結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024300917 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6085615号商標(以下「本件商標」という。)は、「Flex」の文字を標準文字で表してなり、第34類「たばこ,喫煙用具,マッチ,たばこ・紙巻たばこを加熱することでニコチン成分が含まれるエアゾール(霧)を放出・発生させこれを吸収するために使用する電子式喫煙器具及びその部品,電子たばこ,電子式喫煙用具及びその部品,電子たばこ専用ニコチン溶液」を指定商品として、平成29年12月7日に登録出願、同30年10月5日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和6年12月24日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、令和3年12月24日から同6年12月23日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び令和7年2月18日付けの審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する審判事件弁駁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては「甲(乙)第○号証」を「甲(乙)○」の様に省略して記載する場合がある。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、その指定商品のいずれにも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
(1)はじめに
答弁書中、本件審判の予告登録日については、誤記があるものと考えている。
(2)乙第1号証ないし乙第5号証について
ア 乙1について
乙1は、「本件商品の形状を明らかにするため」という目的で提出されており、透明な袋の内部に「電子タバコ用カートリッジ」と思しき商品が5個、封入されているように見受けられるものの、当該商品が「電子タバコ用カートリッジ」であるのかという点について、当該写真からのみで判断することは難しいものと考えている。
イ 乙2について
乙2は、「本件商品の包装に本件商標の標章が付されていることを明らかにするため」という目的で提出されており、「バーコード」「XOOOMRBKQT」「RFLexカートリッジ5個セット ホワイト キッド無し」が記載されたラベルシールが貼付されている略扁平な四角い箱状物が撮影されている。当該ラベルの下には、うっすらと、「電子タバコ」と読み取ることのできる文字列が見受けられ、当該ラベルは、別の文字列を覆い隠すように貼付されているもののようにも見受けられる。また、乙2は、令和7年2月18日午後0時30分頃に被請求人代理人により撮影された写真であるところ、要証期間中に販売された商品の包装ではないため、要証期間中に販売された商品であることを示す証拠にはならない。
ウ 乙3について
証拠説明書の提出がないため、乙第3号証がどのような事実を立証する目的で提出されたものなのか明らかではないものの、プリントアウトが行われたと日付と思われる2025年2月19日時点における「電子タバコVAPEベイプF1eXフレックスFLEVOフレヴォ/フレボ互換用カートリッジ5個」という商品についてのウェブページ(ユーザーレビュー)が掲載されている。当該レビューは、第三者のレビューであり、本件商標が「電子式喫煙用具及びその部品」との関係で被請求人により使用されていたものであるかどうかについて評価することはできない。
エ 乙4について
乙4は、ウェブページ(商品紹介)として、パソコンの画面キャプチャの印刷物のようであり、2025年2月18日にキャプチャされたものを印刷したものと思料するが、要証期間中に本件商標が「電子式喫煙用具及びその部品」との関係で使用されていた事実を当該証拠から確認することはできないものと思料する。
オ 乙5について
乙5は、被請求人が発行した「納品請求書」の写しと解されるところ、商品名は「電子タバコVAPE ベイプ Flex フレックス FLEVO フレヴォ/フレボ 互換 用 交換カートリッジ 5個 セット(ポイント消化条件付送料無)」という商品に関する書面となっている。
商品コードには「FLEXC-WHT-NON」との記載があるが、商品名は及び商品コードは本件商標を示すものではなく、納品された商品が、いかなる商品であるものか示されていないため、各証拠との関係も明らかでなく、本件商標が要証期間中に指定商品との関係で使用されたかどうかを判断するにあたり、推測の域を出ることがないものである。
