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Trademark Appeal Case

請求項訂正の適否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024700487
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
特許第7389123号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2~15について訂正することを認める。
特許第7389123号の請求項1、3~15に係る特許を取り消す。
特許第7389123号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

特許第7389123号(以下「本件特許」という。)の請求項1~6に係る特許についての出願は、2019年(令和 元年) 8月28日を国際出願日とする出願であって、令和 5年11月20日にその特許権の設定登録がされ、同年11月29日に特許掲載公報が発行された。

その後、令和 6年 5月24日に特許異議申立人 伊丹 壮一郎(以下「異議申立人」という。)により、請求項1~6に係る特許に対する特許異議の申立てがされた。

特許異議の申立て以降の手続の経緯は、以下のとおりである。

令和 6年 9月 5日付け 取消理由通知書

同年11月 8日提出 意見書(特許権者)・訂正請求書

同年12月27日提出 意見書(異議申立人)

令和 7年 8月27日付け 取消理由通知書(決定の予告)

同年10月30日提出 意見書(特許権者)

第2 訂正の適否について

1 訂正の内容

令和 6年11月 8日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の請求は、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2~15について訂正することを求めるものであり、その内容は以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。

(1)訂正事項1

特許請求の範囲の請求項2を削除する。

(2)訂正事項2

特許請求の範囲の請求項3に

「請求項1および請求項2のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、」とあるのを、

人間の冠動脈に挿入される

ガイドワイヤ

(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)

であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

」に訂正する。

(3)訂正事項3

特許請求の範囲の請求項4に

「請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、」とあるのを、

イドワイヤ

(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)

であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップであり、前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

」に訂正する。

(4)訂正事項4

特許請求の範囲の請求項4に

「請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」とあるのを、

イドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

少なくとも前記テーパー部の先端と前記コイル体との間に位置し、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料より形成される被覆部と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の素線径は一定であり、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」に訂正し、新たに請求項7とする。

(5)訂正事項5

特許請求の範囲の請求項4に

「請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」とあるのを、

イドワイヤ

(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)

であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップであり、前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し、

前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」に訂正し、新たに請求項8とする。

(6)訂正事項6

特許請求の範囲の請求項5に

「請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、」とあるのを、

イドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し、

」に訂正する。

(7)訂正事項7

特許請求の範囲の請求項5に

「請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」とあるのを、

イドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コイル体の素線径は一定であり、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記基端部に固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」に訂正し、新たに請求項9とする。

(8)訂正事項8

特許請求の範囲の請求項5に

「請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」とあるのを、

イドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と、前記細径部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記細径部の一部と前記コイル体との間に位置する被覆部であって、前記被覆部の先端は、前記先端チップの基端より基端側に位置する被覆部と、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の素線径は一定であり、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」に訂正し、新たに請求項10とする。

(9)訂正事項9

特許請求の範囲の請求項5に

「請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」とあるのを、

イドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の素線径は一定であり、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記コイル体は、前記コイル体の先端及び前記コイル体の基端部においてのみ固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」に訂正し、新たに請求項11とする。

(10)訂正事項10

特許請求の範囲の請求項5に

「請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」とあるのを、

イドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成され

前記コイル体を形成する素線は、前記テーパー部を覆う素線の素線径が、前記中間部を覆う素線の素線径より大きい

ガイドワイヤ。」に訂正し、新たに請求項12とする。

(11)訂正事項11

特許請求の範囲の請求項5に

「請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」とあるのを、

イドワイヤ

(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)

であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」に訂正し、新たに請求項13とする。

(12)訂正事項12

特許請求の範囲の請求項5に

「請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」とあるのを、

イドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成され

前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されてい

る、

ガイドワイヤ。」に訂正し、新たに請求項14とする。

(13)訂正事項13

特許請求の範囲の請求項6に

「請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記コアシャフトの先端に接続され、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される線材を、更に備え、」とあるのを、

イドワイヤ

(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)

であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

前記コアシャフトの先端に接続され、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される線材

と、

備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し、

」に訂正する。

(14)訂正事項14

特許請求の範囲の請求項6に

「請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、

前記コアシャフトの先端に接続され、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される線材を、更に備え、

前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する、

ガイドワイヤ。」とあるのを、

イドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

前記コアシャフトの先端に接続され、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される線材

と、

前記コアシャフトの前記線材との接合部と、前記コイル体との間に位置し、且つ前記線材よりも塑性変形しにくく、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される被覆部と、

備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続

し、

前記被覆部の先端は、前記線材の基端より先端側に位置し、前記被覆部の基端は、前記コアシャフトの先端より基端側且つ前記線材の基端より基端側に位置

する、

ガイドワイヤ。」に訂正し、新たに請求項15とする。

2 一群の請求項について

本件訂正は、一群の請求項である訂正前の請求項2~6に対応する訂正後の請求項〔2~15〕について請求されたものであり、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。

なお、訂正後の請求項3~15に係る訂正について、特許権者は、当該訂正が認められる場合に、他の請求項とは別の訂正単位として扱われることを求めている。

3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

(1)訂正事項1について

ア 訂正の目的

訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(2)訂正事項2について

ア 訂正の目的

訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項3の記載において、請求項1を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「ガイドワイヤ」について、「人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」に減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項2の「人間の冠動脈に挿入される」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0038】における「人間の血管において、左冠動脈の主幹部と回旋枝との分岐部等の基端部において、曲率半径が8mm程度の箇所がある。すなわち、曲率半径が8mm程度の箇所においてガイドワイヤを使用する可能性がある。」との記載に基づくものであるから、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

また、訂正事項2の「(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」との事項は、特定のガイドワイヤを除くものであるから、本件明細書等に記載した事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

したがって、訂正事項2は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項2は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(3)訂正事項3ついて

ア 訂正の目的

訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項4の記載において、請求項1を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「ガイドワイヤ」について、「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」に、「コアシャフト」について、「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」「を有」することに、「先端チップ」について、「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」ことに、それぞれ減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項3の「(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」との事項は、特定のガイドワイヤを除くものであるから、本件明細書等に記載した事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

また、訂正事項3の「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0020】における「コアシャフト10は、先端側から基端側に向かって順に、細径部11、テーパー部12、中間部15、基端部16を有している。」との記載に基づくものであり、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」との事項は、同段落【0054】の「コアシャフト10Dの細径部11Dは先端チップ51まで延びている。そして、先端チップ51は、コアシャフト10Dの先端と、コイル体20の先端と、を一体的に保持している。」との記載に基づくものである。

したがって、訂正事項3は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項3は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(4)訂正事項4について

ア 訂正の目的

訂正事項4は、訂正前の特許請求の範囲の請求項4の記載において、訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「ガイドワイヤ」について、「少なくとも前記テーパー部の先端と前記コイル体との間に位置し、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料より形成される被覆部」「を備え」ることに減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項4の「少なくとも前記テーパー部の先端と前記コイル体との間に位置し、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料より形成される被覆部」「を備え」るとの事項は、願書に添付した明細書の段落【0018】の「ガイドワイヤ1は、例えば血管にカテーテルを挿入する際に用いられる医療器具であり、コアシャフト10と、コイル体20と、線材30と、被覆部40と、先端チップ51と、基端側固定部52と、基端側コアシャフト60と、を備えている。」との記載、同段落【0031】の「被覆部40は、複数本(例えば、8本)の素線41を多条巻きにした多条コイルであり、線材30よりも塑性変形しにくく、コアシャフト10よりも塑性変形しやすい構成とされている。」との記載、及び同段落【0032】の「被覆部40は、線材30よりも塑性変形しにくく、コアシャフト10よりも塑性変形しやすい構成である限りにおいて、任意の態様を採用できる。例えば、被覆部40は多条コイルに限らず、1本の素線を用いて形成された単条コイルであってもよく、チューブ状に形成された樹脂や金属からなる管状部材であってもよく、疎水性を有する樹脂材料、親水性を有する樹脂材料、またはこれらの混合物によってコーティングされていてもよい。」との記載、並びに図1の図示内容に基づくものである。

したがって、訂正事項4は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項4は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(5)訂正事項5について

ア 訂正の目的

訂正事項5は、訂正前の特許請求の範囲の請求項4の記載において、請求項1を引用する訂正前の請求項3を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「ガイドワイヤ」について、「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」に、「コアシャフト」について、「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」「を有」すること及び「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置」することに、「先端チップ」について、「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」ことに、「コイル体」について、「放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置」することに、それぞれ減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項5の「(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」との事項は、特定のガイドワイヤを除くものであるから、本件明細書等に記載した事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

また、訂正事項5の「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」及び「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0020】における「コアシャフト10は、先端側から基端側に向かって順に、細径部11、テーパー部12、中間部15、基端部16を有している。」との記載及び図9の図示内容に基づくものである。

さらに、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」との事項は、同段落【0054】の「コアシャフト10Dの細径部11Dは先端チップ51まで延びている。そして、先端チップ51は、コアシャフト10Dの先端と、コイル体20の先端と、を一体的に保持している。」との記載に基づくものである。

加えて、「前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」との事項は、同段落【0028】の「素線21は、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス合金、NiTi合金等の超弾性合金、ピアノ線、ニッケル-クロム系合金、コバルト合金等の放射線透過性合金、金、白金、タングステン、これらの元素を含む合金(例えば、白金ニッケル合金)等の放射線不透過性合金で形成することができる。・・・本実施形態において、素線21は、線材30を覆う部分が、白金ニッケル(Pt-Ni)合金で、それより基端側の部分が、ステンレス合金により形成されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端側のくせづけを容易にすることができる。図1において、素線21のうち、白金ニッケル(Pt-Ni)合金により形成されている部分にクロスハッチングを付し、ステンレス合金により形成されている部分に斜線ハッチングを付して示している。」及び図1の図示内容に基づくものである。

したがって、訂正事項5は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項5は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(6)訂正事項6について

ア 訂正の目的

訂正事項6は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5の記載において、請求項1を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「コアシャフト」について、「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」「を有」すること及び「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置」することに減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項6の「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」及び「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0020】における「コアシャフト10は、先端側から基端側に向かって順に、細径部11、テーパー部12、中間部15、基端部16を有している。」との記載及び図9の図示内容に基づくものである。

したがって、訂正事項6は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項6は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(7)訂正事項7について

ア 訂正の目的

訂正事項7は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5において、訂正前の請求項2を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「コイル体」について、「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記基端部に固定されて」いることに減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項7の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記基端部に固定されており」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0049】の「コイル体20の基端部は、コアシャフト10の中間部15に固定されておらず、コアシャフト10の基端部16に固定されている。」との記載に基づくものであるので、訂正事項7は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項7は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(8)訂正事項8について

ア 訂正の目的

訂正事項8は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5において、訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「コアシャフト」について、「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」「を有」することに、「コイル体」について、「前記細径部」「を覆う」ことに、及び「ガイドワイヤ」について、「前記細径部の一部と前記コイル体との間に位置する被覆部であって、前記被覆部の先端は、前記先端チップの基端より基端側に位置する被覆部」「を備え」ることに、それぞれ減縮ものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項8の「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0020】における「コアシャフト10は、先端側から基端側に向かって順に、細径部11、テーパー部12、中間部15、基端部16を有している。」との記載及び図9の図示内容に基づくものであり、コイル体が「前記細径部」「を覆う」との事項は、同段落【0027】の「コイル体20の基端部は、基端側固定部52によって、コアシャフト10の中間部15に固定されている。」との記載及び図1の図示内容に基づくものである。

また、訂正事項8の「前記細径部の一部と前記コイル体との間に位置する被覆部であって、前記被覆部の先端は、前記先端チップの基端より基端側に位置する被覆部」「を備え」るとの事項は、願書に添付した明細書の段落【0018】の「ガイドワイヤ1は、例えば血管にカテーテルを挿入する際に用いられる医療器具であり、コアシャフト10と、コイル体20と、線材30と、被覆部40と、先端チップ51と、基端側固定部52と、基端側コアシャフト60と、を備えている。」との記載、同段落【0031】の「被覆部40の基端側は、基端側固定部52と同様の任意の接合剤によってコアシャフト10のテーパー部12に接合されている。」との記載、同段落【0048】の「本実施形態のガイドワイヤ1では、被覆部40が先端チップ51の近傍まで配置される。」との記載、及び図1の図示内容に基づくものである。

したがって、訂正事項8は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項8は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(9)訂正事項9について

ア 訂正の目的

訂正事項9は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5において、訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3を引用する訂正前の請求項4を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「コイル体」について、「前記コイル体は、前記コイル体の先端及び前記コイル体の基端部においてのみ固定されて」いることに減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項9の「前記コイル体は、前記コイル体の先端及び前記コイル体の基端部においてのみ固定されており」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0027】における「コイル体20の基端部は、基端側固定部52によって、コアシャフト10の中間部15に固定されている。」との記載、同段落【0033】の「先端チップ51は、ガイドワイヤ1の先端に配置され、線材30の先端と、コイル体20の先端と、を一体的に保持している。」との記載及び図1の図示内容に基づくものである。

したがって、訂正事項9は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項9は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(10)訂正事項10について

ア 訂正の目的

訂正事項10は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5において、訂正前の請求項1を引用する請求項3を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「コイル体」について、「前記コイル体を形成する素線は、前記テーパー部を覆う素線の素線径が、前記中間部を覆う素線の素線径より大きい」ことに減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項10の「前記コイル体を形成する素線は、前記テーパー部を覆う素線の素線径が、前記中間部を覆う素線の素線径より大きい」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0062】の「コアシャフト10のテーパー部12、細径部11、および線材30を覆う部分のコイル体20の素線径が、中間部15を覆う部分のコイル体20の素線径より大きくしてもよい。」との記載に基づくものであるので、訂正事項10は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項10は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(11)訂正事項11について

ア 訂正の目的

訂正事項11は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5において、訂正前の請求項1を引用する請求項3を引用する訂正前の請求項4を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「ガイドワイヤ」について、「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」に、「コアシャフト」について、「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」「を有」することに、及び「コイル体」について、「前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置」することに、それぞれ減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項11の「(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」との事項は、特定のガイドワイヤを除くものであるから、本件明細書等に記載した事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

また、訂正事項11の「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0020】における「コアシャフト10は、先端側から基端側に向かって順に、細径部11、テーパー部12、中間部15、基端部16を有している。」との記載に基づくものである。

さらに、「前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」との事項は、同段落【0028】の「素線21は、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス合金、NiTi合金等の超弾性合金、ピアノ線、ニッケル-クロム系合金、コバルト合金等の放射線透過性合金、金、白金、タングステン、これらの元素を含む合金(例えば、白金ニッケル合金)等の放射線不透過性合金で形成することができる。・・・本実施形態において、素線21は、線材30を覆う部分が、白金ニッケル(Pt-Ni)合金で、それより基端側の部分が、ステンレス合金により形成されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端側のくせづけを容易にすることができる。図1において、素線21のうち、白金ニッケル(Pt-Ni)合金により形成されている部分にクロスハッチングを付し、ステンレス合金により形成されている部分に斜線ハッチングを付して示している。」及び図1の図示内容に基づくものである。

したがって、訂正事項11は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項11は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(12)訂正事項12について

ア 訂正の目的

訂正事項12は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5において、訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「コイル体」について、「前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置」することに減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項12の「前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0028】の「素線21は、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス合金、NiTi合金等の超弾性合金、ピアノ線、ニッケル-クロム系合金、コバルト合金等の放射線透過性合金、金、白金、タングステン、これらの元素を含む合金(例えば、白金ニッケル合金)等の放射線不透過性合金で形成することができる。・・・本実施形態において、素線21は、線材30を覆う部分が、白金ニッケル(Pt-Ni)合金で、それより基端側の部分が、ステンレス合金により形成されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端側のくせづけを容易にすることができる。図1において、素線21のうち、白金ニッケル(Pt-Ni)合金により形成されている部分にクロスハッチングを付し、ステンレス合金により形成されている部分に斜線ハッチングを付して示している。」及び図1の図示内容に基づくものである。

したがって、訂正事項12は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項12は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(13)訂正事項13について

ア 訂正の目的

訂正事項13は、訂正前の特許請求の範囲の請求項6において、請求項1を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「ガイドワイヤ」について、「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」ものに、「コアシャフト」について、「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」「を有」すること、及び「コイル体」について、「前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置」することに、それぞれ減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項13の「(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」との事項は、特定のガイドワイヤを除くものであるから、本件明細書等に記載した事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

また、訂正事項13の「前記テーパー部の先端側に隣接する細径部」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0020】における「コアシャフト10は、先端側から基端側に向かって順に、細径部11、テーパー部12、中間部15、基端部16を有している。」との記載に基づくものである。

さらに、「前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」との事項は、同段落【0028】の「素線21は、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス合金、NiTi合金等の超弾性合金、ピアノ線、ニッケル-クロム系合金、コバルト合金等の放射線透過性合金、金、白金、タングステン、これらの元素を含む合金(例えば、白金ニッケル合金)等の放射線不透過性合金で形成することができる。・・・本実施形態において、素線21は、線材30を覆う部分が、白金ニッケル(Pt-Ni)合金で、それより基端側の部分が、ステンレス合金により形成されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端側のくせづけを容易にすることができる。図1において、素線21のうち、白金ニッケル(Pt-Ni)合金により形成されている部分にクロスハッチングを付し、ステンレス合金により形成されている部分に斜線ハッチングを付して示している。」及び図1の図示内容に基づくものである。

したがって、訂正事項13は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項13は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

(14)訂正事項14について

ア 訂正の目的

訂正事項14は、訂正前の特許請求の範囲の請求項6において、請求項1を引用する訂正前の請求項3を引用するものを独立形式請求項に訂正するとともに、訂正前の「ガイドワイヤ」について、「前記コアシャフトと前記線材との接合部と、前記コイル体との間に位置し、且つ前記線材よりも塑性変形しにくく、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される被覆部」「を備え」、「前記被覆部の先端は、前記線材の基端より先端側に位置し、前記被覆部の基端は、前記コアシャフトの先端より基端側且つ前記線材の基端より基端側に位置する」ことに減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」及び第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項14の「前記コアシャフトと前記線材との接合部と、前記コイル体との間に位置し、且つ前記線材よりも塑性変形しにくく、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される被覆部」「を備え」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0018】の「ガイドワイヤ1は、例えば血管にカテーテルを挿入する際に用いられる医療器具であり、コアシャフト10と、コイル体20と、線材30と、被覆部40と、先端チップ51と、基端側固定部52と、基端側コアシャフト60と、を備えている。」との記載、同段落【0031】の「被覆部40は、複数本(例えば、8本)の素線41を多条巻きにした多条コイルであり、線材30よりも塑性変形しにくく、コアシャフト10よりも塑性変形しやすい構成とされている。」との記載、及び同段落【0032】の「被覆部40は、線材30よりも塑性変形しにくく、コアシャフト10よりも塑性変形しやすい構成である限りにおいて、任意の態様を採用できる。例えば、被覆部40は多条コイルに限らず、1本の素線を用いて形成された単条コイルであってもよく、チューブ状に形成された樹脂や金属からなる管状部材であってもよく、疎水性を有する樹脂材料、親水性を有する樹脂材料、またはこれらの混合物によってコーティングされていてもよい。」との記載、並びに図1の図示内容に基づくものである。

また、「前記被覆部の先端は、前記線材の基端より先端側に位置し、前記被覆部の基端は、前記コアシャフトの先端より基端側且つ前記線材の基端より基端側に位置する」との事項は、願書に添付した明細書の段落【0048】の「本実施形態のガイドワイヤ1では、被覆部40の先端部は、線材30の基端部より前方であって、線材30の半分以上を被覆している(図1)。」との記載、及び同段落【0031】の「被覆部40の基端側は、基端側固定部52と同様の任意の接合剤によってコアシャフト10のテーパー部12に接合されている。」との記載、並びに図1の図示内容に基づくものである。

したがって、訂正事項14は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

訂正事項14は、上記アのとおりであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。

4 小括

以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2~15について訂正することを認める。

第3 本件特許

上記のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~15に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明15」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】

ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下である、

ガイドワイヤ。

【請求項2】

(削除)

【請求項3】

人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される、

ガイドワイヤ。

【請求項4】

ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップであり、前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。

【請求項5】

ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。

【請求項6】

ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

前記コアシャフトの先端に接続され、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される線材と、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し、

前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する、

ガイドワイヤ。

【請求項7】

ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

少なくとも前記テーパー部の先端と前記コイル体との間に位置し、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料より形成される被覆部と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の素線径は一定であり、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。

【請求項8】

ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップであり、前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し、

前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。

【請求項9】

ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コイル体の素線径は一定であり、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記基端部に固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。

【請求項10】

ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と、前記細径部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記細径部の一部と前記コイル体との間に位置する被覆部であって、前記被覆部の先端は、前記先端チップの基端より基端側に位置する被覆部と、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の素線径は一定であり、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。

【請求項11】

ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の素線径は一定であり、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記コイル体は、前記コイル体の先端及び前記コイル体の基端部においてのみ固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。

【請求項12】

ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成され、

前記コイル体を形成する素線は、前記テーパー部を覆う素線の素線径が、前記中間部を覆う素線の素線径より大きい、

ガイドワイヤ。

【請求項13】

ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)であって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の先端側に隣接する細径部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。

【請求項14】

ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成され、

前記コイル体は、放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。

【請求項15】

ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

前記コアシャフトの先端に接続され、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される線材と、

前記コアシャフトと前記線材との接合部と、前記コイル体との間に位置し、且つ前記線材よりも塑性変形しにくく、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される被覆部と、

を備え、

前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であり、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続し、

前記被覆部の先端は、前記線材の基端より先端側に位置し、前記被覆部の基端は、前記コアシャフトの先端より基端側且つ前記線材の基端より基端側に位置する、

ガイドワイヤ。」

第4 取消理由(決定の予告)の概要

請求項1、3~15に係る特許に対して、当審が令和 7年 8月27日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。

本件発明1は、引用文献1、2又は3に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当するから、本件特許の請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。

本件発明1は、引用文献1、2又は3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明1は、引用文献4に記載された発明及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明3は、引用文献1、2、3又は4に記載された発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明4は、引用文献1、2又は4に記載された発明及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明4は、引用文献3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明5は、引用文献1又は2に記載された発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明5は、引用文献3又は4に記載された発明及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明6は、引用文献1、2又は3に記載された発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明6は、引用文献4に記載された発明及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明7及び10は、引用文献1に記載された発明、引用文献1に記載の事項及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項7及び10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明7及び10は、引用文献2に記載された発明、引用文献2に記載の事項及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項7及び10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明7及び10は、引用文献3又は4に記載された発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項7及び10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明8、9及び12は、引用文献1、2、3又は4に記載された発明及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項8、9及び12に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明11は、引用文献1、2又は4に記載された発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明11は、引用文献3に記載された発明、引用文献3に記載の事項及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明13及び14は、引用文献1、2、3又は4に記載された発明及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項13及び14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明15は、引用文献1に記載された発明、引用文献1に記載の事項及び引用文献2に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項15に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

