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Trademark Appeal Case

特許補正の新規事項性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024014430
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成30年9月28日に出願された特願2018-186073号の一部を新たな特許出願として令和4年12月5日に出願したものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和4年12月 5日 :上申書

令和6年 1月 4日付け:特許法第50条の2の通知を伴う拒絶理由通知書

3月 8日 :意見書、手続補正書の提出

6月 3日付け:令和6年3月8日の手続補正の却下の決定

6月 3日付け:拒絶査定(謄本送達同月7日。以下「原査定」という。)

9月 9日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 補正の却下の決定

〔補正の却下の決定の結論〕

令和6年9月9日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

〔理由〕

1 本件補正の内容

本件補正は、特許請求の範囲の請求項1に対する以下の補正を含むものである。

(1)本件補正前の請求項1

「【請求項1】

基材と、ヒートシール層とを備え、

前記基材および前記ヒートシール層がポリエチレンから構成され、

前記基材が、ポリエチレンから構成される二軸延伸樹脂フィルムであることを特徴とする、積層体。」

(2)本件補正後の請求項1

「【請求項1】

基材と、ヒートシール層とを備え、

前記基材および前記ヒートシール層がポリエチレンから構成され、

前記基材が、ポリエチレンから構成される二軸延伸樹脂フィルムであ

り、

前記基材は、多層構成であり、

前記基材には、印刷が施されており、

前記基材における印刷が施される層が、密度が0.925g/cm

3

以上0.945g/cm

3

未満である中密度ポリエチレン(ただし、密度が926~950kg/m

3

の2峰性エチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマーを除く)から構成される層及び/又は密度が0.945g/cm

3

以上である高密度ポリエチレンから構成される層であって、密度が0.900g/cm

3

以上0.925g/cm

3

未満である直鎖状低密度ポリエチレンから構成される層を含まないことを特徴とする

、積層体。」(下線部は補正箇所を示す。)

2 新規事項の追加について

上記1(2)のとおり、本件補正によって、「基材は、多層構成であ」ること、及び「前記基材には、印刷が施されており、」当該印刷が施される層のポリエチレンが所与のものであることについて特定された。そこで、この補正を含む本件補正が本願の願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下、「当初明細書等」という。)の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項を超え、新たな技術的事項を導入するものであるか、以下に検討する。

(1)当初明細書等の記載

当初明細書等には、以下の記載がある。ただし、「・・・」は記載の省略である。

・「【請求項1】

基材と、ヒートシール層とを備え、

前記基材および前記ヒートシール層がポリエチレンから構成され、

前記基材が、ポリエチレンから構成される二軸延伸樹脂フィルムであることを特徴とする、積層体。

・・・

【請求項3】

前記基材が、中密度ポリエチレン層を備える、請求項1または2に記載の積層体。

【請求項4】

前記基材が、高密度ポリエチレン層/中密度ポリエチレン層/高密度ポリエチレン層からなる構成を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。」

・「【発明が解決しようとする課題】

【0006】

本発明者らは、従来ヒートシール層として使用していたポリエチレンを、延伸樹脂フィルムにすることで基材として使用することができ、当該基材をポリエチレンから構成されるヒートシール層と積層して使用することで、十分な強度や耐熱性を有し、かつリサイクル可能な包装材料などを作製とすることができるとの知見を得た。」

・「【0027】

<基材>

本発明の積層体が備える基材は、ポリエチレンにより構成されており、また下記するヒートシール層も同様にポリエチレンにより構成される。このような構成とすることにより、積層体のリサイクル性を向上することができる。

【0028】

基材は、ポリエチレンにより構成される延伸樹脂フィルムを使用し、これにより積層体の耐熱性および強度を向上することができる。また、基材への印刷適性を向上することができる。

延伸樹脂フィルムとしては、一軸延伸樹脂フィルムであっても、二軸延伸樹脂フィルムであってもよい。

・・・

【0032】

基材は、その表面に画像が形成されていてもよい。

・・・

画像の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などの従来公知の印刷法を挙げることができる。これらの中でも、環境負荷の観点から、フレキソ印刷法が好ましい。」

・「【0034】

一実施形態において、基材として、高密度ポリエチレンから構成される層(以下、高密度ポリエチレン層という)および中密度ポリエチレンから構成される層(以下、中密度ポリエチレン層という)を備える構成のものを使用することができる。

基材の外側に高密度ポリエチレン層を備えることにより、本発明の積層体の強度および耐熱性をより向上することができる。また、中密度ポリエチレン層を備えることにより、基材を構成する樹脂フィルムの延伸適性をより向上することができる。

