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Trademark Appeal Case

周知商標と同一商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900179
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6941387号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6941387号商標(以下「本件商標」という。)は、「PACOXI」の文字を標準文字で表してなり、令和6年12月25日に登録出願、第9類「ケーブルアダプター,コンピュータネットワークアダプター,プラグアダプター,電源アダプター,USBアダプター,携帯電話機用オス-メス変換構造からなるアダプター(ケーブルアダプター),電気アダプター,電気通信機械器具用アダプター,電子応用機械器具用アダプター,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気コンバーター,電気アダプター用ケーブル,データ送信用ケーブル,データ同期用ケーブル,コンピュータ用ケーブル,接続ケーブル,通信ケーブル,電気ケーブル,USBケーブル,ケーブル,電線及びケーブル,充電器,蓄電池,太陽電池,電池,コンピュータ周辺機器,データの入力用・出力用・送信用及び保存用のコンピュータ周辺機器,測定機械器具,電気通信機械器具,スマートフォンの画面用保護フィルム,スマートフォン又はカメラ用自撮り棒,スマートフォン用のケース,スマートフォン用のカバー,スマートフォン用充電器,スマートフォン並びにその部品及び附属品,携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品,眼鏡」を指定商品として、同7年6月17日に登録査定、同月24日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する商標(以下「引用商標」という。)は、「PACOXI」の欧文字からなり、同人が「キャプチャーボード」などについて使用(以下「使用商品」という。)し、我が国の需要者の間に広く認識されているとするものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。

なお、証拠を表示する場合は、以下、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する。

1 申立人及び引用商標について

引用商標は、申立人が創作した造語であり、使用商品について、長年にわたり使用してきたものである。

申立人は、2024年6月10日より、ECプラットフォーム「Amazon」において、引用商標を使用した商品(キャプチャーボード)の販売を開始し(甲2)、累計で12000件以上の商品を販売し、8900万円以上の売上を得た(甲10)。

そして、「PACOXI」は、日本における複数のおすすめ商品紹介サイトで紹介されていることから(甲7ないし甲9)、少なくとも本件商標の出願日である令和6年12月25日より前から、使用商品に対して、日本全国において周知の商標である。

また、申立人と本件商標の権利者との間に全く関係性はない。

2 商標法第4条第1項第10号について

本件商標は「PACOXI」の文字を標準文字で表してなり、上記1のとおり、「PACOXI」の欧文字からなる申立人の周知な引用商標と同一の商標である。

また、本件商標の指定商品中、「ケーブルアダプター,コンピュータネットワークアダプター,プラグアダプター,USBアダプター,電気通信機械器具用アダプター,電子応用機械器具用アダプター,コンピュータ周辺機器,データの入力用・出力用・送信用及び保存用のコンピュータ周辺機器」は、申立人の使用商品と同一又は類似の商品である。

そうすると、本件商標は、申立人の使用する全国的に周知な引用商標と、同一又は類似の商標について、使用商品と同一または類似の商品を指定商品とするものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。

3 商標法第4条第1項第15号について

上記1のとおり、申立人の引用商標は、我が国の需要者に広く認識されているものである。

引用商標と同一である本件商標を、申立人が販売する「ケーブルアダプター,コンピュータネットワークアダプター,プラグアダプター,USBアダプター,電気通信機械器具用アダプター,電子応用機械器具用アダプター,コンピュータ周辺機器,データの入力用・出力用・送信用及び保存用のコンピュータ周辺機器」と非類似の商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品であるかのごとく出所の混同を生じるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

4 商標法第4条第1項第19号について

上記1のとおり、申立人の引用商標は、我が国の需要者に広く認識されているものである。

そして、本件商標は、引用商標と同一である。本件商標の権利者は、引用商標が、我が国において周知となっているにもかかわらず、先取り的に出願したもの、または、外国の権利者の国内参入を阻止し、代理店契約締結を強制する不正の目的で本件商標の登録出願をし、登録を得たものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