本件発明15は、引用文献2に記載された発明及び引用文献2に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項15に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

<引用文献一覧>

1.特表2006-519068号公報(異議申立人が提出した甲第1号証)

2.特表2005-528126号公報(同甲第2号証)

3.特開2009-233019号公報(同甲第3号証)

4.特開2007-319537号公報(同甲第4号証)

5.特許第5489983号公報(同甲第6号証)

6.特開平4-292174号公報(同甲第7号証)

7.特開2008-161589号公報(同甲第8号証)

8.特開2005-185376号公報(同甲第9号証)

9.米国特許第6139511号明細書(同甲第10号証)

10.特開2018-79247号公報(同甲第11号証)

11.特開2017-113607号公報(同甲第12号証)

12.特開2005-46603号公報(同甲第14号証)

13.特表2006-511304号公報(同甲第13号証)

14.特表平9-510125号公報(同甲第15号証)

15.特開2008-178656号公報(同甲第16号証)

第5 当審の判断

1 引用文献の記載事項及び引用発明

(1)引用文献1(甲第1号証)について

ア 引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審にて付与した。以下同様。)。

「【0002】

様々な医療器具が体内において使用するために開発されている。

長尺状医療器具は、通常、患者の体内構造内を進行する

こと、および/または、患者の体内構造内において治療を行うことを促進するために使用される。患者の体内構造は著しく蛇行していることがあるため、このような器具においては、多数の性能特性を組み合わせることが望ましい。例えば、器具は、特に基端近傍において、比較的高いレベルの押圧性およびトルク伝達性を有することが望ましい場合がある。また、器具が、特に先端近傍において、比較的高い可撓性を有することが望ましい場合もある。」

「【0011】

図1に基づき説明する。図1は、

ガイドワイヤ基端部分14と、ガイドワイヤ先端部分16とを有するガイドワイヤ10

の部分断面図である。基端部分14は先端24および基端25を備え、先端部分16は基端26および先端27を備える。本実施例においては、

ガイドワイヤ10は、ガイドワイヤ基端部分14およびガイドワイヤ先端部分16を結合する結合部20を備える

。図1の実施例では、管状コネクタ18を備えた結合部12を用いている。別の実施例においては、ガイドワイヤ10は、シャフトまたはコア部を備えることができる。シャフトまたはコア部は、連続的な一つの部材であってもよく、例えば、ガイドワイヤ基端部分14およびガイドワイヤ先端部分16が互いに連続的であり、全体として連続的なシャフトまたはコアを形成していてもよい。別の実施例においては、ガイドワイヤ10は、結合部により結合された複数の部分を有するシャフトまたはコア部を備えていてもよい。本明細書においては、基端部分14および先端部分16は、ガイドワイヤの任意の部分に沿って配置される、2個の近接するガイドワイヤ部分として記載されている場合がある。」

「【0013】

例えば、

ガイドワイヤ基端部分14およびガイドワイヤ先端部分16は、ガイドワイヤに所望される特性に応じ、使用に好適な任意の材料で形成することができる

。好適な材料の例としては、金属、合金、ポリマー等や、これらの組み合わせまたは混合物が含まれる。

好適な金属および合金の例には

、304V,304L,316Lステンレス鋼等のステンレス鋼;線形弾性(linear elastic)または

超弾性

(すなわち擬弾性)

ニチノール等のニッケル-チタン合金

を含む合金;ニッケル-クロム合金;ニッケル-クロム-鉄合金;コバルト合金;タングステンまたはタングステン合金;MP35-N(Ni:約35%、Co:35%、Cr:20%、Mo:9.75%、Fe:1%以下、Ti:1%以下、C:0.25%以下、Mn:0.15%以下、Si:0.15%以下の組成を有する);ハステロイ(登録商標)、モネル(登録商標)400;インコネル(登録商標)625;等やその他好適な材料、またはこれらの組み合わせもしくは合金が含まれる。いくつかの実施例においては、溶接、ハンダ付け、ロウ付け、巻縮、摩擦嵌合、接着等の金属結合技術に好適な金属または合金を使用することが望ましい。」

「【0018】

ガイドワイヤ10全体を同一の材料で形成してもよいが、実施例によっては、異なる材料で形成される複数の部分(例えばガイドワイヤ基端部分14/ガイドワイヤ先端部分16)を含んでいてもよい。実施例によっては、ガイドワイヤ10の異なる部分を形成する材料は、ワイヤの異なる部分に様々な可撓性および剛性を付与するように選択することができる。例えば、いくつかの実施例においては、

ガイドワイヤ基端部分14は、直線状をなす304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成されていてもよい

。あるいは、基端部分14は、ニッケル-チタン合金、ニッケル-クロム合金、ニッケル-クロム-鉄合金、コバルト合金等の金属または合金や、その他の好適な材料で構成することができる。一般的に、基端部分14の形成に用いられる材料には、押圧性およびトルク伝達性を得るために比較的剛性の高い材料を選択することができる。

【0019】

実施例によっては、

ガイドワイヤ先端部分16は、

直線記憶処理された(straightened)

超弾性

(すなわち擬弾性)

合金

又は線形弾性合金(linear elestic alloy)(例えば

ニッケル-チタン

)、あるいは高性能ポリマー等のポリマー材料

といった、比較的可撓性の高い材料で形成されていてもよい

。または、先端部分16は、金属や、ステンレス鋼、ニッケル-クロム合金、ニッケル-クロム-鉄合金、コバルト合金等の合金や、その他の好適な材料を含んでいてもよい。一般的に、先端部分16の形成に用いられる材料には、追従性を得るために比較的可撓性の高い材料を選択することができる。」

「【0028】

図1の実施例においては、

ガイドワイヤ先端部分16は、

3個の

径が一定の領域31,33,35を備え

これらの領域は、2個のテーパ領域37,39により互いに結合されている

。径が一定の領域31,33,35と、テーパ領域37,39は、

ガイドワイヤ先端部分16が、先端に向かって断面積が減少するような形状を有するように配置される

。実施例によっては、これらの径が一定の領域31,33,35およびテーパ領域37,39は、剛性が変化するように、また、所望の可撓性を得られるように構成される。また、実施例によっては、ガイドワイヤ部分16の一部が、例えば所望の可撓性を得るため、または他の構造との結合点とするために、平板化されていてもよい。例えば、径が一定の部分35は、平板化された部分を備えていてもよい。」

「【0032】

いくつかの実施例においては、ガイドワイヤ10の先端部分16は、約3~25インチ(約7.62~63.5cm)の長さとすることができる。

径が一定の領域

31,

33

,35は、それぞれ

の外径を

約0.01~0.015インチ(約0.254~0.381mm)、約0.005~0.012インチ(

約0.127~0.305mm

)、約0.001~約0.005インチ(約0.025~0.127mm)とすることができ、それぞれの長さを約1~10インチ(約2.54~25.4cm)、約1~10インチ(約2.54~25.4cm)、約0.1~2インチ(約2.54mm~約5.08cm)

とする

ことができる。テーパ領域37,39は、それぞれ長さを約0.5~5インチ(約1.27~12.7cm)とすることができ、ほぼ直線状にテーパ状をなしている。また、径が一定の部分43は、外径を約0.005~0.012インチ(約0.127~0.305mm)、長さを約0.02~1.5インチ(約0.508mm~約3.81cm)とすることができる。テーパ部41は、長さを約0.02~1インチ(約0.508mm~約2.54cm)とすることができ、ほぼ直線状にテーパ状をなしていてもよい。」

「【0037】

前述したように、ガイドワイヤ基端部分14およびガイドワイヤ先端部分16を異なる材料(すなわち異なる弾性係数を有する材料)で形成し、可撓性が異なるようにしてもよい。例えば、ガイドワイヤ基端部分14をステンレス鋼ワイヤで、

ガイドワイヤ先端部分16をニッケル-チタン合金ワイヤでそれぞれ形成する

ことができるが、結合部近傍において両ワイヤが同一の径を有する場合には、弾性係数の比が3:1となる。このような弾性係数(すなわち可撓性)の差により、キンクや破断を引き起こす可能性のある曲げおよび/またはねじりがおきたときに、応力集中点が生じる場合がある。いくつかの実施例においては結合部12により剛性が緩やかに移行するため、応力は結合部20の全長に沿って分散され、ガイドワイヤ10が結合部においてキンクを起こす可能性が低くなる。」

「【0055】

例えば、図1に示す実施例においては、ワイヤまたはリボン58を備えている。ワイヤまたは

リボン58は、先端部分16の先端27近傍において結合されており

、先端27を越えて先端側へ延びている。実施例によっては、ワイヤまたはリボン58は、加工されたまたは賦形されたワイヤ構造、例えばコイル状ワイヤであってもよい。しかしながら、図示される実施例においては、リボン58はほぼ直線状をなすリボンであり、先端部分16の先端27と重なり合い、これに結合されている。

【0056】

リボン58は、強度や可撓性等の所望の特性を付与すべく、任意の好適な材料で、適切な寸法を有するように形成することができる。好適な材料の例には、金属、合金、ポリマー等が含まれ、ガイドワイヤ基端部分14およびガイドワイヤ先端部分16、ならびにコネクタ18について上述したように、放射線不透過性材料やMRIに対してある程度の適合性を付与する材料もしくは構造を含んでいてもよい。」

「【0058】

リボン58は、任意の好適な結合技術を用いて、先端部分16と結合させることができる。結合技術の例としては、ハンダ付け、ロウ付け、溶接、接着、巻縮等が含まれる。実施例によっては、リボンまたはワイヤ58は、賦形構造または安全構造として機能してもよい。

リボン58の先端は、

結合されていなくてもよく、例えば

チップ部69(例:丸みを帯びたチップ部)等の別の構造に結合されていてもよい

。チップ部69は、好適な技術を用いて、ハンダからなるチップ、ポリマーからなるチップ、溶接されたチップ等の任意の好適な材料で形成されていてもよい。

【0059】

図1の実施例においては、

リボン58は、先端27近傍の2箇所の結合点59,61において、先端部分16に結合される

。結合点59は、上述したように、径が一定の領域35(平板状、非平板状のいずれであってもよい)近傍に配置される。いくつかの実施例において、結合点59は、先端部分16の最先端27に配置されるが、別の実施例においては、結合点は、最先端27よりも基端側に配置されてもよい。実施例によっては、最先端27近傍の結合を用いて、部分16の先端27およびリボンが、結合されたユニットまたは一体構造のユニットとして曲がることができるようにする。このような構成により、望ましい追従性や、望ましいチップの弾力性を付与することができる。」

「【0061】

図3~図5に基づき、使用することのできる特定の結合技術のいくつかについて説明する。図3~図5は、図1のガイドワイヤの結合点59周囲の拡大断面図である。これらの各図面において、

リボン58は、先端部分16の先端27近傍において、

加熱により活性化する結合材料(例えばハンダ材料63、ロウ付け材料、またはその他の同様の材料)を用いて

径が一定の領域35に結合されている

。」

「【0071】

図1の実施例は、

ガイドワイヤ基端部分14および/またはガイドワイヤ先端部分16の少なくとも一部の周囲に配置されたコイル80を備える

。図示される実施例において、

コイル80は、テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を越えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びていてもよい

コイル80は、基端81の結合点83において、任意の好適な結合技術(例えばハンダ付け、ロウ付け、溶接、接着、巻縮等)を用いてガイドワイヤ先端部分16に結合される

コイル80の先端85は、丸みを帯びたチップ部69を介してリボン58と結合させることができる

。上述したように、丸みを帯びたチップ部29は、例えばハンダからなるチップ、ポリマーからなるチップ等、任意の好適な材料で形成することができる。別の実施例においては、先端85は、他の構造、例えばスペーサ部材や結合またはセンタリングリングと結合させることができ、あるいは全く結合されていなくてもよい。さらには、コイル80は、1箇所以上の中間地点において、例えばセンタリングまたは結合リング65に結合されていてもよい。例えば、図8には、センタリングまたは結合リング65に結合されたコイル80が示されている。センタリングリング65は、コイル80をガイドワイヤ部分16と結合させるように機能することができ、また、コイル80のガイドワイヤ部分16に対する軸方向および横方向における相対的な位置を維持するように機能することができる。センタリングリング64との結合は、例えばハンダ付け(例:レーザダイオードを用いたハンダ付け)、ロウ付け、溶接、接着、巻縮等の任意の好適な結合技術を用いて行うことができる。」

「【0076】

コイル80は、

ガイドワイヤ部分14,16、コネクタ18、およびリボン58について上述した材料を含め、金属、合金、ポリマー等を含む様々な材料で形成することができる。好適な材料の例には、304V,304L,316Lステンレス鋼等の

ステンレス鋼

;線形弾性または超弾性(すなわち擬弾性)ニチノール等のニッケル-チタン合金を含む合金;ニッケル-クロム合金;ニッケル-クロム-鉄合金;コバルト合金;タングステンまたはタングステン合金;MP35-N(Ni:約35%、Co:35%、Cr:20%、Mo:9.75%、Fe:1%以下、Ti:1%以下、C:0.25%以下、Mn:0.15%以下、Si:0.15%以下の組成を有する);ハステロイ、モネル400;インコネル625;等やその他好適な材料が含まれる。実施例によっては、

コイル80は、金、プラチナ

、タングステン等やこれらの組み合わせもしくは合金、または放射線不透過性材料を含むポリマー

で形成

したり、コーティング、めっき、またはその他の方法でこれらを含むようにしてもよい。さらに、コイルは、ガイドワイヤ部分14,16、コイル18、リボン58について上述したように、MRIに対するある程度の適合性を付与する材料または構造を含むことができる。例えば、図14は、ガイドワイヤ等の医療器具において使用することができるコイル590の部分断面図であるが、コイル590は、第1の材料を含むかあるいは第1の材料で形成される内側部分、層、またはワイヤ510と、第2の材料を含むか第2の材料で形成される外側部分、層、またはワイヤ511とを備える。例えば、内側部分510は、上述したようにワイヤまたはリボンとすることができ、外側部分511は、上述したように、放射線不透過性材料やMRIに対して適合性を有する画像化材料のコーティング、クラッド、めっき、押出成形品とすることができる。」

「【0081】

当業者であれば、所望される特性に応じ、様々な材料、寸法、構造を用いて好適に実施することができることが理解されるであろう。以下の例は、単に例として示されるものであり、本発明をこれらの実施例に限定するものではない。コイル80は、長さ約1~20インチ(約2.54~50.8cm)とすることができ、直径が約0.001~0.004インチ(約0.025~0.102mm)のラウンドワイヤで形成することができる。

コイル80は、ほぼ一定の外径を有することができ、外径を約0.01~0.015インチ(約0.254~0.381mm)とする

ことができる。コイルの内径もほぼ一定とすることができ、約0.004~0.013インチ(約0.102~0.33mm)とすることができる。コイル80のピッチは、約0.0005~0.05インチ(約0.013~1.27mm)とすることができる。

【0082】

図1においては、

ガイドワイヤ10は、

二重コイルチップ構造を形成すべく、

内側に位置するコイル(以下、内コイル)90も備える

。1個以上の追加の内コイルは、別の実施例においても用いることができる。

内コイル90は、ガイドワイヤ先端部分16の先端部27の周囲であって、かつ、外側に位置するコイル(以下、外コイル)80の管腔内に配置される

内コイル90は、外コイル80について上述したのと同一の材料で形成

したり、同一の全体構造やピッチ間隔を有することができる。しかしながら、内コイルは、外コイル80の管腔に内嵌可能な外径を有し、実施例によっては、外コイル80の内周壁に対して比較的密着する、または密嵌されることが可能な外径を有する。いくつかの実施例においては、内コイル90を放射線不透過性ワイヤ(例えばプラチナ/タングステンワイヤ)で形成し、外コイルがこれに比べてより放射線不透過性に劣る材料(例えばMP35-N)で形成されていてもよく、あるいはこの逆であってもよい。

【0083】

図示される実施例では、

内コイル90は、ガイドワイヤ先端部分16の周囲において、径が一定の部分35の中間地点の周囲から、リボン58の周囲、そしてチップ部69近傍の位置まで配置される

。コイル90は、基端側結合点93において、任意の好適な結合技術(例えばハンダ付け、ロウ付け、溶接、接着、摩擦嵌合等)を用いて外コイル80に結合される。コイル90の先端97は、結合されていない。しかしながら、別の実施例においては、コイル90の先端97は、外コイル80に結合されてもよく、あるいは、他の構造(例えばチップ部69、センタリングもしくは結合リング、または他の同様の構造)に結合されていてもよい。特定の実施例においては、内コイル90は、1箇所以上の結合点において、外コイル80にのみ結合されており、コアワイヤに対しては他の結合がほぼなされておらず、場合によっては外コイル80以外のガイドワイヤ10の他の構造に結合されていない。さらに、内コイル90は内コイル90の全長にわたって、またはその一部に沿って、外コイル80に結合させることができる。例えば、図示される実施例においては、内コイル90は、基端側における結合点93においてのみ結合される。別の実施例においては、コイル90は、他の構成(例えば先端側に配置される結合点や、基端側および先端側に配置される結合点の組み合わせ)を用いて結合することができる。内コイル90と外コイル80の結合は、任意の好適な結合技術、例えばハンダ付け(例:レーザダイオードを用いたハンダ付け)、ロウ付け、溶接、接着、摩擦嵌合等を用いて行うことができる。」

「【図1】

31

123

0001437349000001.jpg

イ 上記アの記載及び図示内容から、引用文献1には次の事項が記載されている。

(ア)段落【0011】の記載及び図1から、ガイドワイヤ基端部分14は、ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合される。

(イ)段落【0028】の記載及び図1から、ガイドワイヤ先端部分16は、先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39と、前記テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33と、前記径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31とを有している。

(ウ)段落【0013】、【0018】、【0019】及び【0037】の記載から、ガイドワイヤ先端部分16は、超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成され、ガイドワイヤ基端部分14は、304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される。

(エ)段落【0071】の記載から、ガイドワイヤ10は、テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80を備える。また、段落【0081】から、コイル80の外径は、約0.254~0.381mmである。

(オ)段落【0071】には、コイル80の先端85は、チップ部69を介してリボン58と結合されること、すなわち、コイル80の先端85にチップ部69が設けられることが記載されている。また、図1から、チップ部69はガイドワイヤ10の先端を形成することが看て取れる。

したがって、ガイドワイヤ10は、コイル80の先端85に設けられ、前記ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69を備えている。

(カ)段落【0032】から、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである。

(キ)段落【0071】には、「コイル80は、基端81の結合点83において、・・・ガイドワイヤ先端部分16に結合される」と記載されており、図1から、結合点83を示す図番83が、径が一定の領域33上を指していることが看て取れることから、コイル80の基端81は、ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33に固定されている。

(ク)段落【0055】、【0056】及び【0059】の記載から、ガイドワイヤ10は、ガイドワイヤ先端部分16の先端27近傍において結合されるリボン58を備えている。また、上記(オ)の事項及び図1の図示内容から、チップ部69は、コイル80の先端85とリボン58の先端を接続するものである。

ウ 上記ア及びイの事項を総合すると、引用文献1には次の各発明(以下、それぞれ「引用発明1A」~「引用発明1C」という。)が記載されている。

(ア)引用発明1A

「ガイドワイヤ10であって、

先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39と、テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33と、径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31とを有し、超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16と、

テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80であって、外径が約0.254~0.381mmであるコイル80と、

コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69と、

ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され、304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成されるガイドワイヤ基端部分14と、

を備え、

ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである、

ガイドワイヤ10。」

(イ)引用発明1B

「ガイドワイヤ10であって、

先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39と、テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33と、径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31とを有し、超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16と、

テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80であって、外径が約0.254~0.381mmであるコイル80と、

コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69と、

ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され、304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成されるガイドワイヤ基端部分14と、

を備え、

ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmであり、

コイル80の基端81は、ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33に固定されている、

ガイドワイヤ10。」

(ウ)引用発明1C

「ガイドワイヤ10であって、

先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39と、テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33と、径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31とを有し、超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16と、

テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80であって、外径が約0.254~0.381mmであるコイル80と、

コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69と、

ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され、304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成されるガイドワイヤ基端部分14と、

ガイドワイヤ先端部分16の先端27近傍において結合されるリボン58と、

を備え、

ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmであり、

チップ部69は、コイル80の先端85とリボン58の先端を接続する、

ガイドワイヤ10。」

(2)引用文献2(甲第2号証)について

ア 引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。

「【0001】

・・・

本発明は一般に

血管内のガイドワイヤ

に関する。」

「【0009】

いくつかの実施形態において、

基端ガイドワイヤ区域14は

矯正(straightened)

304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される

場合がある。代案として、基端部分14は金属または合金から構成されていてもよく、この合金は、例えば、ニッケルチタン合金、ニッケルクロム合金、ニッケルクロム鉄合金、コバルト合金、ないしは他の適切な材料などである。一般に、

基端部分14の構成に使用される材料はプッシャビリティ及びトルク性のために比較的堅くなるよう選択される

であろう。

【0010】

いくつかの実施形態においては、

先端ガイドワイヤ区域16は、

矯正された

超弾力性合金

または線形弾性合金(例えば、

ニッケルチタン

)のワイヤなど

の比較的柔軟な材料

、または代案として、高性能ポリマーなどのポリマー材料で形成されることがある。代案として、先端部分16は、金属または合金から構成されていてもよく、この合金は、例えば、ステンレス鋼、ニッケルクロム合金、ニッケルクロム鉄合金、コバルト合金、または他の適切な材料などである。一般に、先端部分16の構成に使用される材料はトラッカビリティのために比較的柔軟となるように選択され得る。」

「【0017】

前述のように、

基端ガイドワイヤ区域14及び先端ガイドワイヤ区域16は異なる材料(即ち、異なる弾性係数を持つ材料)から形成されるので、柔軟性は異なる

。例えば、

基端ガイドワイヤ区域14がステンレス鋼ワイヤから形成され、先端ガイドワイヤ区域16がニッケルチタン合金ワイヤから形成され

、共に大きさが同一であれば、弾性係数に3:1の差異が生じる。このような弾性係数(即ち、柔軟性)の差異により、撓んだり、さらに/又は捩れたりする間に応力集中点が生じ、この応力集中点には捩れ(キンク)や破損が生じる傾向にある。重なり部分12によりもたらされた剛性の段階的な移行によって、応力は連結部20の長さ全体に沿って分散し、そのため、ガイドワイヤ10が接合部で捩れが生じる確率は低くなる。」

「【0039】

好適な実施形態を構成するために所望の特性に依存して広い範囲の材料、大きさ、および構造が使用可能であることを、当業者などは認識する。先端の構成に関する大きさの以下の例は、限定する意図はなく単に一例として記載するものである。特定の実施形態では、ガイドワイヤは図7で述べた全体的な構造を備え、先端ガイドワイヤ区域116の長さは約25.4センチメートル(10インチ)~50.8センチメートル(20インチ)の範囲である。