【0035】

例えば、外側から、高密度ポリエチレン層と中密度ポリエチレン層との共押フィルムの構成を有する。

このような構成とすることにより、フィルムの延伸適性を向上することができる。また、本発明の積層体の強度および耐熱性を向上することができる。

・・・

【0036】

また、例えば、外側から、高密度ポリエチレン層と中密度ポリエチレン層と高密度ポリエチレン層との三層共押フィルムの構成とすることもできる。

このような構成とすることにより、樹脂フィルムの延伸適性をより向上することができる。また、本発明の積層体の強度および耐熱性をより向上することができる。さらに、基材におけるカールの発生を防止することができる。

・・・

【0037】

また、例えば、外側から、高密度ポリエチレン層と中密度ポリエチレン層と低密度ポリエチレン層、直鎖状低密度ポリエチレン層または超低密度ポリエチレン層(該段落においては、記載簡略化のため、まとめて低密度ポリエチレン層と記載する。)と中密度ポリエチレン層と高密度ポリエチレン層の五層共押フィルムの構成とすることもできる。

このような構成とすることにより、フィルムの延伸適性を向上することができる。また、本発明の積層体の強度および耐熱性を向上することができる。また、基材におけるカールの発生を防止することができる。」

・「【0138】

<実施例1-1>

中密度ポリエチレン(密度:0.941g/cm

3

、融点129°C、MFR:1.3g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5538G)をインフレーション成形法により製膜し、厚さ100μmのポリエチレンフィルムを得た。・・・。

【0139】

基材Aの一方の面に、水性フレキソインキ(東洋インキ(株)製、商品名:アクワリオナ)を用いて、フレキソ印刷法により、画像を形成した。

・・・

【0141】

<実施例1-2>

高密度ポリエチレン(密度:0.961g/cm

3

、融点135°C、MFR:0.7g/10分、ExxonMobil社製、商品名:HTA108)および上記中密度ポリエチレンを、インフレーション成形法により製膜し、高密度ポリエチレン層/中密度ポリエチレン層/高密度ポリエチレン層からなるポリエチレンフィルムを作製した。・・・。

【0142】

基材Bの一方の面に、上記水性フレキソインキを用いて、フレキソ印刷法により、画像を形成した。」

(2)基材を多層構成とする点について

上記(1)のとおり、当初明細書等において、基材を多層構成とする点については、以下の例示がなされているところ、これ以外の層構造を採用することが可能であることは示されていない。

・高密度ポリエチレン層および中密度ポリエチレン層で構成すること。(【0034】、【0035】)

・外側から、高密度ポリエチレン層と中密度ポリエチレン層と高密度ポリエチレン層の三層で構成すること。(【請求項4】、【0036】)

・外側から、高密度ポリエチレン層、中密度ポリエチレン層、低密度ポリエチレン層、直鎖状低密度ポリエチレン層または超低密度ポリエチレン層、中密度ポリエチレン層、高密度ポリエチレン層の五層で構成すること。(【0037】)

また、実施例において、基材を多層構成としたものは、高密度ポリエチレン層/中密度ポリエチレン層/高密度ポリエチレン層のもの(【0141】等)のみが示されている。

その上で、本件発明においては、ポリエチレンを延伸樹脂フィルムとすることで基材として使用することができるようになったという知見を発明の前提としているものと理解される(【0006】)ところ、上記各例示ないし実施例は、いずれも延伸適性を良好にすることを含め意図したものであり、これと整合する。そうすると、逆に延伸適性が良好とはいえない高密度ポリエチレン層のみを複数設けた多層構成や、超高分子量ポリエチレン層を積層したものなどは、延伸が可能であるとしても、当初明細書等においては想定していないものと解釈される。

その他、当初明細書等の記載からみて、これらの例示されている層構成をはなれ、制限なく任意の多層構成を採用することが可能であると理解すべき事情もない。

してみれば、本件補正は、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項を超え、新たな技術的事項を導入するものである。

(3)印刷層が施される層について

上記1(2)のとおり、「前記基材には、印刷が施されており、前記基材における印刷が施される層が、密度が0.925g/cm

3

以上0.945g/cm

3

未満である中密度ポリエチレン(ただし、密度が926~950kg/m

3

の2峰性エチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマーを除く)から構成される層及び/又は密度が0.945g/cm