5 商標法第4条第1項第7号について

上記4のとおり、本件商標の登録出願は、他人周知商標を冒認出願し、独占しようとする行為であり、当該商標が登録された場合に、不当にライセンス料や損害賠償を請求しようとする意図が読み取れ、公の秩序及び善良の風俗を害する行為に該当するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知性について

(1)申立人の主張及び同人が提出した証拠(甲2、甲3及び甲5)によると、申立人により、2024年6月10日に、引用商標の使用商品(キャプチャーボード)について、通販サイト「Amazon」で取扱いが開始されたことがうかがえるものの、使用商品の販売数量、売上高など販売実績が確認できる証拠は見いだせない。

なお、申立人が販売の事実及び販売実績を示すものとして提出した証拠(甲10)は、販売者名の記載欄と思しき部分の記載が不十分であり、仮に、これが申立人の販売に係るものだとしても、当該証拠が「PACOXI」商品についての販売数や売上高であるかについては記載がなく、これによって使用商品の販売実績を認めることは困難である。

(2)また、申立人は、使用商品について、「PACOXI」の商標を長年にわたって使用及び宣伝広告を行ってきたとして、「「Google」での検索結果を示すページの写し」(甲6)、商品紹介サイト「マイベスト」の「PACOXI」商品の紹介ページの写し(甲7)、商品紹介サイト「NOTE」の「PACOXI」商品の紹介ページの写し(甲8)、商品紹介サイト「SHOPSTAFF」の「PACOXI」商品の紹介ページの写し(甲9)を示している。

しかしながら、「「Google」での検索結果を示すページの写し」(甲6)には、「PACOXI」の文字が散見されるものの、申立人の名称の記載を確認できず、その内容の詳細を確認することができない。

また、商品紹介サイト「マイベスト」(甲7)、「NOTE」(甲8)及び「SHOPSTAFF」(甲9)に記載されている「PACOXI」商品について、申立人がAmazonで「PACOXI」の文字を付して販売する「キャプチャーボード」のことを指しているとしても、当該商品について、例えば、業界におけるシェア等も不明であり、その他同種の商品との比較などもされていないから、その周知性を推し量ることはできない。

また、提出された証拠からは、申立人による広告費用等も確認できない。

(3)上記(1)のとおり、申立人が、引用商標の使用商品について、通販サイト「Amazon」で販売を行っている事実はうかがえるものの、使用商品の販売実績が確認できず、また、申立人の提出に係る証拠によっては、申立人の引用商標に係る申立人商品の市場シェア、継続的な売上高、広告宣伝の回数や費用等、その周知性を客観的に把握することができないから、引用商標が、どの程度の需要者に知られているかを評価することができない。

したがって、提出された証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

2 商標法第4条第1項第10号該当性について

本件商標は、上記第1のとおり、「PACOXI」の文字を標準文字で表してなるものであり、引用商標は上記第2のとおり「PACOXI」の欧文字からなるものであるから、両者は、同一又は類似するものである。

しかしながら、上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。

そうすると、本件商標は、本件商標の指定商品と使用商品が同一又は類似するとしても、商標法第4条第1項第10号に該当するものといえない。

3 商標法第4条第1項第15号該当性について

上記2のとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似するものであるが、上記1のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、引用商標の独創性の程度、本件商標の指定商品と使用商品との関連性の程度、需要者の共通性などを考慮しても、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして申立人の引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。

4 商標法第4条第1項第19号及び同項第7号該当性について

上記2のとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似するものであるが、上記1のとおり、引用商標は、申立人又は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知著名性を獲得していたと認められないものであり、上記3のとおり、本件商標は、引用商標を連想又は想起させるものではないから、本件商標は、引用商標の名声に便乗して不正な利益を得るなど不正の目的をもって使用をするものということはできない。

また、本件商標が、国際信義に反する又はその出願及び登録の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事情は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同項第7号のいずれにも該当するものといえない。

5 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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