結論テキスト
特許第7550310号の請求項1~4、8、17~18に係る特許を取り消す。
同請求項13及び19に係る特許を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025700289 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
特許第7550310号(以下「本件特許」という。)の請求項1~19に係る特許についての出願は、2021年(令和3年)10月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2020年(令和2年)10月15日 (IN)インド国)を国際出願日とする出願であり、令和6年9月4日にその特許権の設定登録がされ、令和6年9月12日に特許掲載公報が発行された。
その後、本件特許について、特許掲載公報の発行の日から6月以内である令和7年3月11日に、特許異議申立人 弁理士法人河野国際特許商標事務所(以下「申立人」という。)による本件特許の請求項1~4、8、13、17~19に係る特許に対する特許異議の申立てがなされ、当審は令和7年9月5日付けで、本件特許の請求項1~4、8、17~18に係る特許の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からの応答はなかった。
本件特許の請求項1~19に係る発明(以下、それぞれの発明を「本件特許発明1」~「本件特許発明19」という。)は、特許第7550310号の特許掲載公報(令和6年9月12日発行)の特許請求の範囲の請求項1~19に記載された事項によって特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
共回転ツインスクリュー処理装置のための要素であって、
前記要素は、前記処理装置のスクリューシャフトに取り付けるための軸状穴を有し、
前記要素は、その上にらせん状に形成された連続的なセルフワイピングフライトを備え、
前記要素は、複数のセグメントを備え、前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリードを有する、
共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項2】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの2つの隣接するセグメントにおいて異なるリードを有する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項3】
前記フライトは、前記複数のセグメントのセグメント毎に異なるリードを有する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項4】
前記フライトは、整数ローブフライトである、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項5】
前記フライトは、非整数ローブフライトである、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項6】
前記フライトは、分数ローブフライトである、
請求項5に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項7】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリード及び異なる非整数ローブを有する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項8】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリード及び異なる整数ローブを有する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項9】
前記フライトは、2つのセグメントにおいて異なるリードを有し、一方のセグメントにおいて整数ローブフライトであり、他方のセグメントにおいて非整数ローブフライトである 、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項10】
前記フライトは少なくとも2つのセグメントの間で変化し、前記フライト変化は前記ローブの変化を伴い、
前記ローブの前記変化は、整数ローブフライトから非整数ローブフライトへの若しくはその逆の、又は整数ローブフライトから別の整数ローブフライトへの、又は非整数ローブフライトから別の非整数ローブフライトへの、フライト変化を含む、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項11】
前記フライトは、異なるローブフライトに変化する前に、最初に移行フライトに変化する、
請求項10に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項12】
前記フライトは、前記複数のセグメントの隣接するセグメントにおいて異なるリードを有し、フライトは、少なくとも2つの隣接するセグメントにおいて整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項13】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、第1整数ローブフライトから第2整数ローブフライトに変化する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項14】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに、又は非整数ローブフライトから整数ローブフライトに変化する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項15】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、第1非整数ローブフライトから第2非整数ローブフライトに変化する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項16】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化するとともに整数ローブフライトに戻るか、又は非整数ローブフライトから整数ローブフライトに変化するとともに非整数ローブフライトに戻る、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項17】
