結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025014321 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年5月20日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和6年12月 5日付け:拒絶理由通知書
令和7年 2月18日 :意見書の提出
令和7年 3月28日付け:手続補正指示書
令和7年 4月23日 :上申書
令和7年 7月 7日付け:拒絶査定
令和7年 9月10日 :審判請求書の提出
本願商標は、「DELTA FITNESS GYM 24H」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,スポーツの興行の企画・運営又は開催,運動施設の提供,運動用具の貸与,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定役務として登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5276666号商標(以下「引用商標」という。)は、「デルタ」及び「DELTA」の文字を二段に横書きしてなり、平成21年4月3日に登録出願、第41類「スポーツ・栄養に関するセミナーの企画・運営又は開催,運動施設の提供,スポーツジムの提供,スポーツジムの提供に関する情報の提供」を指定役務として、同年10月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(1)結合商標の類否判断について
複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されないが、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成部分全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、商標の構成部分の一部が需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部を要部として取り出し、これと他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されると解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
(2)本願商標について
本願商標は、「DELTA FITNESS GYM 24H」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、語頭の「DELTA」の文字は、「(河口の)三角州,デルタ(地帯)」(株式会社大修館書店「ベーシックジーニアス英和辞典第3版」)を意味する語である。
一方、構成中の「FITNESS GYM」の文字は、「アスレチックジム・プール・サウナなど,健康維持のための各種運動設備をもつ施設。」(株式会社三省堂「コンサイスカタカナ語辞典第5版」)を意味する語であり、また、「24H」の文字は、原審説示のとおり、24時間利用できることを表すものとして使用されている語であって、本願商標の指定役務中「運動施設の提供」との関係では、いずれも役務の質を表したものと認識されるものであるから、「FITNESS GYM 24H」の文字部分は、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱く、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものというのが相当である。
そうすると、上記(1)の結合商標の類否判断の基準に照らせば、本願商標については、その構成中、視覚上目につきやすい語頭に配された「DELTA」の文字部分が需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、「FITNESS GYM 24H」の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないといえるから、「DELTA」の文字部分を要部(以下「本願商標の要部」という場合がある。)として取り出し、これを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その要部である「DELTA」の文字部分に相応して、「デルタ」の称呼を生じ、「(河口の)三角州,デルタ(地帯)」の観念を生じるものである。
(3)引用商標について
引用商標は、「デルタ」及び「DELTA」の文字を上下二段に横書きしてなるから、当該文字に相応して、上記(2)と同様に、「デルタ」の称呼を生じ、「(河口の)三角州,デルタ(地帯)」の観念を生じるものである。
(4)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観については、その全体構成において差異を有するものの、本願商標の要部と引用商標を比較したときには、「DELTA」のつづりを共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものである。
また、本願商標の要部と引用商標は、「デルタ」の称呼及び「(河口の)三角州,デルタ(地帯)」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標の要部と引用商標は、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、本願商標と引用商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(5)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願商標の指定役務中の第41類「運動施設の提供」は、引用商標の指定役務中の第41類「運動施設の提供,スポーツジムの提供,スポーツジムの提供に関する情報の提供」と同一又は類似の役務である。
(6)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)請求人は、「delta」の文字は「delta ray(デルタ線)」や「delta wing(三角翼)」のように、他の言葉と結合して一体的な態様で用いられるものであるから、本願商標を構成する「DELTA FITNESS GYM 24H」の文字又は「DELTA FITNESS GYM」の文字部分は一体不可分のものとして把握される旨主張する。
しかしながら、本願商標構成中の「FITNESS GYM 24H」の文字部分は、上記1(2)のとおり、本願商標の指定役務中「運動施設の提供」との関係で、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものといえる。その一方で、「DELTA」の文字部分は、自他役務の識別標識としての機能を果たす部分であるから、本願商標全体又はその構成中の「DELTA FITNESS GYM」の文字部分が、常に一体不可分なものとして理解、認識されるとはいえない。また、「delta ○○」の構成からなる既成語が存在することをもって、本願商標が常に一体不可分なものとして理解、認識されるとみるべき理由にはならない。
(2)請求人は、過去の併存登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、商標の類否判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例と本願商標とは、商標の具体的構成等において事案を異にするものである。
(3)したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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