結論テキスト
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025009820 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本願は、令和6年4月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 9月 6日 :刊行物等提出書の提出
令和6年11月 8日 :刊行物等提出書の提出
令和6年12月18日付け:拒絶理由通知書の提出
令和7年 2月20日受付:意見書の提出
令和7年 3月28日付け:拒絶査定
令和7年 6月 9日受付:審判請求書の提出
本願商標は、「ビヨット」の片仮名及び「VIYOTT」の欧文字を上下2段に横書きしてなり、第29類「乳製品」を指定商品として、令和6年4月17日に登録出願されたものである。
原査定は、以下の1及び2のとおり認定判断し、本願を拒絶したものである。
そして、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、本願の指定商品は、引用商標の使用する商品「ヨーグルト」を含むものであるから、出願人が、引用商標の存在を知り得ることなく、偶然に引用商標と類似の本願商標を、引用商標の使用商品を含む商品を指定商品として採択し、登録出願したとは考え難く、むしろ、出願人は、引用商標の存在を知った上で、これが我が国において商標登録されていないことを奇貨として、先取り的な意図をもって、本願商標を登録出願したものと推認するのが相当である。
したがって、本願商標は、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものであり、登録を認めることは商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。
そして、本願商標と引用商標とは類似の商標であり、本願の指定商品は、引用商標の使用する商品「ヨーグルト」を含むものであるから、出願人は、本願商標が大韓民国における需要者の間に広く認識されている引用商標と類似することを認識しつつ、本願商標を自らの商標として、その指定商品に使用することによって、不当な利益を得る目的で本願商標の登録出願をしたものと推認するのが相当である。
したがって、本願商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして、大韓民国における需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した商標は、後記2によれば、大韓民国ソウル所在の「ソウル デアリー コーポラティブ(ソウル デアリー)」などがその業務に係る商品に使用する「VIYOTT」(「Viyott」又は「viyott」を含む。)である。
請求人(出願人)の主張、原審が提示した証左、原審において提出された令和6年9月6日付け刊行物等提出書の参考資料1ないし参考資料6及び同年11月8日付け刊行物等提出書の参考資料1ないし参考資料3における証左によれば、以下のとおりである。
(1)原審が提示した証左について
原審は5つの証左(別掲参照)を提示しているところ、これらによれば、「「ビヨット」とは韓国のヨーグルト」(別掲の(1))、「韓国で発見したチョコレート入りのヨーグルト「ビヨット(viyott)」が日本でも流行りそう」」(別掲の(2))、「ビヨットとは、韓国で人気のヨーグルトブランド」(別掲の(3))、「「ソウル牛乳」でお馴染みの(株)ソウル牛乳協同組合が2004年から販売している国内初トッピングヨーグルト「ビヨット(viyott)」が、直近の5年間で約1億9千個の販売を達成し、年々売上を伸ばすなど再注目を集めている。」(別掲の(4))の記載が確認できる。
(2)刊行物等提出書における証左について
ア 「Viyottは、“lively”を意味する“Vi”と、新しい世代のヨーグルトの発音“yott”を組み合わせた」ものであり、また、「2004年に初めて発表されたViyottは、韓国における初めてのトッピングヨーグルトで、プレーンヨーグルトとシリアルを同時に食べることを叶え」、「「トッピングヨーグルト」という新しい市場を開拓し、消費者の選択肢を拡大し、乳製品の消費トレンドを反映した」と韓国語のウェブサイトの抄訳に記載がある(11月8日付け刊行物等提出書の参考資料1の3葉目)。
イ 「韓国に来たら食べるべき食品 7億7000万ユニットを販売したヨーグルトの帝王“Viyott”」、「国内乳製品企業第一位のソウル デアリー コーポラティブ(ソウル デアリー)を代表する製品の一つは、韓国初のトッピングヨーグルトであるViyottだ。」、「ソウル デアリーによると、Viyottは2004年の発売から先月までに7億7000万ユニット以上が販売された。」、「Viyottの市場シェアは依然として70%を越える。年間売り上げは500億ウォン。」と韓国語のウェブサイトの抄訳に記載がある(11月8日付け刊行物等提出書の参考資料2の3葉目)。
ウ 11月8日付け刊行物等提出書の「提出の理由」欄に、「広告宣伝費用は、2020年が26億8600万ウォン、2021年が57億3700万ウォン、2022年が27億7600万ウォン、本年が9月時点で7億ウォンとなっています。」の記載がある。
(3)上記の事実によれば、「ビヨット」(viyott)と称するヨーグルトが2004年から韓国で販売されていることはうかがえるものの、上記(2)アないしウの刊行物等提出書で述べられた、引用商標を使用したとされる製品の販売数量や広告宣伝費用とされる数値を裏付ける具体的な証拠は確認することができない上、これらの数値の多寡について、同業他社の同種商品と比較することができる販売実績の数値等を客観的に把握できる証拠の提出もない。
そして、上記の他に、引用商標の周知性を数量的に判断し得る証拠の提出はなく、当審における職権調査によっても、引用商標についての使用態様、使用期間及び使用地域等、それを使用する商品についての売上高、シェアなどの販売実績、広告宣伝の方法、期間、地域及び規模について、その事実を客観的かつ具体的に示す証拠を確認することができないことから、我が国や韓国における引用商標の認知度の程度を把握、評価することができない。
また、「ビヨット」(viyott)と称する商品(ヨーグルト)について、その商品の販売等を行っている者が「ソウル デアリー コーポラティブ」、「(株)ソウル牛乳協同組合」、「ソウルミルク協同組合」など異なる名称の団体による表記がされているため、引用商標がいずれの者の業務に係る商品を表示するものとして需要者に認識されるか直ちに特定することができない。
そうすると、原審が提示した証左及び刊行物等提出書における証左並びに当審における職権調査によっては、引用商標が、本願商標の登録出願時及び審決時において、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国(韓国)における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
引用商標は、上記2のとおり、本願商標の登録出願時及び審決時において、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国(韓国)における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
また、請求人(出願人)が、引用商標の存在を知った上で、これが我が国において商標登録されていないことを奇貨として、先取り的な意図をして剽窃的に出願されたものであって、高額で買い取らせる又は他人の事業活動を阻害する等の目的など、本願商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠く、又は本願商標をその指定商品について使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものとすべき具体的事実を発見することができない。
その他、本願商標が公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
引用商標は、上記2のとおり、本願商標の登録出願時及び審決時において、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国(韓国)における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
また、本願商標の登録出願時及び審決時において、請求人(出願人)が外国権利者の国内参入を阻止し、又は国内代理店契約を強制する目的、又は引用商標の顧客吸引力を希釈化若しくは便乗し不当な利益を得るなどの目的のもとに出願したと認めるに足りる具体的事実を発見することはできない。
そうすると、本願商標は、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものとはいえない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当するものとはいえないことから、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願についての拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。