少なくとも2つのセグメントは、前記要素の長さに沿ってグループとしてそれ自体を繰り返すセグメントのグループを形成してよい、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項18】
前記セグメントのグループは、前記要素の長さの30~90パーセントに沿ってそれ自体を繰り返す、
請求項17に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項19】
前記セグメントの各々が等しい長さである、
請求項1から18までのいずれか1項に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。」
申立人は、証拠として甲第1号証ないし甲第6号証を提出し、以下の異議申立理由によって、本件特許発明1~4、8、13、17~19に係る特許を取り消すべきものである旨を主張している。
(1)申立の理由1
本件特許発明1、2、3、4、17、19は、甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、同項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1、2、3、4、17、19に係る特許は特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。
(2)申立の理由2-1
本件特許発明3、4、8、13、19は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項3、4、8、13、19に係る特許は特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。
(3)申立の理由2-2
本件特許発明1、2、3、4、17、18、19は、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証及び甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1、2、3、4、17、18、19に係る特許は特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。
(4)申立の理由2-3
本件特許発明1、2、3、4、17、18、19は、甲第6号証、甲第4号証、甲第5号証及び甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1、2、3、4、17、18、19に係る特許は特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。
(5)申立の理由3
本件の請求項1及び請求項3の記載が不明確であり、本件特許の請求項1及び3に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、本件特許の請求項1及び3に係る特許は特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきである。
甲第1号証:中国特許出願公開第105365196号明細書(以下「甲1」という。)
甲第2号証:特表2014-533618号公報(以下「甲2」という。)
甲第3号証:特開2004-237656号公報(以下「甲3」という。)
甲第4号証:特開2018-39271号公報(以下「甲4」という。)
甲第5号証:特開2016-164260号公報(以下「甲5」という。)
甲第6号証:国際公開第2016/68048号(以下「甲6」という。)
なお、本件特許異議申立書及び証拠説明書では甲4及び甲5について「特表・・・(中略)・・・」と記載されているが、本件特許異議申立書に添付された甲4及び甲5の写しの記載から、それらは「特開・・・(中略)・・・」の誤記であると認める。
当審にて、令和7年9月5日付けで特許権者に通知した取消しの理由の概要、及び、引用文献は以下のとおりである。
1.(新規性)本件特許の請求項1~4、8、17~18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、本件特許の請求項1~4、8、17~18に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
2.(進歩性)本件特許の請求項1~4、8、17~18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1~4、8、17~18に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
<引用文献>
1.中国特許出願公開第105365196号明細書(甲1)
(1)「
40
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0001437364000001.jpg
」(当審訳:[0008] 好ましい実施形態として、各スクリューは、搬送部、溶融部、混合部、空気抜き部および均質化部に分割されてもよく、ここで、搬送部はケーシング上のホッパーに対応し、搬送部に対応するバレル内部に設置された 2 本のスクリューは、いずれも正スクリューであり、2 本のスクリューは組み立て時に 90°の位相差を有する。
[0009] 好ましい実施形態として、ネジ付き要素は Z/Y で示され、 XZ/Y、および GDZ/Y は、ネジ山要素が正ネジであることを示し、Z/YL はネジ山要素が逆ネジであることを示し、ここで Z はネジ山要素のリードを mm で示し、Y はネジ山要素の長さを mm で示し、XZ/Y における X は Z/Yのリードを示す。また、GDZ/Y における GD は、ネジ山要素の溝の深さが深いものから浅いものへと移行することを示す。)
