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Trademark Appeal Case

不使用取消と会社名使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025300341
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6394175号商標(以下「本件商標」という。)は、「ラパン」の文字を標準文字で表してなり、令和2年5月26日に登録出願、第36類及び第41類に属する商標登録原簿記載の役務を指定役務として、令和3年4月14日に登録査定、同年5月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

なお、本件審判の請求の登録は、令和7年4月30日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の令和4年(2022年)4月30日から令和7年(2025年)4月29日までを以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により登録第6394175号商標の指定役務中、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

1 請求の理由

本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないことから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

請求人は、被請求人の審判事件答弁書に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、審判事件答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。

1 被請求人は、被請求人の法人登記簿写しに示すとおり、昭和59年5月31日に設立されており、目的に「8.不動産の取得、処分及び賃貸借」及び「9.不動産の売買、仲介、管理及び利用並びに鑑定評価業」等が掲載されている(乙第1号証)。継続してこの目的の業務を行っているのは宅地建物取引業者免許証(有効期間令和4年2月22日~令和9年2月21日まで)にて明らかである(乙第2号証)。6回更新していることから不動産業を生業として歴史ある会社といえる。また、被請求人は、不動産流通事業等をおこなっている一般社団法人全国住宅産業協会の企業会員となっている(乙第3号証)。

2 被請求人が要証期間間に、建物賃貸借契約を締結していることを明らかにする。

(1)高田馬場物件については次のとおりである。

ア 定期建物貸貸借契約事前説明書 2024年5月30日付(乙第4号証)

住居表示 東京都新宿区高田馬場四丁目32番7号

契約期間 2024年6月1日から2029年5月31日

貸主(所有者) 株式会社ラパン

借主 NaTon株式会社

イ 定期建物賃貸借契約書 抜粋(乙第5号証)

物件名 高田馬場4丁目邸宅

登記所在地 新宿区高田馬場四丁目696番地8

家屋番号 696番8の1

住居表示 東京都新宿区高田馬場四丁目32番7号

契約期間 始期 2024年6月1日 終期 2029年5月31日

借主 NaTon株式会社(ナトンカブシキガイシャ)

貸主 株式会社ラパン

ウ 転貸に関する覚書 物件名 高田馬場四丁目邸宅(乙第6号証)

株式会社ラパン(貸主)

NaTon株式会社(借主)

有限会社Come On UP(転借人)

(2)神楽坂物件 (神楽坂ラパンビル)については次のとおりである。

ア 定期建物賃貸借契約書(乙第7号証)

物件名 神楽坂ラパンビル

契約締結日 2023年12月26日

賃貸人(貸主) 株式会社ラパン

賃借人(借主) 際コーポレーション株式会社

賃貸借の目的物

土地

所在 東京都新宿区神楽坂五丁目

地番 27番2 宅地

建物

所在 東京都新宿区神楽坂五丁目27番2号

賃貸借部分 一棟 別紙「図面」の赤枠で囲った部分

賃貸借面積 149.59平方メートル(45.25坪)

使用目的 飲食店

店名 マルゲリータパリアッチョ

契約期間 開始日2024年1月1日満了日2028年12月31 日まで

引渡日 2024年1月1日

賃料 敷金

イ 入出金明細表(乙第8号証)

ウ マルゲリータパリアッチョ神楽坂のホームページ抜粋(乙第9号証)

3 乙第4号証乃至乙第8号証の資料にて、賃貸人(貸主)として被請求人である株式会社ラパンが表示されているのは、商標法第2条第3項第8号でいう取引書類に商標を表示したといえる。

4 提出する証拠では、登録商標「ラパン」とは違って「株式会社ラパン」と表示しているが、審決例(乙第10号証)に照らせば、同一性を有するものと判断されて然るべきである。

5 以上述べたように、本件商標は、被請求人が指定役務中の「建物の貸与」について審判請求前3年以内に本件商標を使用しているものである。

第4 当審の判断

1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)被請求人について

被請求人は、「不動産の取得、処分及び賃貸借」及び「不動産の売買、仲介、管理及び利用並びに鑑定評価業」等を目的として、昭和59年5月31日に設立された法人である(乙第1号証)。

また、被請求人は、宅地建物取引業者免許証 (有効期間令和4年2月22日~令和9年2月21日まで)を有していること(乙第2号証)、一般社団法人全国住宅産業協会の企業会員となっていること(乙第3号証)がうかがえる。

(2)被請求人が締結した建物賃貸借契約について

ア 被請求人は、物件名「高田馬場4丁目邸宅」について、貸主として、2024年5月30日に定期建物賃貸借契約事前説明書に基づいて、借主であるN株式会社(以下「N」という。)に事前説明を行い(乙第4号証)、同年6月1日にNと定期建物賃貸借契約書に基づき定期建物賃貸借契約を締結するとともに(乙第5号証)、借主であるN及び転借人である有限会社Cと転貸に関する覚書を交わした(乙第6号証)。

イ 被請求人は、物件名「神楽坂ラパンビル」について、貸主として、2023年12月26日に、地上2階建建物の定期建物賃貸借契約書に基づいて、借主であるKコーポレーション株式会社(以下「K」という。)と定期建物賃貸借契約を締結した。当該契約書の表紙には、中央に「定期建物賃貸借契約書」の記載があり、その下に「物件名 神楽坂ラパンビル」、「契約締結日 2023年12月26日」の記載があり、その右下に「株式会社ラパン」(以下「本件使用商標」という。)との記載がある(乙第7号証)。当該物件において、イタリアンレストラン「マルゲリータパリアッチョ神楽坂」が運営されていることがうかがえる(乙第9号証)。

2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断するのが相当である。

(1)使用役務及び使用時期について

上記1(2)アのとおり、被請求人は、高田馬場4丁目邸宅について、2024年6月1日に、借主のNと定期建物賃貸借契約を締結し(以下「本件使用役務1」という。)、また、上記1(2)イのとおり、神楽坂ラパンビルについて、2023年12月26日に、借主のKと定期建物賃貸借契約を締結した(以下「本件使用役務2」という。)ところ、本件使用役務1及び2からは、被請求人が業として建物を賃借しているものと推認できる。そうすると、本件使用役務1及び2は、請求に係る指定役務中、「建物の貸与」の範ちゅうに属する役務である。

また、上述のとおり本件使用役務1は2024年6月1日に、本件使用役務2は2023年12月26日に行われたところ、これらは要証期間内である。

(2)使用商標について

上記1(2)イのとおり、定期建物賃貸借契約書の表紙右下に本件使用商標の記載があるところ、当該契約書の表紙右下に表示された本件使用商標は、その付された位置からすれば、株式会社ラパンが建物の貸与の役務の提供者であることを表すものであって、自他役務の出所識別標識として機能しているものといえる。

そして、本件使用商標である「株式会社ラパン」の表示は、その構成全体をもって会社名を表したものと理解されるところ、その構成中の「株式会社」の文字部分は会社の種類を表す文字であり、それ自体では自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得ないものであって、出所識別標識たり得るのは「ラパン」の文字部分であるから、本件使用商標は本件商標と社会通念上同一ということができる。

(3)使用者

上記1(2)のとおり、高田馬場4丁目邸宅及び神楽坂ラパンビルを賃借人として賃貸しているのは商標権者と認められるから、本件商標の使用者は、商標権者である。

(4)小括

以上によれば、商標権者である被請求人が、要証期間内に、本件使用商標を上記1(2)イの契約書の表紙右下に表示した行為は、「建物の貸与」の役務に関する取引書類に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して頒布したものと認めることができる。

3 むすび

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定役務に含まれる「建物の貸与」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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