sokuhyo

Trademark Appeal Case

言語モデル評価の進歩性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025701104
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
特許第7685785号の請求項1、4、6、7、10、12~17に係る特許を維持する。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

特許第7685785号の請求項1、4、6、7、10、12~17に係る特許についての出願は、令和6年3月21日に特許出願したものであって、令和7年5月22日にその特許権の設定登録がされ、同年5月30日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、同年11月28日に異議申立人 山▲崎▼浩一郎(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされた。

本件特許異議申立て以降の経緯は、次のとおりである。

令和8年4月20日 手続補正書および上申書の提出(申立人)

第2 本件発明

特許第7685785号の請求項1、4、6、7、10、12~17に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」、「本件発明4」、「本件発明6」、「本件発明7」、「本件発明10」、「本件発明12」~「本件発明17」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1、4、6、7、10、12~17に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】

対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により前記対象者の評価に関する評価文章を生成する機能と、

前記評価文章を評価者に提供する機能と、

前記評価者の要求に基づいて、前記メッセージを受け付ける投稿スペースをメタ情報と対応付けて生成する機能と、

前記投稿スペースごとに前記メッセージを管理する機能と有する情報処理部を備える

ことを特徴とする情報処理システム。」

「【請求項4】

前記情報処理部は、

前記評価者により指定された前記メタ情報に基づく指定条件、または、前記指定条件と自動で設定した条件との組合せに合致する範囲で前記対象者が投稿した前記メッセージを収集する機能と、

収集した前記メッセージを利用して、前記言語モデルの機能により前記評価文章を生成する機能とを備える

ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。」

「【請求項6】

対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により前記対象者の評価に関する評価文章を生成する機能と、

前記評価文章を評価者に提供する機能と、

編集可能な状態で前記評価文章を前記評価者に提供する機能と、

編集対象の前記評価文章について、前記評価文章の生成に利用された前記メッセージを前記評価者に提供する機能とを有する情報処理部を備える

ことを特徴とする情報処理システム。

【請求項7】

表示部を有し、前記評価者が使用する端末を備え、

前記端末は、

編集可能な状態で前記評価文章が表示された第1ユーザインタフェイスを前記表示部に表示する機能と、

編集対象の前記評価文章について、前記評価文章の生成に利用された前記メッセージが表示された第2ユーザインタフェイスを前記表示部に表示する機能とを有する端末情報処理部を備える

ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。」

「【請求項10】

前記情報処理部は、

前記評価者により指定された指定条件、または、前記指定条件と自動で設定した条件との組合せに合致する範囲で前記対象者が投稿した前記メッセージを収集する機能と、

収集した前記メッセージを利用して、前記言語モデルの機能により前記評価文章を生成する機能とを備える

ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の情報処理システム。」

「【請求項12】

前記情報処理部は、

前記評価者により指定された条件に合致する範囲でメッセージを収集し、収集したメッセージを一覧表示する機能を備える

ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の情報処理システム。

【請求項13】

前記情報処理部は、

前記メッセージに基づいて前記評価文章を生成することを依頼するプロンプトを生成し、前記言語モデルを備える言語モデルサーバに前記プロンプトを送信し、前記言語モデルサーバから回答文を取得し、取得した前記回答文に基づいて前記評価文章を生成する機能を備える

ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の情報処理システム。

【請求項14】

前記対象者は学校の生徒であり、

前記評価者は前記学校の先生であり、

前記対象者の評価に関する評価文章は前記生徒に関する所見である

ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の情報処理システム。

【請求項15】

前記対象者は企業において評価の対象となる者であり、

前記評価者は前記企業において前記対象者を評価する者である

ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の情報処理システム。

【請求項16】

情報処理システムが、対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により前記対象者の評価に関する評価文章を生成するステップと、

前記情報処理システムが、前記評価文章を評価者に提供するステップと、

前記情報処理システムが、前記評価者の要求に基づいて、前記メッセージを受け付ける投稿スペースをメタ情報と対応付けて生成するステップと、

前記情報処理システムが、前記投稿スペースごとに前記メッセージを管理するステップとを含む

ことを特徴とする情報処理方法。

【請求項17】

情報処理システムが、対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により前記対象者の評価に関する評価文章を生成するステップと、

前記情報処理システムが、編集可能な状態で前記評価文章を評価者に提供するステップと、

前記情報処理システムが、編集対象の前記評価文章について、前記評価文章の生成に利用された前記メッセージを前記評価者に提供するステップとを含む

ことを特徴とする情報処理方法。」

第3 申立理由の概要

申立人は、特許異議申立書(以下、「申立書」という。)において、甲第1号証~甲第12号証を証拠として提出し、以下の理由1ないし3により、本件発明1、4、6、7、10、12~17についての特許を、取り消すべきである旨主張している。

1 理由1(公然実施:特許法第29条第1項第2号)

本件発明1、4、6、7、10、12~14、16、17は、甲第3号証~甲第12号証に記載されたとおり、本件特許の特許出願日前に日本国内又は外国において公然実施された発明であるので特許を受けることができない。

2 理由2(進歩性:特許法第29条第2項)

申立書第1頁の「申立ての理由の要約」では、「理由2」として「特許法第29条第1項第2号」とするが、申立書の他の記載からみて「特許法第29条第2項」の誤記であると認める。

本件発明1、4、6、7、10、12~14、16、17は、甲第3号証~甲第12号証に記載された発明から当業者が容易に発明できたものであるので特許を受けることができない。

3 理由3(進歩性:特許法第29条第2項)

本件発明1、4、6、7、10、12~17は、甲第1号証、甲第2号証、甲第11号証および甲第12号証に記載された発明から当業者が容易に発明できたものであるので特許を受けることができない。

甲第1号証:特許第7424710号公報

甲第2号証:特表2003-503780号公報

甲第3号証:「Google Classroomの使い方【教師用】」

URL:https://www.tsu-cc.ac.jp/files/classroom_teacher.pdf

甲第4号証:「Google Classroomマニュアル クラスを作成する」

URL:https://www.kyokyo-u.ac.jp/c_ipc/pdf/classroom_teacher_make_classroom.pdf

甲第5号証:「Google Classroom授業・採点について」

URL:https://www.kyokyo-u.ac.jp/c_ipc/pdf/classroom_teacher_lesson.pdf

甲第6号証:「Teachers are embracing ChatGPT powered grading」

URL:https://www.axios.com/2024/03/06/ai-tools-teachers-chatgpt-writable

甲第7号証:「Writable Joins HMH」

URL:https://www.writable.com/2024/02/28/writable-joins-hmh/

甲第8号証:「Transform learning with AI」

URL:https://www.writable.com/ai/

甲第9号証:「HMH Writable」

URL:https://edtechmrbrown.com/hmh-writable/

甲第10号証:「What's New in Writable?」

URL:https://intercom.help/writable/en/articles/4891785-what-s-new-in-writable

甲第11号証:「How do I use AI Feedback?」

URL:https://intercom.help/writable/en/articles/8129859-how-do-i-use-ai-feedback

甲第12号証:「「ChatGPT&生成 AI「ずるい」仕事術 第1回/全8回

公開!「マーケター版 ChatGPT 汎用プロンプト」note 深津氏が直伝」

URL:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00820/00004/

第4 甲号証

1 甲第1号証

(1)甲第1号証の記載

甲第1号証には、以下の記載がある(下線は当審にて付した。以下、同様。)。

ア 「[0002]従来から、企業内において、ビジネスコミュニケーションツールを用いて従業員が他の従業員にメッセージを送信した場合に、当該送信されたメッセージを解析して当該ユーザを評価する技術が存在する。」