(2)「
58
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0001437364000002.jpg
」(当審訳:[0023] 実施例 1:
図1に示すように、
二軸押出機は、フレーム1、フレーム1上に配置されたハウジング2、バレル3、およびPPCコントローラ8で構成される。
ハウジング2の上部には供給装置が設けられ、その供給装置はホッパー4とスクリュー供給装置5とから構成され、
前記バレル3内には2本の平行なスクリュー6を備え、
各スクリュー6は異なる仕様の複数のスクリュー6を備え、
バレル3の他端には吐出口10が設けられ、
フレーム1には2本のスクリュー6を反対方向に回転駆動するための駆動装置が設けられ、 スクリュー6の一端は前記駆動装置に連結され、スクリュー6の他端は吐出口10に移動可能に配置され、吐出口10には、2本のスクリュー6の先端部に横方向に近接して配置された切替板9が配置され、
2本のスクリュー6は対応するスクリュー6上で同一方向に回転し、 互いに咬み合うように構成されており、
前記駆動装置は、スクリュー軸受7と、電動機11と、伝動ベルト12を介して前記電動機11に接続された減速機13とを備え、前記減速機13は、前記スクリュー軸受7の回転を介して前記スクリュー6の回転を駆動し、前記減速機13は、ナットを介して前記フレーム1に固定的に接続されている。)
(3)「
93
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0001437364000003.jpg
」(当審訳:[0025] 図2に示すように、
スクリュー6は、スプライン付きシャフト6-1、ネジ付きエレメント6-2、混練エレメント6-3から構成されており、ネジ付きエレメント6-2と混練エレメント6-3の内部の穴には、スプライン付きシャフト6-1のスプラインに対応するスプライン溝6-4が設けられている。
スプライン付きシャフト6-1には、複数の異なる正ネジ付きエレメント6-2と複数の異なる負ネジ付きエレメント6-2、および複数の異なる正混練エレメント6-3と複数の異なる負混練エレメント6-3が順に配列されており、スプライン付きシャフト6-1の両端は、配列されたネジ付きエレメント6-2と混練エレメント6-3を固定している。逆練り要素6-3がスプラインシャフト6-1上に順に配列され、スプラインシャフト6-1の両端は配列されたネジり要素6-2と練り要素6-3を固定する。当該スクリュー6の一端には、スプライン溝6-4の切欠きと一致するスクリューヘッド6-5が設けられ、スクリュー6の他端はスクリューベアリング7を介して固定的に接続されており、スクリューヘッド6-5の外径はスクリュー6の外径よりも小さい。
[0026] 各スクリュー6は、搬送部A、溶解部B、混合部C、空気抜き部D、均質化部Pに区分できる。搬送部Aは、ハウジング2上に配設されたホッパー4に対応し、搬送部Aに対応するバレル3の内部に設置された2本のスクリュー6は、いずれも正のスクリューであり、組み立てる時は、2本のスクリュー6は90°位相角が異なる。
[0027] 搬送部Aは、一般的には材料が溢れないように輸送する。
[0028] 溶解部Bは、この部分を通して熱伝達と摩擦剪断によって、材料を完全に溶かして均質化する。
[0029] 混合部Cは、材料成分のサイズをさらに細かく均一にし、理想的な構造を形成し、分配および分散混合機能を備える。
[0030] 排気部Dは水蒸気や低分子量物質などの不純物を排出する。
[0031] 均質化部Pでは、搬送圧力を上げて一定の圧力を発生させ、口金の材料が一定の密度を持つと同時にさらに混合され、最終的にスムーズな押し出しと造粒の目的を達成する。)
(4)「
70
153
0001437364000004.jpg
」(当審訳:[0032]
Z/Y、XZ/Y、およびGDZ/Yは、ネジ要素 6-2 が正ネジであることを示し、Z/YLは、ネジ要素 6-2 が逆ネジであることを示す。ここで、Zはネジ要素 6-2 のリード(mm)を示し、Yはネジ要素 6-2 の長さ(mm)を示し、
XZ/YのXはZのリード(1/Y)を示す。GDZ/YのGDは、ネジ要素 6-2 のネジ溝の深さが深いものから浅いものへと遷移することを示す。
[0033] Z/Y、XZ/Y、Z/YLと表された複数の異なる正および負のネジ要素6-2において、Z/Y、XZ/Y、Z/YLの複数の異なる具体的なデータは次のとおりである:28/14、68/34、X68/34、GD34/34、44/22、L22/22、34/34、
@/n/m で表され、@/n/mCZ は混練エレメント 6-3のギャップがスクリュー全体と一直線上にあることを示し、@/n/mCF は混練エレメント 6-3 のギャップがスクリューの方向に対して傾斜していることを示す。@は混練エレメント 6-3 の偏角を示し、n は混練ブロックの数を示し、 m は混練エレメント 6-3 全体の長さを示し、具体的なデータは次の通りである:44/5-45°、44/4-60°、28/4-60°、40-45°/5-54、40-90°/5-32、28/5-45°、30/5-45°、40-44-44-CZ、40-4 40-45°/5-54 であり、@/n/m/Q は、同じ仕様の正および負の混練要素が Q 個あることを示す。)
(5)「
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0001437364000005.jpg
」(当審訳:[0036] 本発明の動作原理:
運転中、ネジエレメント 6-2 の使用は正転と逆転に分けられる。正転は主に材料を搬送するために使用され、逆転は主に圧力を高め、材料を再び混合するために使用される。
ネジエレメント 6-2 の幾何学的パラメータは主にネジ溝のリードと深さを含み、リードは大、中、小に分けられ、ネジ溝の深さは深、中、浅に分けられる。
大リードとはピッチが 1.5D~2D3 を指し、小リードとはピッチが約 0.4D を指す。)
(6)「
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0001437364000006.jpg