先端ガイドワイヤ区域116の主要部分の外径は0.03302センチメートル(0.013インチ)~約0.03683センチメートル(0.0145インチ)の範囲であり、

2つの

一定直径の領域150

,154

の外径は

それぞれ

、約0.023876センチメートル(0.0094インチ)~約0.024638センチメートル(0.0097インチ)の範囲

及び0.00254センチメートル(0.001インチ)~約0.003556センチメートル(0.0014インチ)の範囲

である

。2つの一定直径の領域150,154の長さはそれぞれ、約10.16センチメートル(4インチ)~約38.1センチメートル(15インチ)の範囲及び約1.27センチメートル(0.5インチ)~約10.16センチメートル(4インチ)の範囲である。2つのテーパー状領域142,146の長さはそれぞれ、約1.27センチメートル(0.5インチ)~約5.08センチメートル(2インチ)の範囲及び約1.27センチメートル(0.5インチ)~約5.08センチメートル(2インチ)の範囲である。ポリマースリーブ168の外径は、先端ガイドワイヤ区域116の主要部分の外径に適合する大きさであり、例えば0.03302センチメートル(0.013インチ)~約0.03683センチメートル(0.0145インチ)の範囲である。放射線不透過材料を充填されているポリマースリーブ先端区域170の長さは約2.54センチメートル(1インチ)~約7.62センチメートル(3インチ)の範囲である。リボン158の長さは、約2.032センチメートル(0.8インチ)~約5.08センチメートル(2インチ)の範囲であり、実施形態によってはコアの先端方向に約0.508センチメートル(0.2インチ)~約2.54センチメートル(1インチ)延びていてもよい。」

「【0047】

コイル280は

、金属、合金、ポリマーなどの様々な材料で形成され得る。コイルに使用される材料の例には、

ステンレス鋼

、ニッケルクロム合金、ニッケルクロム鉄合金、コバルト合金、または他

の適切な材料などがある

。適切な材料の更なる例には、直線の超弾性または線形弾性の合金(例えば、ニッケルチタン)ワイヤ、または代案として、高性能ポリマーなどのポリマー材料がある。いくつかの実施形態においては、

コイル280は

、放射線不透過材料、

例えば、金、白金

、タングステン等、またはこれらの合金

などで形成され得る

。コイル280は、所望の柔軟性を達成する範囲の大きさの丸いまたは平らなリボンから形成されてもよい。いくつかの実施形態においては、

コイル280は丸いリボンの場合があり、その直径は約0.00254センチメートル(0.001インチ)~0.0381センチメートル(0.015インチ)の範囲

であり、コイル280の長さは約5.08センチメートル(2インチ)~約10.16センチメートル(4インチ)の範囲でよい。」

「【0053】

ここで図11を参照すると、図7~図10の実施形態で示したガイドワイヤに類似した連結部320を備えたガイドワイヤ310の別の実施形態の一部の断面図が示されている。

図11の実施形態に示す、基端/先端のガイドワイヤ区域314/316、連結部320、テーパー状接合312、チューブ状連結器318は、図1~図10の実施形態の同じ要素に関して上述したものと同一の全体的な構成、構造、材料、構成の方法を有し得る。

【0054】

図11の実施形態には、

先端ガイドワイヤ区域316の先端部分334に配置されたガイドワイヤ310の先端チップ部分330

の別の例が示されている。図1~図7の実施形態のように、

先端部分334は2つのテーパー状領域342,346

と、2つの

一定直径の領域350

,354

を有し

、そのため端部334はその先端に向かって断面積が小さくなる形状を有する。更に、

先端チップ部分330はワイヤまたはリボン358を備え、図7及び9の実施形態で上述した方法と同様な方法で、取り付け点364で先端部分334の先端360に隣接して取り付けられている

【0055】

しかし、図11では、先端チップ部分330は、二重コイル(dual coil)チップ構成を備え、この構成は、

先端ガイドワイヤ区域316の先端部分334の周囲に配置された外側コイル380と内側コイル390とを有する

【0056】

図示の実施形態では、

外側コイル380は、先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を越えて延びている

外側コイル380は、

任意の好適な取り付け技術、例えば、はんだ付け、ろう付け、溶接、接着、圧着などを用いて、

コイル380の基端381の取り付け点383で先端ガイドワイヤ区域316に取り付けられている

コイル380の先端383は丸いチップ部分369を介してリボン358に取り付けられている

。丸いチップ部分369は任意の適切な材料、例えばはんだチップやポリマーチップなどで形成され得る。外側コイル380は、図9及び図10の実施形態で上述したコイル280と同一の材料で形成されていてよく、更にコイル280と同一の全体的な構成及びピッチ間隔が備えられていてよい。いくつかの実施形態においては、外側コイル280は先端方向に取り付け点393を越えて長さ約2~約4センチメートルの範囲だけ延びていてもよい。

【0057】

図示の実施形態では、

内側コイル390は、先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域346からチップ部分369に隣接したスペーサ要素395まで配置されている

。しかし他の実施形態では、スペーサ要素は不要である。コイル390は、任意の好適な取り付け技術、例えば、はんだ付け、ろう付け、溶接、接着、圧着などを用いて、先端ガイドワイヤ区域316に基端391の取り付け点393で取り付けられている。コイル390の先端397はスペーサ要素395に取り付けられている。スペーサ要素395は、リボン358の周囲に配置され、任意の適切な材料、例えば、金属、合金、ポリマーなどで形成され得る。いくつかの実施形態においては、スペーサはポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluroethylene、PTFE)などのポリマーで形成されている場合もある。

【0058】

内側コイル390は、図9及び図10の実施形態のコイル280に関して上述したものと同一の材料で形成されていてよく

、更に同一の全体的な構成及びピッチ間隔を有してもよい。いくつかの実施形態においては、内側コイル390は、外側コイル380を作るために使用したワイヤの直径未満の直径の放射線不透過性のワイヤで形成されている。」

「【図11】

33

121

0001437349000002.jpg

イ 上記アの記載及び図示内容から、引用文献2には次の事項が記載されている。

(ア)段落【0053】及び【0054】には、ガイドワイヤ310が、先端ガイドワイヤ区域316と基端ガイドワイヤ区域314とを備えることが記載されている、また、図11から、基端ガイドワイヤ区域314は、先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続されることが看て取れる。

(イ)段落【0054】の記載及び図11の図示内容から、先端ガイドワイヤ区域316は、先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346と、テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350と、一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342とを有している。

(ウ)段落【0053】の「図11の実施形態に示す、基端/先端のガイドワイヤ区域314/316、・・・は、図1~図10の実施形態の同じ要素に関して上述したものと同一の全体的な構成、構造、材料、構成の方法を有し得る。」との記載を踏まえ、段落【0009】、【0010】及び【0017】の記載事項を参酌すれば、図11の実施形態で示される先端ガイドワイヤ区域316は、超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成され、同基端ガイドワイヤ区域314は、ステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成されるものである。

(エ)段落【0055】及び【0056】には、ガイドワイヤ310が、先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380を備えることが記載されている。また、段落【0047】の記載を参酌すれば、外側コイル380の直径は、約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである。

(オ)段落【0056】には、外側コイル380の先端383(当審注;図11の図示内容から「385」の誤記と認めた。)は丸いチップ部分369を介してリボン358に取り付けられること、すなわち、外側コイル380の先端385に丸いチップ部分369が設けられることが記載されている。また、図11から、丸いチップ部分369はガイドワイヤ310の先端を形成することが看て取れる。

したがって、ガイドワイヤ310は、外側コイル380の先端385に設けられ、前記ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369を備えている。

(カ)段落【0039】の記載を参酌すれば、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである。

(キ)段落【0056】の記載から、外側コイル380の基端381は、先端ガイドワイヤ区域316に取り付けられている。

(ク)段落【0054】、【0056】の記載及び図11の図示内容から、ガイドワイヤ310は、先端ガイドワイヤ区域316の先端360に隣接して取り付けられるリボン358を備えている。また、上記(オ)の事項及び図11の図示内容から、丸いチップ部分369は、外側コイル380の先端385とリボン358の先端を接続するものである。

ウ 上記ア及びイの事項を総合すると、引用文献2には次の各発明(以下、それぞれ「引用発明2A」~「引用発明2C」という。)が記載されている。

(ア)引用発明2A

「ガイドワイヤ310であって、

先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346と、テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350と、一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342とを有し、超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316と、

先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380であって、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである外側コイル380と、

外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369と、

先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され、304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される基端ガイドワイヤ区域314と、

を備え、

先端ガイドワイヤ区域316の一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである、

ガイドワイヤ310。」

(イ)引用発明2B

「ガイドワイヤ310であって、

先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346と、テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350と、一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342とを有し、超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316と、

先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380であって、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである外側コイル380と、

外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369と、

先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され、304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される基端ガイドワイヤ区域314と、

を備え、

先端ガイドワイヤ区域316の一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルであり、

外側コイル380の基端381は、先端ガイドワイヤ区域316に取り付けられている、

ガイドワイヤ310。」

(ウ)引用発明2C

「ガイドワイヤ310であって、

先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346と、テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350と、一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342とを有し、超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316と、

先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380であって、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである外側コイル380と、

外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369と、

先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され、304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される基端ガイドワイヤ区域314と、

先端ガイドワイヤ区域316の先端360に隣接して取り付けられるリボン358と、

を備え、

先端ガイドワイヤ区域316の一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルであり、

丸いチップ部分369は、外側コイル380の先端385とリボン358の先端を接続する、

ガイドワイヤ310。」

(3)引用文献3(甲第3号証)について

ア 引用文献3には、図面とともに以下の事項が記載されている。

「【0003】

しかし、このような装置では、ガイドワイヤと振動伝達用のワイヤという2本のワイヤが細いカテーテル内に挿通されているので、全体的に柔軟性に欠け、カテーテル自体の外径も大きくなり、

冠動脈

などのように曲がりくねった血管の先にある閉塞部位までは到達させることができない虞がある。」

「【0031】

次に、本実施形態に係るガイドワイヤ20Aを説明する。図2に示すように、本実施形態の

ガイドワイヤ20は、基部側の基部コアワイヤ21aと、基部コアワイヤ21aの先端部に設けられた先端部コアワイヤ21bと、先端部コアワイヤ21bに設けられたコイル部23と

、先端部コアワイヤ21bとコイル部23との間に設けられた緩衝部材24と

から構成されている

【0032】

基部コアワイヤ21aは、剛性(曲げ剛性やねじり剛性)が高いもので、比較的硬い材質である

ことが好ましい。具体的には、Co-Ni-Cr系合金又は

ステンレス鋼で構成することが特に好ましい

。これにより、優れた押込み性とトルク伝達性を得ることができる。構成材料としては、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等SUSの全品種)、ピアノ線、コバルト系合金などの各極金属材料を使用することができる。」

「【0034】

先端部コアワイヤ21bは、超弾性を示すNi-Ti合金であることが好ましい

。Ni-Ti合金は、超弾性合金であり、応力を加えられたとき擬マルテンサイト状態になって変形し、応力が除去されたとき、元の状態に戻る性質がある。この性質は、先端部コアワイヤ21bの径が細くなっても十分に超弾性機能を発揮し、血管を傷つけないように先端を柔軟にできる。Ni-Ti合金とー般的なステンレス鋼とは、細ければ細いだけその曲がり易さと元に戻り易さの差が歴然としている。」

「【0040】

先端部コアワイヤ21bは、第1テーパ部28を経て中間部29となり、第2テーパ部30を経て先端部31となる

【0041】

コイル部23は、中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられており、比較的大径の線材よりなる先端側の第1コイル部23aと、比較的細径の線材よりなる基端側の第2コイル部23bとを有している

【0042】

第2コイル部23bは、基端側を基端半田又はロウ(半田と総称)32で先端部コアワイヤ21bと接合

し、先端側を中間半田33で先端部コアワイヤ21bと接合している。

【0043】

第1コイル部23aは

、基端側を中間半田33で先端部コアワイヤ21bと接合し、

先端側を先端半田34で先端部コアワイヤ21bと接合している

。」

「【0052】

第4に、緩衝部材24は、耐水性がある方が好ましい。

ガイドワイヤ20は、血管内で使用され

、生理的食塩水等で洗浄されるなど、水と接触する機会が多いため、ある程度の耐水性がある方が好ましい。」

「【0077】

[実施例1]

図2を用いて説明する。

基部コアワイヤ21aとしては真直なワイヤで、材質はステンレス鋼SUS304

、直径0.33mm、長さ1370mmを用意した。基端側の端面37は、図示のように円弧状に成形した後、基部コアワイヤ21aの先端側は、長さ40mmで直径0.28mmになる基部テーパ部38を形成した。そして、基端面37から550mmまでは無垢とし、そこから長さ800mmまでポリテトラフルオロエチレンでコーティングしコーティング部26とした。コーティング厚さは約0.025mm程度とした。基部コアワイヤ21aの先瑞とNi-Ti製の先端部コアワイヤ21bの基端とは、バットシーム溶接し接合した。

【0078】

接合部25から20mmは無垢であり、そこから140mmは同様にポリテトラフルオロエチレンでコーティングした。

径は基端半田32の部分が0.23mm

になるようにテーパをかけ第1テーパ部28を形成し、更に、先端部コアワイヤ21bの先端直径は0.1mmとなるようにテーパをかけてテーパ部30を形成した。先に先端30mmに相当する部分をNusil Silicone Technology社製のプライマーSP124に浸漬し、室温にて30分放置した。」

「【0080】

次に、基端半田32から中間半田33までの長さは220mmとし、中間半田33から先端半田34までは30mmとして、以下のコイル部23を半田で接合した。

第2コイル部23bは

、比較的X線が透過するステンレスコイル部

外径0.36mm

線径0.03mmであり、

先端コイル部23aは

,X線不透過性のプラチナとイリジウムの合金、

外径0.36mm

線径0.06mmである。コイル部23の外表面には、無水マレイン酸系高分子物質をコーティングし摩擦抵抗の低減を行った。このようにして超音波振動ガイドワイヤ20Aを製作した。」

「【図2】

33

125

0001437349000003.jpg

イ 上記アの記載及び図示内容から、引用文献3には次の事項が記載されている。

(ア)段落【0031】には、ガイドワイヤ20が、基部コアワイヤ21aと、基部コアワイヤ21aの先端部に設けられた先端部コアワイヤ21bと、先端部コアワイヤ21bに設けられたコイル部23とから構成されることが記載されている。当該記載及び図2の図示内容から、基部コアワイヤ21aは、先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられたものである。

(イ)段落【0040】の「先端部コアワイヤ21bは、第1テーパ部28を経て中間部29となり、第2テーパ部30を経て先端部31となる」との記載及び図2の図示内容から、先端部コアワイヤ21bは、第2テーパ部30と、第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29と、中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28とを有している。

(ウ)段落【0034】には、先端部コアワイヤ21bは、超弾性を示すNi-Ti合金であることが記載され、段落【0032】及び【0077】には、基部コアワイヤ21aは、剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用することが記載されている。

(エ)段落【0041】には、コイル部23が、中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有することが記載されている。また、段落【0080】には、第1コイル部23a及び第2コイル部23bの外径が0.36mmであることが記載されている。

(オ)段落【0043】には、第1コイル部23aは、先端部を先端半田34で先端部コアワイヤ21bと接合することが記載されている。また、図2から、先端半田34はガイドワイヤ20の先端を形成することが看て取れる。

したがって、ガイドワイヤ20は、第1コイル部23aの先端部に設けられ、前記ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34を備えている。

(カ)段落【0078】には、基端半田32の部分が0.23mmであることが記載されている。そして、図2から、基端半田32は中間部29上に設けられていることが看て取れるので、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである。

(キ)段落【0042】には、第2コイル部23bは、基端側を先端部コアワイヤ21bと接合することが記載されており、図2から、第2コイル部23bの基端側は、先端部コアワイヤ21bの中間部29に接合することが看て取れる。

ウ 上記ア及びイの事項を総合すると、引用文献3には次の各発明(以下、それぞれ「引用発明3A」及び「引用発明3B」という。)が記載されている。

(ア)引用発明3A

「ガイドワイヤ20であって、

第2テーパ部30と、第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29と、中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28とを有し、超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21bと、

中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有し、第1コイル部23a及び第2コイル部23bの外径が0.36mmであるコイル部23と、

第1コイル部23aの先端部に設けられ、前記ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34と、

先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ、剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する基部コアワイヤ21aと、

を備え、

先端部コアワイヤ21bの中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである、

ガイドワイヤ20。」

(イ)引用発明3B

「ガイドワイヤ20であって、

第2テーパ部30と、第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29と、中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28とを有し、超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21bと、

中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有し、第1コイル部23a及び第2コイル部23bの外径が0.36mmであるコイル部23と、

第1コイル部23aの先端部に設けられ、前記ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34と、

先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ、剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する基部コアワイヤ21aと、

を備え、

先端部コアワイヤ21bの中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmであり、

第2コイル部23bの基端側は、先端部コアワイヤ21bの中間部29に接合する、

ガイドワイヤ20。」

(4)引用文献4(甲第4号証)について

ア 引用文献4には、図面とともに以下の事項が記載されている。

「【0001】

本発明は医療用ガイドワイヤに関し、特に、

冠状動脈

や下肢血管等の血管狭塞部の治療

に用いられる医療用ガイドワイヤ

に関するものである。」

「【0016】

図1に示すように、

ガイドワイヤ10は、可撓性細長体からなる芯線11と、この芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12と、芯線先端部12に取り付けられるコイルバネ13とから構成される

芯線11は、

SUS304,

Ni-Ti等から構成され

ており、コイルバネ13は、SUS304、または金、白金、タングステンなどの放射線不透過材から構成される。また、ガイドワイヤ10の全長は概ね1400~3000mmで、コイルバネ13の全長は30~300mmである。そして、芯線11の後端側(手元側)は、フッ素樹脂等の被覆層が形成され、コイルバネ13の外周部には、ポリアミド、ポリウレタン等の樹脂被覆層及び湿潤時に潤滑性を示す親水性ポリマー材による被覆層が形成されている。

【0017】

芯線先端部12は先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12aを有する

。また、

テーパ部12aの

先端には第1細径部12bが形成されており、

後端には第2細径部12cが形成されている

【0018】

コイルバネ13は、等径部13d,等径部13aとテーパ部13bと必要に応じて設けられる先端等径部13cとを有する。そして、等径部13d,等径部13aが芯線先端部12の後端側に、テーパ部13bが芯線先端部12の先端側に位置するように、芯線先端部12にコイルバネ13が遊嵌された後に、

芯線先端部12にコイルバネ13がロウ付けにより取り付けられる

。ロウ付けは、コイルバネ13の長さ方向に対し3か所行われ、コイルバネ13の先端に設けられる先端固着部15と、

コイルバネ13の後端に設けられる後端固着部16

と、これら各固着部15,16の間の中間固着部17と

が形成される

。」

「【0022】

[実施例1]

以下、芯線先端部12、コイルバネ13の各部形状及び寸法、ロウ付け固定位置などを変更してなる各実施例について説明する。

図2に示す実施例1では、線径t1が0.065mmの白金製の素線14aを密着巻きしてコイルバネ13のテーパ部13b及び等径部13aを形成し、線径t2が0.060mmのSUS304製の素線14bを巻き成形して中間固着部17から後端までのコイルバネ13の等径部13dを形成

し、これらを中間固着部17でロウ付けにより接合して、コイルバネ13を形成した。なお、中間固着部17から後端までの等径部13dは、必ずしも密着巻きでなくてもよい。そして、

コイルバネ13の後端側外径D1を0.360mm以下

とし、テーパ部13bの長さL1を25mm以上とし、後端側外径D1を最小外径D2で除したテーパ部外径比(D1/D2)を1.22以上1.85以下とした。また、先端から中間固着部17までの長さL0を50mmとした。さらに、芯線先端部12は、最先端の外径d2を素線14aの線径t1以上として、先細りとなるテーパ状に形成した。この実施例1は、冠状動脈治療用のガイドワイヤ10として最適なものとなる。以下実施例10までは、冠状動脈治療用のガイドワイヤ10として説明する。なお、本発明のガイドワイヤ10は長さに比べて直径が極めて小さな値となっており、縦横の縮尺率を同じにすると所定のエリアに図示することが困難となる。このため、ガイドワイヤ10の軸方向寸法に比べて直径方向寸法を拡大して誇張して図示している。」

「【0036】

・・・また、この外径D2が0.295mmを超えてくると

先端チップ19

の先端単位面積当たりの面圧が低下し、穿通能力が低下する。また、ガイドワイヤ10は、バルーンカテーテルの案内具としてカテーテル内で用いられるため、外径寸法はカテーテルの内径寸法の制限を受け、一般的に冠状動脈治療用としては0.360mm以下である。以上のことから、テーパ部外径比を1.22(0.360/0.295)以上1.85(0.360/0.195)以下とすることにより、強度低下を招くことなく、穿通能力を向上させることができる。」

「【0041】

[実施例5,6,7]

実施例5,6,7では、図7に示すように、芯線先端部12をテーパ状に形成しており、その他については、実施例4と同様に構成した。コイルバネ13のテーパ部13b内の芯線先端部12の形状もテーパ状に構成することにより、先端部への回転力の伝達性能が大幅に向上する。すなわち、コイルバネ13のテーパ部13bの後端側の内径寸径まで、芯線先端部12の線径を大きくすることができ、しかも、回転力の伝達性能は腕の長さ比により決定されるため、回転伝達性能が向上する。

【0042】

具体的には、コイルバネ13の先端外径D2を0.253mmとすると、芯線先端部12の先端径d2はコイルバネ13の線径t1が0.065mmであることから、0.123mmとなる。また、

コイルバネ13のテーパ部後端側の外径D1を0.360mmとすると、その芯線先端部12の外径d1は最大で0.230mmとなり

、手元側から先端部への回転力の伝達性能は、芯線先端部12の先端外径d2を0.253mmとした円柱状のものに比べて、手元側から先端部への回転力の伝達性能は約1.87倍(0.230/0.123)となり、回転力の伝達性能を増大する。」

「【図1】

71

111

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「【図2】

43

86

0001437349000005.jpg

イ 上記アの記載及び図示内容から、引用文献4には次の事項が記載されている。

(ア)段落【0016】には、ガイドワイヤ10が、芯線11と、この芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12と、芯線先端部12に取り付けられるコイルバネ13とから構成されることが記載されている。

(イ)段落【0017】には、芯線先端部12は、先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12aと、テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12cとを有することが記載されている。また、図1から、第2細径部12cの後端に、第2細径部12cよりも拡径された部分が形成されていることが看て取れる。

(ウ)段落【0016】には、芯線11が、Ni-Tiから構成されることが記載されている。そして、上記(ア)の事項を踏まえれば、芯線先端部12は、Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成したものである。