3

以上である高密度ポリエチレンから構成される層であって、密度が0.900g/cm

3

以上0.925g/cm

3

未満である直鎖状低密度ポリエチレンから構成される層を含まないこと」が特定された。ここで、「及び/又は」と記載されている点について、「及び」である場合、当該印刷層は、所与の中密度ポリエチレンから構成される層、及び所与の高密度ポリエチレン層から構成される層の両方に設けられているものと文理上解釈される。また、当該記載は、あえて「及び/又は」と記載されていることから、このように解釈するほかない。

しかるに、当初明細書等には、基材の表面に印刷層を設けても良いこと(【0032】)が記載されると共に、基材の一方の面に印刷層を設けた実施例(【0139】、【0142】等)が記載されているものの、印刷層を中密度ポリエチレンから構成される層、及び高密度ポリエチレンから構成される層の両方に設けることは、記載も示唆もされていない。

加えて、基材に印刷層を設けるに際し、複数の層に設けることは、技術的に見てそもそも通常においては想定し得ない。

してみれば、本件補正は、この点からみても、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項を超え、新たな技術的事項を導入するものである。

3 審判請求人の主張について

審判請求人は、審判請求書において、概略以下のような主張をする。

・(主張1)当初明細書等の【0034】~【0037】の記載事項に基づいて、基材が多層構成であることを規定したこと。

・(主張2)同【0032】、【0139】等の記載事項に基づいて、基材に印刷が施されていることを規定すると共に、同【0033】及び【0034】の記載事項に基づいて、基材における印刷が施される層が、中密度ポリエチレンからなる層及び/又は高密度ポリエチレンから構成される層であることを規定したこと。

しかし、主張1について、当該段落には基材が多層構成であることは記載されているものの、制限なく任意の多層構成を採用することが可能であると理解することはできないことは、上記2(2)のとおりである。

また、主張2についても、上記2(3)のとおりであり、当該補正によって中密度ポリエチレンから構成される層、及び高密度ポリエチレンから構成される層の両方に設けることを特定したものと理解せざるを得ないところ、当該事項は、当初明細書に記載されたものではない。

4 補正の却下の決定のまとめ

以上のとおり、本件補正は、新規事項を追加するものであって、特許法第17条の2第3項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明

令和6年9月9日の手続補正は前記のとおり却下されたので、本願の請求項1~10に係る発明は、願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1~10に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の1(1)に記載したとおりである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定における本願発明に対する拒絶の理由は、概略、以下の内容を含むものである。

・理由1 (新規性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記引用例2に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

・理由2 (進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記引用例2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用例>

2.特表2018-520908号公報

3 引用例2について

(1)引用例2の記載

引用例2には、次の記載がある。

・「【発明の概要】

【0004】

本発明は、二軸配向ポリエチレンフィルム及び1つ以上の所望の特性を有利に提供するシーラントフィルムを備える多層構造を提供する。・・・。」

・「【0050】

シーラントフィルムがポリオレフィンプラストマーを含む場合、ポリオレフィンプラストマーは、ポリエチレンプラストマーまたはポリプロピレンプラストマーであり得る。・・・。」

・「【0087】

実施例1

シーラントフィルム

4つの3層シーラントフィルムを、従来のポリエチレンインフレーションフィルムプロセスにより製造した。

表1は、シーラントフィルムの構造を提供する。

【0088】

【表1】

37

85

0001436707000001.jpg

【0089】

層1、層2、及び層3のそれぞれは、公称12マイクロメートルの層厚を有し、公称36マイクロメートルのシーラントフィルム厚を提供した。

LLDP-1は、製品SECCO LL0220KJとしてShanghai SECCO Petrochemical Companyから市販されている直鎖状低密度ポリエチレン樹脂

であり、2.0g/10分のメルトインデックス(I

2

)及び0.921g/cm

3

の密度を有する。

LDPEは、製品Lotrene FD0274としてQatar Petrochemical Companyから市販されている低密度ポリエチレン樹脂

であり、2.4g/10分のメルトインデックス(I

2

)及び0.923g/cm

3

の密度を有する。LLDP-2は、DOWLEX(商標)2405.11GとしてDow Chemical Companyから市販されている直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であり、1.0g/10分のメルトインデックス(I

2

)及び0.922g/cm

3

の密度を有する。

POPは、AFFINITY(商標)PL 1881GとしてDow Chemical Companyから市販されているポリオレフィンプラストマー樹脂

であり、1.0g/10分のメルトインデックス(I

2

)及び0.904g/cm

3

の密度を有する。」

・「【0096】

二軸配向ポリエチレンフィルム(BOPE)