」(当審訳:[0046] フライトの数は一般的にシングル、ダブル、トリプルに分類される。それぞれの効果は以下のとおりである。
前進方向では、フライト数が少ないほど、押し出し能力、トルク、混合特性が向上するが、せん断効果は低くなる。
[0047] 逆方向では、フライト数が少ないほど押出能力は低くなるが、混合特性は向上する。
ダブルフライトは主に押出に使用され、均一な加熱、短い長さ、優れたセルフクリーニング性がある
(よく使われる)。トリプルフライトは、機械のコーナー部分における材料の圧力と温度分布を柔軟に調整でき、加熱が安定し、排気面の更新効果が優れているが、出力は低くなる。)
(7)「
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0001437364000007.jpg
」(当審訳:[0048] スクリュー6の各セグメントとその機能:最初の加熱ゾーンであるセクションEの主な機能は、材料の搬送とオーバーフローの防止であり、以下の構成要素が含まれる。このセクションでは、ポリマー原料の形態が様々であるため、供給量を調整し、供給口での堆積やオーバーフローを防止するために、より大きな容積が必要となる。本発明は11段階加熱方式を採用しているため、このゾーンにおけるスクリューのリードは小さいものから大きいものへと段階的に変化し、中程度の溝、大きなリード、正ねじで十分である。)
(8)「
22
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0001437364000008.jpg
」(当審訳: [0057] 第10加熱ゾーンNセクションには以下の要素が含まれ:68/34,34/34,44/22、
第11加熱ゾーンOセクションには以下の要素が含まれる:44/22,44/22,28/14,28/14。
これらの2つのセクションは主に溶融物の搬送と加圧に使用され、一定の圧力を確立することでダイ口における材料の密度を一定に保ち、同時に混合を促進し、最終的にスムーズな押出造粒の目的を達成する。この領域におけるスクリュー6の構成は、ねじ要素6-2のリードの段階的変化、またはスクリュー溝の段階的変化を通じて加圧を実現する必要がある。)
上記「1」からみて、甲1には次の発明が記載されていると認められる(以下「甲1発明」という。)。
「二軸押出機は、フレーム1、フレーム1上に配置されたハウジング2、バレル3、およびPPCコントローラ8で構成され、前記バレル3内には2本の平行なスクリュー6を備え、バレル3の他端には吐出口10が設けられ、2本のスクリュー6は対応するスクリュー6上で同一方向に回転し、互いに連動し合うように構成されており([0023])、
スクリュー6は、スプライン付きシャフト6-1、ネジ付きエレメント6-2、混練エレメント6-3から構成されており、ネジ付きエレメント6-2と混練エレメント6-3の内部の穴には、スプライン付きシャフト6-1のスプラインに対応するスプライン溝6-4が設けられており([0025])、
Z/Y、XZ/Y、およびGDZ/Yは、ネジ要素 6-2 が正ネジであることを示し、Z/YLは、ネジ要素 6-2 が逆ネジであることを示す。ここで、Zはネジ要素 6-2 のリード(mm)を示し、Yはネジ要素 6-2 の長さ(mm)を示し、XZ/YのXはZ のリード(1/Y)を示し([0032])、
ダブルフライトは主に押出に使用され、均一な加熱、短い長さ、優れたセルフクリーニング性があり([0047])、
第11加熱ゾーンOセクションには以下の要素が含まれる:44/22,44/22,28/14,28/14([0057])、
二軸押出機([0023])。」
(1)本件特許発明1について
ア 対比
上記甲1発明と本件特許発明1とを対比する。
(ア)共回転ツインスクリュー処理装置について
甲1発明の「二軸押出機」は、「二軸」であって「2本の平行なスクリューを備え」るものであって、「ネジエレメント 6-2」の「正転は主に材料を搬送」し、「逆転は」「材料を再び混合する」こと、及び、「2本のスクリュー6は」「同一方向に回転」することからみて、本件特許発明1の「共回転ツインスクリュー処理装置」に相当する。
(イ)軸状穴について
甲1発明の「スクリュー6」の「スプライン付きシャフト6-1」は、本件特許発明1の「処理装置のスクリューシャフト」に相当する。
また、甲1発明の「ネジ付きエレメント6-2」「の内部の穴」は、「スプライン付きシャフト6-1のスプラインに対応するスプライン溝6-4が設けられて」いるから、当該「内部の穴」は、上記「ア」も踏まえると、本件特許発明1の「処理装置のスクリューシャフトに取り付けるための軸状穴」に相当する。
(ウ)セルフワイピングフライトについて
甲1発明の「第11加熱ゾーンOセクション」における「要素」は、44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」と、28(mm)とのリード及び14(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」とからなるものであって、それらの長さとリードの値との関係からみて、「ネジ」が「優れたセルフクリーニング性があ」る「ダブルフライト」となすものと解されるから、甲1発明の「ネジ要素6-2」の「ネジ」は、本件特許発明1の「らせん状に形成された連続的なセルフワイピングフライト」に相当する。
(エ)セグメントについて
甲1発明の「ネジ要素 6-2」の「ネジ」は、本件特許発明1の「フライト」に相当し、甲1発明の「第11加熱ゾーンOセクション」において、「要素」が、44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」と、28(mm)とのリード及び14(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」とからなることは、本件特許発明1の「少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリードを有する」ことに相当する。
(オ)要素について