(エ)段落【0022】には、コイルバネ13の後端側外径D1を0.360mm以下とすることが記載されている。そして、図1から、コイルバネ13の後端側外径D1は、コイルバネ13の最大外径であることが看て取れるので、コイルバネ13の外径は0.360mm以下である。

(オ)図1から、先端チップ19がコイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成することが看て取れる。

(カ)上記(ア)の事項及び図1の図示内容を踏まえれば、芯線11は、芯線先端部12の後端側に接続される部分を有している。

(キ)段落【0042】には、コイルバネ13の後端側外径D1を0.360mm(上記(エ))とすると、芯線先端部12の外径d1は最大で0.230mmであることが記載されており、図2を参酌すると、外径d1は、第2細径部12cの外径であるから、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである。

(ク)段落【0018】には、コイルバネ13の後端に設けられる後端固着部16で芯線先端部12に取り付けられることが記載されており、図1から、該後端固着部16は芯線先端部12の第2細径部12cに取り付けられることが看て取れる。

ウ 上記ア及びイの事項を総合すると、引用文献4には次の各発明(以下、それぞれ「引用発明4A」及び「引用発明4B」という。)が記載されている。

(ア)引用発明4A

「ガイドワイヤ10であって、

先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12aと、テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12cと、第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分とを有し、Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12と、

芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13と、

コイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19と、

芯線先端部12の後端側に接続される部分と、

を備え、

芯線先端部12の第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである、

ガイドワイヤ10。」

(イ)引用発明4B

「ガイドワイヤ10であって、

先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12aと、テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12cと、第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分とを有し、Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12と、

芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13と、

コイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19と、

芯線先端部12の後端側に接続される部分と、

を備え、

芯線先端部12の第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmであり、

コイルバネ13の後端は、芯線先端部12の第2細径部12cに取り付けられる、

ガイドワイヤ10。」

(5)引用文献5(甲第6号証)について

引用文献5には、以下の事項が記載されている。

「【0031】

図1に示すガイドワイヤ1は、カテーテルに挿入して用いられるカテーテル用ガイドワイヤであって、ガイドワイヤ1を主に構成するワイヤ本体(芯線)2と、

基端側の一部がワイヤ本体2の先端側(細径部24)に固定され、かつ先端側の一部がワイヤ本体2の先端より先端方向に延出するよう設置されたリシェイプ可能なシェーピングリボン(線材)3

と、ワイヤ本体2の先端側とシェーピングリボン3とを覆うように設けられた螺旋状のコイル4とを有している。」

「【0040】

このシェーピングリボン3の存在により、前述したリシェイプ(形状付け)を容易かつ確実に行うことができる。すなわち、医師等が手指でガイドワイヤ1の先端部分をリシェイプ(形状付け)する際に、

シェーピングリボン3が塑性変形

して、希望通りの形状を形作り、かつその形状を維持することができる機能を発揮する。なお、ここで、「リシェイプ可能」とは、シェーピングリボン3を所望の形状に曲げて形状を保持できることを言う。」

「【0045】

シェーピングリボン3は、例えばステンレス鋼のような塑性変形可能な(リシェイプ可能)な材料で構成されており

、これにより、前述したリシェイプ(形状付け)をより容易かつ確実に行うことができる。」

「【0073】

さらに、

第1コイル41は、その先端部がシェーピングリボン3の先端側に固定されている。この固定方法も、特に限定されないが、本実施形態の場合、半田(ろう材)等の固定材料53により固定されている

。」

「【図1】

87

114

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(6)引用文献6(甲第7号証)について

引用文献6には、以下の事項が記載されている。

「【0001】

【産業上の利用分野】本発明は、医療装置の分野に関し、更に詳細には、

経皮経管冠動脈形成術(PTCA)のような形成術でカテーテルを身体の内腔内で前進するための案内ワイヤ

のような案内手段に関する。」

「【0024】

【実施例】図1は、動脈等の身体の内腔に挿入されるようになった本発明の特徴を具体化した案内ワイヤ10を図示する。案内ワイヤ10は細長い本体即ちコア部材11を有し、このコア部材は、細長い近位部分12及び遠位部分13を有し、少なくともその一部、好ましくは遠位部分が本発明の超弾性材料で形成されている。遠位部分13は複数の区分14、15、及び16を有し、これらの区分は、直径がより小さい区分を隣接した区分に連結するテーパ区分17、18、及び19で直径が次第に小さくなっている。細長い近位部分12には、遠位部分13の雄端21を受入れる雌遠位端20が設けられている。端部20及び21は、互いにプレス嵌めされているのがよく、又は適当な接着剤又は溶接、蝋付け、又は半田付けで互いに固定されているのがよい。

【0025】コイルばね22が遠位部分13の周りに配置され、このコイルばねは丸味のあるプラグ23をその遠位端に有する。

形成リボン24は、蝋付けのような適当な手段でその近位端が位置25で遠位部分13に固定され、この形成リボンの遠位端は、通常はコイル22の遠位端を形成リボンの遠位先端に溶接することによって形成される丸味のあるプラグ23に固定されている

。更に、コイル22は細長い本体11の遠位部分13に位置25で固定され、位置26でテーパ区分17に固定されている。コイルばね22の最も遠位の区分27は、案内ワイヤを患者の身体内に入れたときに案内ワイヤの遠位部分を観察を容易にするため、好ましくは、プラチナ又はプラチナ合金のような放射線不透過性材料でできている。」

「【図1】

25

102

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(7)引用文献7(甲第8号証)について

引用文献7には、以下の事項が記載されている。

「【図1】

50

116

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(8)引用文献8(甲第9号証)について

引用文献8には、以下の事項が記載されている。

「【図3】

37

121

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(9)引用文献9(甲第10号証)について

引用文献9には、以下の事項が記載されている。

「【図1】

31

123

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(10)引用文献10(甲第11号証)について

引用文献10には、以下の事項が記載されている。

「【0075】

また、コイル先端部41(素線411)とコイル基端部42(素線421)とコイル中間部43(素線431)とが、互いに異なる材料で構成されていてもよい。その好ましい例としては、素線411および素線431がNi-Ti合金等の超弾性合金で構成され、素線421がステンレス鋼で構成される場合が挙げられる。この場合には、コイル4におけるトルク伝達性、押し込み性が確保されるとともにコイル4の先端側においてより柔軟性に富む性質が得られる。

コイル先端部41、コイル基端部42およびコイル中間部43が互いに異なる材料で構成される

他の

例としては、素線411および素線431がX線不透過材料で構成され、素線421がX線を比較的透過する材料(ステンレス鋼等)で構成される場合が挙げられる

。」

「【0077】

図1に示すように、

コイル4は、ワイヤ本体10に対し2箇所で固定されている

。すなわち、

コイル先端部41の先端部は、固定材料(固定部)51により第1ワイヤ2の先端に固定されている。コイル基端部42の基端部は、固定材料(固定部)53により第1ワイヤ2の途中(第1径一定部21と第2テーパ部24の境界付近)に固定されている

。コイル4がこのような箇所でワイヤ本体10に固定されることにより、ガイドワイヤ1の先端部(コイル4が存在する部位)の柔軟性が損なわれることなく、コイル先端部41およびコイル基端部42がそれぞれ確実に固定される。」

「【図1】

34

117

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(11)引用文献11(甲第12号証)について

引用文献11には、以下の事項が記載されている。

「【0061】

第1の外側コイル51の内径は、第2の外側コイル52の内径よりも小さい。

第1の外側コイル51の外径と第2の外側コイル52の外径とは、それぞれ、ワイヤ長手方向に沿って一定であり、大きさも同じである。

第1の素線511の直径は、第2の素線521の直径よりも大きい

【0062】

第1の素線511(第1の外側コイル51)の構成材料と、第2の素線521(第2の外側コイル52)の構成材料とは、同じであってもよいが、互いに異なるのが好ましい。

第1の素線511の構成材料と第2の素線521の構成材料とが互いに異なる場合、第1の素線511の構成材料としては、X線不透過材料を用いるのが好ましく、例えば、Ptまたはその合金(例えばPt-Ni合金、Pt-W合金)を用いることができる。第2の素線521の構成材料としては、第1の素線511よりもX線不透過性が低い材料を用いるのが好ましく、例えば、第2ワイヤ3の構成材料と同じステンレス鋼を用いることができる

。第1の素線511に上述の材料を用いることにより、X線透視下でガイドワイヤ1の先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができ、好ましい。」

「【図1】

47

117

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(12)引用文献12(甲第14号証)について

引用文献12には、以下の事項が記載されている。

「【0011】

芯材2の構成材料としては、例えば、Ni-Ti合金等の超弾性合金、ステンレス鋼、ピアノ線等の各種金属材料などが用いられる。

コイル3としては、全長が10mm~500mm、好ましくは20mm~300mmであり、コイル3の外径としては、直径0.2~1.8mm、好ましくは、0.3~1.6mmである。そして、コイル3は、芯材2の先端部21およびテーパー部23を被包している。コイルの先端は芯材2の先端に固定されており、コイルの基端は、芯材2のテーパー部の基端部にロウ6等で固着されている。

この実施例では、

コイル3は、

図1および図2に示すように、

先端側コイル31と基端側コイル32とにより構成されている

。さらに、先端側コイル31の基端部31bと基端側コイル32の先端部32aは絡み合っている。このように両者が絡み合うことにより、両者が離間するすることを防止する。両者の絡み合う距離としては、0.1~2mm程度が好適である。」

「【0013】

コイルの形成材料としては、例えば、Ni-Ti合金等の超弾性合金、ステンレス鋼、金、白金などの貴金属などが使用できる。そして、

先端側コイルおよび基端側コイルは、

同じ材料により形成すること、また異なる材料により形成することのいずれでもよい。

異なる材料を用いる場合には、例えば、先端側コイルとしては、金、白金などの貴金属を用い、基端側コイルとしては、ステンレス鋼を用いること、また、先端側コイルとしては、超弾性合金を用い、基端側コイルとしては、ステンレス鋼を用いることなどが考えられる

そして、コイル3の先端は、芯材2の先端にロウ5により固定されている。そして、ロウ5により形成されるガイドワイヤ1の先端は、半球状先端部となっている。半球状先端とは、実質的に曲面に成形されていることを意味し、例えば釣鐘状、弾丸状などの形状を含むものである。」

「【図21】

45

116

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(13)引用文献13(甲第13号証)について

引用文献13には、以下の事項が記載されている。

「【0020】

外コイル20は、ハンダからなるチップ22からコアワイヤ12の長さに沿って基端側へ延びていてもよい。

外コイル20は、コアワイヤ12の基端14に対してロウ付けすることができる

。外コイル20は、ニッケル-チタン合金またはステンレス鋼で構成されていてもよい。あるいは、外コイル20は、上に列挙された材料と同様の材料で構成されていてもよい。また、外コイル20は、シリコーンからなる外側コーティングをさらに備えていてもよい。」

「【図1】

45

119

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(14)引用文献14(甲第15号証)について

引用文献14には、以下の事項が記載されている。

「【図3】

33

110

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「【図5】

41

113

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(15)引用文献15(甲第16号証)について

引用文献15には、以下の事項が記載されている。

「【0065】

本実施形態では、

線径一定部42の素線421の線径は、線径増加部41の素線411の最小線径、すなわち、図2中最も基端側に位置する素線411aの線径と同一となっている

。これにより、線径一定部42と線径増加部41との境界部で強度が著しく減少するのを防止することができる。これにより、ガイドワイヤ1を操作した際に、線径増加部41と線径一定部42との境界部で折れ曲がりが生じる等のような不本意な変形を確実に防止することができる。また、血管の蛇行部位において、コイルズレによる併用デバイスの損傷やスタックを防止することができると言う利点もある。

【0066】

なお、

素線421は、その線径が素線411aの線径と同一のものに限定されず、素線411aの線径より若干小さいものであってもよい

。」

「【図2】

46

75

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2 本件発明1について

(1)引用発明1Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明1と引用発明1Aとを対比する。

(ア)引用発明1Aの「ガイドワイヤ10」は、本件発明1の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明1Aの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明1の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Aの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明1の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明1Aの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明1の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明1Aの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明1の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Aのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明1の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(カ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備える、

ガイドワイヤ。」

<相違点1>

コイル体に関し、本件発明1は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Aは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点2>

コアシャフトに関し、本件発明1は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下である」のに対し、引用発明1Aは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点1について>

引用発明1Aの外径が約0.254~0.381mmであるコイル80は、少なくとも約0.254mmとすることが引用文献1に記載されているから、上記相違点1は実質的な相違点ではない。

仮に、実質的な相違点であったとしても、引用発明1Aのコイル80の外径をどの程度にするかは、ガイドワイヤ10が挿入される体内部位、押し込み性やトルク伝達性等の操作性などを考慮して適宜設定されることが通常であるので、具体的に0.36mm以下に設定することは当業者による設計的事項にすぎない。

<相違点2について>

引用発明1Aにおいて、径が一定の領域33の外径は約0.127~0.305mmであって、0.22mm以上0.24mm以下を含んでいるから、通常用いられるガイドワイヤの外径を考慮すれば、上記相違点2は実質的な相違点ではない。

仮に、実質的な相違点であったとしても、引用発明1Aにおいて、径が一定の領域33の外径をどの程度にするかは、ガイドワイヤ10が挿入される体内部位、押し込み性やトルク伝達性等の操作性などを考慮して適宜設定されることが通常であるので、具体的に0.22mm以上0.24mm以下に設定することは当業者による設計的事項にすぎない。

また、本件発明1の効果についても、引用発明1Aから当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明1は、引用発明1Aであり、又は、引用発明1Aに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明1と引用発明2Aとを対比する。

(ア)引用発明2Aの「ガイドワイヤ310」は、本件発明1の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明2Aの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明1の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明1の「コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Aの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明1の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Aの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明1の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明1の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Aの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明1の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明1の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Aの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明1の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備える、

ガイドワイヤ。」

<相違点3>

コイル体に関し、本件発明1は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Aは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点4>

コアシャフトに関し、本件発明1は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下である」のに対し、引用発明2Aは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点3について>

引用発明2Aの約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルの直径、すなわち約0.0254mm~0.381mmの直径である外側コイル380は、少なくとも約0.0254mmとすることが引用文献2に記載されているから、上記相違点3は実質的な相違点ではない。

仮に、実質的な相違点であったとしても、引用発明2Aの外側コイル380の直径をどの程度にするかは、ガイドワイヤ310が挿入される体内部位、押し込み性やトルク伝達性等の操作性などを考慮して適宜設定されることが通常であるので、具体的に0.36mm以下に設定することは当業者による設計的事項にすぎない。

<相違点4について>

引用発明2Aにおいて、一定直径の領域350の外径が約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルであること、すなわち、約0.23876mm~約0.24638mmであることは、直径0.22mm以上0.24mm以下であることを含んでおり、上記相違点4は実質的な相違点ではない。

仮に、実質的な相違点であったとしても、引用発明2Aにおいて、一定直径の領域350の外径をどの程度にするかは、ガイドワイヤ310が挿入される体内部位、押し込み性やトルク伝達性等の操作性などを考慮して適宜設定されることが通常であるので、具体的に0.22mm以上0.24mm以下に設定することは当業者による設計的事項にすぎない。

また、本件発明1の効果についても、引用発明2Aから当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明1は、引用発明2Aであり、又は、引用発明2Aに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明1と引用発明3Aとを対比する。

(ア)引用発明3Aの「ガイドワイヤ20」は、本件発明1の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明3Aの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明1の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Aの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明1の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明3Aの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明1の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明3Aの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるから、本件発明1の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明3Aの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明1の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Aの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明1の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(カ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備える、

ガイドワイヤ。」

<相違点5>

コイル体に関し、本件発明1は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Aは、外径が0.36mmである点。

<相違点6>

コアシャフトに関し、本件発明1は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下である」のに対し、引用発明3Aは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点5について>

本件発明1と引用発明3Aとは、共に外径が0.36mmのコイルを有する点で一致するので、上記相違点5は実質的な相違点ではない。

仮に、実質的な相違点であったとしても、引用発明3Aのコイル部23の外径をどの程度にするかは、ガイドワイヤ20が挿入される体内部位、押し込み性やトルク伝達性等の操作性などを考慮して適宜設定されることが通常であるので、該コイル部23を構成する第1コイル部23a及び第2コイル部23bの外径を具体的に0.36mm以下に設定することは当業者による設計的事項にすぎない。

<相違点6について>

引用発明3Aの中間部29に関し、引用文献3の図2から、該中間部29は一定の径を有するものであることが看て取れるので、中間部29における基端半田32の部分の径が0.23mmであれば、中間部29の径は0.23mmである。

してみると、本件発明1と引用発明3Aとは、共に中間部が0.23mmの直径を有する点で一致するので、上記相違点6は実質的な相違点ではない。

仮に、実質的な相違点であったとしても、引用発明3Aにおいて、中間部29の径をどの程度にするかは、ガイドワイヤ20が挿入される体内部位、押し込み性やトルク伝達性等の操作性などを考慮して適宜設定されることが通常であるので、具体的に0.22mm以上0.24mm以下に設定することは当業者による設計的事項にすぎない。

また、本件発明1の効果についても、引用発明3Aから当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおりであるので、本件発明1は、引用発明3Aであり、又は、引用発明3Aに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明1と引用発明4Aとを対比する。

(ア)引用発明4Aの「ガイドワイヤ10」は、本件発明1の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明4Aの「先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12a」は、本件発明1の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12c」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明4Aの「Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12」は、Ni-Tiが超弾性金属であることが技術常識であることを踏まえれば、本件発明1の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明4Aの「芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13」は、引用文献4の図1から、第2細径部12cとテーパ部12aとを覆うことが看て取れるので、本件発明1の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」に相当する。

(オ)引用発明4Aの「コイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19」は、本件発明1の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明4Aの「芯線先端部12の後端側に接続される部分」は、本件発明1の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備える、

ガイドワイヤ。」

<相違点7>

基端側コアシャフトに関し、本件発明1は、「コアシャフトより剛性の高い材料により形成される」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点8>

コアシャフトに関し、本件発明1は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下である」のに対し、引用発明4Aは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点7について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトの基端側を先端側より剛性を高くすることは、操作性の観点から通常行われることであり、そのために、基端側を先端側より剛性の高い材料により形成することは、周知の技術事項であるので(例えば、上記引用発明1A、同2A及び同3Aを参照。)、引用発明4Aにおいて、芯線先端部12の後端側に接続される部分を芯線先端部12より剛性が高い材料により形成し、上記相違点7に係る本件発明1の事項とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

<相違点8について>

引用発明4Aにおいて、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmであるから、上記相違点8は実質的な相違点ではない。

仮に、実質的な相違点であったとしても、引用発明4Aにおいて、第2細径部12cの外径をどの程度にするかは、ガイドワイヤ10が挿入される体内部位、押し込み性やトルク伝達性等の操作性などを考慮して適宜設定されることが通常であるので、具体的に0.22mm以上0.24mm以下に設定することは当業者による設計的事項にすぎない。

また、本件発明1の効果についても、引用発明4A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明1は、引用発明4A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5)特許権者の主張について

ア 特許権者は、令和 7年10月30日提出の意見書において、本件発明は、「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」及び「前記コアシャフトの前記中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下である」ことが「一つの技術的なまとまりのある技術的思想」であることを前提としなければならないところ、引用文献1~4には、双方の径を関連付けて顕著な効果を奏するような適切な数値範囲に調整する等の記載もなく、本件発明の「一つの技術的なまとまりのある技術的思想」を開示するものではないから、本件発明1は、引用文献1~3のいずれかに記載された発明と同一ではないし、当業者といえども引用文献1~4のいずれかに記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない旨を主張する(意見書第8~17ページ)。

しかしながら、ガイドワイヤは、挿入される体内部位、押し込み性やトルク伝達性等の操作性などを考慮して具体的なサイズを設計することが一般的であって、その際にガイドワイヤのいくつかの部分を一つの技術的なまとまりとして設計することは通常行うことであり、引用文献1~4のそれぞれに記載されたガイドワイヤを設計する際、コイル体の外径及び中間部の直径を一つの技術的なまとまりとして設定し、該コイル体の外径及び中間部の直径として各引用文献に記載されているサイズを採用することで、最適なガイドワイヤを得ることは、当業者が適宜なし得ることであるから、上記主張を採用することはできない。

イ 特許権者は、同意見書において、引用文献3の基礎半田32の径は、先端部コアワイヤ21bのうち、コーティング部26を除いた径であり、先端部コアワイヤ21bのうち、基礎半田32より基端側の中間部29の径は、コーティング部26のコーティング厚さを加算した大きさの0.255mmであり、本件発明1におけるコアシャフトの中間部の直径の数値範囲と相違する旨を主張する(意見書第14~16ページ)。

しかしながら、本件発明1のコアシャフトについて、本件明細書(特に段落【0020】~【0025】)には、コーティングを施す旨の記載がされていないことを踏まえると、本件発明1のコアシャフトの「中間部の直径」は、コーティングを含んでいない値であるから、本件発明1と引用発明3Aとの対比にあたり、引用発明3Aの中間部29がコーティング部26のコーティング厚さを含めた値とする理由はなく、主張を採用することはできない。

3 本件発明3について

(1)引用発明1Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明3と引用発明1Aとを対比する。

(ア)引用文献1の段落【0002】の「長尺状医療器具は、患者の体内構造内を進行する」との記載を踏まえれば、引用発明1Aの「ガイドワイヤ10」と、本件発明3の「人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、人間の体内構造内に挿入されるガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明1Aの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明3の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Aの「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は、本件発明3の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される」「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明1Aの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明3の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明1Aの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明3の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明1Aの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明3の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Aのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明3の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「人間の体内構造内に挿入されるガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点9>

人間の体内構造内に挿入されるガイドワイヤに関し、本件発明3は、「冠動脈」に挿入されるものであって、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明1Aは、ガイドワイヤ10である点。

<相違点10>

コイル体に関し、本件発明3は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Aは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点11>

コアシャフトに関し、本件発明3は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Aは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点9について>

冠動脈に挿入されるガイドワイヤは、当業者において周知の事項である(必要であれば、引用文献6の段落【0001】を参照。)。

そして、引用文献1には、引用発明1Aにおけるガイドワイヤ10が、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるものや、血管内の病変部を穿通するものであるとの記載はない。

したがって、引用発明1Aの「ガイドワイヤ10」を、人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

<相違点10及び11について>

相違点10は上記相違点1と同じであり、相違点11は上記相違点2と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

また、本件発明3の効果についても、引用発明1A及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明3は、引用発明1A及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明3と引用発明2Aとを対比する。

(ア)引用文献2の段落【0001】の「血管内のガイドワイヤ」との記載を踏まえれば、引用発明2Aの「ガイドワイヤ310」と、本件発明3の「人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、人間の血管に挿入されるガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明2Aの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明3の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明3の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明3の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Aの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明3の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される」「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明3の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Aの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明3の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明3の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Aの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明3の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「人間の血管に挿入されるガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点12>