二軸配向ポリエチレンフィルムも調製した。フィルムに使用したポリエチレン化合物を、以下の通り調製した。第1のポリエチレンを、二重重合反応器系において調製した。表4は、二重反応器ポリエチレン組成物(PE組成物)の反応器条件を提供する。・・・。」

・「【0104】

3層フィルムを、3層すべてにおいて、同じポリエチレン化合物(上記に記載されたPE化合物)を用いて特注幅出し機フレーム二配向ライン上で製造した。

・・・。」

・「【0109】

多層構造

表1のシーラントフィルムのそれぞれが、上記に記載される二軸配向ポリエチレンフィルム(BOPE)に接着剤と共に積層され、表9の多層構造を形成した。

【0110】

【表9】

19

84

0001436707000002.jpg

(2)引用例2に記載された発明

上記(1)の記載からみて、「シーラントフィルム1」を用いた「発明構造1」に着目すると、引用例2には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。

<引用発明>

「二軸配向ポリエチレンフィルム(BOPE)/接着剤層/層1(50%LLDPE-1と50%LDPE)、層2(50%LLDPE-1と50%LDPE)及び層3(33%POPと67%LDPE)の3層構造のシーラントフィルム1からなる積層体。」

(3)技術水準

引用例2に記載の「POP」は、Dow Chemical Companyから市販されている「AFFINITY(商標)PL 1881G」であるところ、当審において引用する下記引用例3の記載からみて、当該「POP」は、エチレンとα-オレフィンのプラストマーであると認められる。

・引用例3:「AFFINITY

TM

PL1881G Polyolefin Plastomer」、[online]、[2026年3月1日検索]、取得先<https://www.dow.com/ja-jp/pdp.affinity-pl-1881g-polyolefin-plastomer.95837z.html#overview>

4 対比・判断

(1)対比

ア 引用発明の「二軸配向ポリエチレンフィルム(BOPE)」は、本願発明の「基材」ないし「前記基材が、ポリエチレンから構成される二軸延伸樹脂フィルムであること」に相当する。また、本願発明の「前記基材および前記ヒートシール層がポリエチレンから構成され、」という事項に対し、「前記基材がポリエチレンから構成され」という事項に限り一致する。

イ 引用発明の「シーラントフィルム1」は、3層構成であるものの、全体としてシーラントフィルムであることに変わりはないから、本願発明の「ヒートシール層」に相当する。

ウ 引用発明の「積層体」は、本願発明の「積層体」に相当する。また、上記ア、イのとおり本願発明と同様、「基材と、ヒートシール層とを備え」たものである。

(2)一致点及び相違点

そうすると、本願発明と引用発明の一致点、相違点、以下のとおりである。

<一致点>

「基材と、ヒートシール層とを備え、

前記基材がポリエチレンから構成され、

前記基材が、ポリエチレンから構成される二軸延伸樹脂フィルムである、

積層体。」

<相違点>

本願発明では、「ヒートシール層がポリエチレンから構成され」ているのに対し、引用発明では、「層1(50%LLDPE-1と50%LDPE)、層2(50%LLDPE-1と50%LDPE)及び層3(33%POPと67%LDPE)」から構成されており、「POP」を含む点。

(3)判断

上記相違点について検討するに、引用発明の「シーラントフィルム1」は、その大部分がポリエチレンである上、上記3(3)に記載の技術常識に照らせば、「POP」は、エチレンとα-オレフィンとのプラストマーである。そうすると、当該「シーラントフィルム1」は、ポリエチレンから構成されているものと評価することができる。

また、仮にそうではないとしても、本願明細書の【0056】において、「ヒートシール層を構成するポリエチレン」について、「エチレンとその他のモノマーとの共重合体を使用することができる。」と記載されており、本願発明の「ポリエチレンから構成され」という事項は、エチレンとその他のモノマーとの共重合体を含むことを一定程度許容していると理解されるものである。

してみれば、当該相違点は実質的なものではない。

また、仮に実質的な相違点であったとしても、上記3(1)のとおり、【0050】に「シーラントフィルムがポリオレフィンプラストマーを含む場合、ポリオレフィンプラストマーは、ポリエチレンプラストマーまたはポリプロピレンプラストマーであり得る。」と記載されていることに鑑みれば、引用発明のポリオレフィンプラストマーとしてポリエチレンプラストマーを採用することは、当業者が容易に想到し得た事項である。

第4 むすび

以上のとおり、本願の請求項1に係る発明である本願発明は、引用例2に記載された発明であり、また、引用例2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号、同第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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