及び店名の記載がある。
また、対象商品1に巻かれた帯状の紙(包装)に記載された「FUC501」及び「(026)ブラック」は、乙第1号証及び乙第5号証に記載された品番「FUC501」及びカラー「00026」と一致又は同一内容と認められるものであり、乙第1号証及び乙第5号証の記載からすれば、上記の令和5(2023)年11月14日を処理日とするAの運営するドラッグストアのイシオカ店への品番「FUC501」の対象商品1に対応した納品番号は「657129」であるといえる。
(3)支払い明細書(乙3)について
乙第3号証は、Aから本件商標権者へ支払われた代金の支払い明細書とされるものであり、本件商標権者の販売に対するAの支払いは、乙第1号証の「納品NO」に対応する「出荷金額」、乙第3号証の「デンピョウバンゴウ」に対応する「キンガク」を帳合することで管理されている(被請求人の主張)。
そして、同号証の上部には、「カワチヤクヒン シハライメイサイショ」の記載があり、同号証の6葉目には、「デンピョウバンゴウ」の記載の下、「00657129」、ノウヒンビ「23.11.16」、ミセ「0064」の記載があり、当該デンピョウバンゴウ及びミセの記載は、乙第1号証及び乙第5号証に記載された納品NO及び店Cdの記載内容と一致する。
(1)使用商品について
対象商品1は「靴下」であるから、本件使用商標1を使用する商品は、本件審判の請求に係る指定商品である「被服」の範ちゅうに含まれる商品である。
(2)本件商標と本件使用商標1の社会通念上の同一性について
本件商標は、「Finesse」の文字を標準文字で表してなるものであるのに対し、本件使用商標1は、別掲のとおり、「finesse」の文字を表してなるものであり、両商標は、1文字目が大文字であるか小文字であるか、書体及び色彩の差異を有するものの、その構成文字を共通にするものであるから、本件使用商標1は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)商標の使用、使用時期及び使用者について
対象商品1に巻かれた帯状の紙(包装)には、別掲のとおりの本件使用商標1「finesse」とともに、品番「FUC501」及び本件商標権者の名称が記載され、本件商標権者に係る出荷明細及びAに係る支払い明細書の納品日、納品NO、品番、カラー、処理日、店Cd、社名及び店名の記載内容からすれば、令和5(2023)年11月14日に、対象商品1の品番「FUC501」に対応した商品を含む、納品番号「657129」として、本件商標権者から顧客Aの運営するドラッグストアに出荷(販売)され、顧客Aから対象商品1に対する代金が支払われたことが推認できることから、本件商標権者は、当該日に対象商品1を譲渡したといえる。
そして、当該日は、いずれも要証期間内である。
また、上記の対象商品1の取引の取引対象は、国内所在の顧客であるから、対象商品1は日本国内で取引されたものといえる。
以上から、本件商標権者は、本件商標と社会通念上同一の商標をその包装に付した対象商品1を、国内所在の顧客に対して、要証期間である令和5(2023)年11月14日に譲渡したということができる。
(4)小括
以上によれば、本件商標権者は、要証期間に、本件審判の請求に係る指定商品中「被服」の範ちゅうに含まれる商品と認められる「靴下」に、本件商標と社会通念上同一の本件使用商標1を付して譲渡したものと認められる。
そして、当該行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡又は引き渡す行為」に該当する。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が、本件審判の請求に係る指定商品である「被服」に含まれる「靴下」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したといえる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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