(3)乙第1号証ないし乙第5号証に関する検討結果について
乙第1号証ないし乙第5号証によっては、被請求人が、要証期間中に本件商標が指定商品との関係で使用されていた事実を確認することはできない。
(4)指定商品「電子式喫煙用具及びその部品」との関係について
被請求人は、「電子タバコ用カートリッジ」が「電子式喫煙用具及びその部品」に該当するものと断定しているが、審査上では、例えば「液状の化学的香味料入りで販売される電子たばこ専用カートリッジ」として販売される商品は、類似群コード:27A01に属する商品として取り扱われているため、請求人としては、被請求人が販売したとされている商品と指定商品との関係が明らかにすることを望む。
(5)総括
上記のとおり、被請求人は、商標権者又は通常使用権者のいずれかが、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において審判請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていたことを証明していない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を答弁書、令和7年9月2日付け審尋に対する同月30日付け回答書(以下、単に「回答書」という。)において、要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。
被請求人は、平成30年頃より、電子タバコ用カートリッジ(指定商品:「電子式喫煙用具及びその部品」)(以下「本件商品」という。)の包装に、本件商標の標章を付して、YAHOO!ショッピングをはじめとするイーコマースサイトを通じて販売していた。
本件商品は、本件審判の予告登録日である令和5年12月24日の前3年以内にも多数の販売実績がある。
一例として、被請求人は、令和5年2月4日に福岡県福岡市在住の一般消費者から注文を受けて、本件商品の包装に本件商標の標章を付して販売した。
したがって、対象期間内に、商標法第2条第3項第1号及び同項第2号の「使用」を行っていたことが明らかであるから、本件審判請求は成り立たない。
令和6年2月4日、日本国内である福岡県福岡市に在住する一般消費者「A」は、イーコマースサイトであるYAHOO!ショッピングを通じて被請求人に対して本件商品1点を注文した(乙5~乙9)。
なお、この際の販売価格単価は980円であり、乙第4号証に表示された単価990円より10円安価であるが、これは、AがYLPプレミアム会員(PayPayカードのゴールド会員)であったため、1%の割引を受けられたためである(乙10)。
本件注文を受けた被請求人は、即日、ゆうパックにより本件商品をAの居住する福岡県福岡市内の指定住所に向けて、商品の発送業務の委託先である楽天ロジスティクス(以下「委託配送先」という。)を通じて、本件注文に係る発送した。
委託配送先は、被請求人からの委託を受け、令和6年2月4日、本件商品を京都府内からAの指定住所に向けてゆうパックにより発送した。
着荷日は不明であるが、翌日お届け希望の表記から、令和6年2月5日にはAの指定住所に配達されたことは確実である。
上記のとおり、被請求人は配送業務を基本的に外部委託しており、発送伝票、発送依頼書等を受け取ることがない。
また、委託配送先及び日本郵便ともに1年以上前の依頼にかかる配送については資料を保管していないとのことであり、これらの資料を再取得することも不可能である(乙11)。
もっとも、本件注文にかかる発送業務につき、ゆうパックの配送伝票番号として、「伝票1:289397358994」との番号が付されているところ(乙7)、これは、委託配送先が日本郵便に対して本件商品の配送依頼をしない限り付されないものであるから、本件注文に関し、本件商品がA指定住所に向けて発送されたことは明らかである。
また、万が一本件商品がA指定住所に配達されなかった場合、Aから被請求人に対して何らかの苦情が入るはずであるが、そうした苦情は存在せず、本件商品がA指定住所に配達されたことも明らかである。
以上より、被請求人が、要証期間内である令和6年2月4日に、本件商品に本件商標を付して、日本国内の一般消費者Aに対して販売していたので、本件商標を使用していたことは明らかである。
被請求人は、被請求人が本店所在地1階で経営する電子タバコ販売店で、令和4年6月6日頃、指定商品である電子たばこ専用ニコチン溶液に本件商標を付して展示販売しており、同日、インスタグラム上に上記商品を宣伝する投稿を行っている(乙12、13)。
被請求人は、少なくとも、要証期間である令和5年2月4日に福岡県在住の一般消費者から注文を受けて、本件商品の包装に本件商標の標章を付して販売したから、商標法第2条第3項第1号及び同項第2号の使用を行っていたことは明らかであるから、本件審判請求は成り立たない。