イ 「[0008] これにより情報処理システムは、ユーザが作成したメッセージが送信先のユーザへの肯定的な感情が適切に表現できているか否かを送信前に評価し把握させ、質の高いメッセージを送信させることができる。上記学習モデルは例えば大規模言語モデル(LLM)をベースとした例えばChatGPT等の生成系AIであるが、これに限られない。」

ウ 「[0028]<第1実施形態> まず、本発明の第1実施形態について説明する。

[0029][システムの構成]図1は、本実施形態に係るメッセージ作成支援システムの構成を示した図である。

[0030]同図に示すように、この

システムは、2つの仲介サーバ100A及び100Bと、生成系AI300と、各企業の複数のユーザ端末200とがインターネット50等のネットワークを介して接続されて構成され

ている。

[0031]ユーザ端末200は、企業の従業員であるユーザにより利用される端末であり、例えばノートブックPC(Personal Computer)、デスクトップPC、スマートフォン、タブレットPC等である。

[0032]ユーザ端末200には、各企業の従業員同士が業務におけるコミュニケーションのために利用するビジネスコミュニケーションツール20(以下単にビジネスツール20とも称する)がインストールされている。」

エ 「[0034]

仲介サーバ100Aは、上記ビジネスツールのうち、上記Outlook(登録商標)やMicrosoft Teams(登録商標)といった一般的なビジネスツールを用いたユーザ端末200間の通信を仲介するサーバであ

る。

[0035]

仲介サーバ100Bは、上記ビジネスツールのうち、上記従業員同士の感情的コミュニケーションツールを用いたユーザ端末200間の通信を仲介するサーバであ

る。

[0036]

生成系AI300は、例えばChatGPT等、大規模言語モデル(LLM)をベースとした学習モデルであり

、APIを介して仲介サーバ100A及び100Bと接続されている。」

オ 「[0106]<第2実施形態>

次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態及びこれ以降の実施形態において、

上記第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する

[0107]図10は、本実施形態に係るメッセージ作成支援システムによる、メッセージの送信対象者の抽出処理の流れを示したシーケンス図である。また図11及び図12は、本実施形態に係る仲介サーバ100A及び100Bがユーザ端末200に表示させるメッセージ送信対象者推薦情報のユーザインタフェース例を示した図である。

[0108]上述の第1実施形態では、ユーザはマイページ上に設けられた送付機会質問ボタン71を介して生成系AI300にメッセージ送付機会を尋ねていたが、本実施形態では、ユーザがチャット画面上でチャットボットにメッセージ送付機会を尋ねることで、チャット形式で同僚の抽出結果が表示される。またユーザは、当該チャット画面上で、同僚の抽出の根拠等を質問し、生成系AI300からその返答を受け取ることができる。

[0109]図10に示すように、ステップ61~ステップ71の処理は、上記図6と同一である。

生成系AI300は、業務的関係値が高い同僚の中から感情的スコアが低い同僚を抽出すると、当該抽出した送信対象者推薦情報に加えて、

ユーザから、業務的関係値が高く感情的スコアが低いと判断した根拠を質問された場合、

当該根拠に関する情報も仲介サーバ100Bに送信する

(ステップ72 ́)。

[0110]

当該送信対象者情報及び根拠情報を受信した仲介サーバ100Bは、それを仲介サーバ100Aへ転送し

(ステップ73 ́)

、さらに仲介サーバ100Aはそれをユーザ端末200へ送信して

(ステップ74 ́)

上記チャット画面上に表示させる

(ステップ75 ́)。」

カ 「[0112]図11に示すように、ユーザが、チャット画面上で、感謝・称賛メッセージを送信すべき同僚を生成系AI300に尋ねる質問を入力すると、当該質問の内容が、質問表示吹出し81aに表示される。すると、上記ステップ72 ́~ステップ74 ́の処理により、生成系AI300によって生成されたメッセージ送信対象者推薦情報が、返答表示吹出し82aに表示される。

[0113]またさらに、図12に示すように、

ユーザが、当該メッセージ送信対象者推薦情報に含まれる同僚の一人について、業務的関係値が高く感情的スコアが低いと判断した根拠を尋ねる質問を入力すると

、それが質問表示吹出し81bに表示され、

それに対する返答が答表示吹出し82bに表示される

具体的には、業務的関係値が高いと判定されたロジックとして、業務外チャット送受信数や同じオンライン会議への出席数が多い点が返答され、感情的スコアが低いと判定されたロジックとして、メッセージにおいて送信相手の具体的な行動について触れておらず、また送信相手の丁寧さにも気づいていないという点が挙げられている

。」

キ 「[図1]

152

136

0001437408000001.jpg

ク 「[図12]

80

134

0001437408000002.jpg

(2)甲第1号証の記載から把握できる事項

ア 上記(1)オにおいて、甲第1号証には、「上記第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する」と記載されているから、甲第1号証における第2実施形態のシステムは、第1実施形態と共通する構成については同一であるといえる。そうすると、上記(1)ウ[0030]およびキ[図1]から、甲第1号証には、第2実施形態において、

「システムは、2つの仲介サーバ100A及び100Bと、生成系AI300と、各企業の複数のユーザ端末200とがインターネット50等のネットワークを介して接続されて構成され」

とのことが記載されているといえる。

イ 上記エ[0034]、[0035]から、甲第1号証には、

「仲介サーバ100Aは、上記ビジネスツールのうち、上記Outlook(登録商標)やMicrosoft Teams(登録商標)といった一般的なビジネスツールを用いたユーザ端末200間の通信を仲介するサーバであり、

仲介サーバ100Bは、上記ビジネスツールのうち、上記従業員同士の感情的コミュニケーションツールを用いたユーザ端末200間の通信を仲介するサーバであり」

とのことが記載されているといえる。

ウ 上記(1)エ[0036]から、甲第1号証には、

「生成系AI300は、例えばChatGPT等、大規模言語モデル(LLM)をベースとした学習モデルであり」

とのことが記載されているといえる。

エ 上記(1)オ[0109]、[0110]から、甲第1号証には、

「生成系AI300は、業務的関係値が高い同僚の中から感情的スコアが低い同僚を抽出すると、当該抽出した送信対象者推薦情報に加えて、業務的関係値が高く感情的スコアが低いと判断した根拠に関する情報を仲介サーバ100Bに送信し、当該送信対象者情報及び根拠情報を受信した仲介サーバ100Bは、それを仲介サーバ100Aへ転送しさらに仲介サーバ100Aはそれをユーザ端末200へ送信してチャット画面上に表示させる」