血管に挿入されるガイドワイヤに関し、本件発明3は、「冠動脈」に挿入されるものであって、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明2Aは、ガイドワイヤ310である点。

<相違点13>

コイル体に関し、本件発明3は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Aは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点14>

コアシャフトに関し、本件発明3は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Aは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点12について>

冠動脈に挿入されるガイドワイヤは、当業者において周知の事項である(必要であれば、引用文献6の段落【0001】を参照。)。

そして、引用文献2には、引用発明2Aにおけるガイドワイヤ310が、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるものや、血管内の病変部を穿通するものであるとの記載はない。

したがって、引用発明2Aの「ガイドワイヤ310」を、人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

<相違点13及び14について>

相違点13は上記相違点3と同じであり、相違点14は上記相違点4と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

また、本件発明3の効果についても、引用発明2A及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明3は、引用発明2A及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明3と引用発明3Aとを対比する。

(ア)引用文献3の段落【0052】の「ガイドワイヤ20は、血管内で使用され」との記載を踏まえれば、引用発明3Aの「ガイドワイヤ20」と、本件発明3の「人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、人間の血管に挿入されるガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明3Aの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明3の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Aの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明3の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に相当する。

(ウ)引用発明3Aの「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は、本件発明3の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される」「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明3Aの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明3の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明3Aの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるものであるから、本件発明3の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明3Aの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明3の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Aの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明3の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「人間の血管に挿入されるガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点15>

人間の血管に挿入されるガイドワイヤに関し、本件発明3は、「冠動脈」に挿入されるものであって、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明3Aは、人間の血管に挿入される点。

<相違点16>

コイル体に関し、本件発明3は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Aは、外径が0.36mmである点。

<相違点17>

コアシャフトに関し、本件発明3は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Aは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点15について>

冠動脈に挿入されるガイドワイヤは、当業者において周知の事項である(必要であれば、引用文献6の段落【0001】を参照。)。また、引用文献3の段落【0003】の記載を踏まえれば、引用発明3Aにおけるガイドワイヤ20は、冠動脈に挿入することが想定されている。

また、引用発明3Aにおけるガイドワイヤ20は、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除くものとしても、ガイドワイヤ自体の構成に何ら違いはない。仮に、本件発明3のガイドワイヤが、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させること以外の用途、及び血管内の病変部を穿通すること以外の用途であることを特定しているとしても、そのような用途のガイドワイヤを使用することは周知であるから、引用発明3Aのガイドワイヤ20をそのような用途とすることは当業者が容易になし得ることである。

してみると、引用発明3Aの「ガイドワイヤ20」を、人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

<相違点16及び17について>

相違点16は上記相違点5と同じであり、相違点17は上記相違点6と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

また、本件発明3の効果についても、引用発明3A及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明3は、引用発明3A及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Aを主引用発明とした場合、

ア 対比

本件発明3と引用発明4Aとを対比する。

(ア)引用文献4の段落【0001】の「冠状動脈」「に用いられる医療用ガイドワイヤ」との記載を踏まえれば、引用発明4Aの「ガイドワイヤ10」と、本件発明3の「人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明4Aの「先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12a」は、本件発明3の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12c」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明4Aの「Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12」は、Ni-Tiが超弾性金属であることが技術常識であることを踏まえれば、本件発明3の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される」「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明4Aの「芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13」は、引用文献4の図1から、第2細径部12cとテーパ部12aとを覆うことが看て取れるので、本件発明3の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」に相当する。

(オ)引用発明4Aの「コイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19」は、本件発明3の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明4Aの「芯線先端部12の後端側に接続される部分」は、本件発明3の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点18>

人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤに関し、本件発明3は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点19>

基端側コアシャフトに関し、本件発明3は、「コアシャフトより剛性の高い材料により形成される」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点20>

コアシャフトに関し、本件発明3は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Aは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点18について>

引用発明4Aにおけるガイドワイヤ10は、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除くものとしても、ガイドワイヤ自体の構成に何ら違いはない。仮に、本件発明3のガイドワイヤが、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させること以外の用途、及び血管内の病変部を穿通すること以外の用途であることを特定しているとしても、そのような用途のガイドワイヤを使用することは周知であるから、引用発明4Aのガイドワイヤ10をそのような用途とすることは当業者が容易になし得ることである。

してみると、引用発明4Aの「ガイドワイヤ10」を、人間の冠動脈に挿入されるガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

<相違点19及び20について>

相違点19は上記相違点7と同じであり、相違点20は上記相違点8と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(4)イで説示したとおりである。

また、本件発明3の効果についても、引用発明4A及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明3は、引用発明4A及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 本件発明4について

(1)引用発明1Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明4と引用発明1Bとを対比する。

(ア)引用発明1Bの「ガイドワイヤ10」と、本件発明4の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明1Bの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明4の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Bの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明4の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明1Bの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明4の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明1Bの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明4の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Bのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明4の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(カ)引用発明1Bの「コイル80の基端81は、ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33に固定されている」ことは、上記(イ)及び(ウ)を踏まえれば、本件発明4の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点21>

ガイドワイヤに関し、本件発明4は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点22>

本件発明4は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」のに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点23>

コイル体に関し、本件発明4は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Bは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点24>

コアシャフトに関し、本件発明4は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Bは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点21について>

引用文献1には、引用発明1Bにおけるガイドワイヤ10が、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるものや、血管内の病変部を穿通するものであるとの記載はないので、引用発明1Bの「ガイドワイヤ10」を、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」ものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

<相違点22について>

引用文献1の段落【0055】、【0058】、【0059】、【0061】及び図1には、ガイドワイヤ10において、テーパ領域39の先端側に結合される径が一定の領域35にリボン58が結合され、リボン58の先端がチップ部69に結合されることが記載されている。

一方、ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、先端チップが前記細径部の先端及びコイル体の先端を一体的に保持する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(例えば、引用文献3の段落【0040】~【0043】及び図2のほか、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、ガイドワイヤにおいて、コアシャフトを先端チップに接続するにあたり、引用文献1に記載されるようなリボン58を介して接続するか、又は、上記周知の技術事項のようにするかは、当業者が必要に応じて適宜選択し得る事項であり、引用発明1Bにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点22に係る本件発明4の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点23及び24について>

相違点23は上記相違点1と実質的に同じであり、相違点24は上記相違点2と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

また、本件発明4の効果についても、引用発明1B及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明4は、引用発明1B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明4と引用発明2Bとを対比する。

(ア)引用発明2Bの「ガイドワイヤ310」と、本件発明4の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明2Bの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明4の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明4の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明4の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Bの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明4の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明4の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Bの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明4の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明4の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Bの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明4の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明2Bの「外側コイル380の基端381は、先端ガイドワイヤ区域316に取り付けられている」ことは、上記(イ)及び(エ)を踏まえれば、本件発明4の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点25>

ガイドワイヤに関し、本件発明4は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点26>

本件発明4は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」のに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点27>

コイル体に関し、本件発明4は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Bは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点28>

コアシャフトに関し、本件発明4は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Bは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点25について>

引用文献2には、引用発明2Bにおけるガイドワイヤ310が、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるものや、血管内の病変部を穿通するものであるとの記載はないので、引用発明2Bの「ガイドワイヤ310」を、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」ものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

<相違点26について>

引用文献2の段落【0054】、【0056】及び図11には、ガイドワイヤ310において、テーパー状領域346の先端側に結合される一定直径の領域354にリボン358が取り付けられ、リボン358の先端が丸いチップ部分369に取り付けられることが記載されている。

一方、ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、先端チップが前記細径部の先端及びコイル体の先端を一体的に保持する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(例えば、引用文献3の段落【0040】~【0043】及び図2のほか、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、ガイドワイヤにおいて、コアシャフトを先端チップに接続するにあたり、引用文献2に記載されるようなリボン358を介して接続するか、又は、上記周知の技術事項のようにするかは、当業者が必要に応じて適宜選択し得る事項であり、引用発明2Bにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点26に係る本件発明4の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点27及び28について>

相違点27は上記相違点3と実質的に同じであり、相違点28は上記相違点4と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

また、本件発明4の効果についても、引用発明2B及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明4は、引用発明2B及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明4と引用発明3Bとを対比する。

(ア)引用発明3Bの「ガイドワイヤ20」と、本件発明4の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明3Bの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明4の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Bの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明4の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明3Bの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明4の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明3Bの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるものであるから、本件発明4の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明3Bの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明4の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Bの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明4の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(カ)引用発明3Bの「第2コイル部23bの基端側は、先端部コアワイヤ21bの中間部29に接合する」ことは、本件発明4の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点29>

ガイドワイヤに関し、本件発明4は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点30>

本件発明4は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」のに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点31>

コイル体に関し、本件発明4は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Bは、外径が0.36mmである点。

<相違点32>

コアシャフトに関し、本件発明4は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Bは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点29について>

引用発明3Bにおけるガイドワイヤ20は、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除くものとしても、ガイドワイヤ自体の構成に何ら違いはない。仮に、本件発明4のガイドワイヤが、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させること以外の用途、及び血管内の病変部を穿通すること以外の用途であることを特定しているとしても、そのような用途のガイドワイヤを使用することは周知であるから、引用発明3Bのガイドワイヤ20をそのような用途とすることは当業者が容易になし得ることである。

してみると、引用発明3Bの「ガイドワイヤ20」を、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除くものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

<相違点30について>

引用文献3(段落【0040】~【0043】及び図2を参照。)には、先端部コアワイヤ21bが第2テーパ部30の先端側に隣接する先端部31を有し、先端部31の先端と第1コイル部23aの先端側とが先端半田34で接合されることが記載されており、一般に「接合」との語が、“つなぎ合わせること”を意味することに照らせば、該先端半田34は、先端部31の先端及び第1コイル部23aの先端側を一体的に保持するものである。そして、該「先端部31」は、本件発明4の「細径部」に相当する。

してみると、引用文献3の上記記載事項に照らせば、引用発明3Bは、上記相違点30に係る構成を実質的に備えている。

仮に、実質的な相違点であったとしても、上記相違点30に係る本件発明4の事項は周知の技術事項であるから(例えば、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)、引用発明3Bのガイドワイヤ20において、該周知の事項を採用することは、当業者が容易に想到し得ることである。

<相違点31及び32について>

相違点31は上記相違点5と同じであり、相違点32は上記相違点6と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

また、本件発明4の効果についても、引用発明3B及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明4は、引用発明3B及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明4と引用発明4Bとを対比する。

(ア)引用発明4Bの「ガイドワイヤ10」と、本件発明4の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明4Bの「先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12a」は、本件発明4の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12c」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明4Bの「Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12」は、Ni-Tiが超弾性金属であることが技術常識であることを踏まえれば、本件発明4の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明4Bの「芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13」は、引用文献4の図1から、第2細径部12cとテーパ部12aとを覆うことが看て取れるので、本件発明4の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」に相当する。

(オ)引用発明4Bの「コイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19」は、本件発明4の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明4Bの「芯線先端部12の後端側に接続される部分」は、本件発明4の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。

(キ)引用発明4Bの「コイルバネ13の後端は、芯線先端部12の第2細径部12cに取り付けられる」ことは、本件発明4の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点33>

ガイドワイヤに関し、本件発明4は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点34>

本件発明4は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」のに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点35>

基端側コアシャフトに関し、本件発明4は、「コアシャフトより剛性の高い材料により形成される」のに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点36>

コアシャフトに関し、本件発明4は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Bは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点33について>

引用発明4Bにおけるガイドワイヤ10は、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除くものとしても、ガイドワイヤ自体の構成に何ら違いはない。仮に、本件発明4のガイドワイヤが、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させること以外の用途、及び血管内の病変部を穿通すること以外の用途であることを特定しているとしても、そのような用途のガイドワイヤを使用することは周知であるから、引用発明4Bのガイドワイヤ20をそのような用途とすることは当業者が容易になし得ることである。

してみると、引用発明4Bの「ガイドワイヤ10」を、超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除くものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

<相違点34について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、先端チップが前記細径部の先端及びコイル体の先端を一体的に保持する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(例えば、引用文献3の段落【0040】~【0043】及び図2のほか、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、引用発明4Bにおいて、該周知の技術事項に基づき、第1細径部12b及びコイルバネ13の先端を先端チップ19で一体的に保持する構成とし、上記相違点34に係る本件発明4の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点35及び36について>

相違点35は上記相違点7と同じであり、相違点36は上記相違点8と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(4)イで説示したとおりである。

また、本件発明4の効果についても、引用発明4B及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明4は、引用発明4B及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5)特許権者の主張について

特許権者は、令和 7年10月30日提出の意見書において、概略以下のとおり主張している。

ア 引用文献1及び2に記載された発明として、リボンを有しないガイドワイヤを認定したことには誤りがある。また、リボンを備えたガイドワイヤに対して、リボンを利用しないとすることは、ガイドワイヤが発揮する機能を損なうことになり、阻害する事情がある(意見書第42~48ページ)。

イ 引用文献3には、先端半田34が、先端部31の先端及び第1コイル部23aの先端側を一体的に保持することは記載されていないし、それを示唆する記載も見当たらない(意見書第48~51ページ)。

ウ 引用文献4について、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19に代えて、「コイル体の先端に設けられ、ガイドワイヤの先端を形成する先端チップであり、コアシャフトの細径部の先端及びコイル体の先端を一体的に保持する先端チップ」に相当する構成を採用することは、引用文献4に記載された発明の目的である、血管内の閉塞病変部の穿通能力の向上を損ない、先端部への回転力の伝達性能を低下させる可能性がある。引用発明4Bのチップ19に代えて、本件発明4の「先端チップ」を設けることを阻害する事情がある(意見書第52~55ページ)

エ 相違点22、26、30及び34について検討した際に説示した甲8~10(当審注;本決定における引用文献7~9)で例示される周知の技術事項について、本件発明の「先端チップ」は、「前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」であり、先端チップよりも先端側には、例えば樹脂被覆層のような別個の構成を有していないが、甲8の「固定材料11」及び甲9の「固定材料13」は、その先端側に樹脂被覆層が設けられているから、ガイドワイヤの先端を形成するものではなく、本件発明の「先端チップ」に相当しない(念のためとして、甲11(当審注;本決定における引用文献10)の「固定材料51」も同様であることを主張。)。また、甲10のガイドワイヤは、比較的大きな外径のガイドワイヤであり、該ガイドワイヤの構成が,細径のガイドワイヤにおける周知の事項とはいえない(意見書第55~62ページ)。

しかしながら、上記アの主張について、引用発明1B及び2Bの認定にあたり、リボンを必須の構成とする特段の事情があるとはいえない。そして、相違点22及び26の判断で説示したとおり、ガイドワイヤにおいて、コアシャフトを先端チップに接続するにあたり、リボンを介して接続するか、又は、引用文献7~9で例示されるような周知の技術事項のようにするかは、当業者が必要に応じて適宜選択し得る事項であり、引用発明1B又は2Bにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点22又は26に係る本件発明4の事項とすることは、当業者が容易になし得ることであるので、当該主張を採用することはできない。

また、上記イの主張については、相違点30についての判断で、上記ウの主張については、相違点33及び34についての判断で、それぞれ説示したとおりであり、当該主張を採用することはできない。

さらに、上記エの主張について、相違点22等に関して説示した周知の技術事項は、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、先端チップが前記細径部の先端及びコイル体の先端を一体的に保持することであって、樹脂被覆層の有無やガイドワイヤの大きさは関係ないものであるので、当該主張を採用することはできない。

5 本件発明5について

(1)引用発明1Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明5と引用発明1Aとを対比する。

(ア)引用発明1Aの「ガイドワイヤ10」は、本件発明5の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明1Aの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明5の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Aの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明5の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明1Aの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明5の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明1Aの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明5の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Aのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明5の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」ことに相当する。

(カ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点37>

本件発明5は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置」するのに対し、引用発明1Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点38>

コイル体に関し、本件発明5は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Aは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点39>

コアシャフトに関し、本件発明5は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Aは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点37について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、該細径部の先端がコイル体の先端よりも先端側に位置する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(必要であれば、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、引用発明1Aにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点37に係る本件発明5の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点38及び39について>

相違点38は上記相違点1と同じであり、相違点39は上記相違点2と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

また、本件発明5の効果についても、引用発明1A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明5は、引用発明1A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明5と引用発明2Aとを対比する。

(ア)引用発明2Aの「ガイドワイヤ310」は、本件発明5の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明2Aの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明5の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明5の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明5の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Aの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明5の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明5の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Aの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明5の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明5の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Aの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明5の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点40>

本件発明5は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置」するのに対し、引用発明2Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点41>

コイル体に関し、本件発明5は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Aは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点42>

コアシャフトに関し、本件発明5は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Aは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点40について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、該細径部の先端がコイル体の先端よりも先端側に位置する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(必要であれば、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、引用発明2Aにおいて、該周知の事項を採用し、上記相違点40に係る本件発明5の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点41及び42について>

相違点41は上記相違点3と同じであり、相違点42は上記相違点4と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

また、本件発明5の効果についても、引用発明2A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明5は、引用発明2A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明5と引用発明3Aとを対比する。

(ア)引用発明3Aの「ガイドワイヤ20」は、本件発明5の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明3Aの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明5の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Aの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明5の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明3Aの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明5の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明3Aの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるものであるから、本件発明5の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明3Aの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明5の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Aの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明5の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」ことに相当する。

(カ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点43>

本件発明5は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置」するのに対し、引用発明3Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点44>

コイル体に関し、本件発明5は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Aは、外径が0.36mmである点。

<相違点45>

コアシャフトに関し、本件発明5は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下」であるのに対し、引用発明3Aは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点43について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、該細径部の先端がコイル体の先端よりも先端側に位置する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(必要であれば、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、引用発明3Aにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点43に係る本件発明5の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点44及び45について>

相違点44は上記相違点5と同じであり、相違点45は上記相違点6と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

また、本件発明5の効果についても、引用発明3A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明5は、引用発明3A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明5と引用発明4Aとを対比すると、両者は、上記2(4)アにおいて検討した本件発明1と引用発明4Aとの対比結果と同様の相当関係を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備える、

ガイドワイヤ。」

<相違点46>

本件発明5は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置」するのに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点47>

基端側コアシャフトに関し、本件発明5は、「コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点48>

コアシャフトに関し、本件発明5は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Aは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点46について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、該細径部の先端がコイル体の先端よりも先端側に位置する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(必要であれば、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、引用発明4Aにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点46に係る本件発明5の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点47について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトの基端側を先端側より剛性の高い材料であるステンレス鋼により形成することは、周知の技術事項であるので(例えば、上記引用発明1A、同2A及び同3Aを参照。)、引用発明4Aにおいて、芯線先端部12の後端側に接続される部分を芯線先端部12より剛性が高い材料であるステンレス鋼により形成し、上記相違点47に係る本件発明5の構成とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

<相違点48について>

相違点48は上記相違点8と同じであり、その判断は、上記2(4)イで説示したとおりである。

また、本件発明5の効果についても、引用発明4A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明5は、引用発明4A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6 本件発明6について

(1)引用発明1Cを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明6と引用発明1Cとを対比する。

(ア)引用発明1Cの「ガイドワイヤ10」と、本件発明6の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明1Cの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明6の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Cの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明6の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明1Cの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明6の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明1Cの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明6の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Cのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明6の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(カ)引用発明1Cの「ガイドワイヤ先端部分16の先端27近傍において結合されるリボン58」は、本件発明6の「前記コアシャフトの先端に接続され」「る線材」に相当する。

(キ)上記(エ)及び(カ)を踏まえれば、引用発明1Cの「チップ部69は、コイル80の先端85とリボン58の先端を接続する」ことは、本件発明6の「前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

前記コアシャフトの先端に接続される線材と、

を備え、

前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する、

ガイドワイヤ。」

<相違点49>

ガイドワイヤに関し、本件発明6は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明1Cは、そのような特定がされていない点。

<相違点50>

本件発明6は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体が「放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」ているのに対し、引用発明1Cは、そのような特定がされていない点。

<相違点51>

コイル体に関し、本件発明6は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Cは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点52>

線材に関し、本件発明6は、「前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される」のに対し、引用発明1Cは、そのような特定がされていない点。

<相違点53>

コアシャフトに関し、本件発明6は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Cは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点49について>

相違点49は上記相違点21と実質的に同じであり、その判断は、上記4(1)イで説示したとおりである。

<相違点50について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点50に係る本件発明6の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献10の段落【0075】及び図1、引用文献11の段落【0062】及び図1を参照。)、引用発明1Cにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点51及び53について>

相違点51は上記相違点1と実質的に同じであり、相違点53は上記相違点2と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

<相違点52について>

引用文献1には、「部分16の先端27およびリボンが、結合されたユニットまたは一体構造のユニットとして曲がることができるようにする。このような構成により、望ましい追従性や、望ましいチップの弾力性を付与することができる」(段落【0059】)及び「器具が、特に先端近傍において、比較的高い可撓性を有することが望ましい場合もある」(段落【0002】)と記載されており、これらの記載を踏まえれば、引用発明1Cにおいて、ガイドワイヤ先端部分16よりも先端にあるリボン58を、ガイドワイヤ先端部分16よりも塑性変形しやすい材料により形成することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明6の効果についても、引用発明1C及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明6は、引用発明1C及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Cを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明6と引用発明2Cとを対比する。

(ア)引用発明2Cの「ガイドワイヤ310」と、本件発明6の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明2Cの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明6の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Cの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明6の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明6の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Cの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明6の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Cの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明6の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Cの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明6の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Cの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明6の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Cの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明6の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明2Cの「先端ガイドワイヤ区域316の先端360に隣接して取り付けられるリボン358」は、本件発明6の「前記コアシャフトの先端に接続され」「る線材」に相当する。

(ク)上記(オ)及び(キ)を踏まえれば、引用発明2Cの「丸いチップ部分369は、外側コイル380の先端385とリボン358の先端を接続する」ことは、本件発明6の「前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する」ことに相当する。

(ケ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

前記コアシャフトの先端に接続される線材と、

を備え、

前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する、

ガイドワイヤ。」

<相違点54>

ガイドワイヤに関し、本件発明6は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明2Cは、そのような特定がされていない点。

<相違点55>

本件発明6は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体が「放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」ているのに対し、引用発明2Cは、そのような特定がされていない点。

<相違点56>

コイル体に関し、本件発明6は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Cは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点57>

線材に関し、本件発明6は、「前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される」のに対し、引用発明2Cは、そのような特定がされていない点。

<相違点58>

コアシャフトに関し、本件発明6は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Cは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点54について>

相違点54は上記相違点25と実質的に同じであり、その判断は、上記4(2)イで説示したとおりである。

<相違点55について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点55に係る本件発明6の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献10の段落【0075】及び図1、引用文献11の段落【0062】及び図1を参照。)、引用発明2Cにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点56及び58について>

相違点56は上記相違点3と実質的に同じであり、相違点58は上記相違点4と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