上記(ア)~(エ)を踏まえると、甲1発明の「第11加熱ゾーンOセクション」における「要素」は、本件特許発明1の「要素」に相当し、甲1発明の44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」と、28(mm)とのリード及び14(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」とは、本件特許発明1の「複数のセグメント」に相当する。
(カ)判断
上記(ア)~(オ)において示した事項からみて、本件特許発明1と甲1発明との間に相違点はない。
仮に相違点があったとしても、甲1発明に基づいて、当業者が容易に想到できたものである。
イ まとめ
上記のとおり、本件特許発明1は、甲1発明である。
また、本件特許発明1は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件特許発明1についての特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
(2)本件特許発明2~4、8、17~18
ア 本件特許発明2について
甲1発明の44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」と、28(mm)とのリード及び14(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」とは、互いに接するものを含むと解されるから、甲1発明は本件特許発明2の「フライトは、」「複数のセグメントのうちの2つの隣接するセグメントにおいて異なるリードを有する」との構成を充足する。
イ 本件特許発明3について
甲1発明の44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」と、28(mm)とのリード及び14(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」とは、本件特許発明3の「複数のセグメントのセグメント毎に異なるリードを有する」「フライト」を備えるものである。
ウ 本件特許発明4について
甲1発明の44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」と、28(mm)とのリード及び14(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」とは、本件特許発明4の「整数ローブフライト」を備えるものである。
エ 本件特許発明8について
甲1発明の44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」と、28(mm)とのリード及び14(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」とは、「複数のセグメントのうちの少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリード及び異なる整数ローブを有する」ものである。
オ 本件特許発明17について
甲1発明は、2つの44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」と、2つの28(mm)とのリード及び14(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」とを「44/22,44/22,28/14,28/14」との順に含むものであるから、本件特許発明17の「少なくとも2つのセグメントは、前記要素の長さに沿ってグループとしてそれ自体を繰り返すセグメントのグループを形成」するとの構成を充足する。
カ 本件特許発明18について
甲1発明の44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」は、「第11加熱ゾーンOセクション」において、約61.1%(当審注:第11加熱ゾーンOセクション全体の長さが14+14+22+22=72mmであるのに対し、44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素6-2」の長さは22+22=44mmであるから、44(mm)とのリード及び22(mm)との長さを備える「ネジ要素6-2」の長さは、第11加熱ゾーンOセクション全体の長さの44÷72≒0.611(61.1%)を占める)を示すと解されるから、同「ネジ要素 6-2」及び28(mm)とのリード及び14(mm)との長さを備える「ネジ要素 6-2」のいずれもが、本件特許発明18の「セグメントのグループは、」「要素の長さの30~90パーセントに沿ってそれ自体を繰り返す」との構成を充足する。
キ 判断
上記(1)及び「ア」~「カ」において示した事項からみて、本件特許発明2~4、8、17~18と甲1発明との間に相違点はない。
仮に相違点があったとしても、甲1発明に基づいて、当業者が容易に想到できたものである。
ク まとめ
上記のとおり、本件特許発明2~4、8、17~18は、甲1発明である。
また、本件特許発明2~4、8、17~18は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件特許発明2~4、8、17~18についての特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
以上のとおり、本件特許発明1~4、8、17~18についての特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
申立人は、甲第1号証~甲第6号証を提出し、本件特許異議申立書において、取消理由を通知しなかった本件特許発明13、19に係る発明についても、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである旨主張している(申立の理由1、申立の理由2-2、申立の理由2-3)。
また、申立人は、本件特許異議申立書において、本件特許発明1及び本件特許発明3は、いずれも発明が明確でないものであって、特許法第36条第6項第2号の規定により特許を受けることができないものである旨主張している(申立の理由3)。