とのことが記載されているといえる。

オ 上記(1)カ[0113]およびク[図12]から、甲第1号証には、

「ユーザが、当該メッセージ送信対象者推薦情報に含まれる同僚の一人について、業務的関係値が高く感情的スコアが低いと判断した根拠を尋ねる質問を入力すると、それに対する返答が答表示吹出し82bに表示され、具体的には、業務的関係値が高いと判定されたロジックとして、業務外チャット送受信数や同じオンライン会議への出席数が多い点が返答され、感情的スコアが低いと判定されたロジックとして、メッセージにおいて送信相手の具体的な行動について触れておらず、また送信相手の丁寧さにも気づいていないという点が挙げられる」

とのことが記載されているといえる。

(3)甲第1号証に記載されている発明

上記(2)から、甲第1号証には、

「システムは、2つの仲介サーバ100A及び100Bと、生成系AI300と、各企業の複数のユーザ端末200とがインターネット50等のネットワークを介して接続されて構成され、

仲介サーバ100Aは、ビジネスツールのうち、Outlook(登録商標)やMicrosoft Teams(登録商標)といった一般的なビジネスツールを用いたユーザ端末200間の通信を仲介するサーバであり、

仲介サーバ100Bは、ビジネスツールのうち、従業員同士の感情的コミュニケーションツールを用いたユーザ端末200間の通信を仲介するサーバであり、

生成系AI300は、例えばChatGPT等、大規模言語モデル(LLM)をベースとした学習モデルであり、

生成系AI300は、業務的関係値が高い同僚の中から感情的スコアが低い同僚を抽出すると、当該抽出した送信対象者推薦情報に加えて、業務的関係値が高く感情的スコアが低いと判断した根拠に関する情報を仲介サーバ100Bに送信し、当該送信対象者情報及び根拠情報を受信した仲介サーバ100Bは、それを仲介サーバ100Aへ転送しさらに仲介サーバ100Aはそれをユーザ端末200へ送信してチャット画面上に表示させ、

ユーザが、メッセージ送信対象者推薦情報に含まれる同僚の一人について、業務的関係値が高く感情的スコアが低いと判断した根拠を尋ねる質問を入力すると、それに対する返答が答表示吹出し82bに表示され、具体的には、業務的関係値が高いと判定されたロジックとして、業務外チャット送受信数や同じオンライン会議への出席数が多い点が返答され、感情的スコアが低いと判定されたロジックとして、メッセージにおいて送信相手の具体的な行動について触れておらず、また送信相手の丁寧さにも気づいていないという点が挙げられる

システム」

との発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。

2 甲第2号証

甲第2号証の記載

甲第2号証には、以下の記載がある。

ア 「[0002]【技術分野】

本発明は、一般に教育的コンテキスト(educational context)におけるインストラクタと学生間の情報交換のためのシステムと方法に関する。より詳細には、本発明は、教育上の講師(educational instructor)が、インターネットや World Wide Web 等の電子ネットワークを用いて、講座の講義(course lecture)、教科書および他の講座資料を伝えたり、学生の質問および入力を受け取ったり、参加型クラスディスカッションを催したりすることによって、1名以上の非連結学生と対話するシステムと方法とに関する。」

イ 「[0034]

システムアーキテクチャ

本発明による教育支援システム100の好ましい実施形態のシステムアーキテクチャは図1に示されている。ここで図1を参照すると、教育支援システム100はアプリケーションサブシステム110、Webブラウザ120、Webホストサーバ130、データベースサブシステム140、およびコアサブシステム150を備えている。Webホストサーバ130は更に、シェルサービス131を備えている。アプリケーションサブシステム110は更に、コンテンツレジストリ11ひとつルレジストリ112、講座レジストリ113、ひとつ以上のコンテンツエンジン114、ひとつ以上のツールエンジン115、およびひとつ以上の講座エンジン116を備える。コアサブシステム150は更に、コアエンジン151、アクセスマネージャ152、ユーザーインターフェース(すなわちUI)マネージャ153、ユーザーマネージャ154、グループマネージャ155、イベントマネージャ156、ログマネージャ157および接続マネージャ158を備える。」

ウ 「[0059]

本発明の評価ツールは学生の準備態勢をより万全にし、学生の進行状況を測ることに加え、テストとサーベイを作成および管理することによって授業をカスタマイズする。テストとサーベイを作成するために、使い易く段階的な工程が与えられ、そこで講師が多岐選択式、複数正解、○×式、照合、順序づけ、穴埋め、および小論文のような多数の質問タイプを併用し、組合せてもよい。マルチメディアまたはその他の添付ファイルは、容易に評価質問に含まれることができる。質問を評価プールからランダムに抽出し、再利用してもよい。学生に与えられるテストをパスワードで保護しテスト時間を設定してもよいし、学生に即座にフィードバックを与えてもよい。好都合なことに、評価および学生の回答から統計レポートを作成してもよい。」

エ 「[0089]

講師の機能

講師には、学生ユーザと実質的に同様の機能および制御が与えられるだけでなく、ここで定義される追加機能も与えられる。つまり、通知、講座情報、スタッフ情報、講座文献、課題、通信ツール、外部リンク、および講師が授業を行う所定の講座に関する学生用ツールにアクセスするため、1セットの完全なナビゲーションボタンが講師に与えられる。また講師にはコントロールパネルも与えられ、それによって講座管理だけでなく講師にとって利用可能な開発ツールへのリンク1セットを表示することが可能となる。

[0090]

講師のコントロールパネルWebページ1600は図16で示される。このコントロールパネル1602は、講師が指導している講座を管理する上で役に立つ多くの特長を講師に提供する。以下で示されるように、コントロールパネルは、コンテンツ領域1604、講座ツール1606、講座オプション1608、ユーザ管理1610、評価1612、およびアシスタンス1614に分けられている。」

オ 「[0101]

バーチャルクラスルームリンク1636は、バーチャルクラスルームを立ち上げる(従って、リアルタイムの同期クラスルームセッションに参加する)か、もしくは、クラスルームアーカイブを見る(過去のクラスルームセッションを見るおよび/またはこれらセッションを講師のコンピュータにダウンロードする)かのどちらかのリンクを提供するWebページを表示する。各講座はバーチャルクラスルームを含むが、これは学生間における通信用とグループ内における通信用の同期チャットルームである。バーチャルクラスルームは、クラスルームディスカッション、TAセッション、および勤務時間内に行われるタイプの質疑/応答フォーラムを「生中継で」開くために利用できる。バーチャルクラスルームでは、ゲストスピーカや主題に関する専門家に、クラスで講演してもらうことさえできる。

[0102]

バーチャルクラスルームはいくつかの異なる領域を含む。ホワイトボードスペースは、Webページが表示される大きな中央領域である。描画ツールバーの使用により、このスペースに文字を書き込んだり、絵を描いたりすることもできる。メニューバーは、ホワイトボードスペースで使用するフォントを選択したり、ホワイトボードスペース上のオブジェクトを別のオブジェクトの背後に移動したりする等、ホワイトボードスペースに表示される情報を変更するために使用される。授業の準備をしたり、ホワイトボードスペースに表示されるスライドをナビゲートしたり、またグループディスカッションタブと質疑応答タブ(これらタブに関する更なる情報については、タブパネルに関する説明を参照のこと)をクリアしたりすることもできる。