<相違点57について>

引用文献2には、「ガイドワイヤは特に先端付近で比較的柔軟であることが望ましい」(段落【0002】)と記載されており、この記載を踏まえれば、引用発明2Cにおいて、先端ガイドワイヤ区域316よりも先端にあるリボン358を、先端ガイドワイヤ区域316よりも塑性変形しやすい材料により形成することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明6の効果についても、引用発明2C及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明6は、引用発明2C及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明6と引用発明3Aとを対比する。

(ア)引用発明3Aの「ガイドワイヤ20」と、本件発明6の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明3Aの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明6の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Aの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明6の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明3Aの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明6の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明3Aの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるものであるから、本件発明6の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明3Aの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明6の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Aの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明6の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(カ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備える、

ガイドワイヤ。」

<相違点59>

ガイドワイヤに関し、本件発明6は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明3Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点60>

本件発明6は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体が「放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」ているのに対し、引用発明3Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点61>

コイル体に関し、本件発明6は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Aは、外径が0.36mmである点。

<相違点62>

コアシャフトに関し、本件発明6は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Aは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

<相違点63>

本件発明6は、「前記コアシャフトの先端に接続され、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される線材」「を備え」、「前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する」のに対し、引用発明3Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点59について>

相違点59は上記相違点29と実質的に同じであり、その判断は、上記4(3)イで説示したとおりである。

<相違点60について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点60に係る本件発明6の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献10の段落【0075】及び図1、引用文献11の段落【0062】及び図1を参照。)、引用発明3Aにおいて、該周知の事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点61及び62について>

相違点61は上記相違点5と同じであり、相違点62は上記相違点6と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

<相違点63について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点63に係る本件発明6の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、上記引用発明1C及び同2Cのほか、引用文献5(段落【0031】、【0040】、【0045】、【0073】、図1等)を参照。)、引用発明3Aにおいて、当該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明6の効果についても、引用発明3A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明6は、引用発明3A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明6と引用発明4Aとを対比する。

(ア)引用発明4Aの「ガイドワイヤ10」と、本件発明6の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明4Aの「先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12a」は、本件発明6の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12c」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明4Aの「Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12」は、Ni-Tiが超弾性金属であることが技術常識であることを踏まえれば、本件発明6の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明4Aの「芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13」は、引用文献4の図1から、第2細径部12cとテーパ部12aとを覆うことが看て取れるので、本件発明6の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」に相当する。

(オ)引用発明4Aの「先端チップ19」は、本件発明6の「先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明4Aの「芯線先端部12の後端側に接続される部分」は、本件発明6の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備える、

ガイドワイヤ。」

<相違点64>

ガイドワイヤに関し、本件発明6は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点65>

本件発明6は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体が「放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」ているのに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点66>

基端側コアシャフトに関し、本件発明6は、「コアシャフトより剛性の高い材料により形成される」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点67>

コアシャフトに関し、本件発明6は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Aは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

<相違点68>

本件発明6は、「前記コアシャフトの先端に接続され、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される線材」「を備え」、「前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点64について>

相違点64は上記相違点33と実質的に同じであり、その判断は、上記4(4)イで説示したとおりである。

<相違点65について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点65に係る本件発明6の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献10の段落【0075】及び図1、引用文献11の段落【0062】及び図1を参照。)、引用発明4Aにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点66及び67について>

相違点66は上記相違点7と同じであり、相違点67は上記相違点8と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(4)イで説示したとおりである。

<相違点68について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点68に係る本件発明6の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、上記引用発明1C及び同2Cのほか、引用文献5(段落【0031】、【0040】、【0045】、【0073】、図1等)を参照。)、引用文献1の段落【0059】及び【0002】の記載並びに引用文献2の段落【0002】の記載に照らせば、引用発明4Aにおいて、当該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明6の効果についても、引用発明4A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明6は、引用発明4A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

7 本件発明7について

(1)引用発明1Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明7と引用発明1Bとを対比する。

(ア)引用発明1Bの「ガイドワイヤ10」は、本件発明7の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明1Bの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明7の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Bの「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は、本件発明7の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明1Bの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明7の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明1Bの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明7の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明1Bの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明7の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Bのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明7の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明1Bの「コイル80の基端81は、ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33に固定されている」ことは、上記(イ)及び(エ)を踏まえれば、本件発明7の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点69>

コイル体に関し、本件発明7は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Bは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点70>

コアシャフトに関し、本件発明7は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Bは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

<相違点71>

本件発明7は、「少なくとも前記テーパー部の先端と前記コイル体との間に位置し、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料より形成される被覆部」「を備え」るのに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点72>

本件発明7は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点69及び70について>

相違点69は上記相違点1と実質的に同じであり、相違点70は上記相違点2と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

<相違点71について>

引用文献1の段落【0082】及び図1には、ガイドワイヤ10が、ガイドワイヤ先端部分16の先端部27の周囲であって、かつ、コイル80の管腔内に内コイル90を備えることが記載されている。

ここで、引用文献1の段落【0082】には、内コイル90は、コイル80と同一の材料で形成されることが記載されており、同段落【0076】には、コイル80が、ステンレス鋼、金、プラチナ等で形成されることが記載されていることに照らせば、内コイル90は、ステンレス鋼、金、プラチナ等により形成されるものである。

そして、引用発明1Bにおけるガイドワイヤ先端部分16は、ニッケル-チタン合金で形成されるものであり、該ニッケル-チタン合金は、ステンレス鋼、金、プラチナよりも塑性変形しにくいことは技術常識であるので、内コイル90は、ガイドワイヤ先端部分16よりも塑性変形しやすい材料で形成される。

してみると、引用発明1Bにおいて、当該内コイル90を備える構成とすることは、当業者が容易になし得ることであり、その際、内コイル90が、少なくともテーパ領域39の先端とコイル80との間に位置する構成とすることは、当業者が適宜設定し得ることにすぎない。

<相違点72について>

引用発明1Bのコイル80に関し、引用文献1の段落【0081】には、直径約0.025~0.102mmのラウンドワイヤで形成されることが記載されている。当該ラウンドワイヤの径を一定とすることは、通常行われることであり、当業者にとって通常のことである。

してみると、引用発明1Bにおいて、コイル80の素線径を一定とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

また、本件発明7の効果についても、引用発明1B、引用文献1に記載の事項及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明7は、引用発明1B、引用文献1に記載の事項及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明7と引用発明2Bとを対比する。

(ア)引用発明2Bの「ガイドワイヤ310」は、本件発明7の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明2Bの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明7の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明7の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明7の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Bの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明7の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明7の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Bの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明7の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明7の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Bの基端ガイドワイヤ区域314が「ステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明7の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明2Bの「外側コイル380の基端381は、先端ガイドワイヤ区域316に取り付けられている」ことは、上記(イ)及び(エ)を踏まえれば、本件発明7の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点73>

コイル体に関し、本件発明7は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Bは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点74>

コアシャフトに関し、本件発明7は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Bは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

<相違点75>

本件発明7は、「少なくとも前記テーパー部の先端と前記コイル体との間に位置し、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料より形成される被覆部」「を備え」るのに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点76>

本件発明7は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点73及び74について>

相違点73は上記相違点3と実質的に同じであり、相違点74は上記相違点4と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

<相違点75について>

引用文献2の段落【0055】、【0057】及び図11には、ガイドワイヤ310が、先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域346からチップ部分369に隣接したスペーサ要素まで内側コイル390を備えることが記載されている。

ここで、引用文献2の段落【0047】及び【0058】の記載に基づけば、内側コイル390は、コイル280と同一の材料である金、白金、ステンレス鋼等から形成されるものである。

そして、引用発明2Bにおける先端ガイドワイヤ区域316は、ニッケルチタン合金で形成されるものであり、該ニッケルチタン合金は、金、白金、ステンレス鋼よりも塑性変形しにくいことは技術常識であるので、内側コイル390は、先端ガイドワイヤ区域316よりも塑性変形しやすい材料で形成されている。

してみると、引用発明2Bにおいて、当該内側コイル390を備える構成とすることで、上記相違点75に係る本件発明7の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点76について>

引用発明2Bの外側コイル380は、引用文献2の段落【0047】の記載を踏まえれば、直径が約0.00254センチメートルから0.0381センチメートルの丸いリボンで形成されるものである。当該丸いリボンの径を一定とすることは、通常行われることであり、当業者にとって格別の事項とはいえない。

してみると、引用発明2Bにおいて、外側コイル380の素線径を一定とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

また、本件発明7の効果についても、引用発明2B、引用文献2に記載の事項及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明7は、引用発明2B、引用文献2に記載の事項及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明7と引用発明3Bとを対比する。

(ア)引用発明3Bの「ガイドワイヤ20」は、本件発明7の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明3Bの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明7の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Bの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明7の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に相当する。

(ウ)引用発明3Bの「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は、本件発明7の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明3Bの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明7の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明3Bの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるものであるから、本件発明7の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明3Bの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明7の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Bの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明7の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明3Bの「第2コイル部23bの基端側は、先端部コアワイヤ21bの中間部29に接合する」ことは、本件発明7の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点77>

コイル体に関し、本件発明7は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Bは、外径が0.36mmである点。

<相違点78>

コアシャフトに関し、本件発明7は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Bは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

<相違点79>

本件発明7は、「少なくとも前記テーパー部の先端と前記コイル体との間に位置し、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料より形成される被覆部」「を備え」るのに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点80>

本件発明7は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点77及び78について>

相違点77は上記相違点5と実質的に同じであり、相違点78は上記相違点6と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

<相違点79について>

ガイドワイヤにおいて、相違点79に係る本件発明7の事項は、本件特許の出願前において周知の事項であり(必要に応じて、上記相違点71及び75での説示を参照。)、引用発明3Bにおいて、該周知の事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、引用文献3(特に段落【0047】~【0055】を参照。)には、先端部コアワイヤ21bの表面に緩衝部材24をコーティングすることが記載されており、該緩衝部材24は、ガイドワイヤ20に求められる柔軟性を損なうものであってはならず、硬いものであってはならないものであることが記載されているから、該緩衝部材24は、先端部コアワイヤ21bよりも塑性変形しやすい材料であることは明らかである。したがって、引用文献3には、上記相違点79に係る本件発明7の事項が記載されているともいえる。

<相違点80について>

引用発明3Bにおいて、コイル部23を構成する第1コイル部23a及び第2コイル部23bの線径を一定にすることは、通常行われることであり、当業者にとって格別の事項とはいえない。

してみると、引用発明3Bにおいて、コイル部23の素線径を一定とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

また、本件発明7の効果についても、引用発明3B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明7は、引用発明3B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明7と引用発明4Bとを対比する。

(ア)引用発明4Bの「ガイドワイヤ10」は、本件発明7の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明4Bの「先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12a」は、本件発明7の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12c」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明4Bの「Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12」は、Ni-Tiが超弾性金属であることが技術常識であることを踏まえれば、本件発明7の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明4Bの「芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13」は、引用文献4の図1から、第2細径部12cとテーパ部12aとを覆うことが看て取れるので、本件発明7の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」に相当する。

(オ)引用発明4Bの「コイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19」は、本件発明7の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明4Bの「芯線先端部12の後端側に接続される部分」は、本件発明7の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。

(キ)引用発明4Bの「コイルバネ13の後端は、芯線先端部12の第2細径部12cに取り付けられる」ことは、本件発明7の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点81>

基端側コアシャフトに関し、本件発明7は、「コアシャフトより剛性の高い材料により形成される」のに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点82>

コアシャフトに関し、本件発明7は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Bは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

<相違点83>

本件発明7は、「少なくとも前記テーパー部の先端と前記コイル体との間に位置し、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料より形成される被覆部」「を備え」るのに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点84>

本件発明7は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点81及び82について>

相違点81は上記相違点7と実質的に同じであり、相違点82は上記相違点8と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(4)イで説示したとおりである。

<相違点83について>

ガイドワイヤにおいて、相違点83に係る本件発明7の事項は、本件特許の出願前において周知の事項であり(必要に応じて、上記相違点71及び75での説示を参照。)、引用発明4Bにおいて、該周知の事項を採用することは、当業が容易になし得ることである。

<相違点84について>

引用発明4Bにおいて、コイルバネ13の素線径は一定にすることは、通常行われることであり、当業者にとって格別の事項とはいえない。

してみると、引用発明4Bにおいて、コイルバネ13の素線径を一定とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

また、本件発明7の効果についても、引用発明4B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明7は、引用発明4B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5)特許権者の主張について

特許権者は、令和 7年10月30日提出の意見書において、引用文献4には、芯線先端部12とコイルバネ13との間に一定の空隙C1を設けることにより、ロウ材がこの隙間へ入る流れ性が良くなり、芯線先端部12とコイルバネ13との結合強度が確保されることが記載されている(【0045】)ことから、この空隙に被覆部を設けることを、阻害する事情がある旨を主張している(意見書第40~41ページ)。

しかしながら、引用文献4の段落【0045】には、実施例8に係る事項が記載されているのであって、当該事項は、引用発明4Bの認定にあたり根拠とした実施形態(実施例1、5、6、7)に係る事項ではないので、上記主張を採用することはできない。

8 本件発明8について

(1)引用発明1Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明8と引用発明1Bとを対比する。

(ア)引用発明1Bの「ガイドワイヤ10」と、本件発明8の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明1Bの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明8の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Bの「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は、本件発明8の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明1Bの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明8の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明1Bの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明8の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明1Bの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明8の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Bのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明8の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明1Bの「コイル80の基端81は、ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33に固定されている」ことは、上記(イ)及び(エ)を踏まえれば、本件発明8の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点85>

ガイドワイヤに関し、本件発明8は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点86>

本件発明8は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し」、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」のに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点87>

コイル体に関し、本件発明8は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Bは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点88>

コアシャフトに関し、本件発明8は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Bは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

<相違点89>

本件発明8は、コイル体が、「放射性不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」ているのに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点85について>

相違点85は上記相違点21と同じであり、その判断は、上記4(1)イで説示したとおりである。

<相違点86について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、該細径部の先端がコイル体の先端よりも先端側に位置しており、先端チップが前記細径部の先端及びコイル体の先端を一体的に保持する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(必要であれば、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、引用発明1Bにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点86に係る本件発明8の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点87及び88について>

相違点87は上記相違点1と実質的に同じであり、相違点88は上記相違点2と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

<相違点89について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点89に係る本件発明8の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献10の段落【0075】及び図1、引用文献12の段落【0011】、【0013】及び図21を参照。)、引用発明1Bにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明8の効果についても、引用発明1B及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明8は、引用発明1B及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明8と引用発明2Bとを対比する。

(ア)引用発明2Bの「ガイドワイヤ310」と、本件発明8の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明2Bの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明8の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明8の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明8の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Bの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明8の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明8の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Bの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明8の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明8の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Bの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明8の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明2Bの「外側コイル380の基端381は、先端ガイドワイヤ区域316に取り付けられている」ことは、上記(イ)及び(エ)を踏まえれば、本件発明8の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点90>

ガイドワイヤに関し、本件発明8は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点91>

本件発明8は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し」、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」のに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点92>

コイル体に関し、本件発明8は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Bは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点93>

コアシャフトに関し、本件発明8は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Bは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

<相違点94>

本件発明8は、コイル体が、「放射性不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」ているのに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

<相違点90について>

相違点90は上記相違点25と同じであり、その判断は、上記4(2)イで説示したとおりである。

<相違点91について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、該細径部の先端がコイル体の先端よりも先端側に位置しており、先端チップが前記細径部の先端及びコイル体の先端を一体的に保持する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(必要であれば、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、引用発明2Bにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点91に係る本件発明8の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点92及び93について>

相違点92は上記相違点3と実質的に同じであり、相違点93は上記相違点4と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

<相違点94について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点94に係る本件発明8の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献10の段落【0075】及び図1、引用文献12の段落【0011】、【0013】及び図21を参照。)、引用発明2Bにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明8の効果についても、引用発明2B及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明8は、引用発明2B及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明8と引用発明3Bとを対比する。

(ア)引用発明3Bの「ガイドワイヤ20」と、本件発明8の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明3Bの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明8の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Bの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明8の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に相当する。

(ウ)引用発明3Bの「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は、本件発明8の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明3Bの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明8の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明3Bの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるものであるから、本件発明8の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明3Bの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明8の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Bの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明8の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明3Bの「第2コイル部23bの基端側は、先端部コアワイヤ21bの中間部29に接合する」ことは、本件発明8の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点95>

ガイドワイヤに関し、本件発明8は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点96>

本件発明8は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し」、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」のに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点97>

コイル体に関し、本件発明8は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Bは、外径が0.36mmである点。

<相違点98>

コアシャフトに関し、本件発明8は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Bは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

<相違点99>

本件発明8は、コイル体が、「放射性不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」ているのに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点95について>

相違点95は上記相違点29と同じであり、その判断は、上記4(3)イで説示したとおりである。

<相違点96について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、該細径部の先端がコイル体の先端よりも先端側に位置しており、先端チップが前記細径部の先端及びコイル体の先端を一体的に保持する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(必要であれば、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、引用発明3Bにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点96に係る本件発明8の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点97及び98について>

相違点97は上記相違点5と実質的に同じであり、相違点98は上記相違点6と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

<相違点99について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点99に係る本件発明8の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献10の段落【0075】及び図1、引用文献12の段落【0011】、【0013】及び図21を参照。)、引用発明3Bにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明8の効果についても、引用発明3B及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明8は、引用発明3B及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明8と引用発明4Bとを対比する。

(ア)引用発明4Bの「ガイドワイヤ10」と、本件発明8の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(イ)引用発明4Bの「先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12a」は、本件発明8の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12c」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明4Bの「Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12」は、Ni-Tiが超弾性金属であることが技術常識であることを踏まえれば、本件発明8の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明4Bの「芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13」は、引用文献4の図1から、第2細径部12cとテーパ部12aとを覆うことが看て取れるので、本件発明8の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」に相当する。

(オ)引用発明4Bの「コイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19」は、本件発明8の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明4Bの「芯線先端部12の後端側に接続される部分」は、本件発明8の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。

(キ)引用発明4Bの「コイルバネ13の後端は、芯線先端部12の第2細径部12cに取り付けられる」ことは、本件発明8の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点100>

ガイドワイヤに関し、本件発明8は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点101>

本件発明8は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、「前記細径部の先端は、前記コイル体の先端よりも先端側に位置し」、先端チップが「前記細径部の先端及び前記コイル体の先端を一体的に保持する」のに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点102>

基端側コアシャフトに関し、本件発明8は、「コアシャフトより剛性の高い材料により形成される」のに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点103>

コアシャフトに関し、本件発明8は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Bは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

<相違点104>

本件発明8は、コイル体が、「放射性不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」ているのに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点100について>

相違点100は上記相違点33と同じであり、その判断は、上記4(4)イで説示したとおりである。

<相違点101について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部の先端部に隣接する細径部を形成し、該細径部の先端がコイル体の先端よりも先端側に位置しており、先端チップが前記細径部の先端及びコイル体の先端を一体的に保持する構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項である(必要であれば、引用文献7の図1、引用文献8の図3、引用文献9の図1を参照。)。

そして、引用発明4Bにおいて、該周知の技術事項を採用し、上記相違点101に係る本件発明8の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

<相違点102及び103について>

相違点102は上記相違点7と同じであり、相違点103は上記相違点8と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(4)イで説示したとおりである。

<相違点104について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点104に係る本件発明8の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献10の段落【0075】及び図1、引用文献12の段落【0011】、【0013】及び図21を参照。)、引用発明4Bにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明8の効果についても、引用発明4B及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明8は、引用発明4B及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

9 本件発明9について

(1)引用発明1Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明9と引用発明1Aとを対比すると、両者は、上記5(1)アにおいて検討した本件発明5と引用発明1Aとの対比結果と同様の相当関係を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点105>

コイル体に関し、本件発明9は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Aは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点106>

コアシャフトに関し、本件発明9は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Aは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

<相違点107>

本件発明9は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明1Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点108>

本件発明9は、「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記基端部に固定されて」いるのに対し、引用発明1Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点105及び106について>

相違点105は上記相違点1と同じであり、相違点106は上記相違点2と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

<相違点107について>

相違点107は上記相違点72と実質的に同じであり、その判断は上記7(1)イで説示したとおりである。

<相違点108について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点108に係る本件発明9の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献6の段落【0025】及び図1、引用文献13の段落【0020】及び図1、引用文献14の図3及び5を参照。)、引用発明1Aにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明9の効果についても、引用発明1A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明9は、引用発明1A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明9と引用発明2Aとを対比すると、両者は、上記5(2)アにおいて検討した本件発明5と引用発明2Aとの対比結果と同様の相当関係を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点109>

コイル体に関し、本件発明9は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Aは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点110>

コアシャフトに関し、本件発明9は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Aは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

<相違点111>

本件発明9は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明2Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点112>

本件発明9は、「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記基端部に固定されて」いるのに対し、引用発明2Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点109及び110について>

相違点109は上記相違点3と同じであり、相違点110は上記相違点4と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

<相違点111について>

相違点111は上記相違点76と実質的に同じであり、その判断は上記7(2)イで説示したとおりである。

<相違点112について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点112に係る本件発明9の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献6の段落【0025】及び図1、引用文献13の段落【0020】及び図1、引用文献14の図3及び5を参照。)、引用発明2Aにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明9の効果についても、引用発明2A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明9は、引用発明2A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明9と引用発明3Aとを対比すると、両者は、上記5(3)アにおいて検討した本件発明5と引用発明3Aとの対比結果と同様の相当関係を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点113>

コイル体に関し、本件発明9は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Aは、外径が0.36mmである点。

<相違点114>

コアシャフトに関し、本件発明9は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Aは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

<相違点115>

本件発明9は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明3Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点116>

本件発明9は、「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記基端部に固定されて」いるのに対し、引用発明3Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点113及び114について>

相違点113は上記相違点5と同じであり、相違点114は上記相違点6と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

<相違点115について>

相違点115は上記相違点80と実質的に同じであり、その判断は上記7(3)イで説示したとおりである。

<相違点116について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点116に係る本件発明9の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献6の段落【0025】及び図1、引用文献13の段落【0020】及び図1、引用文献14の図3及び5を参照。)、引用発明3Aにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明9の効果についても、引用発明3A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明9は、引用発明3A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明9と引用発明4Aとを対比すると、両者は、上記2(4)アにおいて検討した本件発明1と引用発明4Aとの対比結果と同様の相当関係を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備える、

ガイドワイヤ。」

<相違点117>

基端側コアシャフトに関し、本件発明9は、「コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点118>

コアシャフトに関し、本件発明9は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Aは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

<相違点119>

本件発明9は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点120>

本件発明9は、「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記基端部に固定されて」いるのに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点117について>