(1)乙3について
乙3は、本件商標権者の「YAHOO!JAPANショッピングサイト」における出店サイトの商品レビューのページである。
なお、印刷日は令和7年2月19日であるが、当該ページには、商品の写真のサムネイルが掲載され、当該サムネイル内に別掲1のとおり、青帯部分に白抜き文字で「Flex」(以下「使用商標」という。)の記載がある。
また、当該サムネイルの右側には「電子タバコ VAPE ベイプ Flex フレックス FLEVO フレヴォ/フレボ 互換 用 交換カートリッジ 5個」、「990円」の記載があり、出店者に関する「サンエスライン Yahoo!店」の記載もある。
そして、当該ページは、「電子タバコ」についての41件の商品レビューであるところ、当該商品レビューは、2019年2月11日ないし2023年5月21日であり、要証期間内の書き込みも含まれるから、当該ページは、要証期間に存在していたことがうかがわれる。
(2)乙4について
乙4は、令和7年2月18日に印刷したとされる、本件商標権者の「YAHOO!JAPANショッピングサイト」における出店サイトの商品紹介のページである。
当該サイトの左上には、「サンエスライン Yahoo!店 電子タバコ VAPE アトマイザー」との記載がある。
さらに、その下に、乙3に示されている商品の写真のサムネイルと同じ写真が掲載され、商品の写真とともに「Flex(フレヴォ互換)/カートリッジ(白・黒)」の記載があり、その右には、商品の説明として、「電子タバコ VAPE ベイプ Flex フレックス・・・交換カートリッジ5個セット(ポイント消化 条件付 送料無)」、「価格/990円 送料無料(全国一律)」及び、「アプリ限定で使える 50%分クーポン」の記載が確認できる。
(3)乙5について
乙5は、「納品請求書」とのタイトルの書類であり、購入者欄には福岡県の住所が確認でき、受注日欄には「2024-02-04 00:39:48」、店舗名欄には「サンエスライン Yahoo!店」、受注番号欄には「10075765」、発送方法欄には「ゆうパック」、出荷確定日欄に「2024-02-04」、請求金額欄には「460円」及び運営元情報欄には「株式会社サンエスライン」の名称と「佐賀県唐津市千代田町2109-67」の住所の記載がある。
さらに、商品名欄には、「電子タバコ VAPE ベイプ Flex フレックス・・・交換カートリッジ 5 個 セット(ポイント消化 条件付 送料無)」との記載がある。
(4)乙7について
乙7は、「注文伝票」とのタイトルの書類であり、注文ID欄に「sanesuline-10075765」、注文日時欄には「2024年2月4日 0時39分48秒」、出荷日欄に「2024/02/04」、お届け先の住所欄に「福岡県」、請求金額欄に「460円」との記載がある。
さらに、商品名欄には、「電子タバコ VAPE ベイプ Flex フレックス・・・交換カートリッジ 5個 セット(ポイント消化 条件付 送料無)」との記載がある。
(5)乙8について
乙8は、「納品書」とのタイトルの書類であり、お届け先住所の欄に「福岡県」、ご注文日欄には「2024年2月4日」、ご注文番号欄に「sanesuline-10075765」及び請求金額合計(税込)の合計金額(税込)欄に「460円」との記載がある。
さらに、商品名欄には、「電子タバコ VAPE ベイプ Flex フレックス・・・交換カートリッジ 5個 セット(ポイント消化 条件付 送料無)」との記載がある。
(1)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は、上記第1のとおり、「Flex」の文字を標準文字で表してなるものである。
これに対し、乙3の、商品写真の左下で使用されている商標は、「Flex」の文字、さらに、商品説明中の「Flex」の文字を確認でき、使用商標はいずれも「Flex」の欧文字より構成されているものである。
そして、本件商標と使用商標は、「Flex」の欧文字で構成される点において共通するものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
乙3ないし乙5並びに乙7及び乙8の商品説明の欄には、いずれも「電子タバコ VAPE ベイプ Flex フレックス・・・交換カートリッジ5個セット」の記載があり、かかる記載内容からすれば、「電子タバコ」及び「交換カートリッジ」の記載は、請求に係る指定商品中、少なくとも、第34類「電子タバコ」又は「電子式喫煙用具及びその部品」の範ちゅうの商品と認められる。
(3)使用商標の使用者について