[0103]

アプリケーションツールバーは、Webページナビゲート用ツールを含む。ロケーションフィールドは、ユーザがバーチャルクラスルームセッションの間に利用したいWebページのURLを入力するために使用される。その後、Webページがホワイトボードスペースに表示される。ユーザは、描画ツールバーを用いて、Webページに文字を書き込んだり、絵を描いたりすることもできる。描画ツールバーは、ホワイトボードスペースに文字を書き込んだり、絵を描いたりするために使用される。ステータス領域では、ステータスメッセージがバーチャルクラスルームウィンドウの下部に表示される。タブパネルは、学生とチャットしたり、学生の質問に応答したり、クラスルームにおける学生の行動を掌握したり、バーチャルクラスルームの学生に関する情報を見たりするために使用される。

[0104]

以下のパネルが使用可能である:

【表1】

109

112

0001437408000003.jpg

会議室リンク1638を選択すると、講座に関連する利用可能な会議室へのリンクを提供するWebページが表示される。会議室は、クラスルーム設定で使用される別の通信ツールである。この特長はバーチャルチャットと同様であるが、非同期用に設計されているので、ユーザは会話を行うため同時に在室している必要はない。会議室に関して更に有利な点は、ユーザ間の会話が記録され、かつ整理される点である。会話は、スレッドとすべての関連する応答とを含むフォーラムにグループ化される。

[0105]

デジタルドロップボックスリンク1640を選択すると、デジタルドロップボックス内に存在するファイルの一覧を示す、図21に示すWebページ2100が表示される。デジタルドロップボックスは、講師と学生がファイルの交換に使用できるツールである。ドロップボックスは、ディスクまたはコンピュータから中央ロケーションへ、ファイルを「アップロード」することにより機能する。参加者はその後、それを「ダウンロード」しに来てローカルで機能させることができる。デジタルドロップボックスは、一学生と講師との間で資料交換するために使用される。すべての学生に送る必要のある情報は、ページエディタを使用して、講座ドキュメント領域に配置すべきである。

[0106]

個々の学生は、講座の学生用ツール領域に配置されたファイル転送領域から、ドロップボックスへのアクセスが可能となる。学生は、グループホームページから個人のドロップボックスへグループでアクセスすることもできる。

[0107]

表示されたWebページ2100は、ドロップボックス内に現存するファイルの一覧を示すが、これらファイルは参加者がユーザに送信したものである。ここに送られたファイルはアクセスと保存が可能である。学生用領域へのファイルの送信2102は、ファイルがアップロードされ、ここから特定の学生に送信される。ユーザは、要らなくなったファイルを削除することもできる。

[0108]

講座オプション

講座オプション領域1608は、講座オプションリンク1642を含むが、このリンクは、ボタンアベイラビリティ、ツールアベイラビリティ、講座アベイラビリティ、講座期間、受講オプション、受講料、およびゲストアクセス用のリンクを有するWebページを講師に対して表示する。ボタンアベイラビリティリンクを選択すると、ユーザが、その講座の学生によって使用されるボタンをイネーブル化またはディスイネーブル化したり、もしくはそれらを安全にする(すなわち受講生だけがアクセスできるようにする)こと等の、設定および構成を行うことのできるWebページを表示する。ツールアベイラビリティリンクを選択すると、講師が、その講座のための学生用のツールと通信機能(すなわち、Eメール、会議室、バーチャルチャット、学生名簿、グループページ、学生用ドロップボックス、ホームページの編集、個人情報、カレンダ、成績、タスク、電子黒板、学生用マニュアル、および講座の検索)をイネーブル化またはディスエーブル化できるWebページを表示する。講座アベイラビリティリンクを選択すると、講師が、学生の講座アベイラビリティをディスエーブル化できる(すなわち、講座サイトが終了するまで講座の利用を不可にしておくことができる)Webページを表示する。講座期間リンクを選択すると、講師が、講座の期間(継続、開始日と終了日、または受講登録日から起算した日数)を選択できるWebページを表示する。登録オプションリンクを選択すると、講師が、学生が受講申込書を講師にEメールできる「講師主導型」か、もしくは開始日と終了日が指定され、登録にはアクセスコードの入力を学生に任意で要求する「自己登録型」かのいずれかを、登録オプションから選択できるWebページを表示する。受講料リンクを選択すると、講師が、受講には受講料を課すのかどうか、そして受講料をいくらにするかを指定できるWebページを表示する。ゲストアクセスリンクを選択すると、講師が、ゲストが講座にアクセスしてもよいかを指定できるWebページを表示する。

[0109]

講座オプション領域1608の講座プロパティリンク1644を選択すると、講師が、講座名と、講座の内容と、分類を目的とした教科領域とを含む講座のプロパティを追加および/または編集できるWebページを表示する。」

カ 「[0113]

ユーザー管理

ユーザー管理領域1610のユーザの追加リンク1652を選択すると、講師が、ユーザの作成リンク、既存ユーザの登録リンク、またはユーザの一括追加リンクを選択できるWebページを表示する。ユーザの作成リンクは、講師が、ユーザ名、ユーザーアドレス等を入力し、ユーザー役割(学生、講師、TA、採点者等)を指定し、そして必要に応じてパスワードを提供することにより、新規ユーザーアカウントを作成するとともに新規ユーザを受講登録できるWebページを表示する。既存ユーザの登録リンクは、講師がユーザを受講登録できるWebページを表示する。ユーザの一括追加リンクは、講師がユーザーデータを含むテキストファイルをアップロードすることにより、ユーザーアカウントをすべて作成できるWebページを表示する。

[0114]

ユーザー管理領域1610のユーザーの一覧/変更リンク1654を選択すると、講師が講座のユーザを一覧表示および/または変更できるWebページが表示される一方で、ユーザの削除リンク1656を選択すると、講師が必要に応じて講座からユーザを削除できるWebページが表示される。管理グループリンク1658を選択すると、講師は特定のユーザーグループ(例えば、優等生、補習生等)を作成および編集できる。

評価

講座の中で、講師は小テスト、テスト、およびサーベイをオンラインで行うことができる。エッセイ、正誤式問題、多肢選択式問題、空所補充問題、または符号問題を含んでもよい。問題には、テキスト、図、またはマルチメディアを含むことができる。学生には、自動採点機能によりフィードバックが瞬時に提供される。講師は、テストをランダム化し、テスト時間を計測し、そして結果の統計レポートを作成できる。このシステムにおける評価は、クラスに対する学生の準備度を高め、かつ時間の経過とともに学生の進行状況を追跡および比較する最適の方法である。コントロールパネル1602の評価領域1612により講師は、評価マネージャーリンク1660、プールマネージャーリンク1662、オンライン成績書リンク1664、または講座統計リンク1666を選択できる。

[0115]

