結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025300273 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6521707号商標(以下「本件商標」という。)は、「THE DUNE」の欧文字を横書きにしてなり、令和3年9月7日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,寝巻き類,下着,和服,帽子,被服」を指定商品として、同4年3月2日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和7年4月9日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和4年4月9日~令和7年4月8日)を以下「要証期間」という。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,寝巻き類,下着,帽子,被服」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書にて、その理由として、本件商標は、その指定商品中、請求に係る指定商品について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
なお、請求人は、令和7年6月2日付け答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。なお、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出した。
本件商標は、遅くとも2022年11月から、商標権者、百貨店及びセレクトショップその他取引業者により、本件商標の指定商品の範囲に属する「ボディスーツ、レギンス、アームグローブ、ロンパース」(以下総称して「本件商品」という。)について、継続して使用された事実があることから、本件商標の登録は、商標法50条1項の規定により取り消されるべきでものではない。
(1)商標権者について
商標権者は、ファッションブランド事業などを展開する各企業において、合計20年以上のPR(広報)の経験を有するS氏が代表取締役を務める法人である(乙1)。
(2)本件商標について
S氏は、本件商品を企画しボディスーツを主とするブランド「THE DUNE(ザデューン)」を立ち上げ、本件商標を使用した本件商品を2022年9月に発売するに至った(乙2、乙3、乙6、乙7の2、乙7の3)。
「THE DUNE」は、ボディスーツを愛用するS氏が、スタイリッシュで利便性を兼ね備えたボディスーツは忙しく暮らす現代女性のスタイリングにこそ着てもらいたいという想いから、どのようなアイテムであれば女性にボディスーツの良さを実感してもらえるかを考えて誕生したブランドである(乙4)。
本件商標を使用した本件商品は、受注生産を基本とし、OEMメーカーに委託して小ロットで製造され、2023年3月(春夏シーズン)から本格的に商標権者による小売及び卸売が開始された(乙2の1、乙2の2、乙3、乙4の2)。
本件商標は、後述のとおり、商標権者が本件商品に本件商標と同一(社会通念上同一)の「THE DUNE」を表示したブランドタグを付する態様により、あるいはまた、商標権者及び取引業者が本件商品を広告又は販売するにあたり、取引書類、ウェブサイト(SNSを含む。)又は店舗(ECサイトを含む。)その他において、本件商標と同一(社会通念上同一)の「THE DUNE」及び「The DUNE」を表示する態様により使用されてきたものである。
(3)本件商標の使用例について
ア M社との取引
商標権者は、2023年3月8日から、M社との取引を開始し、同年3月15日から3月21日までの期間限定で、同社が運営する百貨店において、商標権者の「The DUNE」ブランドのポップアップストアをオープンし、同ブランドの販促イベントを開催し、本件商標を使用した本件商品の広告及び販売を行った(乙5、乙6)。
上記広告及び販売の状況は、商標権者のウェブサイト、インスタグラムの投稿、大手出版社刊行のファッション誌デジタル版や新聞その他のメディア媒体に掲載されている(乙2の2、乙2の3、乙4の3、乙6、乙7)。
イ B社との取引
商標権者は、B社に対し、同社による小売のために、本件商標を使用した本件商品を卸売した(乙8、乙9)。
(ア)2022年11月30日付「ORDER SHEET」(発注伝票No.:3400157158)は、B社から商標権者への発注書であり、品番等が記載されている(乙8の1)。
