結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025016604 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年11月20日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 6月12日付け:拒絶理由通知書
令和7年 7月17日受付:意見書
令和7年 8月27日付け:拒絶査定
令和7年10月17日 :審判請求書
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第41類、第44類及び第45類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下の商標をまとめて「引用商標」という場合がある。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6135423号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「I-TR(アイトレ)」の文字を標準文字で表してなる。
登録出願日:平成30年6月15日
設定登録日:平成31年4月 5日
指定役務:第41類「
技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)
,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,
電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与
」
なお、下線は本願商標の指定役務と同一又は類似の役務であることを示している。
(2)登録第6572137号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:令和3年11月22日
設定登録日:令和4年 6月15日
指定役務:別掲4のとおり
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「あいトレ」の文字を横書きしてなるところ、該文字に相応して「アイトレ」の称呼が生ずること明らかであり、また、該文字は、一般的な辞書等に掲載された語ではなく、特定の観念を生じない造語であると理解されるものである。
(2)引用商標1について
引用商標1は、「I-TR(アイトレ)」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「I-TR」及び「アイトレ」の文字は、一般的な辞書等に掲載された語ではなく、特定の観念を生じない造語であると理解されるものである。
そして、その構成中、後半の「アイトレ」の文字部分は括弧に囲まれて表されていること、「アイトレ」の文字が「I-TR」の文字の読みを表したものと直ちには認められないこと、文字種(欧文字と片仮名)が異なることから、本願商標は、「I-TR」と「(アイトレ)」の二語から構成されているものと、認識・理解されるものであり、かつ、両語は、観念上のつながりがないことからすれば、これらを常に一体不可分のものとして把握しなければならないものではない。
そうすると、引用商標1の構成中の「アイトレ」の文字部分も、独立して自他役務の識別標識としての機能を有する部分として認識され、これに接する取引者、需要者は、「アイトレ」の文字部分に着目し、当該文字部分をもって取引に当たる場合も少なくないものといえるから、引用商標1から、「アイトレ」の文字部分を要部の一つとして分離、抽出し、これと他人の商標とを比較して商標の類否を判断することも許される。
してみれば、引用商標1は、その構成文字全体から生じる「アイティーアールアイトレ」の称呼の他、「I-TR」の文字部分に相応して、「アイティーアール」の称呼を、また、「アイトレ」の文字部分に相応して、「アイトレ」の称呼を生じ、特定の観念を生じるものではない。
(3)引用商標2について
引用商標2は、別掲3のとおり、雲型の図形(ピンク色)内に「アイトレ」の文字を白抜きして表したものを上方に、その下方に、同じくピンク色の「iトレ」の文字(「i」の文字の点部分は、まつげを有する目玉のようにデザイン化されている。以下同じ。)を大きく配してなるところ、上方の文字が下方の文字の読みを特定したものと無理なく理解されるものであるから、下方の文字は、「iトレ」の文字を、一部デザイン化して表したと認識されるものである。
そして、引用商標2の構成中「アイトレ」及び「iトレ」の文字は、一般的な辞書等に掲載された語ではなく、特定の観念を生じない造語であると理解されるものである。
そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して「アイトレ」の称呼を生じ、特定の観念を生じるものではない。
(4)本願商標と引用商標の類否について
ア 外観について、本願商標と引用商標1の要部の1つである「アイトレ」の文字部分を比較すると、構成する文字の一部の文字種が相違するとしても、同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記されることが一般的に行われていることからすれば、両商標における文字種の相違(「あい」と「アイ」)が、取引者、需要者に対し出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
また、引用商標2の構成中の「iトレ」の文字部分については、多少図案化されているとしても「iトレ」の文字を表したものと容易に認識させるものであるところ、本願商標と引用商標2の構成中の「アイトレ」及び「iトレ」の文字とは、構成する文字の一部の文字種が相違するとしても、同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記されることが一般的に行われていることからすれば、両商標における文字種の相違(「あい」と「アイ」及び「i」)が、取引者、需要者に対し出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
イ 次に、称呼について、本願商標と引用商標とは、「アイトレ」の称呼を共通にする。
ウ さらに、観念については、いずれも造語であることから比較できない。
エ そうすると、本願商標と引用商標は、観念については比較できないとしても、外観上の差異が強い印象を与えるとまではいえず、称呼を共通にすることから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(5)請求人の主張について
請求人は、本願商標から「愛のあるトレーニング」の意味合いが生じ、引用商標から「目のトレーニング」の意味合いが生じるから、両者から生じる観念は明らかに異なり、相紛れるおそれはない旨を主張する。
しかしながら、本願商標の指定役務を取り扱う業界において、「あいトレ」の文字が「愛のあるトレーニング」の意味合いを、また、「アイトレ」及び「iトレ」の文字が、「目のトレーニング」ほどの意味合いを表す語として広く一般に使用されている事実は確認出来ず、また、「あい」の文字が「愛」の意味合いに、「アイ」及び「i」の文字が「目(eye)」の意味合いに、「トレ」の文字が「トレーニング」の意味合いで理解されるという事情も見当たらないものであるから、これらの語は、上記(1)ないし(3)のとおり、特定の観念を生じない造語であると判断するのが自然である。
(6)本願商標と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。
例えば、本願商標の指定役務中、第41類「心身の健康維持のための技芸・スポーツ又は知識の教授,講演による知識の教授,介護に関する知識の教授,高齢者に対する知識の教授,高齢者の日常生活及び介護施設内における健康維持・促進のための運動の指導,運動の指導又は教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供又はコンサルティング」は、引用商標の指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」と同一又は類似であり、本願商標の指定役務中、第44類「入浴施設の提供」は、引用商標2の指定役務中、第44類「入浴施設の提供」と同一又は類似である。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、それら指定役務は同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。