評価領域1612の評価マネージャーリンク1660を選択すると、講師が評価コンテンツ領域を作成、編集できる他、それらを管理できるWebページが表示される。例えば、講師は評価名、内容を入力し、かつ以下を含む特定のパラメータを設定することにより評価を作成してもよい:詳細な結果を表示(単に最終的な成績だけでなく、各問題に対する結果を学生に表示する)、正解を表示(各問題に対する正解を学生に表示する)、フィードバックのイネーブル化(講師が各問題に対して入力したフィードバックを学生が見ることが可能)、複数トライ可(学生が一回を超えて評価を受けることが可能)、小テスト時間の設定(試験中、学生に表示されるタイマを設定する)、およびパスワードの保護(パスワードを入力した学生のみテストを受けることが可能)。変更オプションをクリックすることにより、講師がアイテムの追加により評価を変更できるWebページが表示される。アイテムは、問題のタイプ(多肢選択式、正誤式、空所補充等)を選択したり、問題文と解答の選択肢(すなわち、多肢選択式問題の場合)を入力し、かつ正解を表示したり、解答の順序を指定したりすること等により追加される。問題の順序は、このWebページでも変更できる。」

キ 「[0117]

評価領域のオンライン成績書リンク1664を選択すると、講師がオンライン講座成績書に関して様々な機能を実行できるWebページが表示される。図22は「講座成績書」と題されたWebページ2200を示すが、このWebページは、総合成績、課題/テストの個人得点、学生が提出した特定の課題もしくは学生が受けた特定のテストへの直接的なアクセス、あるいは集約された結果を示す特定のテストへの一覧を含む様々な情報を提供する。これにより、講師は有意義なように成績情報を整理できる。このWebページは、特定の課題が及ぼす効果に対して洞察力を提供するとともに、講師が課題とクラス内容を評価できるようにするための掛け橋となる。コントロールパネルの評価領域にあるオンライン成績書Webページに提供される機能には、ユーザによるレポート(特定のユーザを探し、統計、評価結果、およびユーザの任意の得点に対する変更を見るために使用される)と、アイテムによるレポート(特定の成績書アイテムに関する情報を見るために使用される)と、スプレッドシートビュー(図22に示す標準成績書ビュー、講師は評価結果を見るとともに成績書への入力事項を変更、追加、または削除できる)と、成績書のエクスポート(コンマで区切られたファイルとしてエクスポートされる)とが含まれる。」

3 甲第3号証

甲第3号証の記載

甲第3号証には、以下の記載がある。

ア スライド第4頁「

98

137

0001437408000004.jpg

イ スライド第5頁「

93

132

0001437408000005.jpg

ウ スライド第8頁「

92

133

0001437408000006.jpg

エ スライド第29頁「

94

132

0001437408000007.jpg

オ スライド第30頁「

93

131

0001437408000008.jpg

カ スライド第32頁「

92

129

0001437408000009.jpg

4 甲第4号証

甲第4号証の記載

甲第4号証には、以下の記載がある。

ア スライド第3頁「

101

132

0001437408000010.jpg

イ スライド第5頁「

96

129

0001437408000011.jpg

5 甲第5号証

甲第5号証の記載

甲第5号証には、以下の記載がある。

ア スライド第9~10頁「

191

131

0001437408000012.jpg

6 甲第6号証

(1)甲第6号証の記載

甲第6号証には、以下の記載がある。

ア「

21

132

0001437408000013.jpg

51

135

0001437408000014.jpg

(当審訳)

ChatGPTを活用して生徒の作文課題の採点を支援する「Writable」という新しいツール

が、小学3年生から高校3年生までの教師向けに広く提供されている。

その重要性:ChatGPTがリリースされて以来、教師たちはこっそりとこのツールを使って課題の採点を行ってきたが、今では学校側がその利用を公認し、推奨するようになっている。

ニュースの背景:教師の業務効率化ツールとして知られる「Writable」が、先月、教育大手ホートン・ミフリン・ハーコート(Houghton Mifflin Harcourt)に買収された。同社の教材は、幼稚園から高校までの学校の90%で使用されている。」

イ 「

112

129

0001437408000015.jpg

(当審訳)・教師はこれを使って生徒の作文をChatGPTに入力し、AIが生成したフィードバックを評価した上で、生徒に返却しています。

・「

このプログラムを利用している

教師は数多くおり、皆非常に期待を寄せている」と、ホートン・ミフリン・ハーコートのCEO、ジャック・リンチ氏はAxiosに語った。

・仕組み:

教師がクラスに作文の課題(例えば「夏休みに何をしたか」など)を出し、生徒たちはその作品を電子的に提出

します。

教師は作文をWritableに送信し、WritableはそれをChatGPTに処理させ

ます。

ChatGPTは教師に対してコメントや意見を提供し、教師はそれらを確認・修正した上で、生徒にフィードバックを送

ります。」

(2)甲第6号証の記載から把握できる事項

ア 上記(1)アから、「「Writable」」は、「ChatGPTを活用して生徒の作文課題の採点を支援する」「新しいツール」であるといえる。また、上記(1)イに「このプログラムを利用している」との記載があるから、

「「Writable」」は、「プログラム」であるといえる。そうすると、甲第6号証には、

「ChatGPTを活用して生徒の作文課題の採点を支援する新しいツールであるプログラム「Writable」」

とのことが記載されているといえる。

イ 上記(1)イから、甲第6号証には、

「教師がクラスに作文の課題(例えば「夏休みに何をしたか」など)を出し、生徒たちはその作品を電子的に提出し、

教師は作文をWritableに送信し、WritableはそれをChatGPTに処理させ、

ChatGPTは教師に対してコメントや意見を提供し、教師はそれらを確認・修正した上で、生徒にフィードバックを送る」

とのことが記載されているといえる。

(3)甲第6号証に記載されている発明

上記(2)から、甲第6号証には、

「ChatGPTを活用して生徒の作文課題の採点を支援する新しいツールであるプログラム「Writable」であって

教師がクラスに作文の課題(例えば「夏休みに何をしたか」など)を出し、生徒たちはその作品を電子的に提出し、

教師は作文をWritableに送信し、WritableはそれをChatGPTに処理させ、

ChatGPTは教師に対してコメントや意見を提供し、教師はそれらを確認・修正した上で、生徒にフィードバックを送る

プログラム「Writable」」

との発明(以下「甲6発明」という。)が記載されているといえる。

7 甲第7号証

甲第7号証の記載

甲第7号証には、以下の記載がある。

ア 「

55

129

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(当審訳)さらに、Writableは、生成AIを含む新興技術の開発と顧客体験に焦点を当てた新たなインキュベーションチーム「HMH Labs」の運営チームとなります。2018年からAIソリューションの初期実験を開始して以来、OpenAIによるGPT 3.5の初回リリースを受けて、生成AIを活用したイノベーションへの取り組みをさらに強化しました。生成AIを活用して授業準備のあり方を再構築し、教師にAIによるフィードバックや採点提案を提供することで、お客様のニーズの変化に合わせてAIソリューションの開発と改良の両面でリーダーとしての地位を確立してきました。今後数年間でAIが学習の変革にどのように貢献するかを展望する中、私たちは教育者へのAIサポートの質を継続的に向上させるため、教師中心のアプローチを貫くことをお約束します。すでに『Into Literature』や『Into Reading』などのHMHプログラムと併せてWritableをご利用いただいている場合でも、単独のソリューションとして購入・ご利用になる場合でも、Writableのお客様には、これまで期待し、ご愛顧いただいているサポート、サービス、そしてイノベーションを引き続き提供してまいります。」