B社から商標権者に送付された「請求書兼納品書」(通知日:2023年4月4日)の明細中には、前記「ORDER SHEET」(発注伝票No.:3400157158)の内容に対応する明細番号等が記載されている(乙8の2)。
B社が運営するECサイトには、左側に本件商標(THE DUNE)が付された本件商品(ボディスーツ)の写真が掲載され、右側にセレクトショップ名、商品名及び値引後の販売価格等が記載されている(乙8の3、乙8の4)。
そして、「アイテム説明」及び「サイズ・詳細」の欄には、前記「ORDER SHEET」(発注伝票No.:3400157158)の内容に対応する品番等が記載されている(乙8の4)。
(イ)また、2023年7月3日付メール及び同日付「ORDER SHEET」(発注伝票No.:3400166146)は、本件商標を使用した本件商品の追加発注書であり、前記「ORDER SHEET」(発注伝票No.:3400157158)で前述した説明と同様の取引が行われたものである(乙9)。
以上のとおり、商標権者は、自らECサイトを運営し販売及び広告の各行為を行ったことに加え、少なくとも2023年3月15日から同年3月21日までの間にかけて、M社が運営する百貨店において、本件商品の販売促進のために本件商標を使用した本件商品の販売及び広告の各行為を行ったものである。
また、商標権者は、遅くとも2022年11月から現在までの間にかけて、本件商標を使用した本件商品について、商標権者からB社に対する卸売、及びB社から消費者に対する小売の各行為が行われたものである。
したがって、本件商標は、要証期間に、商標権者、並びに商標権者から本件商標の使用許諾を受けた通常使用権者であるM社及びB社その他取引業者により、請求に係る指定商品の範ちゅうに属する本件商品について使用された事実があることから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきでものではない。
(1)被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第1号証の1
乙第1号証の1は、被請求人が、商標権者の代表取締役であるS氏の2025年5月29日現在のプロフィールと主張するものであり、右上に、「May 29th,2025」の記載、中ほどに、「・2017年株式会社ホワイトサンズを設立、PRコンサルタント業務を開始し、約20年におよぶファッションやライフスタイル系媒体をメインに、企業のPRコンサルティングやブランディングを展開する。・・・PRコンサルタントを経て現在に至る」の記載がある。
イ 乙第4号証
乙第4号証は、被請求人が、商標権者のホームページと主張するものであり、特に、乙第4号証の1、乙第4号証の3及び乙第4号証の4については、以下のとおりである。
(ア)乙第4号証の1
1葉目の上部に、別掲のとおりの、「The DuNE」(「u」の文字は左右の欧文字と上下をそろえて表示されている。以下、同じ。)の欧文字を横書きにしてなる商標の記載、下部に、当該商標の文字サイズを拡大し人物写真に重なるように配した構成の商標の記載があり、3葉目から4葉目にかけて、複数の商品の写真が、それぞれの名称及び価格の記載を添えて提示されており、このうち、3葉目の右上の商品の写真に添えて記載されている商品の名称は、「Lace bustire bodysuit/navy」である。
また、1葉目ないし4葉目に共通して、左下に、末尾が「official.ec」のURLの記載がある。
(イ)乙第4号証の3
左上に、「■2023年3月4日」の記載、中ほどに、「【The DUNE・・・POP UPのお知らせ】)の記載、その下に、「The DUNEでは2023年3月15日(水)~21(火・祝)に、初のポップアップストアを・・・開催いたします。」の記載、その下に、「盛夏に向けた新作のビッグTや人気のレースアイテムなど、ボディスーツとコーディネートできるアイテムを揃えています。」の記載があり、左下に、末尾に「/p/00001」が付加されている点を除いて上記(ア)と一致するURLの記載がある。
(ウ)乙第4号証の4
1葉目の左上に、「特定商取引法に基づく表記」の記載、その下に、「会社名」に対応して、商標権者の社名の記載、その下に、「事業者の名称」に対応して、S氏の氏名の記載、左下に、末尾に「/law」が付加されている点を除いて上記(ア)と一致するURLの記載がある。
(2)上記(1)ア及びイによれば、次の事実を認めることができる。
ア S氏は、2017年に商標権者の会社を設立した人物である(乙1の1)。
イ 設定されたURLが「official.ec」までの部分において一致する、以下(ア)ないし(ウ)の各ウェブページが公開されていた(乙4の1、乙4の3、乙4の4)。