上記1によれば、乙3の出店者等については、「サンエスライン Yahoo!店」の記載があり、また、当該出店者について、乙5には、被請求人の名称及び住所の記載が見られることからすれば、使用商標の使用者は、本件商標権者であるとみて差し支えない。
(4)商標の使用及び使用時期について
ア 上記1(1)のとおり、乙3は、本件商標権者のオンライン出店サイトの商品レビューのページであり、商品の写真の左下及び商品説明中には、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「Flex」の記載がある。
また、当該ページの商品レビューは、要証期間内の書き込みも含まれることから、要証期間に、当該ページが存在していたことがうかがわれる。
イ 上記1(2)のとおり、乙4は、印刷日が令和7年2月18日であるとしても、乙3の商品レビューと同じ商品について、本件商標権者のオンライン出店サイトの商品紹介のページであるところ、乙3に示されている商品の写真と同じ写真の掲載があり、その右側の商品説明中には、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「Flex」の記載がある。
また、当該ページには、商品価格や割引に関する情報などが掲載されていることから、本件商標権者の商品に関する広告とみて差し支えないものである。
ウ 上記1(3)のとおり、「納品請求書」のタイトルの書類である乙5は、購入者欄、受注日欄、店舗名欄、受注番号欄、発送方法欄、出荷確定日欄、請求金額欄には「460円」、商品名欄の記載及び運営元情報欄記載の名称及び住所など、記載された内容を総合的に考察すると、要証期間内である2024年(令和6年)2月4日に、使用商標を、オンライン出店サイトを通じて広告した商品が日本国内において、注文者に対して販売されたことがうかがえる。
エ 上記1(4)のとおり、乙7は、「注文伝票」とのタイトルの書類であるところ、注文ID欄に記載の数字「10075765」、注文日時欄、出荷日欄、お届け先の住所欄、請求金額合計の合計金額欄、商品名欄の記載は、いずれも乙5の記載と一致するから、乙5の取引は乙7の注文伝票に記載された注文により行われたものであることがうかがえる。
オ 上記1(5)のとおり、乙8は、「納品書」とのタイトルの書類であるところ、お届け先住所欄、ご注文日欄、ご注文番号欄の数字「10075765」及び請求金額の合計金額(税込)欄及び商品名欄の記載は、いずれも乙5の記載と同一であるから、乙5の取引は乙7の注文伝票に記載された注文により行われたものであることがうかがえる。
カ 上記アないしオの事実よりすれば、乙4の本件商標権者が自身のオンライン出店サイトを通じて広告した商品が、要証期間である2024年(令和6年)2月4日に販売された事実が認められるから、遅くとも上記期間には、当該オンライン出店サイトによる使用商標の広告がされていたことが推認できる。
そうとすると、商標権者が行った上記の行為は、要証期間に本件商標権者が請求に係る商品の広告宣伝に本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供する行為と認められる。
また、当該ウェブサイトは、日本語で記載されたものであるから日本国内の使用であることが明らかである。
なお、請求人は令和7年11月28日付けで上申書を提出しているが、その内容からすれば、審理終結通知と共に送付した被請求人提出の回答書の副本送付を受けての対応であるところ、職権調査による、厚生労働省や日本たばこ産業株式会社(略称:JT)のウェブサイト(URLは別掲2を参照。)には、電子たばこに関し我が国ではニコチンを含むものは現在販売されていない旨の記載があり、かかる取引実情よりすれば、商標法上の第34類における「電子喫煙用具の部品及び付属品」について、ニコチンを含まない商品が包含されていることは明らかであり、上申書の内容によって、上記判断に影響を与える与えるものとみることはできないから、審理再開の必要は認めない。
(5)小括
以上によれば、本件商標の本件商標権者は要証期間に日本国内において、請求に係る指定商品中、第34類「電子タバコ」又は「電子式喫煙用具及びその部品」について、本件商標と社会通念上同一の商標を付して広告宣伝したものと認められる。
そして、本件商標権者による上記行為は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「電子タバコ」又は「電子式喫煙用具及びその部品」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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