8 甲第8号証

甲第8号証の記載

甲第8号証には、以下の記載がある。

ア 「

54

133

0001437408000017.jpg

(当審訳)あらゆる文書に対するAIフィードバック

教師の方は、Word文書やGoogle Classroomの課題など、過去または現在の生徒の課題について、わずか数分でAIが提案するフィードバックを確認できます。

また、生徒が利用を始める前に、当社のサンプル課題文を使ってAIフィードバックをすばやくプレビューし、Writableの操作感を体験することも可能です。」

イ 「

68

133

0001437408000018.jpg

(当審訳)AIによるコメント提案

的確で実践的なAI提案コメントを活用すれば、時間を節約しつつ、ライティングスキルの向上を促進できます。これにより、生徒が最も必要としている「その瞬間」に、役立つフィードバックを簡単に提供できるようになります。

コメントは、課題全体および評価基準の項目単位で生成可能で、スペイン語での表示にも対応しています。この機能は、設定不要ですべての課題で利用可能です。」

9 甲第9号証

甲第9号証の記載

甲第9号証には、以下の記載がある。

ア 「

48

139

0001437408000019.jpg

(当審訳)それでは、HMH社のWritableについて詳しく見ていきましょう。ClassLink経由でアクセスします。ただし、WritableやHMHという名称ではなく、ED: Your Friend in Learningという名称です。ClassLinkは自動的にログインしてくれます。初めてログインする場合は、担当する学年と教科を選択する必要があるかもしれません。」

イ 「

47

139

0001437408000020.jpg

(当審訳)WritableはAIを活用して生徒の提出物を評価し、目標達成を加速させるためのフィードバックを提供します。これは画期的なツールであり、複雑な設定は一切不要です。すべての機能がプログラムに組み込まれています。

トピック1の2番目のビデオでは、Writableと授業を連携させる方法を解説しています。生徒の登録は、Google Classroom(学習管理システム)を通じて行います。Google ClassroomからWritableのアクティビティを配信できます。」

10 甲第10号証

甲第10号証の記載

甲第10号証には、以下の記載がある。

ア 「

33

135

0001437408000021.jpg

(当審訳)学校2023-2024に戻る 2023年秋」

イ 「

67

130

0001437408000022.jpg

86

127

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(当審訳)AIによるコメント提案

タイムリーで的を射た、実践的なフィードバックを提供することは、研究によって裏付けられたライティングスキル向上の鍵ですが、希望するだけのフィードバックを行う時間を確保するのは難しいことも承知しています。Writableの「AIによるコメント提案」機能を使えば、提出物全体や評価項目のそれぞれについて、スキルレベルに合わせた編集可能なコメントを得ることができます。これで、効果的なフィードバックをわずか数秒で提供できるようになりました!

教師は、「指導と採点」ページまたは採点スタックから、AIが提案するコメントを確認・リクエストできるようになりました。何より重要なのは、送信前に提案されたコメントを簡単に編集できることです。ボタンを押すだけでコメントを送信し、生徒が文章を書いているまさにその瞬間――最も重要なタイミングで、生徒をサポートしましょう!」

11 甲第11号証

甲第11号証の記載

甲第11号証には、以下の記載がある。

ア 「

64

132

0001437408000024.jpg

(当審訳)AIフィードバックの使い方は?

WritableのAIフィードバックを使えば、生徒の課題を採点・添削する際に、学習目標に沿った編集可能なコメントを付与することができます。

教師は「ガイド/採点」ページまたは採点スタックからAIフィードバックを確認・リクエストできます。何より重要なのは、提案されたコメントを送信する前に簡単に編集できる点です。ボタンを押すだけでフィードバックを送信でき、生徒が最も必要としている瞬間、つまり執筆中に、サポートを提供できます!」

イ 「

49

130

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135

132

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125

130

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(当審訳)課題ダッシュボードの「指導/採点」ページを使用すると、課題における学生の進捗状況を確認したり、簡単なチャットを開始したり、即座にフィードバックや採点を行ったりすることができます。AIフィードバックの追加により、個別のコメントを提供することがこれまで以上に簡単になりました。

1. 以下の手順に従って、課題ダッシュボードに移動してください。

2. 左側のメニューにある「指導/採点」をクリックします。

3. ページの上部に、「AIフィードバックを取得」または「AIフィードバックを送信」というオプションが表示されます。AIフィードバックをリクエストするには、「AIフィードバックを取得」をクリックしてください。下書き段階の文章でも、提出済みの文章でも、AIフィードバックをリクエストすることができます。

4. AIが生成したコメントを確認したら、送信する前に鉛筆アイコンをクリックして必要に応じて修正してください。なお、AIによるコメントは、生徒一人ひとりに合わせたフィードバックを素早く作成するための良い出発点となります!

5. 編集が完了したら、紙飛行機のアイコンをクリックして、生徒にフィードバックを送信してください。生徒はインスタント・カンファレンシングのチャットで、すぐにフィードバックを確認できます。」

12 甲第12号証

甲第12号証の記載

甲第12号証には、以下の記載がある。

ア 「

121

134

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第5 当審の判断

1 理由1(公然実施:特許法第29条第1項第2号)および理由2(進歩性:特許法第29条第2項)について

(1)本件発明1と甲6発明との対比

ア 「対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により前記対象者の評価に関する評価文章を生成する機能と、」について

甲6発明における「生徒」は、作文課題の作品を採点される対象の者であるから、本件発明1の「対象者」に相当する。とすれば、甲6発明における「生徒たち」によって「電子的に提出された」「作文課題」の「作品」は、本件発明1の「対象者が投稿した1つ以上のメッセージ」に相当する。また、甲6発明における「ChatGPT」は、本件発明1の「言語モデル」に相当するから、当該「ChatGPT」によって提供される機能は、本件発明1の「言語モデルの機能」に相当する。そして、甲6発明において「ChatGPT」が「提供」する「コメントや意見」は、「作品」に対する評価に関する文章であるから、本件発明1の「前記対象者の評価に関する評価文章」と、「評価に関する評価文章」である点において共通している。

そうすると、甲6発明において「Writable」が「作品」を「ChatGPTに処理させ」る機能は、本件発明1の「対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により

前記対象者の

評価に関する評価文章を生成する機能」と「対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により」「評価に関する評価文章を生成する機能」である点において共通している。

イ 「前記評価文章を評価者に提供する機能と、」について

甲6発明における「教師」は、生徒の作品を採点する者であるから、本件発明1の「評価者」に相当する。

そうすると、甲6発明において「ChatGPT」が「教師に対してコメントや意見を提供」する機能は、本件発明1の「前記評価文章を評価者に提供する機能」に相当する。

ウ 「情報処理システム」について

甲6発明では「ChatGPT」および「プログラム」である「Writable」が動作しているから、「ChatGPT」および「Writable」による情報処理を実行する情報処理部を備えた情報処理システムが具備されていることは、自明である。