(ア)別掲の商標、及び当該商標の文字サイズを拡大し人物写真に重なるように配した構成の商標が記載され、「Lace bustire bodysuit/navy」との名称のものを含む、種々の商品についての情報が掲載されたウェブページ
(イ)「■2023年3月4日」の記載があり、「The DUNEでは」2023年3月15日から同月21日まで、「盛夏に向けた新作のビッグTや人気のレースアイテムなど、ボディスーツとコーディネートできるアイテムを揃えて」いる「ポップアップストア」を開催するとの情報が掲載されたウェブページ
(ウ)「特定商取引法に基づく表記」についての記載中に、商標権者の社名の記載及び「事業者」がS氏であることを示す記載があるウェブページ
ウ 上記イの各ウェブページのURLが部分的に一致していることは、それらが同じウェブサイト上に存在していることを示すものといえる。
また、商標権者の社名及び同社を設立したS氏の氏名が、上記イ(ウ)のウェブページに記載されていることは、上記ウェブサイトの開設者が商標権者であることを示すものといえる。
エ 上記イ(イ)のウェブページにおける「■2023年3月4日」の記載は、「ポップアップストア」の開催期間との関係から、当該ウェブページの公開が開始された日付を示すものと解される。
また、上記イ(ア)のウェブページの内容は、「Lace bustire bodysuit/navy」との名称のものを含む、各商品に関する広告といえるところ、上記イ(イ)のウェブページの記載中の「ボディスーツ」は、当該商品の名称中の「bodysuit」の日本語表記と解されることから、当該商品と同一の商品であるか、又は少なくとも同種の商品であることは明らかであり、また、このことから、上記イ(イ)のウェブページの記載が、上記イ(ア)のウェブページに係る上記広告を受けたものであることも明らかである。
そうすると、上記イ(ア)のウェブページは、少なくとも2023年3月4日に、商品「ボディスーツ」に関する広告を含む状態で公開されていたものと推認できる。
オ 上記ウ及びエによれば、商標権者は、自身のウェブサイトにおいて、いずれも「The DuNE」の欧文字からなる別掲の商標(以下「使用商標1」という。)、及び当該商標の文字サイズを拡大し人物写真に重なるように配した構成の商標(以下「使用商標2」という。)が記載された、商品「ボディスーツ」(以下「使用商品」という。)に関する広告を含むウェブページを、2023年3月4日に公開したことが認められる。
上記1(2)オの行為について、次のとおり判断できる。
(1)使用商標について
使用商標1は、本件商標を構成する各欧文字の書体及び文字色を変更し、さらに、「THE」の「HE」及び「DUNE」の「U」を小文字に変更したものであり、これらの変更は、本件商標との社会通念上の同一性を認め得る範囲内のものである。すなわち、使用商標1は本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
また、使用商標2についても、その構成中の人物写真は、別掲の商標の文字サイズを拡大した文字部分に対する背景にすぎず、自他商品の識別標識としての機能は、当該文字部分にあるとみるのが相当であり、当該文字部分について使用商標1と同様にいえることから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
使用商品は、「ボディスーツ」であり、請求に係る指定商品中の「被服」の範ちゅうに属する商品と認められる。
(3)使用者、使用時期及び使用行為について
使用商標1及び使用商標2が記載され、使用商品に関する広告を含むウェブページが、商標権者のウェブサイトにおいて2023年(令和5年)3月4日に公開されているから、使用商標1及び使用商標2の使用者は、商標権者であり、これらを付した広告をインターネット上で公開する行為が、要証期間に行われたものである。
そして、当該行為は、日本国内において行われたことが明らかであって、商標法第2条第3項第8号にいう、商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によれば、商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定商品中の「被服」の範ちゅうに属する商品に関する広告を内容とする情報に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する行為を行ったことが認められる。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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