Trademark Appeal Case
結合商標の要部と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成6年審判第546号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「EXTRUDE MPV」の欧文字を横書してなり、第1類「化学品 薬剤 医療補助品」を指定商品とし、平成4年3月30日登録出願、同5年7月20日付手続補正書により指定商品が「義歯型材料」に補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した商標登録第2423910号に係る商標(以下、「引用商標」という。)は、「MPV」の欧文字を横書きしてなり、平成1年12月20日登録出願、第1類「化学品、薬剤、その他本類に属する商品」を指定商品として同4年6月30日登録がされたものである。
3 請求人の主張
請求人は、「原査定を取り消す。本願商標は、登録すべきものとする。」との審決を求めて審判を請求、その理由として次のように主張した。
「MPV」は、「多用途可能粘度」を意味する略語であり、本願商標は当該「MPV」の部分をもって略称されるものではない。なお、請求人は上記事実を立証する証拠を収集中であり、収集次第直ちに提出する。
4 当審の判断
(1)当審において、請求人に対し、平成10年6月9日付で「本件審判につき上記証拠の提出の有無。証拠を提出するのであれば、速やかにその手続を行って下さい。」との審尋書を送付し、相当の期間を指定して回答書を提出する機会を与えた。
上記審尋に対して、請求人からは指定した期間内に証拠の提出等何らの回答もなかった。
(2)そこで、本願商標と引用商標との類否について検討する。
本願商標は、上記のとおり「EXTRUDE MPV」の欧文字を横書きし、「EXTRUDE」と「MPV」の文字の間には1文字程度の間隔を空けて表示されてなるところ、その文字構成よりみて、容易に「EXTRUDE」の文字と「MPV」の文字とを結合してなるものと理解されるものである。そして、その構成中「EXTRUDE」文字部分は「イクストルード」「エクストルード」と発音され、「押し出す、(金属・プラスチックなどを)型から押し出して成型する」等を意味する英語(「小学館ランダムハウス英和大辞典」参照)であり、また「MPV」の文字部分については、特定の観念を生じないものと認められる。請求人は「MPV」につき「JICST検索リスト」を提出して「多用途可能粘度」を意味する「multi purpose viscosity」の略語であり、商品の品質、成分を表示するものである旨主張するが、「JICST検索リスト」には「MPV(モルガン市の新方式交通車両)、Mason−Pfizerウイルス(MPV)、多用途車(MPV)」等の記載もあり、該証拠によっては、本願指定商品「義歯型材料」を取り扱う取引者、需用者において「MPV」が必ずしも請求人主張の意味に特定されているとする事実は認められず、請求人の主張は措信することはできない。
そうすると、本願商標は、特定の観念は生じない商標であって、その構成文字に相応して「イクストルードエムピーブイ」「エクストルードエムピーブイ」の称呼が生ずるほか、全体の称呼が冗長であること、外観上構成文字「EXTRUDE」と「MPV」の文字の間には1文字程度の間隔を空けて表示されていること、しかも、その構成中「EXTRUDE」文字部分が上記した観念であり、その指定商品「義歯型材料」との関係からみて自他商品の識別機能が弱い部分であることをも併せ考慮すると、本願商標に接する取引者、需用者はその構成中の
「MPV」の文字を捉えて取引にあたるとみるのが相当であるから、該「MPV」の文字に相応して「エムピーブイ」の称呼も生ずるものというべきである。
他方、引用商標は、上記のとおり「MPV」の文字の構成よりなるところ、特定の観念を生じないものと認められ、その構成文字に相応して「エムピーブイ」の称呼が生ずることは明らかである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念においては特定の意味を生じないものであって、比較することができないが、「エムピープイ」の称呼を共通にするものであり、本願商標が「MPV」の文字をもって取引にあたることがあること前記認定のとおりであって、取引者、需用者が両商標について、時と処を異にして接する場合には、両者は「MPV」の文字を共通にすることより、外観上近似した印象、連想等を生ずるおそれがあることは否定し難いものであるから、両商標は、全体として互いに紛れ易い類似する商標であるといわなければならない。
そして、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品に含まれるものである。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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