そうすると、甲6発明と、本件発明1は、後に述べる相違点はあるものの、それぞれ「情報処理部を備えることを特徴とする情報処理システム」を備えている点において共通している。

(2)一致点及び相違点

上記(1)で対比した事項を踏まえると、本件発明1と甲6発明は、

「対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により評価に関する評価文章を生成する機能と、

前記評価文章を評価者に提供する機能と、

を有する情報処理部を備える

ことを特徴とする情報処理システム。」

という点で一致し、以下の点で相違している。

(相違点甲6-1)

本件発明1では、「前記対象者の」評価に関する評価文章を生成しているのに対し、甲6発明では、コメントや意見は、生徒の作文課題の作品の採点におけるコメントや意見であって、作品の評価に関する評価文章であり、対象者(人)の評価に関する評価文章を生成していない点。

(相違点甲6-2)

本件発明1では、情報処理システムは、「前記評価者の要求に基づいて、前記メッセージを受け付ける投稿スペースをメタ情報と対応付けて生成する機能」を有しているのに対し、甲6発明では、そのような構成が明らかでない点。

(相違点甲6-3)

本件発明1では、情報処理システムは、「前記投稿スペースごとに前記メッセージを管理する機能と」を有しているのに対し、甲6発明では、そのような構成が明らかでない点。

(3)判断(公然実施)について

上記(2)に見るように、本件発明1と甲6発明との間には、相違点甲6-1~甲6-3が存在しており、これらの相違点は、いずれも、実質的なものであるから、本件発明1は、甲第6号証から、公然実施された発明とはいえない。

また、後述するように、少なくとも相違点甲6-1にかかる構成に関しては、甲第3号証~甲第5号証、甲第7号証~甲第12号証のいずれにも開示が存在しないから、甲第3号証~甲第5号証、甲第7号証~甲第12号証により、本件発明1が、公然実施された発明とはいえない。

よって、本件発明1は、甲第3号証~甲第12号証により、公然実施された発明とはいえない。

(4)判断(進歩性)について

事案に鑑みて、相違点甲6-1について先に検討する。

上記第4の3より、甲第3号証には、テスト解答の自動採点に関することが記載されており、上記第4の7、第4の8、第4の9、第4の10及び第4の11より、甲第7号証~甲第11号証には、それぞれAIによって生徒の提出した課題や作文の評価・採点を行うことによりコメントを生成することが記載されている。

これらはいずれも生徒が提出したテスト解答や課題、作文に関する評価を行うものであり、個別の課題や作文に関する評価にとどまるものであって、「前記対象者の」である人(生徒)に関する評価を行うものでなく、「前記対象者の」評価に関する評価文章を生成する構成については、甲第3号証~甲第5号証、甲第7号証~甲第12号証のいずれにも記載されていないから、甲6発明に、甲第3号証~甲第5号証、甲第7号証~甲第12号証記載の技術を適用しても、「前記対象者の」評価に関する評価文章を生成する上記相違点甲6-1に係る構成には至らない。

また、評価の対象となる対象者を評価する評価文章を生成する技術が本件特許の出願前に周知であったとも認められない。

したがって、本件発明1の相違点甲6-1に係る構成は、甲6発明及び甲第3号証~甲第5号証、甲第7号証~甲第12号証に記載の技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではない。

よって、他の相違点について判断するまでもなく、本件発明1は、甲第3号証~甲第12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(5)本件発明4、10、12~14について

本件発明4、10及び12~14は、本件発明1を引用するものであり、いずれも相違点甲6-1に係る構成を含むものであるから、本件発明1と同様の理由により、本件発明4、10及び12~14は、公然実施された発明ではなく、また、甲第3号証~甲第12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(6)本件発明6、7について

本件発明6も、本件発明1と同じ「対象者の評価に関する評価文章を生成する機能」を備えており、本件発明7は、本件発明6を引用しており、いずれも相違点甲6-1に係る構成と同じ構成を含むものであるから、本件発明1と同様の理由により、本件発明6及び7は、公然実施された発明ではなく、また、甲第3号証~甲第12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(7)本件発明16、17について

本件発明16は、本件発明1の発明のカテゴリを「情報処理システム」の発明から、「情報処理方法」へと変更したものであり、本件発明17は、本件発明6の発明のカテゴリを「情報処理システム」の発明から、「情報処理方法」へと変更したものであって、いずれも相違点甲6-1に係る構成と同様の構成を含むものであるから、本件発明1と同様の理由により、本件発明16及び17は、公然実施された発明ではなく、また、甲第3号証~甲第12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(8)申立人の主張

申立人は、特許異議申立書において、甲第3号証~甲第11号証により、本件特許の出願前から「生徒または学生が投稿した1つ以上の提出物を利用して、ChatGPTの機能により前記生徒または学生の評価または評価に関するコメントを生成する機能」を有する甲A1発明が公然実施されていたと理解されると主張している。

しかしながら、上記(2)(3)に言及したように、甲第3号証~甲第11号証には、生成される評価に関する評価文章を「前記対象者の」評価に関する評価文章とする事項については開示がなく、甲第3号証~甲第11号証により「前記生徒または学生の評価または評価に関するコメントを生成する機能」を有する発明が公然実施されていたとはいえない。

また、生成される評価に関する評価文章を「前記対象者の」評価に関する評価文章とする事項については、甲第3号証~甲第5号証、甲第7号証~甲第12号証のいずれにも記載も示唆もされておらず、本件特許の出願前に周知であったとも認められないから、これらの記載に基づいて当業者が容易に発明できたものともいえない。

よって、申立人の上記主張は、採用できない。

(9)小括

上記(1)~(7)で述べたように、本件発明1、4、6、7、10、12~14、16、17と甲第3号証~甲第12号証に記載された発明とには、少なくとも実質的な相違点甲6-1が存在しており、甲第3号証~甲第12号証により、本件発明1、4、6、7、10、12~14、16、17が公然実施された発明であるとはいえないから、申立人主張の異議理由1(公然実施)は、理由がない。

また、本件発明1、4、6、7、10、12~14、16、17は、甲第3号証~甲第12号証に記載された発明もしくは技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、申立人主張の異議理由2(進歩性)は、理由がない。

2 理由3(進歩性:特許法第29条第2項)について

(1)本件発明1と甲1発明との対比

ア 「対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により前記対象者の評価に関する評価文章を生成する機能と、」について

甲1発明において、「業務的関係値が高いと判定されたロジックとして、業務外チャット送受信数や同じオンライン会議への出席数が多い点が返答され、感情的スコアが低いと判定されたロジックとして、メッセージにおいて送信相手の具体的な行動について触れておらず、また送信相手の丁寧さにも気づいていないという点が挙げられ」ている「返答」は、感謝・称賛メッセージを送信しようとしている「ユーザ」が「メッセージにおいて送信相手の具体的な行動について触れておらず、また送信相手の丁寧さにも気づいていない」と評価されたことを示す文章であり、「大規模言語モデル(LLM)をベースとした」生成系AI300によって生成された文章である。