相違点117は上記相違点47と同じであり、その判断は、上記5(4)イで説示したとおりである。

<相違点118について>

相違点118は上記相違点8と同じであり、その判断は、上記2(4)イで説示したとおりである。

<相違点119について>

相違点119は上記相違点84と実質的に同じであり、その判断は上記7(4)イで説示したとおりである。

<相違点120について>

ガイドワイヤにおいて、上記相違点120に係る本件発明9の事項は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献6の段落【0025】及び図1、引用文献13の段落【0020】及び図1、引用文献14の図3及び5を参照。)、引用発明4Aにおいて、該周知の技術事項を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明9の効果についても、引用発明4A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明9は、引用発明4A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

10 本件発明10について

(1)引用発明1Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明10と引用発明1Aとを対比する。

(ア)引用発明1Aの「ガイドワイヤ10」は、本件発明10の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明1Aの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明10の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Aの「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は、本件発明10の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明1Aの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明10の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と」「を覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明1Aの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明10の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明1Aの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明10の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Aのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明10の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点121>

本件発明10は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体は「前記細径部」「を覆う」ものであって、「前記細径部の一部と前記コイル体との間に位置する被覆部であって、前記被覆部の先端は、前記先端チップの基端より基端側に位置する被覆部」「を備え」るのに対し、引用発明1Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点122>

コイル体に関し、本件発明10は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Aは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点123>

コアシャフトに関し、本件発明10は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Aは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

<相違点124>

本件発明10は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明1Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点121について>

引用文献1の段落【0028】及び図1には、ガイドワイヤ先端部分16が、テーパ領域39の先端側に結合される径が一定の領域35を有することが記載されている。

また、同段落【0082】、【0083】及び図1を参酌すれば、径が一定の領域35の中間地点の周囲から、チップ部69の近傍位置までであり、かつ、コイル80の管腔内に内コイル90が配置されることが記載されている。

そして、引用文献1に記載される「径が一定の領域35」及び「内コイル90」は、本件発明10における「細径部」及び「被覆部」にそれぞれ相当するので、引用文献1には、上記相違点121に係る本件発明10の事項が記載されている。

してみると、引用発明1Aにおいて、引用文献1に記載の事項に基づき、上記相違点121に係る本件発明10の事項とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

<相違点122及び123について>

相違点122は上記相違点1と同じであり、相違点123は上記相違点2と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

<相違点124について>

相違点124は上記相違点72と実質的に同じであり、その判断は上記7(1)イで説示したとおりである。

また、本件発明10の効果についても、引用発明1A、引用文献1に記載の事項及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明10は、引用発明1A、引用文献1に記載の事項及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明10と引用発明2Aとを対比する。

(ア)引用発明2Aの「ガイドワイヤ310」は、本件発明10の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明2Aの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明10の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明10の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明10の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Aの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明10の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明10の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と」「を覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Aの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明10の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Aの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明10の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Aの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明10の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点125>

本件発明10は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体は「前記細径部」「を覆う」ものであって、「前記細径部の一部と前記コイル体との間に位置する被覆部であって、前記被覆部の先端は、前記先端チップの基端より基端側に位置する被覆部」「を備え」るのに対し、引用発明2Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点126>

コイル体に関し、本件発明10は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Aは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点127>

コアシャフトに関し、本件発明10は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Aは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

<相違点128>

本件発明10は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明2Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点125について>

引用文献2の段落【0054】及び図11には、先端ガイドワイヤ区域316が、テーパー状領域346の先端側に隣接する一定直径の領域354を有することが記載されている。

また、同段落【0057】及び図11を参酌すれば、テーパー状領域346からチップ部分369に隣接する位置までであって、かつ、コイル380の半径方向内側に内側コイル390が配置されることが記載されており、該内側コイル390は、一定直径の領域354の周囲に配置されているといえる。

そして、引用文献2に記載される「一定直径の領域354」及び「内側コイル390」は、本件発明10の「細径部」及び「被覆部」にそれぞれ相当するので、引用文献2には、上記相違点125に係る本件発明10の事項が記載されている。

してみると、引用発明2Aにおいて、引用文献2に記載の事項に基づき、上記相違点125に係る本件発明10の事項とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

<相違点126及び127について>

相違点126は上記相違点3と同じであり、相違点127は上記相違点4と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

<相違点128について>

相違点128は上記相違点76と実質的に同じであり、その判断は上記7(2)イで説示したとおりである。

また、本件発明10の効果についても、引用発明2A、引用文献2に記載の事項及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおりで、本件発明10は、引用発明2A、引用文献2に記載の事項及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明10と引用発明3Aとを対比する。

(ア)引用発明3Aの「ガイドワイヤ20」は、本件発明10の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明3Aの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明10の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Aの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明10の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に相当する。

(ウ)引用発明3Aの「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は、本件発明10の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明3Aの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明10の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と」「を覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明3Aの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるものであるから、本件発明10の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明3Aの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明10の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Aの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明10の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点129>

本件発明10は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体は「前記細径部」「を覆う」ものであって、「前記細径部の一部と前記コイル体との間に位置する被覆部であって、前記被覆部の先端は、前記先端チップの基端より基端側に位置する被覆部」「を備え」るのに対し、引用発明3Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点130>

コイル体に関し、本件発明10は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Aは、外径が0.36mmである点。

<相違点131>

コアシャフトに関し、本件発明10は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Aは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

<相違点132>

本件発明10は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明3Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点129について>

ガイドワイヤにおいて、相違点129に係る本件発明10の事項は、本件特許の出願前において周知の事項であり(必要に応じて、上記相違点121及び125についてそれぞれ説示した引用文献1及び2の記載事項を参照。)、引用発明3Aにおいて、該周知の事項を採用し、相違点129に係る本件発明10の事項とすることは、当業が容易になし得ることである。

<相違点130及び131について>

相違点130は上記相違点5と同じであり、相違点131は上記相違点6と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

<相違点132について>

相違点132は上記相違点80と実質的に同じであり、その判断は、上記7(3)イで説示したとおりである。

また、本件発明10の効果についても、引用発明3A及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明10は、引用発明3A及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明10と引用発明4Aとを対比する。

(ア)引用発明4Aの「ガイドワイヤ10」は、本件発明10の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明4Aの「先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12a」は、本件発明10の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12c」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明4Aの「Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12」は、Ni-Tiが超弾性金属であることが技術常識であることを踏まえれば、本件発明10の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明4Aの「芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13」は、引用文献4の図1から、第2細径部12cとテーパ部12aとを覆うことが看て取れるので、本件発明10の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と」「を覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」に相当する。

(オ)引用発明4Aの「先端チップ19」は、本件発明10の「先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明4Aの「芯線先端部12の後端側に接続される部分」は、本件発明10の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点133>

本件発明10は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体は「前記細径部」「を覆う」ものであって、「前記細径部の一部と前記コイル体との間に位置する被覆部であって、前記被覆部の先端は、前記先端チップの基端より基端側に位置する被覆部」「を備え」るのに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点134>

基端側コアシャフトに関し、本件発明10は、「コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点135>

コアシャフトに関し、本件発明10は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Aは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

<相違点136>

本件発明10は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点133について>

ガイドワイヤにおいて、相違点133に係る本件発明10の事項は、本件特許の出願前において周知の事項であり(必要に応じて、上記相違点121及び125についてそれぞれ説示した引用文献1及び2の記載事項を参照。)、引用発明4Aにおいて、該周知の事項を採用し、相違点133に係る本件発明10の事項とすることは、当業が容易になし得ることである。

<相違点134について>

相違点134は上記相違点47と同じであり、その判断は、上記5(4)イで説示したとおりである。

<相違点135について>

相違点135は上記相違点8と同じであり、その判断は、上記2(4)イで説示したとおりである。

<相違点136について>

相違点136は上記相違点84と実質的に同じであり、その判断は、上記7(4)イで説示したとおりである。

また、本件発明10の効果についても、引用発明4A及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明10は、引用発明4A及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

11 本件発明11について

(1)引用発明1Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明11と引用発明1Bとを対比する。

(ア)引用発明1Bの「ガイドワイヤ10」は、本件発明11の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明1Bの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明11の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Bの「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は、本件発明11の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明1Bの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明11の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と」「を覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明1Bの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明11の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明1Bの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明11の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Bのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明11の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明1Bの「コイル80の基端81は、ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33に固定されている」ことは、上記(イ)及び(エ)を踏まえれば、本件発明11の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されて」いることに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点137>

コイル体に関し、本件発明11は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Bは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点138>

コアシャフトに関し、本件発明11は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Bは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

<相違点139>

本件発明11は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点140>

本件発明11は、「前記コイル体は、前記コイル体の先端及び前記コイル体の基端部においてのみ固定されて」いるのに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点137及び138について>

相違点137は上記相違点1と実質的に同じであり、相違点138は上記相違点2と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

<相違点139について>

相違点139は上記相違点72と同じであり、その判断は上記7(1)イで説示したとおりである。

<相違点140について>

引用文献1の段落【0071】には、コイル80が、基端81の結合点83においてガイドワイヤ先端部分16に結合され、先端85においてチップ部69を介してリボン58と結合されることが記載されている。

そして、引用発明1Bにおいて、コイル80を固定する際、上記先端85及び基端81においてのみ結合させるか、又は、上記先端85及び基端81に加え、それ以外の部分でも結合させるかは、当業者が適宜選択し得る事項であり、固定手段として両端のみで固定することが周知である(例えば、引用文献10の段落【0077】及び図1を参照。)ことを踏まえれば、上記相違点140に係る本件発明11の事項とすることは、当業者による設計的事項にすぎない。

また、本件発明11の効果についても、引用発明1B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明11は、引用発明1B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明11と引用発明2Bとを対比する。

(ア)引用発明2Bの「ガイドワイヤ310」は、本件発明11の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明2Bの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明11の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明11の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明11の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Bの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明11の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明11の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と」「を覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Bの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明11の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明11の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Bの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明11の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明2Bの「外側コイル380の基端381は、先端ガイドワイヤ区域316に取り付けられている」ことは、上記(イ)及び(エ)を踏まえれば、本件発明11の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されて」いることに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点141>

コイル体に関し、本件発明11は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Bは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点142>

コアシャフトに関し、本件発明11は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Bは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

<相違点143>

本件発明11は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点144>

本件発明11は、「前記コイル体は、前記コイル体の先端及び前記コイル体の基端部においてのみ固定されて」いるのに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点141及び142について>

相違点141は上記相違点3と実質的に同じであり、相違点142は上記相違点4と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

<相違点143について>

相違点143は上記相違点76と同じであり、その判断は上記7(2)イで説示したとおりである。

<相違点144について>

引用文献2の段落【0056】には、外側コイル380が、基端381の取り付け点383で先端ガイドワイヤ区域316に取り付けられ、先端383でチップ部分369を介してリボン358に取り付けられることが記載されている。

そして、引用発明2Bにおいて、外側コイル380を固定する際、上記先端383及び基端381においてのみ取り付けるか、又は、上記先端383及び基端381に加え、それ以外の部分でも取り付けるかは、当業者が適宜選択し得る事項であり、固定手段として両端のみで固定することが周知である(例えば、引用文献10の段落【0077】及び図1を参照。)ことを踏まえれば、上記相違点144に係る本件発明11の事項とすることは、当業者による設計的事項にすぎない。

また、本件発明11の効果についても、引用発明2B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明11は、引用発明2B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明11と引用発明3Bとを対比する。

(ア)引用発明3Bの「ガイドワイヤ20」は、本件発明11の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明3Bの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明11の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Bの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明11の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に相当する。

(ウ)引用発明3Bの「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は、本件発明11の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明3Bの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明11の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と」「を覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明3Bの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるものであるから、本件発明11の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明3Bの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明11の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Bの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明11の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明3Bの「第2コイル部23bの基端側は、先端部コアワイヤ21bの中間部29に接合する」ことは、本件発明11の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されて」いることに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点145>

コイル体に関し、本件発明11は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Bは、外径が0.36mmである点。

<相違点146>

コアシャフトに関し、本件発明11は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Bは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

<相違点147>

本件発明11は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点148>

本件発明11は、「前記コイル体は、前記コイル体の先端及び前記コイル体の基端部においてのみ固定されて」いるのに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点145及び146について>

相違点145は上記相違点5と実質的に同じであり、相違点146は上記相違点6と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

<相違点147について>

相違点147は上記相違点80と実質的に同じであり、その判断は上記7(3)イで説示したとおりである。

<相違点148について>

引用文献3の段落【0069】及び図4には、第1コイル部23aが、先端半田34と基端半田32とによりコアワイヤ21の先端部に接合されることが記載されている。また、コアシャフトを覆うコイル体を固定する際、先端及び基端においてのみ取り付けるか、又は、上記先端及び基端に加え、それ以外の部分でも取り付けるかは、当業者が適宜選択し得る事項であり、固定手段として両端のみで固定することが周知である(例えば、引用文献10の段落【0077】及び図1を参照。)ことを踏まえれば、引用発明3Bにおいて、上記相違点148に係る本件発明11の事項とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

また、本件発明11の効果についても、引用発明3B、引用文献3に記載の事項及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明11は、引用発明3B、引用文献3に記載の事項及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明11と引用発明4Bとを対比する。

(ア)引用発明4Bの「ガイドワイヤ10」は、本件発明11の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明4Bの「先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12a」は、本件発明11の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12c」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明4Bの「Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12」は、Ni-Tiが超弾性金属であることが技術常識であることを踏まえれば、本件発明11の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明4Bの「芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13」は、引用文献4の図1から、第2細径部12cとテーパ部12aとを覆うことが看て取れるので、本件発明11の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部と」「を覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」に相当する。

(オ)引用発明4Bの「コイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19」は、本件発明11の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明4Bの「芯線先端部12の後端側に接続される部分」は、本件発明11の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。

(キ)引用発明4Bの「コイルバネ13の後端は、芯線先端部12の第2細径部12cに取り付けられる」ことは、本件発明11の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点149>

基端側コアシャフトに関し、本件発明11は、「コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成される」のに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点150>

コアシャフトに関し、本件発明11は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Bは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

<相違点151>

本件発明11は、「前記コイル体の素線径は一定」であるのに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点152>

本件発明11は、「前記コイル体は、前記コイル体の先端及び前記コイル体の基端部においてのみ固定されて」いるのに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点149について>

相違点149は上記相違点47と実質的に同じであり、その判断は、上記5(4)イで説示したとおりである。

<相違点150について>

相違点150は上記相違点8と実質的に同じである。そして、その判断は、上記2(4)イで説示したとおりである。

<相違点151について>

相違点151は上記相違点84と同じであり、その判断は上記7(4)イで説示したとおりである。

<相違点152について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトを覆うコイル体を固定する際、先端及び基端においてのみ取り付けるか、又は、上記先端及び基端に加え、それ以外の部分でも取り付けるかは、当業者が適宜選択し得る事項であり、固定手段として両端のみで固定することが周知である(例えば、引用文献10の段落【0077】及び図1を参照。)ことを踏まえれば、引用発明4Bにおいて、上記相違点152に係る本件発明11の事項とすることは、当業者による設計的事項にすぎない。

また、本件発明11の効果についても、引用発明4B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明11は、引用発明4B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

12 本件発明12について

(1)引用発明1Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明12と引用発明1Aとを対比すると、両者は、上記10(1)アにおいて検討した本件発明10と引用発明1Aとの対比結果と同様の相当関係を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点153>

コイル体に関し、本件発明12は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Aは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点154>

コアシャフトに関し、本件発明12は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Aは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

<相違点155>

本件発明12は、「前記コイル体を形成する素線は、前記テーパー部を覆う素線の素線径が、前記中間部を覆う素線の素線径より大きい」のに対し、引用発明1Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点153及び154について>

相違点153は上記相違点1と同じであり、相違点154は上記相違点2と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

<相違点155について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部を覆うコイル体の素線径が、コアシャフトの中間部を覆うコイル体の素線の素線径より大きい構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献4の段落【0022】及び図2、引用文献11の段落【0061】及び図1、引用文献15の段落【0065】、【0066】及び図2を参照。)、引用発明1Aにおいて、該周知の技術事項を採用することで、上記相違点155に係る本件発明12の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明12の効果についても、引用発明1A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明12は、引用発明1A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明12と引用発明2Aとを対比すると、両者は、上記10(2)アにおいて検討した本件発明10と引用発明2Aとの対比結果と同様の相当関係を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点156>

コイル体に関し、本件発明12は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Aは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点157>

コアシャフトに関し、本件発明12は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Aは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

<相違点158>

本件発明12は、「前記コイル体を形成する素線は、前記テーパー部を覆う素線の素線径が、前記中間部を覆う素線の素線径より大きい」のに対し、引用発明2Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点156及び157について>

相違点156は上記相違点3と同じであり、相違点157は上記相違点4と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

<相違点158について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部を覆うコイル体の素線径が、コアシャフトの中間部を覆うコイル体の素線の素線径より大きい構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献4の段落【0022】及び図2、引用文献11の段落【0061】及び図1、引用文献15の段落【0065】、【0066】及び図2を参照。)、引用発明2Aにおいて、該周知の技術事項を採用することで、上記相違点158に係る本件発明12の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明12の効果についても、引用発明2A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明12は、引用発明2A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明12と引用発明3Aとを対比すると、両者は、上記10(3)アにおいて検討した本件発明10と引用発明3Aとの対比結果と同様の相当関係を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点159>

コイル体に関し、本件発明12は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Aは、外径が0.36mmである点。

<相違点160>

コアシャフトに関し、本件発明12は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Aは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

<相違点161>

本件発明12は、「前記コイル体を形成する素線は、前記テーパー部を覆う素線の素線径が、前記中間部を覆う素線の素線径より大きい」のに対し、引用発明3Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点159及び160について>

相違点159は上記相違点5と同じであり、相違点160は上記相違点6と同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

<相違点161について>

ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部を覆うコイル体の素線径が、コアシャフトの中間部を覆うコイル体の素線の素線径より大きい構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献4の段落【0022】及び図2、引用文献11の段落【0061】及び図1、引用文献15の段落【0065】、【0066】及び図2を参照。)、引用発明3Aにおいて、該周知の技術事項を採用することで、上記相違点161に係る本件発明12の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明12の効果についても、引用発明3A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明12は、引用発明3A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Aを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明12と引用発明4Aとを対比すると、両者は、上記10(4)アにおいて検討した本件発明10と引用発明4Aとの対比結果と同様の相当関係を有する。

したがって、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と、前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点162>

基端側コアシャフトに関し、本件発明12は、「コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成され」るのに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

<相違点163>

コアシャフトに関し、本件発明12は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Aは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

<相違点164>

本件発明12は、「前記コイル体を形成する素線は、前記テーパー部を覆う素線の素線径が、前記中間部を覆う素線の素線径より大きい」のに対し、引用発明4Aは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点162について>

相違点162は上記相違点47と同じであり、その判断は、上記5(4)イで説示したとおりである。

<相違点163について>

相違点163は上記相違点8と同じである。そして、その判断は、上記2(4)イで説示したとおりである。

<相違点164について>

引用文献4の段落【0022】及び図2には、コイルバネ13を形成する素線について、コイルバネ13のテーパ部13bの素線径が、コイルバネ13の等径部13dの素線径より大きいことが記載されており、この記載事項を踏まえれば、引用発明4Aのコイルバネ13は、相違点164に係る構成を備えているといえるので、該相違点164は実質的な相違点ではない。

仮に、実質的な相違点であったとしても、ガイドワイヤにおいて、コアシャフトのテーパー部を覆うコイル体の素線径が、コアシャフトの中間部を覆うコイル体の素線の素線径より大きい構成は、本件特許の出願前において周知の技術事項であり(例えば、引用文献4の上記記載のほか、引用文献11の段落【0061】及び図1、引用文献15の段落【0065】、【0066】及び図2を参照。)、引用発明4Aにおいて、該周知の技術事項を採用することで、上記相違点164に係る本件発明12の事項とすることは、当業者が容易になし得ることである。

また、本件発明12の効果についても、引用発明4A及び周知の技術事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明12は、引用発明4A及び周知の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

13 本件発明13について

(1)引用発明1Bを主引用発明とした場合

ア 対比

(ア)本件発明13と引用発明1Bとを対比すると、両者は、上記11(1)アで検討した本件発明11と引用発明1Bとの対比における(イ)~(キ)と同様の相当関係を有するとともに、以下の(イ)に示す関係を有する。

(イ)引用発明1Bの「ガイドワイヤ10」と、本件発明13の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(ウ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点165>

ガイドワイヤに関し、本件発明13は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点166>

本件発明13は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体が「放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」ているのに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点167>

コイル体に関し、本件発明13は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Bは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点168>

コアシャフトに関し、本件発明13は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Bは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点165について>

相違点165は上記相違点21と同じであり、その判断は、上記4(1)イで説示したとおりである。

<相違点166について>

相違点166は上記相違点50と実質的に同じであり、その判断は、上記6(1)イで説示したとおりである。

<相違点167及び168について>

相違点167は上記相違点1と実質的に同じであり、相違点168は上記相違点2と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

また、本件発明13の効果についても、引用発明1B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明13は、引用発明1B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Bを主引用発明とした場合

ア 対比

(ア)本件発明13と引用発明2Bとを対比すると、両者は、上記11(2)アで検討した本件発明11と引用発明2Bとの対比における(イ)~(キ)と同様の相当関係を有するとともに、以下の(イ)に示す関係を有する。

(イ)引用発明2Bの「ガイドワイヤ310」と、本件発明13の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(ウ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点169>

ガイドワイヤに関し、本件発明13は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点170>

本件発明13は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体が「放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」ているのに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点171>

コイル体に関し、本件発明13は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Bは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点172>

コアシャフトに関し、本件発明13は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Bは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点169について>

相違点169は上記相違点25と同じであり、その判断は、上記4(2)イで説示したとおりである。

<相違点170について>

相違点170は上記相違点55と実質的に同じであり、その判断は、上記6(2)イで説示したとおりである。

<相違点171及び172について>

相違点171は上記相違点3と実質的に同じであり、相違点172は上記相違点4と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

また、本件発明13の効果についても、引用発明2B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明13は、引用発明2B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Bを主引用発明とした場合

ア 対比

(ア)本件発明13と引用発明3Bとを対比すると、両者は、上記11(3)アで検討した本件発明11と引用発明3Bとの対比における(イ)~(キ)と同様の相当関係を有するとともに、以下の(イ)に示す関係を有する。

(イ)引用発明3Bの「ガイドワイヤ20」と、本件発明13の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(ウ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されており、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成される、

ガイドワイヤ。」

<相違点173>

ガイドワイヤに関し、本件発明13は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点174>

本件発明13は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体が「放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」ているのに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点175>

コイル体に関し、本件発明13は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Bは、外径が0.36mmである点。

<相違点176>

コアシャフトに関し、本件発明13は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Bは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点173について>

相違点173は上記相違点29と同じであり、その判断は、上記4(3)イで説示したとおりである。

<相違点174について>

相違点174は上記相違点60と実質的に同じであり、その判断は、上記6(3)イで説示したとおりである。

<相違点175及び176について>

相違点175は上記相違点5と実質的に同じであり、相違点176は上記相違点6と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