これらの主張について、以下検討する。
(1)申立人は、異議申立理由のうち、「申立の理由2-1」において、本件特許発明13の「前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、第1整数ローブフライトから第2整数ローブフライトに変化する」との発明特定事項について、「甲第2号証の【要約】に例示する通り、フライトに整数ローブフライトを採用することは当業者にとって周知事項にすぎない」ことをもって、本件特許発明13は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである旨主張している(本件特許異議申立書20頁(5)欄参照。)。
(2)しかるに、甲2には、「フライトに整数ローブフライトを採用すること」との技術事項が記載されてはいるものの、単にフライトにおいて整数ローブフライトを用いることが示されるにすぎず、2つの整数ローブフライト間での変化を含むことが記載も示唆もされていないから、甲2の当該技術事項から、本件特許発明13の「複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、第1整数ローブフライトから第2整数ローブフライトに変化する」「フライト」との構成を得ることが、当業者にとって容易であるとは認められない。
(3)したがって、本件特許発明13は、甲1及び甲2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(1)申立人は、異議申立理由のうち、「申立の理由1」、「申立の理由2-2」及び「申立の理由2-3」において、本件特許発明19の「前記セグメントの各々が等しい長さである」との発明特定事項について、「甲第1号証【図2】において、セグメントEとOは長さが等しい」ことにより、甲1発明が当該事項を備えるから、本件特許発明19は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである旨主張している(本件特許異議申立書17頁(1)、26頁(8)、31頁(8)欄参照。)。
(2)しかるに、確かに甲1の図2から、「セクションEとOは長さが等しい」ようにみてとれはするものの、「第6 1 ア(オ)」において示したとおり、本件特許発明1の「セグメント」は、甲1発明の「ネジ要素6-2」に対応づけられるものであって、「第11加熱ゾーンOセクション」において「ネジ要素6-2」は異なるものを含む一方、甲1において「スクリュー6」を構成する「ネジ要素6-2」(44/22,44/22,28/14,28/14)の「各々」すなわちそのすべてについて、等しい長さとなるものが記載されているとは認められない。
また、仮に甲1の「セクションEとO」を含む「セクション」が、本件特許発明1の「セグメント」に対応づけられるとしても、甲1の図2からみて「セクションEとO」以外の「セクション」も含めて「等しい長さ」であるとは認められないから(例えば、セクションEとMの長さは等しくない。)、そのように解したとしても本件特許発明19の上記発明特定事項を充足するものではない。
(3)したがって、本件特許発明19は、甲1~甲6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(1)請求項1について
ア 申立人は、請求項1の「前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリードを有する、」との記載は、「特定する技術的事項の内容が把握できず不明確である。」と主張する(本件特許異議申立書31~35頁参照。)。
イ しかるに、請求項1の「要素」が「複数のセグメントを備え」るものであるところ、当該「要素」の「フライト」は、「セグメント」ごとの「フライト」からなるものであるから、その「リード」は複数の「セグメント」同士で異なるものから構成し得ることは明らかであって、「フライト」、「セグメント」、及び、「リード」相互の関係は明確に理解でき、第三者に不測の不利益をもたらすとはいえない。
ウ そうすると、申立人は上記本件特許異議申立書において、本件明細書の記載と令和6年7月18日に提出の意見書における特許権者の主張が矛盾すること等を根拠に明確性要件を満たさない旨主張するが、当該主張は上記明確性要件の判断を左右するものではない。
(2)請求項3について
ア 申立人は、請求項3の「前記フライトは、前記複数のセグメントのセグメント毎に異なるリードを有する、」との記載は、「特定する技術的事項の内容が把握できず不明確である。」と主張する。
イ しかるに、請求項3は請求項1を引用するものであるところ、請求項1の「要素」が「複数のセグメントを備え」るものであるとの記載を踏まえると、「セグメント毎に」「異なるリードを有する」とは、複数の「セグメント」個々において、それらの「リード」がそれぞれ異なることを意味すると解することができるから、上記(1)で検討したのと同様に、「フライト」、「セグメント」、及び、「リード」相互の関係は明確に理解でき、第三者に不測の不利益をもたらすとはいえない。
ウ そうすると、請求項3の記載は、明確ではないとは認められない。
(3)まとめ
以上のことから、請求項1及び3の記載は、第三者に不測の不利益を与える程度に不明確であるとはいえず、申立人の申立の理由3は採用できない。
以上のとおり、本件特許の請求項1~4、8、17~18に係る発明は、上記甲1に記載された発明であるか、上記甲1に記載された発明に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、これらの請求項に係る発明の特許は、特許法第29条の規定に違反してなされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
また、本件特許の請求項13、19に係る特許は、特許異議申立書に記載された特許異議申立ての理由及び証拠によっては取り消すことができない。
そして、他に本件特許の請求項13、19に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
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