そうすると、本件発明1の「対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により前記対象者の評価に関する評価文章を生成する機能」と、甲1発明とは、後に述べる相違点はあるものの「言語モデルの機能により」ユーザ「の評価に関する評価文章を生成する機能」を有する点において共通している。

イ 「前記評価文章を評価者に提供する機能と、」について

甲1発明では、「返答」を「答表示吹出し82bに表示」しているから、本件発明1の「前記評価文章を

評価者に

提供する機能」と、甲1発明とは、「前記評価文章を」「提供する機能」を有する点において共通している。

ウ 「前記投稿スペースごとに前記メッセージを管理する機能と有する情報処理部を備える」について

甲1発明における「仲介サーバ100A」および「仲介サーバ100B」は、「ビジネスツール」を用いた「ユーザ端末200間の通信を仲介する」機能を有しているから、甲1発明は、「ユーザ端末200間」で「通信」される「ビジネスツール」のメッセージを管理する機能を有しているといえる。

そうすると、本件発明1の「前記投稿スペースごとに前記メッセージを管理する機能と有する情報処理部」と、甲1発明とは、「メッセージを管理する機能と有する情報処理部を備える」を有する点において共通している。

エ 「情報処理システム」について

甲1発明における「システム」は、後に述べる相違点はあるものの「情報処理システム」である点において共通している。

(2)一致点及び相違点

上記(1)で対比した事項を踏まえると、本件発明1と甲1発明は、

「言語モデルの機能によりユーザの評価に関する評価文章を生成する機能と、

前記評価文章を提供する機能と、

メッセージを管理する機能と有する情報処理部を備える

ことを特徴とする情報処理システム。」

という点で一致し、以下の点で相違している。

(相違点甲1-1)

本件発明1では、評価に関する評価文章が、「対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して」生成されているのに対して、甲1発明では、そのような構成が明らかでない点。

(相違点甲1-2)

本件発明1では、評価文章の評価の対象となるユーザが、評価者による評価の対象となる「対象者」であるのに対し、甲1発明では、感謝・称賛メッセージを送信しようとしているユーザである点。

(相違点甲1-3)

本件発明1では、情報処理システムは、「前記評価者の要求に基づいて、前記メッセージを受け付ける投稿スペースをメタ情報と対応付けて生成する機能」を有しているのに対し、甲1発明では、そのような構成が明らかでない点。

(相違点甲1-4)

本件発明1では、メッセージの管理が、「投稿スペースごとに」行われているのに対し、甲1発明では、そのような構成が明らかでない点。

(3)相違点についての判断

事案に鑑みて、相違点甲1-2について先に検討する。

上記第4の11より、甲第11号証には、AIによって、生徒の提出した課題や作文の評価・採点を行うことでコメントを生成することが記載されている。

これは、生徒が提出した課題や作文に関する評価を行うものであり、個別の課題や作文に関する評価にとどまるものであって、評価者による評価の対象となる人(生徒)に関する評価を行うものではなく、評価文章の評価の対象となるユーザを、評価者による評価の対象となる「対象者」とする事項については、甲第2号証、甲第11号証および甲第12号証のいずれにも記載されていないから、甲1発明に、甲第2号証、甲第11号証および甲第12号証の技術を適用しても、評価文章の評価の対象となるユーザを、評価者による評価の対象となる「対象者」とする上記相違点甲1-2に係る構成には至らない。

また、評価の対象となる対象者を評価する評価文章を生成する技術が、本件特許の出願前に周知であったとも認められない。

したがって、甲1発明及び甲第2号証、甲第11号証並びに甲第12号証に記載の技術に基づいて、本件発明1の相違点甲1-2に係る構成は、当業者が容易に想到し得たものではない。

よって、他の相違点について判断するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証、甲第2号証、甲第11号証および甲第12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(4)本件発明4、10、12~15について

本件発明4、10及び12~15は、本件発明1を引用するものであり、いずれも相違点甲1-2に係る構成を含むものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲第1号証、甲第2号証、甲第11号証および甲第12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(5)本件発明6、7について

本件発明6も、本件発明1と同じ「対象者の評価に関する評価文章を生成する機能」を備えており、本件発明7は、本件発明6を引用しており、いずれも相違点甲1-2に係る構成と同じ構成を含むものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲第1号証、甲第2号証、甲第11号証および甲第12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(6)本件発明16、17について

本件発明16は、本件発明1の発明のカテゴリを「情報処理システム」の発明から、「情報処理方法」へと変更したものであり、本件発明17は、本件発明6の発明のカテゴリを「情報処理システム」の発明から、「情報処理方法」へと変更したものであって、いずれも相違点甲1-2に係る構成と同様の構成を含むものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲第1号証、甲第2号証、甲第11号証および甲第12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(7)申立人の主張

申立人は、特許異議申立書において、段落[0112]-[0113]及び[図11]-[図12]には、 ユーザであるTARO ISHIDAが、メッセージ送信対象者推薦情報に含まれる同僚の一人(対象者)について、 業務的関係値が高く感情的スコアが低いと判断した根拠を尋ねる質問を入力すると、生成系AI300が、業務的関係値が高いと判定されたロジックとして、業務外チャット送受信数や同じオンライン会議への出席数が多い点が返答され、感情的スコアが低いと判定されたロジックとして、メッセージにおいて送信相手の具体的な行動について触れておらず、また送信相手の丁寧さにも気づいていないという回答(評価文章)を表示することが記載されており、ここで、メッセージ送信対象者推薦情報に含まれる同僚の一人についての判定のロジックとして、業務外チャット送受信数やメッセージにおいて送信相手の具体的な行動について触れていない点が記載されているから、対象者が投稿した1つ以上のメッセージを利用して、言語モデルの機能により前記対象者の評価に関する評価文章を生成するといえ、また甲第1号証において、「ユーザが、チャット画面上で、感謝・称賛メッセージを送信すべき同僚を生成系AI300に尋ねる質問を入力すると、当該質問の内容が、質問表示吹出し81aに表示される。」([0112])のであるから、ユーザは、感謝・称賛メッセージを送信すべきか否かの観点で同僚を評価する評価者であると主張している。

しかしながら、甲第1号証における同僚は、ユーザであるTARO ISHIDAが感謝・称賛メッセージを送信しようとしている相手にすぎず、ユーザと同僚は、「評価者」と当該「評価者」によって評価の対象となる「対象者」の関係にあるものではない。また、答表示吹出し82bに表示される「メッセージにおいて送信相手の具体的な行動について触れておらず、 また送信相手の丁寧さにも気づいていないという回答(評価文章)」は、ユーザであるTARO ISHIDAに関する評価であり、申立人が「対象者」であると主張する同僚の評価ではない。

よって、申立人の上記主張は、採用できない。

(8)小括

上記(1)~(6)で述べたように、本件発明1、4、6、7、10、12~17は、甲第1号証、甲第2号証、甲第11号証および甲第12号証に記載された発明もしくは技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、申立人主張の異議理由3(進歩性)は、理由がない。

第6 むすび

したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1、4、6、7、10、12~17に係る特許を取り消すことはできない。

また、他に請求項1、4、6、7、10、12~17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。

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