また、本件発明13の効果についても、引用発明3B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明13は、引用発明3B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Bを主引用発明とした場合

ア 対比

(ア)本件発明13と引用発明4Bとを対比すると、両者は、上記11(4)アで検討した本件発明11と引用発明4Bとの対比における(イ)~(キ)と同様の相当関係を有するとともに、以下の(イ)に示す関係を有する。

(イ)引用発明4Bの「ガイドワイヤ10」と、本件発明13の「ガイドワイヤ(超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く)」とは、ガイドワイヤの限りで一致する。

(ウ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点177>

ガイドワイヤに関し、本件発明13は、「超音波振動を伝達して硬化組織を破壊又は柔軟化させるガイドワイヤ、及び血管内の病変部を穿通するガイドワイヤを除く」のに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点178>

本件発明13は、コアシャフトが「前記テーパー部の先端部に隣接する細径部」を有し、コイル体が「放射線不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記細径部の基端より基端側に位置し」ているのに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点179>

基端側コアシャフトに関し、本件発明13は、「コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成され」るのに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点180>

コアシャフトに関し、本件発明13は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Bは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点177について>

相違点177は上記相違点33と同じであり、その判断は、上記4(4)イで説示したとおりである。

<相違点178について>

相違点178は上記相違点65と実質的に同じであり、その判断は、上記6(4)イで説示したとおりである。

<相違点179について>

相違点179は上記相違点47と実質的に同じであり、その判断は、上記5(4)イで説示したとおりである。

<相違点180について>

相違点180は上記相違点8と実質的に同じであり、その判断は、上記2(4)イで説示したとおりである。

また、本件発明13の効果についても、引用発明4B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明13は、引用発明4B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

14 本件発明14について

(1)引用発明1Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明14と引用発明1Bとを対比する。

(ア)引用発明1Bの「ガイドワイヤ10」は、本件発明14の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明1Bの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明14の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Bの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明14の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明1Bの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明14の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明1Bの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明14の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Bのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明14の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成され」ることに相当する。

(カ)引用発明1Bの「コイル80の基端81は、ガイドワイヤ先端部分16の径が一定の領域33に固定されている」ことは、上記(イ)及び(ウ)を踏まえれば、本件発明14の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点181>

コイル体に関し、本件発明14は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Bは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点182>

コアシャフトに関し、本件発明14は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Bは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

<相違点183>

本件発明14は、コイル体が、「放射性不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」ているのに対し、引用発明1Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点181及び182について>

相違点181は上記相違点1と実質的に同じであり、相違点182は上記相違点2と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

<相違点183について>

相違点183は上記相違点89と同じであり、その判断は、上記8(1)イで説示したとおりである。

また、本件発明14の効果についても、引用発明1B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明14は、引用発明1B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明14と引用発明2Bとを対比する。

(ア)引用発明2Bの「ガイドワイヤ310」は、本件発明14の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明2Bの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明14の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明14の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明14の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Bの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明14の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明14の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Bの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明14の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Bの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明14の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Bの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明14の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成され」ることに相当する。

(キ)引用発明2Bの「外側コイル380の基端381は、先端ガイドワイヤ区域316に取り付けられている」ことは、上記(イ)及び(エ)を踏まえれば、本件発明14の「コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点184>

コイル体に関し、本件発明14は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Bは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点185>

コアシャフトに関し、本件発明14は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Bは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

<相違点186>

本件発明14は、コイル体が、「放射性不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」ているのに対し、引用発明2Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点184及び185について>

相違点184は上記相違点3と実質的に同じであり、相違点185は上記相違点4と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

<相違点186について>

相違点186は上記相違点94と同じであり、その判断は、上記8(2)イで説示したとおりである。

また、本件発明14の効果についても、引用発明2B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明14は、引用発明2B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)引用発明3Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明14と引用発明3Bとを対比する。

(ア)引用発明3Bの「ガイドワイヤ20」は、本件発明14の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明3Bの「第2テーパ部30」は、引用文献3の図2から、基端側から先端側に向かって縮径することが看て取れるので、本件発明14の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当する。また、引用発明3Bの「第2テーパ部30の基端側に隣接する中間部29」は、本件発明14の「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に相当し、同様に、「中間部29の基端側に隣接する第1テーパ部28」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、「超弾性を示すNi-Ti合金である先端部コアワイヤ21b」は「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明3Bの「中間部29のほぼ中間から先端部コアワイヤ21bの外側に取り付けられ、先端側の第1コイル部23aと、基端側の第2コイル部23bとを有」する「コイル部23」は、引用文献3の図2から、中間部29の一部と第2テーパ部30とを覆うことが看て取れるので、本件発明14の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(エ)引用発明3Bの「第1コイル部23aの先端部に設けられ、ガイドワイヤ20の先端を形成する先端半田34」は、「第1コイル部23a」が「コイル部23」に含まれるものであるから、本件発明14の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(オ)引用発明3Bの「先端部コアワイヤ21bの基端側に設けられ」る「基部コアワイヤ21a」は、本件発明14の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明3Bの基部コアワイヤ21aが、「剛性が高いもので、比較的硬い材質であるステンレス鋼を使用する」ことは、先端部コアワイヤ21bと比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明14の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成され」ることに相当する。

(カ)引用発明3Bの「第2コイル部23bの基端側は、先端部コアワイヤ21bの中間部29に接合する」ことは、本件発明14の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(キ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記基端側コアシャフトは、ステンレス鋼により形成され、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点187>

コイル体に関し、本件発明14は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明3Bは、外径が0.36mmである点。

<相違点188>

コアシャフトに関し、本件発明14は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明3Bは、中間部29の基端半田32の部分の径は、0.23mmである点。

<相違点189>

本件発明14は、コイル体が、「放射性不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」ているのに対し、引用発明3Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点187及び188について>

相違点187は上記相違点5と実質的に同じであり、相違点188は上記相違点6と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(3)イで説示したとおりである。

<相違点189について>

相違点189は、上記相違点99と同じであり、その判断は、上記8(3)イで説示したとおりである。

また、本件発明14の効果についても、引用発明3B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明14は、引用発明3B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)引用発明4Bを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明14と引用発明4Bとを対比する。

(ア)引用発明4Bの「ガイドワイヤ10」は、本件発明14の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明4Bの「先端に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパ部12a」は、本件発明14の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ部12aの後端に形成された第2細径部12c」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「第2細径部12cの後端に第2細径部12cよりも拡径された部分」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明4Bの「Ni-Tiから構成される芯線11の先端部をテーパ状に形成した芯線先端部12」は、Ni-Tiが超弾性金属であることが技術常識であることを踏まえれば、本件発明14の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明4Bの「芯線先端部12に取り付けられ、外径が0.360mm以下であるコイルバネ13」は、引用文献4の図1から、第2細径部12cとテーパ部12aとを覆うことが看て取れるので、本件発明14の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体」に相当する。

(オ)引用発明4Bの「コイルバネ13の先端に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成する先端チップ19」は、本件発明14の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明4Bの「芯線先端部12の後端側に接続される部分」は、本件発明14の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。

(キ)引用発明4Bの「コイルバネ13の後端は、芯線先端部12の第2細径部12cに取り付けられる」ことは、本件発明14の「前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている」ことに相当する。

(ク)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体であって、外径が0.36mm以下のコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続される基端側コアシャフトと、

を備え、

前記コイル体の基端部は、前記コアシャフトの前記中間部に固定されている、

ガイドワイヤ。」

<相違点190>

基端側コアシャフトに関し、本件発明14は、「コアシャフトより剛性が高い材料により形成され」、「ステンレス鋼により形成され」るのに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

<相違点191>

コアシャフトに関し、本件発明14は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明4Bは、第2細径部12cの外径は、最大で0.230mmである点。

<相違点192>

本件発明14は、コイル体が、「放射性不透過性を有する材料で形成された第1部位と、前記第1部位の基端側に位置し、ステンレス合金で形成された第2部位とを含み、前記第1部位の基端は、前記テーパー部の先端より基端側であり、かつ前記テーパー部の基端より先端側に位置し」ているのに対し、引用発明4Bは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点190について>

相違点190は上記相違点47と実質的に同じであり、その判断は、上記5(4)イで説示したとおりである。

<相違点191について>

相違点191は上記相違点8と実質的に同じであり、その判断は、上記2(4)イで説示したとおりである。

<相違点192について>

相違点192は上記相違点104と同じであり、その判断は、上記8(4)イで説示したとおりである。

また、本件発明14の効果についても、引用発明4B及び周知の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明14は、引用発明4B及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

15 本件発明15について

(1)引用発明1Cを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明15と引用発明1Cとを対比する。

(ア)引用発明1Cの「ガイドワイヤ10」は、本件発明15の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明1Cの「先端に向かって断面積が減少するような形状を有するテーパ領域39」は、その機能及び構造から、本件発明15の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパ領域39の基端側に結合される径が一定の領域33」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「径が一定の領域33の基端側に結合されるテーパ領域37及び該テーパ領域37の基端側に結合される径が一定の領域31」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明1Cの「超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成されるガイドワイヤ先端部分16」は、本件発明15の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明1Cの「テーパ領域37近傍のある地点から先端部分16の最先端を超えた先端側の地点まで、先端部分16の周囲を延びるコイル80」は、引用文献1の図1から、径が一定の領域33とテーパ領域39とを覆うことが看て取れるので、本件発明15の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明1Cの「コイル80の先端85に設けられ、ガイドワイヤ10の先端を形成するチップ部69」は、本件発明15の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明1Cの「ガイドワイヤ先端部分16の基端側に結合され」る「ガイドワイヤ基端部分14」は、本件発明15の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明1Cのガイドワイヤ基端部分14が「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成される」ことは、ガイドワイヤ先端部分16と比較して剛性の高い材料で形成されることが自明であるので、本件発明15の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明1Cの「ガイドワイヤ先端部分16の先端27近傍において結合されるリボン58」は、本件発明15の「前記コアシャフトの先端に接続され」「る線材」に相当する。

(ク)上記(オ)及び(キ)を踏まえれば、引用発明1Cの「チップ部69は、コイル80の先端85とリボン58の先端を接続する」ことは、本件発明15の「前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する」ことに相当する。

(ケ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

前記コアシャフトの先端に接続される線材と、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する、

ガイドワイヤ。」

<相違点193>

コイル体に関し、本件発明15は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明1Cは、外径が約0.254~0.381mmである点。

<相違点194>

線材に関し、本件発明15は、「前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される」のに対し、引用発明1Cは、そのような特定がされていない点。

<相違点195>

コアシャフトに関し、本件発明15は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明1Cは、径が一定の領域33の外径は、約0.127~0.305mmである点。

<相違点196>

本件発明15は、「前記コアシャフトと前記線材との接合部と、前記コイル体との間に位置し、且つ前記線材よりも塑性変形しにくく、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される被覆部」「を備え」、「前記被覆部の先端は、前記線材の基端より先端側に位置し、前記被覆部の基端は、前記コアシャフトの先端より基端側且つ前記線材の基端より基端側に位置する」のに対し、引用発明1Cは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点193及び195について>

相違点193は上記相違点1と実質的に同じであり、相違点195は上記相違点2と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(1)イで説示したとおりである。

<相違点194について>

相違点194は上記相違点52と同じであり、その判断は、上記6(1)イで説示したとおりである。

<相違点196について>

引用文献1の段落【0082】及び図1には、ガイドワイヤ10が、リボン58を含むガイドワイヤ先端部分16の先端部27の周囲であって、かつ、コイル80の管腔内に内コイル90を備えることが記載されている。

ここで、引用文献1の段落【0082】には、内コイル90は、コイル80と同一の材料で形成されることが記載されており、同段落【0076】には、コイル80が、ステンレス鋼、金、プラチナ等で形成されることが記載されていることに照らせば、内コイル90は、ステンレス鋼、金、プラチナ等により形成されるものである。

そして、引用発明1Cにおけるガイドワイヤ先端部分16は、ニッケル-チタン合金で形成されるものであり、該ニッケル-チタン合金は、超弾性金属であるから、ステンレス鋼、金、プラチナよりも塑性変形しにくいことは技術常識であるので、内コイル90は、ガイドワイヤ先端部分16よりも塑性変形しやすい材料で形成されている。

してみると、引用発明1Cにおいて、引用文献1に記載されるガイドワイヤ先端部分16よりも塑性変形しやすい材料で形成される内コイル90を備えるようにすることは、当業者が容易になし得ることであり、その際、引用文献1の段落【0056】には、「リボン58は、強度や可撓性等の所望の特性を付与すべく、任意の好適な材料で」「形成する」ことが記載されていることを踏まえれば、リボン58を内コイル90より塑性変形しやすい材料で形成する(すなわち、内コイル90をリボン58より塑性変形しにくい材料で形成する)ことは、当業者による設計的事項にすぎない。

また、引用文献2の図11から、先端ガイドワイヤ区域316とリボン358との取り付け点364と、外側コイル380との間に位置する内側コイル390を備え、内側コイル390の先端は、リボン358の基端より先端側に位置し、内側コイル390の基端は、先端ガイドワイヤ区域316の先端より基端側且つリボン358の基端より基端側に位置することが看取できることに照らせば、引用発明1Cにおいて内コイル90を備える際、先端がリボン58の基端より先端側に位置し、基端がガイドワイヤ先端部分16の先端より基端側且つリボン58の基端より基端側に位置するようにすることは、当業者による設計的事項にすぎない。

したがって、引用発明1Cにおいて、相違点196に係る本件発明15の事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

また、本件発明15の効果についても、引用発明1C、引用文献1に記載の事項及び引用文献2に記載の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明15は、引用発明1C、引用文献1に記載の事項及び引用文献2に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(2)引用発明2Cを主引用発明とした場合

ア 対比

本件発明15と引用発明2Cとを対比する。

(ア)引用発明2Cの「ガイドワイヤ310」は、本件発明15の「ガイドワイヤ」に相当する。

(イ)引用発明2Cの「先端に向かって断面積が小さくなる形状を有するテーパー状領域346」は、その機能及び構造から、本件発明15の「自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部」に相当し、同様に、「テーパー状領域346の基端側に隣接する一定直径の領域350」は「前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部」に、「一定直径の領域350の基端側に隣接するテーパー状領域342」は「前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部」に、それぞれ相当する。

(ウ)引用発明2Cの「先端ガイドワイヤ区域316」は、その機能及び構造から、本件発明15の「コアシャフト」に相当する。また、「超弾力性合金であるニッケルチタン合金」は、異議申立人が提出した甲第5号証の1(第4ページ)、同2及び3の記載事項を参酌すれば、本件発明15の「超弾性金属」に相当する。

したがって、引用発明2Cの「超弾力性合金であるニッケルチタン合金で形成される先端ガイドワイヤ区域316」は、本件発明15の「超弾性金属により形成されるコアシャフト」であって、「ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され」る「前記コアシャフト」に相当する。

(エ)引用発明2Cの「先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域342からリボン358の最も先端の部分を超えて延びる外側コイル380」は、引用文献2の図11から、一定直径の領域350とテーパ状領域346とを覆うことが看て取れるので、本件発明15の「前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体」に相当する。

(オ)引用発明2Cの「外側コイル380の先端385に設けられ、ガイドワイヤ310の先端を形成する丸いチップ部分369」は、本件発明15の「前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップ」に相当する。

(カ)引用発明2Cの「先端ガイドワイヤ区域316の基端側に接続され」る「基端ガイドワイヤ区域314」は、本件発明15の「前記コアシャフトの基端側に接続され」「る基端側コアシャフト」に相当する。また、引用発明2Cの基端ガイドワイヤ区域314が「304vステンレス鋼ワイヤなどの比較的堅い材料で形成される」ことは、先端ガイドワイヤ区域316と比較して剛性の高い材料で形成されることは自明であるので、本件発明15の「前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される」ことに相当する。

(キ)引用発明2Cの「先端ガイドワイヤ区域316の先端360に隣接して取り付けられるリボン358」は、本件発明15の「前記コアシャフトの先端に接続され」「る線材」に相当する。

(ク)上記(オ)及び(キ)を踏まえれば、引用発明2Cの「丸いチップ部分369は、外側コイル380の先端385とリボン358の先端を接続する」ことは、本件発明15の「前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する」ことに相当する。

(ケ)してみると、両者は以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「ガイドワイヤであって、

自身の基端側から先端側に向かって縮径するテーパー部と、前記テーパー部の基端側に隣接する略円柱状の中間部と、前記中間部の基端側に隣接し、前記中間部より拡径された基端部と、を有し、超弾性金属により形成されるコアシャフトと、

前記コアシャフトの前記中間部の少なくとも一部と前記テーパー部とを覆うコイル体と、

前記コイル体の先端に設けられ、前記ガイドワイヤの先端を形成する先端チップと、

前記コアシャフトの基端側に接続され、前記コアシャフトより剛性が高い材料により形成される基端側コアシャフトと、

前記コアシャフトの先端に接続される線材と、

を備え、

前記コアシャフトは、ニッケルチタン(Ni-Ti)合金により形成され、

前記先端チップは、前記コイル体の先端と前記線材の先端を接続する、

ガイドワイヤ。」

<相違点197>

コイル体に関し、本件発明15は、「外径が0.36mm以下」であるのに対し、引用発明2Cは、直径が約0.00254センチメートル~0.0381センチメートルである点。

<相違点198>

線材に関し、本件発明15は、「前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される」のに対し、引用発明2Cは、そのような特定がされていない点。

<相違点199>

コアシャフトに関し、本件発明15は、「中間部の直径は、0.22mm以上0.24mm以下であ」るのに対し、引用発明2Cは、一定直径の領域350の外径は、約0.023876センチメートル~約0.024638センチメートルである点。

<相違点200>

本件発明15は、「前記コアシャフトと前記線材との接合部と、前記コイル体との間に位置し、且つ前記線材よりも塑性変形しにくく、前記コアシャフトよりも塑性変形しやすい材料により形成される被覆部」「を備え」、「前記被覆部の先端は、前記線材の基端より先端側に位置し、前記被覆部の基端は、前記コアシャフトの先端より基端側且つ前記線材の基端より基端側に位置する」のに対し、引用発明2Cは、そのような特定がされていない点。

イ 判断

上記各相違点について以下検討する。

<相違点197及び199について>

相違点197は上記相違点3と実質的に同じであり、相違点199は上記相違点4と実質的に同じである。そして、その判断は、いずれも上記2(2)イで説示したとおりである。

<相違点198について>

相違点198は上記相違点57と同じであり、その判断は、上記6(2)イで説示したとおりである。

<相違点200について>

引用文献2の段落【0055】、【0057】及び図11には、ガイドワイヤ310が、先端ガイドワイヤ区域316の周囲でテーパー状領域346からチップ部分369に隣接したスペーサ要素まで内側コイル390を備えることが記載されている。また、図11から、該内側コイル390は、先端ガイドワイヤ区域316とリボン358との取り付け点364と、外側コイル380との間に位置し、該内側コイル390の先端は、リボン358の基端より先端側に位置しており、内側コイル390の基端は、先端ガイドワイヤ区域316の先端より基端側且つリボン358の基端より基端側に位置していることが看取できる。

ここで、引用文献2の段落【0047】及び【0058】の記載に基づけば、内側コイル390は、コイル280と同一の材料である金、白金、ステンレス鋼等から形成されるものである。

そして、引用発明2Cにおける先端ガイドワイヤ区域316は、ニッケルチタン合金で形成されるものであり、該ニッケルチタン合金は、超弾性金属であるから、金、白金、ステンレス鋼よりも塑性変形しにくいことは技術常識であるので、内側コイル390は、先端ガイドワイヤ区域316よりも塑性変形しやすい材料で形成されている。

してみると、引用発明2Cにおいて、先端ガイドワイヤ区域316よりも塑性変形しやすい材料で形成される内側コイル390を備える構成とすることは、当業者が容易になし得ることであり、その際、引用文献2の段落【0032】には、「リボン158は、任意の適切な材料で構成され」ること、該材料として、ステンレス鋼等が例示されていることを踏まえれば、リボン158を内側コイル390より塑性変形しやすい材料で形成する(すなわち、内側コイル390をリボン158より塑性変形しにくい材料で形成する)ことは、当業者による設計的事項にすぎない。

したがって、引用発明1Cにおいて、相違点200に係る本件発明15の事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

また、本件発明15の効果についても、引用発明2C及び引用文献2に記載の事項から当業者が予測し得る程度のものであり、格別顕著なものではない。

ウ 小括

以上のとおり、本件発明15は、引用発明2C及び引用文献2に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)特許権者の主張について

ア 特許権者は、令和 7年10月30日提出の意見書において、引用文献1には、ガイドワイヤ基端部分14は304Vステンレス鋼ワイヤに限らず比較的剛性の高い材料で形成する一方、ガイドワイヤ先端部分16は超弾性合金であるニッケル-チタン合金で形成するという技術的思想は記載されていないとして、引用発明1Cの認定が誤っている旨を主張している。また、同様の理由から引用発明2Cの認定が誤っている旨を主張している(意見書第19~24、29~33ページ)。

しかしながら、引用発明1Cにおける「304Vステンレス鋼ワイヤ等の比較的剛性の高い材料で形成されるガイドワイヤ基端部分14」との認定事項は、引用文献1の段落【0018】に記載されたとおりのものであり、また、引用文献1には、ガイドワイヤ先端部分16を形成する具体的材料として、ニッケル-チタン合金が複数箇所(段落【0013】、【0019】等)において例示されていることに照らせば、特許権者の主張を採用することはできない。また、引用文献2についても同様である。

イ 特許権者は、同意見書において、引用文献1に記載された内コイル90を形成する材料として、様々な材料の中からガイドワイヤ先端部分16よりも塑性変形しやすい材料を選択するという技術的思想は引用文献1に記載されておらず、内コイル90を形成する材料は、ステンレス鋼、金及びプラチナ以外からも選択し得るものであり、ステンレス鋼、金及びプラチナが特に優れているものでもないので、内コイル90の材料は、必ずしもガイドワイヤ先端部分16よりも塑性変形しやすい材料であるとは限らないこと、内コイル90を形成する材料として、様々な材料及び組み合わせの中から、特にガイドワイヤ先端部分16よりも塑性変形しやすい材料を選択することは、当業者といえども容易に想到できることではないことを主張している。また、引用文献2についても同様の主張をしている(意見書第25~29、33~36ページ)。

しかしながら、引用発明1Cにおいて、内コイル90を備えるようにする際に、内コイル90の材料として引用文献1に例示されている材料の中から、目的に応じた材料を使用することは、当業者が通常行うことであるので、ステンレス鋼、金及びプラチナを選択し、ガイドワイヤ先端部分16よりも塑性変形しやすい材料で形成することに格別の困難性はない。

したがって、特許権者の主張を採用することはできない。

第6 むすび

以上のとおりであるから、本件発明1に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり、本件発明1、3~15に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

また、本件の請求項2に係る特許については、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項2に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。

よって、結論のとおり決定する。

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