結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025012996 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年7月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年2月25日付け :拒絶理由通知書
令和7年5月12日 :意見書の提出
令和7年5月19日付け :拒絶査定
令和7年8月19日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和7年8月21日 :手続補足書の提出
令和7年12月16日付け:審尋
令和8年2月1日 :回答書の提出
本願商標は、「加藤ゼミナール」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第16類、第41類、第42類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願商標の指定役務は、上記1の手続補正書により、第41類「司法試験又は司法試験予備試験に関する知識の教授」に補正されたものである。
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏である「加藤」の文字と、塾又は予備校名の一部として慣用的に用いられている「ゼミナール」の文字を結合した、ありふれた名称というのが相当であるから、商標法第3条第1項第4号に該当する。また、提出された証拠によっては、本願商標がその指定商品及び指定役務について、商標法第3条第2項の要件を具備するものとも認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
当審において、令和7年12月16日付け審尋により、本願商標が商標法第3条第1項第4号に該当するとの暫定的見解を示し、商標法第3条第2項の要件を具備する旨の主張をする場合には、本願商標が、指定役務について使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものとなっていることを立証するよう述べた上で、期間を指定し、請求人に対し回答を求めた。
請求人は、2021年ないし2026年まで一貫して、司法試験等に関する知識の教授について本願商標を使用していること、請求人が開講している講座・授業(すなわち司法試験又は司法試験予備試験に関する知識の教授)について、司法試験を得るために入学する必要がある法科大学院の受験者数、司法試験予備試験の受験者数及び司法試験の受験者数の中で請求人の講座・授業の受講者数が相当数を占めていること、本願商標を使用して各種広告・広報活動を行っていること、指定役務の市場において、請求人に係る役務の売上げが多額であること、請求人以外に本願商標を指定役務に使用している者がいないことから、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものである。
(1)本願商標の商標法第3条第1項第4号該当性について
本願商標は、「加藤ゼミナール」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「加藤」の文字は、別掲1のとおり、「姓氏の一つ。」を意味し、我が国においてありふれた氏の一つと一般に認識されるものであり、また、「ゼミナール」の文字部分は「大学の教育方法の一つ。」や「一般に、講習会。」を意味し、別掲2のとおり、「塾」や「予備校」等の名称として一般的に使用されているものである。
そして、別掲3のとおり、本願指定役務を含めた知識の教授に関する分野において、氏と「ゼミナール」の文字を組み合わせた名称が使用されている実情も見受けられる。
そうすると、本願商標は、ありふれた氏である「加藤」の文字と、業種名として普通に使用されているといえる「ゼミナール」の文字とを結合したものであるから、これをその指定役務である「司法試験又は司法試験予備試験に関する知識の教授」に使用しても、これに接する需要者は、その構成文字全体として、ありふれた名称を表示したものと理解するものであり、かつ、標準文字で表されたものであるから、本願商標は、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。
(2)商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて
ア 請求人は、本願商標は、請求人による使用の結果、取引者、需要者が請求人の業務に係る役務であることを認識することができる状態に至っており、商標法第3条第2項により登録が認められるべきものである旨主張し、原審において参考資料1ないし参考資料4、当審において甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)及び参考資料1ないし参考資料14(審決注:以下、当審において提出された「参考資料1ないし参考資料14」を「甲第10号証ないし甲第23号証」と読み替え、「甲〇」と表記する。)を提出している。
請求人が提出した証拠及び主張によれば、以下のとおりである。
(ア)請求人は、令和3年4月1日に設立された法人であり、本願の指定役務である「司法試験又は司法試験予備試験に関する知識の教授」の役務を提供する際に、本願商標と社会通念上同一と認められる「加藤ゼミナール」の文字を、出願人のホームページやテキスト等において、請求人の商号、塾名として使用している(甲1ないし甲3)。
(イ)2024年司法試験において、最終合格者1592名のうち、請求人の講義を受講した者が356名存在するとされる(主張)。
(ウ)請求人は、2023年4月頃から、X(旧Twitter)、Youotube及びGoogleにおいて、「加藤ゼミナール」の文字を使用して、指定役務の広告を行っている(甲5ないし甲7)。
(エ)「加藤ゼミナール」の文字を使用した指定役務について、NHKドラマガイド「虎に翼Vol.1(2024年4月30日発行)」及び「虎に翼Vol.2(2024年8月30日発行)」において広告されており、また、2025年10月頃からは、都営三田線、都営新宿線、都営大江戸線及び都営三田線において、ドアステッカー形式の広告が行われている(甲19ないし甲21)。
(オ)ぎょうけい新聞社発行の書籍「煌めくオンリーワン・ナンバーワン企業 2025年版」や、2024年2月23日放送の、TOKYO MXの地上波放送番組「カンニング竹山のイチバン研究所」等において、他人により、「加藤ゼミナール」の文字を使用した請求人の指定役務に関する事業が取り上げられ、同番組は、請求人が運営するYoutubeにアップロードされている(参考資料4及び甲8)。
(カ)請求人は、令和5年度で1億9682万円、令和6年度で2億7163万円の売上げがある(甲22及び甲23)。
イ 上記アによれば、請求人は、令和3年(2021年)頃より、「加藤ゼミナール」の文字を使用して、本願指定役務である「司法試験又は司法試験予備試験に関する知識の教授」を提供していること、請求人が、自ら提供する指定役務について、複数の媒体で、「加藤ゼミナール」の文字を使用した広告を行っていたこと、及び、「加藤ゼミナール」の文字を使用した請求人の提供する指定役務について、他人により紹介されていたことはうかがえる。
しかしながら、請求人に係る売上額については、それが「加藤ゼミナール」の文字を使用した役務に係るものであるかが不明である上、市場占有率等を示す証拠の提出もなく、他の同業者と比較することもできないから、その額の多寡について評価することはできない。また、請求人の講義を受講した者の人数についても、請求人が主張するのみであって、その事実を客観的に裏付ける証拠の提出がないだけでなく、仮に当該受講者数が事実であるとしても、他の同業者の講義受講者の人数が不明であり、その人数の多寡について評価することはできない。
さらに、請求人による各広告や、第三者による紹介については、その期間、回数、地域が不明であるか、限定的なものである。
以上のことからすれば、「加藤ゼミナール」の文字からなる本願商標が、請求人により使用された結果、請求人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の全国の需要者に広く認識されていることが推認できるほどに、全国的な周知・著名性を獲得したものということはできない。
したがって、本願商標は、請求人の業務に係る役務の出所表示として広く認識されているとはいえないものであるから、これを請求人がその指定役務に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識するに至っているものということはできない。
ウ 以上によれば、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものと認めることができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当し、かつ、同条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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